拝啓、貴方様へ

木野 章

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拝啓、貴様へ

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ダンダンと足音を響かせて階段を駆け上り

勢いのまま屋上のドアから飛び出す

空一面に広がる綺麗な夕焼けだ



これが、僕の最後に見る景色か



海原「…僕は、ここから、今から…飛ぶんだ」

言い聞かせるように、己を追い詰めるように呟く


握っていたノートを足元に置いて重石替わりに靴を脱いでその上に置き、柵をよじ登る


海原「はぁ、は、っ…高い、高いなぁ…」

鼓動がドクンドクンと速まる

身体が錆び付いたように動かなくなる

海原「飛べ、飛ぶんだ、死ぬんだ僕…!!!」

今日こそ、彼奴に、大黒屋に、目にものを見せてやるんだ



さあ、逝くんだ僕
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