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左江内編

つもりだった

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琥「その、付け入るようで申し訳ないのですが……」

左「…な、なんでしょうか」


お金を貸して欲しいとか、そんなお願いだろうか

琥珀君だし貢ぐのと大差ないから別にいいのだけど…なんなら今朝もお布施感覚で渡したし


琥「少しの間だけでいいので、どうか住まわせて貰えませんか…?家事も得意ですし、その…お金もバイトしてお返ししますから……む、無理だったら断ってください!!傲慢なのは分かってます…」


左「…全然、いいですけれど」


琥「…え、!?そんなあっさり受け入れちゃダメですよ!!」

左「いや、寧ろ琥珀君が心配ですよ。こんな怪しい俺と住んで大丈夫なんですか…?」



いや、推しが家に住みたいとかご褒美どころの騒ぎじゃないだろ

神が俺に幸せを与え過ぎている

俺明後日くらいに死ぬんかな

でも琥珀君の為にも、金だけでも渡して俺から断った方がいいのかもしれない


…が、生憎こんなチャンスをポイッと捨てられる程余裕のある心は持ってない


左「俺は全く問題無いです、ただその…俺、仮にも、というか本気で追っかけしてた男ですからね。部屋見れば一目瞭然だと思いますが…」

琥「………僕、左江内さんがグッズやチェキを大切にしてくれているのが、本当に嬉しかったんです」





左「…そりゃあ、命と同じくらい大切なものですから」


推し活をしている人にとっては当たり前の事だ

グッズ含め、推しが関わるもの全てが大切だし


そう思って、ごく普通の返答をしたつもりだったのだが



左「……え"!?!?こ、琥珀君!?なんで泣いて…!!!??」


琥珀君の丸くて可愛らしい目からは、ぽろぽろと
涙が溢れていた
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