上 下
24 / 88
左江内編

琥珀君の名前

しおりを挟む
左「あ、あ、えと、ごめんなさい!!命とか言っちゃって、気持ち悪かったですよね!!!!えと~…俺はリアコとかでは、なくて、崇拝とかと一緒な感じですから、!!いやリアコでもあるのか、?えーっと、」


何とか泣かないで貰おうと動かない頭でベラベラ喋る

いや悪化させてるだけな気がしてきた、脳直で口に出すのが俺の悪い所だ


そしたら、アワアワとばたつかせていた俺の手を琥珀君が握った

…え俺今、琥珀君に手握られてる??

一瞬思考が宇宙に飛びかけたが、琥珀君の声が俺の意識を呼び戻した




琥「ぼく、嬉しくて…、こんなに、心から大切にして貰えた事なんて、な、なかったから…ッ」


ぽろぽろと涙を溢れさせたまま、ふわりと天使のような笑顔を見せてくれた


今の言葉、琥珀君の過去が少し伺えるが…

きっと、あまり良くない記憶の方が多いのだろう

正直気になるが俺なんかがいちいち掘り起こしたって良くない


でも、もし、俺の言葉で少しでも傷が癒えてくれるのなら


左「………俺、は…琥珀君の事ずっと推しですし好きだから、頼ってくれてとても嬉しいです」

琥「…はい、ッ」

左「だから、その…色々と落ち着くまで、ここにいてください」


握ってくれた手を、震えまくった手で握り返す

告白と同等の言葉が口から溢れる
何回も声が裏返ったし、めっちゃ恥ずかしくえ死にたいけれどどうしても伝えたかった


琥「ぁ、ありがとうございます……っふ、ぅ"…ッ」

また琥珀君の目から涙が溢れる

ぽろぽろ零れ落ちていく涙を拭う勇気は、流石に無かった









漸く涙の止まった頃、琥珀君が口を開いた

琥「そういえば、僕の名前言ってなかったですね、えへへ…」

左「…なまえ、…???琥珀君じゃ…」


名前……って

あ、そうか

琥珀君って名前、ただの活動名で本名じゃないよな

琥珀って名前が脳に染み込んでたから、何も思わなかった……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。 そこはど田舎だった。 住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。 レコンティーニ王国は猫に優しい国です。 小説家になろう様にも掲載してます。

再び出会うその日まで

あみにあ
恋愛
機内にアナウンスが流れると、私はそっと窓の外へ視線を向ける。 雲を抜け、懐かしい故郷が目に映ると、胸がジワリと熱くなった。 懐かしい、3年ぶりだなぁ。 長かったような短かったような……。 高層ビルが立ち並ぶ風景を並べる中、思い出がよみがえると、私はそっと息を吐き出した。 3年前のあの日、正直に全てを話していれば、何かが変わったのだろうか……。 到着口へやってくると、人がごった返している。 私は避難するように隅へと移動すると、近くにあったカフェへと入って行った。 壁にもたれかかり一息ついていると、ふとラジオの音が耳にとどく。 懐かしい日本語にそっと耳を傾けると、DJのイキイキした声が響いた。 「本日初めのリクエストは、3年前輝かしいデビューを飾った大人気バンドグループ(スターズ)のデビュー曲。みんな知っての通り、卒業シーズンにピッタリの別れの曲だね。それでは【it's time to say goodbye】お聞きください」 ラジオから流れるその曲に、3年前……彼らと過ごした日々がよぎると、私は聞き入るように瞳を閉じた。 3年前、とあるバンドに所属していた少女のお話です。 ※なろうでも投稿しております。

完結 お飾り正妃も都合よい側妃もお断りします!

音爽(ネソウ)
恋愛
正妃サハンナと側妃アルメス、互いに支え合い国の為に働く……なんて言うのは幻想だ。 頭の緩い正妃は遊び惚け、側妃にばかりしわ寄せがくる。 都合良く働くだけの側妃は疑問をもちはじめた、だがやがて心労が重なり不慮の事故で儚くなった。 「ああどうして私は幸せになれなかったのだろう」 断末魔に涙した彼女は……

姉に嵌められました ~姉を婚約破棄してきた王子を押し付けられてもお断りします~

佐崎咲
恋愛
「ルイーゼ=リスターク! お前との婚約は解消し、私はシェイラと婚約する」   広間の真ん中で、堂々と宣言したのはラルカス第二王子。 私は愕然とした。 すぐに姉に嵌められたのだと気が付いた。   婚約破棄されたのは姉。 押し付けられたのは妹である、私。   お姉様が婚約破棄されたら困る! 私だってこんなアホ王子と婚約なんてしたくない!   という、姉妹によるアホ王子の押し付け合いと、姉妹それぞれの恋愛事情。   頭を空っぽにしてお読みください。   数日以内に完結予定です。 ※無断転載・複写はお断りいたします。

条件付きチート『吸収』でのんびり冒険者ライフ!

ヒビキ タクト
ファンタジー
旧題:異世界転生 ~条件付きスキル・スキル吸収を駆使し、冒険者から成り上がれ~ 平凡な人生にガンと宣告された男が異世界に転生する。異世界神により特典(条件付きスキルと便利なスキル)をもらい異世界アダムスに転生し、子爵家の三男が冒険者となり成り上がるお話。   スキルや魔法を駆使し、奴隷や従魔と一緒に楽しく過ごしていく。そこには困難も…。   従魔ハクのモフモフは見所。週に4~5話は更新していきたいと思いますので、是非楽しく読んでいただければ幸いです♪   異世界小説を沢山読んできた中で自分だったらこうしたいと言う作品にしております。

今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!

ユウ
恋愛
三年前、夫の願いにより義両親との同居を求められた私はは悩みながらも同意した。 苦労すると周りから止められながらも受け入れたけれど、待っていたのは我慢を強いられる日々だった。 それでもなんとななれ始めたのだが、 目下の悩みは子供がなかなか授からない事だった。 そんなある日、義姉が里帰りをするようになり、生活は一変した。 義姉は子供を私に預け、育児を丸投げをするようになった。 仕事と家事と育児すべてをこなすのが困難になった夫に助けを求めるも。 「子供一人ぐらい楽勝だろ」 夫はリサに残酷な事を言葉を投げ。 「家族なんだから助けてあげないと」 「家族なんだから助けあうべきだ」 夫のみならず、義両親までもリサの味方をすることなく行動はエスカレートする。 「仕事を少し休んでくれる?娘が旅行にいきたいそうだから」 「あの子は大変なんだ」 「母親ならできて当然よ」 シンパシー家は私が黙っていることをいいことに育児をすべて丸投げさせ、義姉を大事にするあまり家族の団欒から外され、我慢できなくなり夫と口論となる。 その末に。 「母性がなさすぎるよ!家族なんだから協力すべきだろ」 この言葉でもう無理だと思った私は決断をした。

お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。

ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの? ……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。 彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ? 婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。 お幸せに、婚約者様。 私も私で、幸せになりますので。

愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす

リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」  夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。  後に夫から聞かされた衝撃の事実。  アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。 ※シリアスです。 ※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。

処理中です...