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残夜
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焦りは失敗を招き、その失敗が些細な事であればあるほど焦りが増す。そして、再び失敗をする。そのループに陥ると、抜け出すのは難しい。
「では、申し訳ありませんが、これをグランの元へ」
「はい」
書類を抱えて足早に出て行く補佐官の背中を見つめ、ツェーダンは大きく息をついた。
最近どうも体が重い。ストレスの所為か、腹もシクシクと痛む。挙句に弱った体は、ここしばらく食べ物を受け付けず。極めつけは眠気。心労からくる疲労が蓄積しているせいか、やけに眠い。一度何処かでリセットしなければ、とは思うのだが、夜になると眠れず、朝にウトウトして昼間に急激な眠気が襲ってくる。
オールターも気付いているようで、寝る時は隙間もないくらいに抱きしめてくれるのだが、それがツェーダンの更なる心労に繋がっているとは夢にも思わないだろう。オールターの熱を、匂いを感じる度に、パーティーでサフィールと並び立っていた姿を思い出し、悩みに眠れぬ夜を過ごしている事に。
「とは言え、最近、ミスが多い……。どうにかしないと……」
心なしか、最近は文官たちの視線を感じる。少し前までは、こっそり様子を伺われていた感じだったのが、今ではチラチラと視線を感じる回数が多くなっている気がするのだ。その視線が、正直重い。
丁度良く、午後の休息の時を知らせる音色が響き。そのままツェーダンはずぶずぶと眠りに落ちていった。
控えめなノックの後にそっと顔をのぞかせたオリーブンが、そっと顔を伏せて踵を返していった。
「以上です」
「そうか。下がってくれ」
丁寧に礼をした文官が一人下がっていく。それを見送って、オールターはやれやれと天を仰いだ。
「相変わらず手こずるねぇ」
「煩い黙れ」
横から茶々が入るのを一蹴し、ギロリと声の主を睨みつける。ひらひらと手に持った紙片を揺らめかす狸――もといイルカの獣人はニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「天下のオールター王も、番には形無しだねぇ」
「黙れって言ってんだろうが」
うんざりしたように吐き捨てるが、ふっと真剣な眼差しを手元に堕としたグランに、オールターも顔を引きしめる。
「だが、正直な話、いい加減どうにかしろ。最近、ミスは多いし、やたら焦ってるし。正直あの雰囲気に文官たちもピリピリしてる。そのせいで、城の使用人達も何処か不安定だし、重臣たちも渋い顔をし始めている」
「分ってる」
揃ってため息をついた二人は、そっと窓の外に視線を向ける。遠くに見える城下は活気づき、明るく楽しそうだ。それを眺める二人は、楽しさとは無縁の面持ちだが。
「何でこうなった?」
「さぁな。前々から落ち着きがなかったのは確かだが、ここ最近は特にひどい。食事も睡眠もとれていないようだしな。このままでは体を壊す」
「重症だな。さりとて、それを防ぐために閉じ込めてみろ。今度は心が壊れて悪化する」
「ああ。どうしたものかと悩んでいる最中だ」
脳裏に浮かぶ、儚げな笑み。元々細い体が、城に戻って来てようやく丸みを帯びてきたのに、ここ最近で一気に逆戻りした。寧ろ、悪化したと言っていい。本人は隠しているつもりのようだが、最近では食事を前にすると気分が悪くなるらしく、無理に食べて後で戻している様子もある。そんな生活を続けて居れば、体が限界に達するだろう。
こっそり様子を教えるようにと命じた文官からの話を聞くに、仕事や環境のストレスがツェーダンに負荷を掛けているのは間違いない。
「いっそ出奔するか」
「やってみろ。ダンのヤツ、これ以上に暴走するぞ」
自棄になっている様子のオールターを殴りつける。本人としては、番と仔が最優先事項の為、出奔した所でせいせいするくらいのモノだ。だが、オールター以上に正義感が強く、誰よりもオールターを必要としているからこそ、自分だけのモノにできないと思っているツェーダンからすれば絶望ものだろう。それが分かっているからこそ、愚痴として吐きだす事しかしないのだ。
何やら不穏な事を考えて居そうなオールター。これ以上振り回されるのはごめんだ、とグランが心底嫌そうな顔をしたその時。
「陛下。お客様です」
「通せ」
部屋を守る近衛の声が聞こえ、待ち人が来たのだと許可を出す。間をおかず入ってきたその人物は予想に違わず。
「あら。ここも辛気臭い顔が揃ってるわねぇ」
「サフィール……」
大輪の笑みを浮かべた、美しい褐色の狼だった。
「で?今回は何を企んでる?」
「あら、開口一番失礼ね。何事かしら?」
挨拶も面倒だ、と早速本題を切り出す。しかし、サフィールは飄々とした様子で可愛らしく小首をかしげるだけ。普通の人が見たら、思わず見惚れるであろう可憐な笑み。しかし、真正面に受ける二人はうんざりした表情を隠さない。
「出た。あの笑みを浮かべてるとき、大体碌な事考えてねぇんだよなあの女」
「ちょっと黙らっしゃい、そこの狸」
「俺はイルカだ!」
三人とも古なじみである。お互い容赦なく口げんかする。最も、この程度あいさつ代わりなのだが。まだまだ喧嘩したりない様子の二人だが、長くなると面倒に思ったオールターに介入される。
「煩い狸。この書類片しておけ。その間くらい口噤んでろ。その程度、馬や鹿でも出来る」
「なんで俺ばっかり?!」
「当たり前だろう。俺はサフィールと話がある」
「理不尽!」
余計に仕事を押し付けられて撃沈する頭脳は置いておき、二人は向かい合う。じっと内面を見透かそうとするオールターに対し、内心を全く見せない完璧な笑みを浮かべるサフィール。
「アイツに、ツェルに何を言った?」
「あら。私が何か言ったという証拠でも?」
「いいや。ただ、時期的に考えて、お前が接触した時からおかしくなった。お前に話を聞こうとするのは当然だろう」
「いいえ。ナンセンスだわ。証拠もないのにそんな話するなんて。せめて、ツェーダンから聞いたなら兎も角……その様子では聞いていないのでしょう?」
意味ありげに視線を向けると、ぐっと黙り込んだオールターが眉間に皺を寄せる。やれやれ、と苦笑したサフィールは、扇を手に打ち付けて肩を竦めた。
「ならば、私の答えは一つだわ。"何も?"」
「何もしていない訳無いだろう!ツェルの性格はお前もよく知っているはずだ!」
ツェーダンの事は広く知れ渡っている。その功績も、その罪も。そして、その上でオールター王の庇護下にあるともなれば、手出しする者は限られる。その中で、あそこまでツェーダンにダメージを与えられるものは更に絞られる。懐に入れた者からの刃が、ツェーダンにとって一番痛みが強く、そして、懐に入れたからこそ憎む事も出来ずに苦しみ続ける。
そうなると、もはや該当者はサフィールしかいないのだ。かつて、オールターを除けば、クーデター派内部で最もツェーダンと親しくしていた者。ツェーダンを追い詰める事が出来るだけの立場がある者。それ以外の者は、既に白だと分かっている事もある。
言葉は激しく、しかし、その瞳はいつもにまして冷静に。そんなオールターを見つめるサフィールは、何故か冷やかな瞳の奥に、嬉しそうな色をちらつかせている。
「ええ。知っているわ。もしかしたら貴方以上に。恋は盲目ですもの。欠点も美点になれば、無意識のうちに数にあげない事もあるでしょうから」
クスッと笑って、赤い唇を引き上げる。じっと睨み合い、譲らない覚悟で向かい合う。
「二度目だ」
「何がかしら」
「お前が何を考えて居るのか全く分からず、不気味に思うのは。一回目は、お前が突然俺の婚約者として立候補してきた事だ」
「ふふ。そんな事もあったわね。左程時間が経っていないはずなのに、昔の事のように思えるわ」
楽しそうにコロコロ笑うサフィール。大して、不機嫌極まりない様子のオールターは、喉の奥で低く唸った。群れの頂点に立つ雄狼の本気の威嚇に、サフィールは苦笑した。
「お前が何を企んでいるのか、俺には分らん。だが、アイツに害をなすというなら話は別だ。何が何でも辞めさせる」
「あらあら。私は何もしていないと言っているのに、断罪するのかしら?随分な暴君です事」
その程度の器なら、王なんて向いていないわよ?そう宣った彼女は、くるりと踵を返して優雅に歩き出す。
「話はまだ終わっていない」
「あら、終わったわよ。最愛の番のはずの人から、全く相談を受けることのできない情けない雄である事が露呈したっていう結論で。違ったかしら?」
肩越しに嘲笑され、ぐっと言葉を飲み込む。ほら、そこで黙ってしまう。歌うように告げた彼女は、冷笑を零し踊るように退出してゆく。
「その程度の関係性しか気付けない、脆い番関係なら、さっさと話してあげた方があの子の為ではなくて?」
そんな台詞を残して。
「では、申し訳ありませんが、これをグランの元へ」
「はい」
書類を抱えて足早に出て行く補佐官の背中を見つめ、ツェーダンは大きく息をついた。
最近どうも体が重い。ストレスの所為か、腹もシクシクと痛む。挙句に弱った体は、ここしばらく食べ物を受け付けず。極めつけは眠気。心労からくる疲労が蓄積しているせいか、やけに眠い。一度何処かでリセットしなければ、とは思うのだが、夜になると眠れず、朝にウトウトして昼間に急激な眠気が襲ってくる。
オールターも気付いているようで、寝る時は隙間もないくらいに抱きしめてくれるのだが、それがツェーダンの更なる心労に繋がっているとは夢にも思わないだろう。オールターの熱を、匂いを感じる度に、パーティーでサフィールと並び立っていた姿を思い出し、悩みに眠れぬ夜を過ごしている事に。
「とは言え、最近、ミスが多い……。どうにかしないと……」
心なしか、最近は文官たちの視線を感じる。少し前までは、こっそり様子を伺われていた感じだったのが、今ではチラチラと視線を感じる回数が多くなっている気がするのだ。その視線が、正直重い。
丁度良く、午後の休息の時を知らせる音色が響き。そのままツェーダンはずぶずぶと眠りに落ちていった。
控えめなノックの後にそっと顔をのぞかせたオリーブンが、そっと顔を伏せて踵を返していった。
「以上です」
「そうか。下がってくれ」
丁寧に礼をした文官が一人下がっていく。それを見送って、オールターはやれやれと天を仰いだ。
「相変わらず手こずるねぇ」
「煩い黙れ」
横から茶々が入るのを一蹴し、ギロリと声の主を睨みつける。ひらひらと手に持った紙片を揺らめかす狸――もといイルカの獣人はニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「天下のオールター王も、番には形無しだねぇ」
「黙れって言ってんだろうが」
うんざりしたように吐き捨てるが、ふっと真剣な眼差しを手元に堕としたグランに、オールターも顔を引きしめる。
「だが、正直な話、いい加減どうにかしろ。最近、ミスは多いし、やたら焦ってるし。正直あの雰囲気に文官たちもピリピリしてる。そのせいで、城の使用人達も何処か不安定だし、重臣たちも渋い顔をし始めている」
「分ってる」
揃ってため息をついた二人は、そっと窓の外に視線を向ける。遠くに見える城下は活気づき、明るく楽しそうだ。それを眺める二人は、楽しさとは無縁の面持ちだが。
「何でこうなった?」
「さぁな。前々から落ち着きがなかったのは確かだが、ここ最近は特にひどい。食事も睡眠もとれていないようだしな。このままでは体を壊す」
「重症だな。さりとて、それを防ぐために閉じ込めてみろ。今度は心が壊れて悪化する」
「ああ。どうしたものかと悩んでいる最中だ」
脳裏に浮かぶ、儚げな笑み。元々細い体が、城に戻って来てようやく丸みを帯びてきたのに、ここ最近で一気に逆戻りした。寧ろ、悪化したと言っていい。本人は隠しているつもりのようだが、最近では食事を前にすると気分が悪くなるらしく、無理に食べて後で戻している様子もある。そんな生活を続けて居れば、体が限界に達するだろう。
こっそり様子を教えるようにと命じた文官からの話を聞くに、仕事や環境のストレスがツェーダンに負荷を掛けているのは間違いない。
「いっそ出奔するか」
「やってみろ。ダンのヤツ、これ以上に暴走するぞ」
自棄になっている様子のオールターを殴りつける。本人としては、番と仔が最優先事項の為、出奔した所でせいせいするくらいのモノだ。だが、オールター以上に正義感が強く、誰よりもオールターを必要としているからこそ、自分だけのモノにできないと思っているツェーダンからすれば絶望ものだろう。それが分かっているからこそ、愚痴として吐きだす事しかしないのだ。
何やら不穏な事を考えて居そうなオールター。これ以上振り回されるのはごめんだ、とグランが心底嫌そうな顔をしたその時。
「陛下。お客様です」
「通せ」
部屋を守る近衛の声が聞こえ、待ち人が来たのだと許可を出す。間をおかず入ってきたその人物は予想に違わず。
「あら。ここも辛気臭い顔が揃ってるわねぇ」
「サフィール……」
大輪の笑みを浮かべた、美しい褐色の狼だった。
「で?今回は何を企んでる?」
「あら、開口一番失礼ね。何事かしら?」
挨拶も面倒だ、と早速本題を切り出す。しかし、サフィールは飄々とした様子で可愛らしく小首をかしげるだけ。普通の人が見たら、思わず見惚れるであろう可憐な笑み。しかし、真正面に受ける二人はうんざりした表情を隠さない。
「出た。あの笑みを浮かべてるとき、大体碌な事考えてねぇんだよなあの女」
「ちょっと黙らっしゃい、そこの狸」
「俺はイルカだ!」
三人とも古なじみである。お互い容赦なく口げんかする。最も、この程度あいさつ代わりなのだが。まだまだ喧嘩したりない様子の二人だが、長くなると面倒に思ったオールターに介入される。
「煩い狸。この書類片しておけ。その間くらい口噤んでろ。その程度、馬や鹿でも出来る」
「なんで俺ばっかり?!」
「当たり前だろう。俺はサフィールと話がある」
「理不尽!」
余計に仕事を押し付けられて撃沈する頭脳は置いておき、二人は向かい合う。じっと内面を見透かそうとするオールターに対し、内心を全く見せない完璧な笑みを浮かべるサフィール。
「アイツに、ツェルに何を言った?」
「あら。私が何か言ったという証拠でも?」
「いいや。ただ、時期的に考えて、お前が接触した時からおかしくなった。お前に話を聞こうとするのは当然だろう」
「いいえ。ナンセンスだわ。証拠もないのにそんな話するなんて。せめて、ツェーダンから聞いたなら兎も角……その様子では聞いていないのでしょう?」
意味ありげに視線を向けると、ぐっと黙り込んだオールターが眉間に皺を寄せる。やれやれ、と苦笑したサフィールは、扇を手に打ち付けて肩を竦めた。
「ならば、私の答えは一つだわ。"何も?"」
「何もしていない訳無いだろう!ツェルの性格はお前もよく知っているはずだ!」
ツェーダンの事は広く知れ渡っている。その功績も、その罪も。そして、その上でオールター王の庇護下にあるともなれば、手出しする者は限られる。その中で、あそこまでツェーダンにダメージを与えられるものは更に絞られる。懐に入れた者からの刃が、ツェーダンにとって一番痛みが強く、そして、懐に入れたからこそ憎む事も出来ずに苦しみ続ける。
そうなると、もはや該当者はサフィールしかいないのだ。かつて、オールターを除けば、クーデター派内部で最もツェーダンと親しくしていた者。ツェーダンを追い詰める事が出来るだけの立場がある者。それ以外の者は、既に白だと分かっている事もある。
言葉は激しく、しかし、その瞳はいつもにまして冷静に。そんなオールターを見つめるサフィールは、何故か冷やかな瞳の奥に、嬉しそうな色をちらつかせている。
「ええ。知っているわ。もしかしたら貴方以上に。恋は盲目ですもの。欠点も美点になれば、無意識のうちに数にあげない事もあるでしょうから」
クスッと笑って、赤い唇を引き上げる。じっと睨み合い、譲らない覚悟で向かい合う。
「二度目だ」
「何がかしら」
「お前が何を考えて居るのか全く分からず、不気味に思うのは。一回目は、お前が突然俺の婚約者として立候補してきた事だ」
「ふふ。そんな事もあったわね。左程時間が経っていないはずなのに、昔の事のように思えるわ」
楽しそうにコロコロ笑うサフィール。大して、不機嫌極まりない様子のオールターは、喉の奥で低く唸った。群れの頂点に立つ雄狼の本気の威嚇に、サフィールは苦笑した。
「お前が何を企んでいるのか、俺には分らん。だが、アイツに害をなすというなら話は別だ。何が何でも辞めさせる」
「あらあら。私は何もしていないと言っているのに、断罪するのかしら?随分な暴君です事」
その程度の器なら、王なんて向いていないわよ?そう宣った彼女は、くるりと踵を返して優雅に歩き出す。
「話はまだ終わっていない」
「あら、終わったわよ。最愛の番のはずの人から、全く相談を受けることのできない情けない雄である事が露呈したっていう結論で。違ったかしら?」
肩越しに嘲笑され、ぐっと言葉を飲み込む。ほら、そこで黙ってしまう。歌うように告げた彼女は、冷笑を零し踊るように退出してゆく。
「その程度の関係性しか気付けない、脆い番関係なら、さっさと話してあげた方があの子の為ではなくて?」
そんな台詞を残して。
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