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琥珀編 ③

怒濤の勢いで

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つ、繋がってしまったああぁ…

左江内さんが通話をスピーカーモードにしているから声が全部聞こえて来る


左「八雲さん就業時間外にごめんね、その、前に外回りで相談した事なんですが」

『あぁ~! ちゃんと話し合いしたんですかぁ!?私気になって仕方なかったんですよぉ』

左「それが、えと、外回りの様子から俺と八雲さんが付き合っているって思われてしまって、だからね」

『え"!!!やめて下さいよぉ!!ちょっと!お相手さんに変わってぇ!!』

左「わ、声が大きいっ、分かったから、画面叩かないでね耳が破れる」


コツコツコツッッと、急かすように通話の向こうからタップ音が聞こえる




左江内さんからスマホを此方に半ば押付ける形で渡された


左「て、てことで、その……どうか琥珀君には誤解は解いて欲しいです!!」

琥「わわっ、え!?えと、……」


『あれ、高いけど男性の声……』

琥「…あ、えと、急にごめんなさい、水無瀬と申します……」


…そうだった、向こうには女性って思われてるよね

待って、左江内さん、後に会社でセクシャリティの事色々言われるんじゃ…!?


『なるほどぉ、そゆことだったんですねぇ!やぁーん可愛い~♡』

琥「…え?可愛い……?」

『えっとぉ、彼女さんじゃなくて彼氏さんだったんですねぇ!大丈夫ですよぉ、私そういうの大好きなんですぅ♡』

琥「…?は、はい、ありがとうございます…?」

『あと、左江内センパイはただの先輩なので何の関係も無いですぅ!私常にフリーな男狙ってるから距離近いだけでぇ、センパイに可愛い彼氏さん出来るならもう狙わないです♡』


…狙ってはいたんだ………

でも、セクシャリティに差別が無い(というか、好き?らしいし…)
きっといい人なんだろうなとは思った


『…てか!今そっちどんな状況なんですぅ?』

左「あ、えと…その、告白したところです」

『はぁ"!?なんて時に電話かけてんの!?切りますよ!!センパイ色々ダメ過ぎですぅ!明日会社で説教しますからねぇ!!!』

左「あ、す、すみません。……って、もう切れてる」


プツッーー


怒涛の勢いで捲し立てて、あっという間に通話は切れていた


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