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第一部
7 絶対強くなるから
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「シン」
「ティア……」
魔王の間にぞろぞろと魔族たちが入ってくる。
だが、出て行く前とは違って、雰囲気は柔らかくなっていた。魔王がシンの今後の扱い、立場を発表したからだ。
『どうですか、おとーさま』
『…………』
あの後、魔王はアストライアの提案に賛成し、アストライアと【契約】を結んだ。
その契約内容を簡単にいうと、シンは今日から最低二年間はオズヴィーンの管轄のもと、稽古をつけてもらうことに、アストライアは今後魔王城から抜け出さないことになった。
一見軽く見えるが、その他に細かい条件が付け加えられている。一部条件を抜粋すると、今後のアストライアとシンの関係がよくわかる。
まず、アストライアとシンは二年後に開かれるアストライアの生誕パーティーまで接触禁止となった。
シンが人間であることも含めて、万が一シンがアストライアに危害を加えた場合、取り返しがつかないことになるからである。
そしてアストライアは今後魔王城を抜け出さない、ということになっているが、正確には監視……つまりはメイド長、フローラがいなければ、自室から出ることは禁止ということである。
実質、監禁だ。
まとめると、二年間は互いに会わず、それぞれの場所で鋭意努力しろとのことだった。
「オズヴィーンの稽古は厳しいわよ? 頑張ってね、シン」
「…………」
「シン?」
アストライアは返事がないことを不思議に思い、下からシンの顔を覗いた。
シンはそんなアストライアに気づくと、アストライアから顔を背けた。見られたくないのだろう。
「……………から」
「え?」
「絶対、強くなるから」
シンは、今にも泣きそうな顔をしていた。
「絶対、強くなって、俺、ティアのこと守れるようになるから」
「うん」
「諦めたりなんか、しないから」
「うん」
アストライアはシンの涙を拭おうと手を伸ばす。だが、アストライアはその手を戻した。
「あなたならできるわ、シン」
「ティア…………」
シンならできると、アストライアは信じている。なぜならシンは、アストライアが見込んだ、たった一人のお気に入りなのだから。
アストライアはシンの頭に手を伸ばす。そしてーー。
「っ! ティア、おい、やめろ」
シンの頭を優しく撫でた。
シンは嫌がる素振りを見せていたが、アストライアに哀愁帯びた瞳で見つめられて、抵抗しなくなった。
そんなアストライアに一歩、また一歩と近づいた者がいた。
「アストライア姫様」
フローラだ。
ミントグリーンの瞳が、アストライアとシンに別れの刻を告げる。
アストライアはシンから手を離し、約束を交わした。
「シン。それじゃあ二年後、また会いましょうね」
「……あぁ、また二年後」
(あぁ、どうしてかしら)
たった二年間、会わないだけだ。
なのに、何故だか胸を締めつけられる。
アストライアがシンと出会ったのは今日。共にした時間は、一日もない。
お互いのことを多く知ったわけでもない。
ただ偶然に、会っただけのこと。
(だけど、どうして……)
こんなにも離れてしまうことを、私は拒んでいる。
その理由を、アストライアはわからなかった。
「では行きますよ、アストライア姫様」
「……えぇ、そうね」
アストライアは、フローラに連れられて去って行った。
シンは、だんだんと遠ざかるアストライアを見つめていた。ずっと、ずっと、見えなくなってもずっと。
そしてーー
「…………俺は、強くなる」
そう、小さく呟き、シンもオズヴィーンと共に部屋を後にした。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
他の魔族も去り、魔王の間にライゼーテとオズヴィーンだけになった頃、二人はある話をしていた。
「よかったのですか、ライゼーテ魔王様」
「オズヴィーン……」
ライゼーテは深くため息を吐く。そしてオズヴィーンに愚痴を溢す。
「いーわけないだろ! 可愛いアストライアちゃんがどこの家の出かわからない弱っちい人間を従者にしたいって言ったんだぞ!? あ~アストライアちゃんはあの人間に恋でもしてるのかな? なぁ、なぁ!?」
「さぁ、どうなのでしょうか」
ライゼーテに肩を強く揺さぶられながらも、オズヴィーンは通常運転で返答する。
(まったく、ライゼーテ魔王様の親バカには付き合ってられん)
だが、ライゼーテが自分の信用する者にしか、この娘ラブな姿は見せないことをオズヴィーンは知っている。
ライゼーテが息抜きできるのは、オズヴィーンなどの信用できる部下がいるからだ。
「それで、本当のところはどうなのですか、ライゼーテ魔王様」
「ん、そうだなぁ……。オズヴィーンはどう思う、あの人間のこと」
質問を質問で返すのはやめてほしいものだが、それを本人に言えるほど、オズヴィーンの地位はまだ高くない。
「そうですね……アストライア姫殿下が選ぶだけのことはあると思いますよ。まだ実力は足りていませんが」
「……どういうことだ」
「あの人間……シンには才能があります。武術と魔法、両方です。それをあの歳で見抜いたと思われるアストライア姫殿下には、感嘆しました」
シンに初めて会った時、オズヴィーンは弱者だとすぐに理解した。
アストライアの後ろに隠れ、ビクビクとしているシンが、オズヴィーンは心底気に入らなかった。
だがーー
『シンは私のお気に入りなの』
アストライアがシンをお気に入りと言った時、オズヴィーンはシンのことをよく見た。
するとーー
(っ! これは……)
シンの奥深くに眠る、強大な魔力を感じ取ったのだ。しかも、今のシンの魔力は微量ながらも、高濃度だった。
『シンは私のお気に入りなの』
何となく、オズヴィーンはアストライアの言っている意味がわかった気がした。
シンは魔界では稀有な人間。歳もアストライアに近く、アストライアを愛称呼びしていることから仲も親しい。アストライアが許可したのであろう。
『勝手に奪ったら、許さないから』
『……わかりました』
また、シンは顔立ちが良い。魔力からは鍛えれば花開くことがわかる。
美しく、未来では強くなるであろう人間のシン。こんな存在をアストライアが逃すはずがない。だから逃さないために自分の従者にしたかったのだろう。
「魔法の才能があるのはわかってる。あの質の良い魔力の持ち主は我もあまり見たことがない。だが、武術の才能があるというのは、何でわかるのだ?」
「理由などは特にありません」
「何故言い切れる?」
「ライゼーテ魔王様。私は最年少で騎士団長に抜擢されました」
「? あぁ、そうだな」
オズヴィーンは現在二十六歳だ。騎士団長に就任したのは二十四歳の時。二年前のことである。
「そんな私が二年間も直々に稽古をつければ、どんな者でも武術の才能がある者と同じくらいの力を手にすることが可能です」
「くくっ、自分の力に自信があるんだな」
「最年少の騎士団長ですから」
「そうだな」
オズヴィーンは武術のみならばライゼーテに匹敵するほどの力を持っている。実力があるからこそ、今のようなことを発言できるのだ。
「まぁ、我も人間には興味があった。丁度良い。シンを我が魔王軍の主戦力に相当するほどに鍛え上げ、人間について探れ」
「はっ」
オズヴィーンはライゼーテに敬礼し、魔王の間を後にした。そしてシンの待つ騎士団の間へと足を急いだ。
(シン。貴様の力、見せてもらうぞ)
魔王、ライゼーテからの命を全うするために、そしてシンを正式なアストライアの従者に育て上げるために、オズヴィーンはできる限りのことをすると誓った。
「ティア……」
魔王の間にぞろぞろと魔族たちが入ってくる。
だが、出て行く前とは違って、雰囲気は柔らかくなっていた。魔王がシンの今後の扱い、立場を発表したからだ。
『どうですか、おとーさま』
『…………』
あの後、魔王はアストライアの提案に賛成し、アストライアと【契約】を結んだ。
その契約内容を簡単にいうと、シンは今日から最低二年間はオズヴィーンの管轄のもと、稽古をつけてもらうことに、アストライアは今後魔王城から抜け出さないことになった。
一見軽く見えるが、その他に細かい条件が付け加えられている。一部条件を抜粋すると、今後のアストライアとシンの関係がよくわかる。
まず、アストライアとシンは二年後に開かれるアストライアの生誕パーティーまで接触禁止となった。
シンが人間であることも含めて、万が一シンがアストライアに危害を加えた場合、取り返しがつかないことになるからである。
そしてアストライアは今後魔王城を抜け出さない、ということになっているが、正確には監視……つまりはメイド長、フローラがいなければ、自室から出ることは禁止ということである。
実質、監禁だ。
まとめると、二年間は互いに会わず、それぞれの場所で鋭意努力しろとのことだった。
「オズヴィーンの稽古は厳しいわよ? 頑張ってね、シン」
「…………」
「シン?」
アストライアは返事がないことを不思議に思い、下からシンの顔を覗いた。
シンはそんなアストライアに気づくと、アストライアから顔を背けた。見られたくないのだろう。
「……………から」
「え?」
「絶対、強くなるから」
シンは、今にも泣きそうな顔をしていた。
「絶対、強くなって、俺、ティアのこと守れるようになるから」
「うん」
「諦めたりなんか、しないから」
「うん」
アストライアはシンの涙を拭おうと手を伸ばす。だが、アストライアはその手を戻した。
「あなたならできるわ、シン」
「ティア…………」
シンならできると、アストライアは信じている。なぜならシンは、アストライアが見込んだ、たった一人のお気に入りなのだから。
アストライアはシンの頭に手を伸ばす。そしてーー。
「っ! ティア、おい、やめろ」
シンの頭を優しく撫でた。
シンは嫌がる素振りを見せていたが、アストライアに哀愁帯びた瞳で見つめられて、抵抗しなくなった。
そんなアストライアに一歩、また一歩と近づいた者がいた。
「アストライア姫様」
フローラだ。
ミントグリーンの瞳が、アストライアとシンに別れの刻を告げる。
アストライアはシンから手を離し、約束を交わした。
「シン。それじゃあ二年後、また会いましょうね」
「……あぁ、また二年後」
(あぁ、どうしてかしら)
たった二年間、会わないだけだ。
なのに、何故だか胸を締めつけられる。
アストライアがシンと出会ったのは今日。共にした時間は、一日もない。
お互いのことを多く知ったわけでもない。
ただ偶然に、会っただけのこと。
(だけど、どうして……)
こんなにも離れてしまうことを、私は拒んでいる。
その理由を、アストライアはわからなかった。
「では行きますよ、アストライア姫様」
「……えぇ、そうね」
アストライアは、フローラに連れられて去って行った。
シンは、だんだんと遠ざかるアストライアを見つめていた。ずっと、ずっと、見えなくなってもずっと。
そしてーー
「…………俺は、強くなる」
そう、小さく呟き、シンもオズヴィーンと共に部屋を後にした。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
他の魔族も去り、魔王の間にライゼーテとオズヴィーンだけになった頃、二人はある話をしていた。
「よかったのですか、ライゼーテ魔王様」
「オズヴィーン……」
ライゼーテは深くため息を吐く。そしてオズヴィーンに愚痴を溢す。
「いーわけないだろ! 可愛いアストライアちゃんがどこの家の出かわからない弱っちい人間を従者にしたいって言ったんだぞ!? あ~アストライアちゃんはあの人間に恋でもしてるのかな? なぁ、なぁ!?」
「さぁ、どうなのでしょうか」
ライゼーテに肩を強く揺さぶられながらも、オズヴィーンは通常運転で返答する。
(まったく、ライゼーテ魔王様の親バカには付き合ってられん)
だが、ライゼーテが自分の信用する者にしか、この娘ラブな姿は見せないことをオズヴィーンは知っている。
ライゼーテが息抜きできるのは、オズヴィーンなどの信用できる部下がいるからだ。
「それで、本当のところはどうなのですか、ライゼーテ魔王様」
「ん、そうだなぁ……。オズヴィーンはどう思う、あの人間のこと」
質問を質問で返すのはやめてほしいものだが、それを本人に言えるほど、オズヴィーンの地位はまだ高くない。
「そうですね……アストライア姫殿下が選ぶだけのことはあると思いますよ。まだ実力は足りていませんが」
「……どういうことだ」
「あの人間……シンには才能があります。武術と魔法、両方です。それをあの歳で見抜いたと思われるアストライア姫殿下には、感嘆しました」
シンに初めて会った時、オズヴィーンは弱者だとすぐに理解した。
アストライアの後ろに隠れ、ビクビクとしているシンが、オズヴィーンは心底気に入らなかった。
だがーー
『シンは私のお気に入りなの』
アストライアがシンをお気に入りと言った時、オズヴィーンはシンのことをよく見た。
するとーー
(っ! これは……)
シンの奥深くに眠る、強大な魔力を感じ取ったのだ。しかも、今のシンの魔力は微量ながらも、高濃度だった。
『シンは私のお気に入りなの』
何となく、オズヴィーンはアストライアの言っている意味がわかった気がした。
シンは魔界では稀有な人間。歳もアストライアに近く、アストライアを愛称呼びしていることから仲も親しい。アストライアが許可したのであろう。
『勝手に奪ったら、許さないから』
『……わかりました』
また、シンは顔立ちが良い。魔力からは鍛えれば花開くことがわかる。
美しく、未来では強くなるであろう人間のシン。こんな存在をアストライアが逃すはずがない。だから逃さないために自分の従者にしたかったのだろう。
「魔法の才能があるのはわかってる。あの質の良い魔力の持ち主は我もあまり見たことがない。だが、武術の才能があるというのは、何でわかるのだ?」
「理由などは特にありません」
「何故言い切れる?」
「ライゼーテ魔王様。私は最年少で騎士団長に抜擢されました」
「? あぁ、そうだな」
オズヴィーンは現在二十六歳だ。騎士団長に就任したのは二十四歳の時。二年前のことである。
「そんな私が二年間も直々に稽古をつければ、どんな者でも武術の才能がある者と同じくらいの力を手にすることが可能です」
「くくっ、自分の力に自信があるんだな」
「最年少の騎士団長ですから」
「そうだな」
オズヴィーンは武術のみならばライゼーテに匹敵するほどの力を持っている。実力があるからこそ、今のようなことを発言できるのだ。
「まぁ、我も人間には興味があった。丁度良い。シンを我が魔王軍の主戦力に相当するほどに鍛え上げ、人間について探れ」
「はっ」
オズヴィーンはライゼーテに敬礼し、魔王の間を後にした。そしてシンの待つ騎士団の間へと足を急いだ。
(シン。貴様の力、見せてもらうぞ)
魔王、ライゼーテからの命を全うするために、そしてシンを正式なアストライアの従者に育て上げるために、オズヴィーンはできる限りのことをすると誓った。
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