せっかく美少女に転生したのに出会いが無いので悪役ご主人様に仕えます ー転生先は男女比が崩壊した男だけ美醜逆転ハーレム小説の世界だったー

静電池

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私とご主人様

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「ご主人様、何か私にお仕事無いんですか~……」

ご主人様は天才発明家で数多くの特許も取得している、この世界ではかなり珍しい高収入の男性だ。投資もしているので既に一生遊んで暮らせるだけの資産があるようだが、研究開発は趣味でもあるのか毎日お仕事をしている。
男性は女性に養われるもの、というのがこの世界での常識だが、私はご主人様の作った給仕ロボット達が代わりに働いてくれるので、こうして毎日だらだらしているだけで終わってしまう。むしろ私が養われてない?

「これでも食ってろ」
「こ、これは数量限定で常に売り切れてると話題のフィナンシェ!? いただきまーす!」

ご主人様の気が変わらない内に絶品フィナンシェをいただく。
大半のネットショップでは男性に優先的に商品を送るので、こういった限定品は一般女性だと中々購入できないのだ。

ご主人様はこういったお菓子をストックしていて私にもよくくれるのだが、自分が食べているところは見た事が無い。
私は甘党の男性に対する偏見は特に無いので、ご主人様がお菓子を食べていても気にしないのだが、男性的には隠れてこっそり食べるほど甘党は恥ずかしく感じるものなのだろうか?

「……お前は呑気だよな」
「なんですか? フィナンシェはもう食べちゃいましたよ」

もすもすと食べる私をじっと見つめていたご主人様が呆れたように呟く。なんだか私の扱いが雑じゃない?
小説ではとっくに私に恋をしていた筈なんだけどな……。

小説内のご主人様は派遣されてきた私に恋をした後、ヤンデレを拗らせて私を襲って快楽漬けにしていた。その後の独白によると体から落とそうとしたらしいよ。
好きになった理由は人を顔で判断しない私が他のメイド達とは違ってご主人様に嫌悪の目を向けなかったからだそうだが、こんなに積極的に話しかけている私に塩対応だなんて小説と違いすぎやしないか。

「俺を見ながら食って平気なのかよ」
「見つめてたのは私じゃなくてご主人様ですけど……」

私は見つめられたので何だろうと思って見つめ返していただけだ。
言い返されたご主人様がフイと視線を逸らして仕事に戻る。

うーん、この塩っぷり。私の人生設計ではご主人様に襲われて今頃イチャラブ生活を送っていたはずなんだけどなぁ……。
ハーレムが常のこの世界で、ご主人様は私にだけ執着する良く言えば一途な性格だし、顔立ちも私にとっては気怠げセクシー系美青年だしで私は襲われる日を心待ちにしていたのだ。小説内では私を快楽漬けにしていたからエッチも上手そうだし。

小説の設定でこの世界の女性は性欲が強いとあったが、私もその例に漏れずご主人様を見るとムラムラしっ放しなのだ。だってご主人様、顔面どころか筋肉質ですらりとした体型や手の形までエロいんだもん。
でも世間ではゲジ眉に赤黒いたらこ唇、パンパンに膨れた腹とクリームパンみたいな手がセクシーとされてるんだよね。マジでイカれてるわ。

はぁーあ、小説でされてたみたいに、ご主人様の綺麗だけど筋張った大きな手でねちっこく乳首責めされたり、あの薄い唇で延々とクリトリス吸われたりしたいなぁ。
小説だとご主人様もめちゃくちゃ性欲強くて絶倫だったのに、現実は儘ならない。
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