刃に縋りて弾丸を喰む

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Episode〈1〉春雷 ⑺

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 ───「……ぁ、や、んっ」
 カタナの骨張った指が、ショーツの上から秘部の割れ目を何度もなぞる。時折、痺れるような快楽が背中を駆け上がって、甘い声が喉からこぼれ落ちる。
 「はは、もうぐっしょぐしょじゃん。セイコはクリが好きなんだ」
 カタナは軽く肩を揺らして笑いながら、その指をショーツの下に滑り込ませた。
 「ほら、ここでしょ?」
 ぐり、と敏感に熟れた蕾を摘ままれて、大きく背中がのけぞった。電流のように身体を駆け巡った快楽に、視界がチカチカと揺さぶられる。
 「あ、や……っ」
  もはや言葉をつむぐことも出来ずただ首を横に振る私に、カタナは意地悪くほほ笑んだ。それから、顔を近づけてそっと私にささやいた。
 「あんたの好きな男の名前で呼んでいいよ」
 ───好きな、男?
 快楽に霞む頭に、あの男性ひとの顔が浮かぶ。
 「ふ、うま……」
 「ふふ。なぁに、セイコ」
 ───の指が、私のナカに滑り込んだ。
 「あ、ひぁ、ぁ、あ、ぁ……っ」
 ゴツゴツとした指が割れ目の上の突起を弄びながら、同時に内壁を刺激する。クリトリスをいじって自慰をしたことはあっても、膣内には触れたことすらなかった私の頭の中が、初めて知る快楽に白く染められてゆく。

 「……あれ、もしかして処女?」
 ぽつり、と声が聞こえた。そっかぁ、と、続いて聞こえた。
 「それじゃ、余計にがいいよね」
 ナカに、もう一本指が入った感覚があった。

 「オレもさ、性欲ってもんがあるからさ……あんたには今後も付き合ってもらいたいんだよね」
 じゅぷ、じゅぷと、自らの下腹部から粘度をまとった水音がする。
 「愛人っていう手もあるんだけどさあ……立場的に、暫くはそういうアソビもできなくてね」
 何かしら、話しかけられている。そういう自覚はあっても、内容が入ってこない。ただ痺れるような感覚だけが、頭と身体を支配している。
 「あは。指、三本も入っちゃったよ……そろそろいいかな?」
 ───いかないで。
 ナカをこすっていたものが抜けていこうする気配を感じて、きゅうと下腹部に力が入った。
 「……なぁに、可愛いことして」
 一瞬止まった指が、ぬぷ、と引き抜かれた。

 「大丈夫だよ、セイコ。もっと近くに行くだけだから」

 瞬間、熱を持った何かが秘部に分け入った。
 「っぁ……」
 内臓を押し上げられるかのような圧迫感に、喉から短い息が漏れる。
 「っ、セイコ、ちょっと、力抜いて」
 ぐりり、と膣口に押しつけられたそれは、前後に反動をつけながら、じんわりと膣内へ入ってゆく。
 「……ん。いいこ、いいこ」
 今まで両手を縫い止めていた大きな手のひらが、私の頭に添えられた。ゆっくりと、何度も髪をなでながら、彼は「いいこ、いいこ」と繰り返す。

 「……ふ、うま」
 私の口からこぼれ落ちた言葉に、目の前の彼は優しく笑ってキスをした。
 「大好きだよ、セイコ」

 ───「風馬、好き、だいすき、ふうま」
 最奥を突かれるたびに、快楽と感情があふれ出す。
 私の頭を撫でながら、彼は何度もキスを繰り返す。触れるだけの軽いキスから、唇を舌で割って入る深いキスへ。舌と舌、肉と肉が絡み合う度、頭の芯がじいんと痺れて私と彼の境界が曖昧になる。
 「っ、は」
 幾度目かの絶頂の気配に、くん、と足先が伸びた。
 ───「オレも、イキそ」
 キスの合間に、荒い息に紛れるように、彼がそう言った。腰に回された腕が、ぎゅうっと私の身体を引き寄せた。
 「一緒にイこ、セイコ」
 その言葉とともに、彼の動きが一段と激しさをます。思わず彼の首に腕を回して、私は必死にしがみついた。
 「ふうま、ふうま……っ」
 「……っ、セイコ」
 刹那、稲妻のような快楽が身体を貫いた。
 それと同時に遠のいていく意識のはじっこで、私は確かに彼の言葉を聞いた。

 「ずっと一緒にいようね、セイコ」

 うん、と返事をする前に、私の意識は暗い夜へと沈んでいった。
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