幼馴染の彼

あんにん

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   あの日から家の近くで碧さんを見かけることが増えた
   目が合えばはるにぃとの距離を近づける碧さんの行動にやっぱりあの日俺の気持ちが碧さんにバレたのではないかと思う

   "そんなに見せつけなくても.....俺がその位置に立てることはないのに、、、"

   2人を見かける度に痛む胸を抑えながら早足で家に入る日々
   気にしないように、、、そう言い聞かせても視界に入ってしまえば自然と痛む胸はどうしようもなくて.....

   寄り道したりして帰る時間をずらしても、数日経てばそれに合わせてやってくる碧さん

   どうしてここまでするのか分からなかった
   あの日からはるにぃとは会う事も減り、やり取りすらも数えられる程度しかしていなかった

   いくら考えても分からない....そう思っていたある日の休日
   楓の家へ向かう為家を出ると、はるにぃの家へ来た碧さんと鉢合わせた
   軽くお辞儀だけをして通り過ぎようとした時俺の腕を掴めば耳元に顔を近づけこう告げた

  「俺がヒートの連絡した時邪魔したのお前だよね?余計な事しないでくれる?陽斗は俺のだから、、、お前の気持ちなんて迷惑なんだよ。」

   言い終われば軽く舌打ちをして去っていく
   言われた事が頭の中でぐるぐると回って消化出来ない、、、
   
   ヒートの連絡、、邪魔、、、碧さんはそれも気付いていた、、、?なんで、、、はるにぃが話したのだろうか、、、考えていればふと気づく。
   君だよね?と疑問形で話していた事に....俺がはるにぃから勉強を教えて貰っていた事を知っていてそれで勘づいたのだろうか、、、

   いずれにしろ気持ちも、それによって俺がしてしまった事もすべて知られていた
   今までの行動すべて、俺がまた余計な事をしないようにする為だったのだろう

   "そんな事しなくてももう諦めてるよ、、ベータの俺じゃどう頑張ったって無理なんだから。それをあの日思い知らされたんだから、、、"

   頭ではそう思っていても心は追いついていなくて
   滲む視界にツンと痛くなる鼻先
  
「 『お前の気持ちなんて迷惑なんだよ』か...確かにそうだよな、、、でも、、、この気持ちの消し方を俺は知らないんだよ、、、」

   ボソッと呟いた声は誰に届く事もなく消えていく
   その時震える携帯に視線を移せば楓からで....俺は縋るように電話に出た
   
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