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残夜
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新進気鋭のウーリィ国。その発展の速さと国王の指導力から、近隣諸国からも注目されている。今日のパーティーもまた、そんな諸国の王をや重臣たちも招かれた盛大なものだ。
「本日は我が子リーラの為に集まってくれた事、感謝する。事情があって伸びてしまったが、ようやく披露目が出来た事、心から喜ばしく思う」
堂々たる姿勢を見せるオールター王。その手を肩に乗せて、小さな黒狼が凛とした表情で立っている。全く臆することなく事情があって表に出せなかったのだ、と言い放つオールターに毒気を抜かれて曖昧に笑うものも少なくない。それでも、ひそひそと交わされる会話。しかし、「本当にリーラ・クラスタインと呼ばれる少年はオールター王の息子なのか」という話はひとまず聞こえず。ツェーダンはそっと息を吐きだした。
「今日は楽しんでくれ」
その言葉を皮切りに、パーティーが始まった。
「疲れたか」
「ちょっと」
パーティーも中盤に差し掛かり、挨拶攻めにあっていた二人は礼儀としてファーストダンスを踊った。リーラもまた、今日の為に選ばれた狼の少女とダンスを披露していた。小さな狼たちが真剣にステップを踏む様子は微笑みを誘い、同時に披露された国王とその番のダンスは、堅実でありながら優雅であり感嘆を漏らさせた。
「驚いたよ。ルゥがちゃんとダンス踊れるなんて」
「俺を何だと思ってるんだ」
「無骨でダンス嫌い?」
「間違っちゃいないがな」
思いのほか楽しんでしまい、テンションの挙がった二人はそのまま何曲か踊った。その頃には他の者達もそれぞれのダンスに夢中となっており、そっと抜け出した二人に気付いていないようだ。
白磁の頬を紅に染めた番を、目を細めて見つめたオールターは、近くを通りかかった使用人からドリンクを受け取り一口含むと、そっとツェーダンに覆いかぶさった。普段なら羞恥から逃げ出すツェーダンだが、今はちょっとした興奮状態に加え、外からは伺いにくい場所である事と喉の渇きに負け、素直に受け入れる。もっと、というようにオールターの唇を舐めると、嬉しそうなオールターが再びグラスを煽り、口づける。
グラス一杯のドリンクを分け合って飲んだ二人は、そっと離れると近くにあったソファへ並んで腰かけた。あんまりなツェーダンからの評価に口を尖らせるオールター。クスクス笑ったツェーダンは、そっと肩を触れ合わせた。
「ツェルは元々貴族出身だしな。お前に恥をかかせることはしたくなかった」
「……」
さらっと告げられた、ダンス嫌いの癖にダンスが上手い理由。どこまでも群れが行動基準の彼らしい理由。ぱっと目元を染めたツェーダンは、おろおろと視線を泳がせ、ふとある一点に止めた。
「……随分と立派になった」
番の視線を追ったオールターに先を越され、ツェーダンはクスッと笑った。そつない笑顔で大人たちを交わしている黒狼の少年を、二人揃って暖かく見つめる。
「あの子の小さい頃を知らないのに」
「あの子がここに来た時からは知ってる。大きくなった」
「あの頃の子供はあっという間に大きくなるらしいからね」
「欲を言うならば、最初から見たかったがな」
父としては当然の想いだろう。申し訳なさが込み上げて、ツェーダンはうつむいた。オールターは、リーラに視線を向けたまま、しかし、ツェーダンに向けて力強く語り掛ける。
「何度でもいう。逃げた事も、これから逃げようとすることも、俺は責めない。だが、一言くらい相談してくれ。泣きごとを、愚痴を、痛みを吐きだしてくれ。それすらもしてくれないなら、番の雄としての立場がない。情けなくて死にそうだ」
はっと顔を上げると、オールターは漸くツェーダンに顔を向け、微笑んだ。ここ最近ツェーダンの様子がすぐれない事に、勿論オールターも気付いていた。その上で、ツェーダンから相談を持ち掛けてくれる事を信じて待っているのだ。
かつて直面した分岐点と、今まさに似たような分岐点に、ツェーダンはいる。それを前にして、以前と同じ選択をするのか否か、オールターは判断を待っているのだ。
「一人で抱え込むな。俺がいる。リーラもいる。それ以外の奴らもいる。お前を認めない奴らも多いが、認める奴だって増えてきている。お前のしている事は間違ってないと俺も思うし、それが間違いなら、俺も一緒に裁かれよう。それが番だ」
そして立ち上がったオールターは、そのままリーラの元へと歩いていった。若干の疲れを見せ始めた息子を回収に行ったのだろう。
その大きな背中を見つめ、ツェーダンはクッと唇を噛みしめる。オールターの誠意に、素直に応じられない自分がいる。彼に甘えたら、二度と一人で立てない気がしてならない。そもそも、多忙な彼に心配を、迷惑をかけている自分が認められない。自分でもどうにもならない強迫観念じみたその想いにのたうち回りながら、それでも思うのだ。
もっともっともっともっともっと頑張らなくては。
そうでなければ、あの大きな背中に追いつけない。その隣に立つ事を、他ならぬ自分が一番認められない。オールターが、誰もが敬愛する偉大な王だからこそ、彼に降りてきてもらうのではなく、自分が上がっていかなくてはならないのだと。それが出来ないじぶんがもどかしくて、オールターが優しいからこそ更に胸が苦しくなって。
沈みゆく気持ちが、押さえられないのだ。
だからこそ、可憐な声が聞こえた時、嗤いが零れ落ちたのだ。オールターが優しいからこそ追い詰められる。いっそぐちゃぐちゃにして欲しいという思いに駆られているからこそ、確実に痛みを与えに来ている彼女の声がいっそ清々しくて。
「いつまで彼に守られているつもりなの?」
冷ややかな視線に対して、引きつって歪んだ笑みを返したのだ。
美しく虚ろな碧眼に、サフィールの一瞬息をのんだ。しかし、オールターの優しさゆえに一気に余裕を失ったツェーダンには、気付く事が出来ず。ただただぼんやりと見上げ、クシャリと笑った。
「貴方だったら、今頃彼の隣で幸せに笑えたのかな?」
「……そう。それが、貴方の回答なの?」
すっと目尻を上げた彼女は、優雅に扇で口元を隠した。その華奢な手には力が籠り、扇が小さく震えている。全身から怒りを発しているサフィールを、静かに見上げて、力なく瞼を落とす。
「もう一度言うわ。いつまで、彼に守られているつもり?いい加減にその辛気臭い顔を辞めてもらえるかしら。鬱陶しくて仕方がないのだけれど」
しかし、サフィールはツェーダンの心を閉ざした様子が気に入らなかったようだ。イライラと畳みかけ、パチリと扇を閉じたかと思うと、ツェーダンの小さな顎に当ててクイッと上げさせる。もはや土気色の顔をした彼を覗き込み、ぎっと睨みつける。
「認めない。その程度の覚悟と意志なら、これ以上ここに居る事は認められないわ。今ならまだオールターが勝手に言っていただけだとして処理できるわ。さっさとこの城を出て行きなさい。そうしたら、これまで婚約者として傍にいた私がオールターと結婚して王妃になる。その方が皆も喜んでくれるではなくて?」
「……そうかも、しれませんね」
吐き捨てるように突き付けたサフィールは、ぱっと扇を払いツェーダンを見下ろす。うつむいたままのツェーダンに、ため息を一つ落とす。
「がっかりよ。これじゃ、私の方がよっぽど王妃を務められるわ。この役目は他の誰にも渡すつもりはないから安心して頂戴ね」
ズキリ、と腹が傷む。おかしいな、この場合胸が痛むのが正しいのでは?と思って、ふとストレスで腹が痛いのかと納得する。言い返す気力がない事をみとったのか、美しいドレスを翻し、ヒールの音高く歩み去っていく。その先にいるのは、オールターとリーラ。すっと混ざり込んで美しく微笑む彼女は、小さな黒狼の少年と視線を合わせ、穏やかに話しかけている。
華やかな笑みがこぼれる一角に、会場の視線が惹きつけられ。羨望の眼差しが向けられる。笑い合う父子とサフィール。本物の親子の様な光景に、いっそ自分の方が異分子なのではという考えが浮かんでくる。
「あれはサフィール嬢か。美しい。それにオールター王とお似合いだ」
「狼同士だしな。しかし、オールター王には狐の番がいたはずでは?」
「ああ。だが、昔の縁が切れなかったか、あるいは狐に化かされたのか」
「さっき踊っていたのが例の狐だろう?どちらが本命だ?」
「なんにせよ、裏切り者だったというし、本命はサフィール嬢だろうさ」
「むしろ、本当に狐を迎えるつもりなら、オールター王の正気を疑うぞ。何か弱みを握られているというなら話は別だがな」
「私としては、それだけの妖力を持った狐に興味がありますがね」
「傾国の狐か。ぞっとするな。どこの昔話だって話だな」
ひそひそと交わされる会話。ツェーダンがいる事に気付いていないからこその会話。腹の痛みが更に増していく。誰も信用できない。信じ、愛している人には、これ以上失望されたくないという思いと、優しさゆえにこれ以上迷惑をかけられないという思いが打ち消せない。誰にも、頼れないし、頼らずに自分一人の力で立てなければ意味がない。
音を立てないようにそっと立ち上がり、気付かれないように会場を抜け出す。少しの間、風を浴びて気分を変える為に。
その今にも消えそうな背を、悲し気な黒い瞳が追っている事に気付かずに。
「本日は我が子リーラの為に集まってくれた事、感謝する。事情があって伸びてしまったが、ようやく披露目が出来た事、心から喜ばしく思う」
堂々たる姿勢を見せるオールター王。その手を肩に乗せて、小さな黒狼が凛とした表情で立っている。全く臆することなく事情があって表に出せなかったのだ、と言い放つオールターに毒気を抜かれて曖昧に笑うものも少なくない。それでも、ひそひそと交わされる会話。しかし、「本当にリーラ・クラスタインと呼ばれる少年はオールター王の息子なのか」という話はひとまず聞こえず。ツェーダンはそっと息を吐きだした。
「今日は楽しんでくれ」
その言葉を皮切りに、パーティーが始まった。
「疲れたか」
「ちょっと」
パーティーも中盤に差し掛かり、挨拶攻めにあっていた二人は礼儀としてファーストダンスを踊った。リーラもまた、今日の為に選ばれた狼の少女とダンスを披露していた。小さな狼たちが真剣にステップを踏む様子は微笑みを誘い、同時に披露された国王とその番のダンスは、堅実でありながら優雅であり感嘆を漏らさせた。
「驚いたよ。ルゥがちゃんとダンス踊れるなんて」
「俺を何だと思ってるんだ」
「無骨でダンス嫌い?」
「間違っちゃいないがな」
思いのほか楽しんでしまい、テンションの挙がった二人はそのまま何曲か踊った。その頃には他の者達もそれぞれのダンスに夢中となっており、そっと抜け出した二人に気付いていないようだ。
白磁の頬を紅に染めた番を、目を細めて見つめたオールターは、近くを通りかかった使用人からドリンクを受け取り一口含むと、そっとツェーダンに覆いかぶさった。普段なら羞恥から逃げ出すツェーダンだが、今はちょっとした興奮状態に加え、外からは伺いにくい場所である事と喉の渇きに負け、素直に受け入れる。もっと、というようにオールターの唇を舐めると、嬉しそうなオールターが再びグラスを煽り、口づける。
グラス一杯のドリンクを分け合って飲んだ二人は、そっと離れると近くにあったソファへ並んで腰かけた。あんまりなツェーダンからの評価に口を尖らせるオールター。クスクス笑ったツェーダンは、そっと肩を触れ合わせた。
「ツェルは元々貴族出身だしな。お前に恥をかかせることはしたくなかった」
「……」
さらっと告げられた、ダンス嫌いの癖にダンスが上手い理由。どこまでも群れが行動基準の彼らしい理由。ぱっと目元を染めたツェーダンは、おろおろと視線を泳がせ、ふとある一点に止めた。
「……随分と立派になった」
番の視線を追ったオールターに先を越され、ツェーダンはクスッと笑った。そつない笑顔で大人たちを交わしている黒狼の少年を、二人揃って暖かく見つめる。
「あの子の小さい頃を知らないのに」
「あの子がここに来た時からは知ってる。大きくなった」
「あの頃の子供はあっという間に大きくなるらしいからね」
「欲を言うならば、最初から見たかったがな」
父としては当然の想いだろう。申し訳なさが込み上げて、ツェーダンはうつむいた。オールターは、リーラに視線を向けたまま、しかし、ツェーダンに向けて力強く語り掛ける。
「何度でもいう。逃げた事も、これから逃げようとすることも、俺は責めない。だが、一言くらい相談してくれ。泣きごとを、愚痴を、痛みを吐きだしてくれ。それすらもしてくれないなら、番の雄としての立場がない。情けなくて死にそうだ」
はっと顔を上げると、オールターは漸くツェーダンに顔を向け、微笑んだ。ここ最近ツェーダンの様子がすぐれない事に、勿論オールターも気付いていた。その上で、ツェーダンから相談を持ち掛けてくれる事を信じて待っているのだ。
かつて直面した分岐点と、今まさに似たような分岐点に、ツェーダンはいる。それを前にして、以前と同じ選択をするのか否か、オールターは判断を待っているのだ。
「一人で抱え込むな。俺がいる。リーラもいる。それ以外の奴らもいる。お前を認めない奴らも多いが、認める奴だって増えてきている。お前のしている事は間違ってないと俺も思うし、それが間違いなら、俺も一緒に裁かれよう。それが番だ」
そして立ち上がったオールターは、そのままリーラの元へと歩いていった。若干の疲れを見せ始めた息子を回収に行ったのだろう。
その大きな背中を見つめ、ツェーダンはクッと唇を噛みしめる。オールターの誠意に、素直に応じられない自分がいる。彼に甘えたら、二度と一人で立てない気がしてならない。そもそも、多忙な彼に心配を、迷惑をかけている自分が認められない。自分でもどうにもならない強迫観念じみたその想いにのたうち回りながら、それでも思うのだ。
もっともっともっともっともっと頑張らなくては。
そうでなければ、あの大きな背中に追いつけない。その隣に立つ事を、他ならぬ自分が一番認められない。オールターが、誰もが敬愛する偉大な王だからこそ、彼に降りてきてもらうのではなく、自分が上がっていかなくてはならないのだと。それが出来ないじぶんがもどかしくて、オールターが優しいからこそ更に胸が苦しくなって。
沈みゆく気持ちが、押さえられないのだ。
だからこそ、可憐な声が聞こえた時、嗤いが零れ落ちたのだ。オールターが優しいからこそ追い詰められる。いっそぐちゃぐちゃにして欲しいという思いに駆られているからこそ、確実に痛みを与えに来ている彼女の声がいっそ清々しくて。
「いつまで彼に守られているつもりなの?」
冷ややかな視線に対して、引きつって歪んだ笑みを返したのだ。
美しく虚ろな碧眼に、サフィールの一瞬息をのんだ。しかし、オールターの優しさゆえに一気に余裕を失ったツェーダンには、気付く事が出来ず。ただただぼんやりと見上げ、クシャリと笑った。
「貴方だったら、今頃彼の隣で幸せに笑えたのかな?」
「……そう。それが、貴方の回答なの?」
すっと目尻を上げた彼女は、優雅に扇で口元を隠した。その華奢な手には力が籠り、扇が小さく震えている。全身から怒りを発しているサフィールを、静かに見上げて、力なく瞼を落とす。
「もう一度言うわ。いつまで、彼に守られているつもり?いい加減にその辛気臭い顔を辞めてもらえるかしら。鬱陶しくて仕方がないのだけれど」
しかし、サフィールはツェーダンの心を閉ざした様子が気に入らなかったようだ。イライラと畳みかけ、パチリと扇を閉じたかと思うと、ツェーダンの小さな顎に当ててクイッと上げさせる。もはや土気色の顔をした彼を覗き込み、ぎっと睨みつける。
「認めない。その程度の覚悟と意志なら、これ以上ここに居る事は認められないわ。今ならまだオールターが勝手に言っていただけだとして処理できるわ。さっさとこの城を出て行きなさい。そうしたら、これまで婚約者として傍にいた私がオールターと結婚して王妃になる。その方が皆も喜んでくれるではなくて?」
「……そうかも、しれませんね」
吐き捨てるように突き付けたサフィールは、ぱっと扇を払いツェーダンを見下ろす。うつむいたままのツェーダンに、ため息を一つ落とす。
「がっかりよ。これじゃ、私の方がよっぽど王妃を務められるわ。この役目は他の誰にも渡すつもりはないから安心して頂戴ね」
ズキリ、と腹が傷む。おかしいな、この場合胸が痛むのが正しいのでは?と思って、ふとストレスで腹が痛いのかと納得する。言い返す気力がない事をみとったのか、美しいドレスを翻し、ヒールの音高く歩み去っていく。その先にいるのは、オールターとリーラ。すっと混ざり込んで美しく微笑む彼女は、小さな黒狼の少年と視線を合わせ、穏やかに話しかけている。
華やかな笑みがこぼれる一角に、会場の視線が惹きつけられ。羨望の眼差しが向けられる。笑い合う父子とサフィール。本物の親子の様な光景に、いっそ自分の方が異分子なのではという考えが浮かんでくる。
「あれはサフィール嬢か。美しい。それにオールター王とお似合いだ」
「狼同士だしな。しかし、オールター王には狐の番がいたはずでは?」
「ああ。だが、昔の縁が切れなかったか、あるいは狐に化かされたのか」
「さっき踊っていたのが例の狐だろう?どちらが本命だ?」
「なんにせよ、裏切り者だったというし、本命はサフィール嬢だろうさ」
「むしろ、本当に狐を迎えるつもりなら、オールター王の正気を疑うぞ。何か弱みを握られているというなら話は別だがな」
「私としては、それだけの妖力を持った狐に興味がありますがね」
「傾国の狐か。ぞっとするな。どこの昔話だって話だな」
ひそひそと交わされる会話。ツェーダンがいる事に気付いていないからこその会話。腹の痛みが更に増していく。誰も信用できない。信じ、愛している人には、これ以上失望されたくないという思いと、優しさゆえにこれ以上迷惑をかけられないという思いが打ち消せない。誰にも、頼れないし、頼らずに自分一人の力で立てなければ意味がない。
音を立てないようにそっと立ち上がり、気付かれないように会場を抜け出す。少しの間、風を浴びて気分を変える為に。
その今にも消えそうな背を、悲し気な黒い瞳が追っている事に気付かずに。
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