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しおりを挟むどれくらいの時間泣いていたのか......気付けばまだ明るかった部屋はほんのり薄暗くなっていた
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を拭こうと近くに置かれたティッシュを手に取れば楓に顔を覗き込まれた
「ふふっ、、、お前顔ひでぇぞ」
「なっ!、、、知ってるよ!!だから今拭こうと思って!!」
「あぁはいはい。ほら尚也くん鼻チーンってしてごらん。」
そう言いながら俺が手に取ったティッシュを奪い鼻に当ててくる
「お前バカにしてるだろ、、、」
「そんな事ないよ、、、ふふっ」
「自分でやるから!」
そう言いながら楓からティッシュを奪い返し鼻をかむ
すると「尚也くん上手ねぇ~」なんて言いながら頭を撫でてくる
「子供扱いすんな」
「えーでもさ、さっきの尚也は子供のようだったよ。」
「あれは、、、忘れろ」
「んー無理かなぁ」
「優しい奴とか思ったのに、、、」
「えー俺は優しいでしょ!少なくとも尚也に対しては優しくしてるつもりですけど?」
その言葉に思わず黙ってしまう
楓にはるにぃへの気持ちをうちあけてから何度も救われているのは事実で、、、
「それは、、、まぁ、、確かに」そう言いながら楓の方を見れば優しく俺の事を見ていて思わずドキッとする
少し早くなった鼓動に気付いて慌てて視線をそらしてしまう
すると「どうした?俺の良さやっと分かった?」なんてふざけたように言ってくるから「その感じで台無しだな」と言えば「これも魅力の一つ」なんてドヤ顔で言うからおかしくて、笑いながら「確かにそうかもね。いつも助けられてる気がする、ありがとう」そう言った瞬間、楓は驚いた顔をしたかと思えば顔を逸らした
不思議に思えば髪の隙間から見える耳がほんのり赤くなってる気がして、、、そっと顔を覗き込めば同じようにその顔も赤くなっていて
「もしかして照れてる?」なんてさっき笑われた仕返しに言ってみれば慌てたように「違うから!」と立ち上がる
あまり見れない楓のそんな姿に楽しくなって、俺も立ち上がり楓の前へ移動して下から見上げながら「かーえーで!いつもありがとな!」そう言って笑顔を見せれば「お前ほんと......タチわりぃ」なんて言いながら顔を隠す
楓がいつも俺を揶揄う理由が何となく分かった気がして、、、楽しいなこれ。そう思いながらさらに楓に近付けば「お前ほんと....もうやめろ。」そう言いながら俺の肩を軽くおした
つま先立ちで楓を覗き込んでいた俺は軽くおしたその力でもバランスを崩してしまい、後ろに倒れる、、、そう思った瞬間楓が「やべっ」そう言いながら俺の腕を掴み自分の方へ引き寄せた
引き寄せられた俺は、楓の胸に飛び込む形になり目の前に広がる楓の胸筋に驚いて「ごめん!」と言いながら慌てて離れる
「おう、、、俺こそごめん。」そう言いながら下を向く楓の顔も耳もさっきより何だか赤い気がした、、、
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