真面目系クズなむっつりスケベがエロMOD入りのゲーム世界にトリップ！？ 〜イケメンなダンジョンモンスター達と逆ハーレム生活を謳歌します〜

瑠奈という少女

瑠奈が今ド嵌りしているのはダンジョンを運営するシミュレーションゲームなのだが、モンスターを育てて冒険者からダンジョンを守るタワーディフェンス要素もあり、マイナーながらも知る人ぞ知る良ゲーだ。

しかし彼女にはバトルセンスが全く無かったので、なんと序盤のNPCにすら負けている有様だった。バトルに勝てなければポイントが貰えないのでモンスターを育てる事もダンジョンを拡張する事も出来ない。
チュートリアルは何とかクリアしたものの、攻略サイトを見ながら一ヶ月かけて頑張っても初級編からストーリーが進まない。

もう心が折れそうだった。そもそも彼女がこのゲームを始めたきっかけは、バトルが面白そうだと思ったからではないのだ。
お気に入りのイケボ配信者の動画でゲーム実況を見て、そこに偶々映っていた対戦相手のダンジョンモンスターがイケメンすぎて胸を撃ち抜かれたからである。イケメンは正義。

だが下級モンスターは小動物に近い姿をしていて、中級に上がると大型動物、上級まで行くと人化スキルを覚えて人型に化けられるようになる。つまりバトルセンスの無い彼女のモンスターは永遠に人化出来ない……。


もうダメだ、と諦めた彼女はズルをする事にした。チートを使ったのだ。
具体的には改造コードを使用して欲しいモンスターを不正に入手したり、ポイントを無限に増やしてダンジョンの改築やテイムモンスターのレベルをカンストさせたりした。

とは言え、それで公式バトルに出場した事は一度も無かったし、寧ろ他人と交流した事すら無い。何しろ彼女は、折角のオンラインゲームなのにずっとオフラインモードでプレイしていたのだ。
何故ならイケメンキャラにちやほやされているだけで満足だったから。オンラインモードで他人との対戦なんて、彼女にとってはメリットが無さすぎて最初からどうでも良かったのである。


しかし、そんな彼女にも欲が生まれた。
──と言ってもバトルに対してでは無い。


（イケメンキャラ達のエロい姿が見たい……！）

そう、彼女はむっつりスケベだったのである。


既に改造コードに手を出して倫理観が緩んでいた彼女がエロMODに目をつけるのは早かった。迷わず購入──と行きたかったが、指定の決済方法がスマホと連動していて未成年だと親の同意が必要だった。
流石に親に「エロMODを買ってくれ」と言えるほどの度胸は無かったので、仕方なく18歳になる日を指折り数えて待つ事となる。

そうしてムラムラと湧き上がる欲望を抑えること一年半。ようやく迎えた18歳の誕生日、遂に念願のエロMODをインストールしたのだ……！


鼻息荒くゲームを立ち上げようとして、ゲーム機がかなり熱を持っている事に気付く。更には充電も切れそうになっていた。MODが重かったせいでインストールに時間がかかったからだろう。

途中でゲームが落ちたりデータが飛んだりしたら嫌なので、渋々ゲーム機を休ませる事にした。充電ケーブルを挿して後ろ髪を引かれながらも立ち上がる。

（ゲームに集中できるように、コンビニでお菓子と飲み物でも買ってこようかな）

コンビニに行って帰ってくるのに20分程度だと思うが、それだけあれば熱も多少は引いているだろう。