宇宙戦鬼バキュラビビーの情愛

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番外編:ハラダレミーの友愛

路地裏チ●●と飯塚一音

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 ある日、私が路地裏で彼氏のチ●●をしゃぶっていると、建物の角からこちらをのぞき込んでいる女と目が合った。

 黒いコートを羽織ったその女の顔は、私が昔からよーく知っている顔だった。

 幼稚園からの付き合いの幼馴染、飯塚一音いいづかかずね

 彼女のも私であることに気づいたのだろう。一瞬、目を丸くしたかと思うと、顔を背けて立ちさろうとした。

 私はちゅぽっと音を立ててチ●●から口を放すと、

「ドーちん!」

 と、大きな声で一音に呼びかけた。

 建物の陰に隠れようとした彼女の右足が、ぴたりと止まったのが見えた。

「こんなとこで会うなんて奇遇じゃん! こっちおいでよ!」

 私はなおも声をかける。

「で、でも……邪魔しちゃダメでしょ?」

 言いながら、おずおずと顔を出す一音。

「いいの! いいの! こんなのいつだってできるんだから!」

 そう言い返すと、私は口をハンカチで拭って一音のもとへ駆け寄った。

「私はね、あんたとの時間のほうが大事なの、マイハニ~♡」

 そして抱き着いた。

 私の一番の友達。私の一番の幼馴染。

 一の音だからドレミのドーちゃん。

 ちぢめてドーちん!

 幼稚園からの、長い付き合いの幼馴染。

 私の最愛の幼馴染。

 一音に愛のこもったほおずりを繰り返していると、

「あのー、レミー? 私はいいけど、あの人が困ってるよ」

 と、あきれたような声で言われた。

「彼氏のこと? いいの、いいの、ほおっとけば」

 いまいちパッとしないやつだしねー。

 今回は人の好さそうな、公務員で事務職でそこそこの年収の手堅~いのを選んだけど……、やっぱダメだね。

 刺激がないのよねー。男はヤバさがないとね。

「そういうわけにはいかないでしょ、もう!」

 しがみつく私をふりほどくと、一音は(ようやくジーンズを履き終わった)彼氏、とおるに近寄り、深々と頭を下げた。

「レミがすみません。いつもお世話になっています。こんな感じで勝手で気ままで自由なものだから、大変でしょう? 今度わたしからも言っておくので、どうぞ見捨てないでこれからも……」

 あんたはオカンか。

「ちょっとまって、なんで私がトールから見捨てられないといけないの! 捨てるかどうか決めるのは私のほうなんだからね!」

 割って入ろうとするものの、

「こう見えていいところもいっぱいあるんです。さっきも、その、してもらってたの、よかったでしょ?
 レミーはですね、そういうの、すごいんです。わたし、とてもあこがれてしまって……口いっぱいにほおばってて、その……のどの奥まで咥えたら、どうなっちゃうのかって、私、いつも気になっちゃって……」

「やめんか、このドM」

妄想がとまらなくなるドMを、愛の首絞めで無理やり黙らせた。

ドーちんこと飯塚一音は、私の自慢の友達だ。

誰よりも正しくて、誰よりも優しい。

誰よりも素敵な女の子……なんだけど……。

困ったことに彼女は、エロに夢見る神聖ドM処女婦女子なのだった。

一度あっちの世界に入ってしまうと戻ってくるのに時間がかかる。

「レミ、そろそろ離してやりなよ……」

さっきまで人形のようにぽかんとしていた透が、きつのまにか人間の魂を取り戻していた。

「そのままだと、窒息する」

おっと、一音が白目をむきかけている。

私があわてて腕をはなすと、一音がゲホゲホと盛大にせき込んだ。

「大丈夫かい?」

と、サッとハンカチを取り出す透。

こういう気遣いができるのがコイツのいいところだ。

「ありがとう、ございます」

そう言いながら、一音はハンカチを受け取る。

その、二人の目が合う一瞬を、私は見逃さない。

一音の目にときめきの色が走るのを。

透の瞳に愛おしそうな色が宿るのを。

私は、見逃さないのである!

(これは、もしかしたら、もしかしちゃう?)

わたしのモノをとられるのは、すこーーーしだけシャクだけど、意外と、このお人好しの二人はお似合いかもしれない。

(これは最高の出会いかもね。出会いのきっかけが、私のおしゃぶりってこと以外はね!)

そんな意地の悪いことを考えて、ニヤニヤしてしまう。

それが私、原田麗美はらだれみという人間なのだった。
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