主従の逆転関係

蝸牛まいまい

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2章 従者との日々

白い少女

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『・・・白い髪の少女は目を覚ますと知らない天井を見ていた。
彼女がいつも見ていた天井は暗い冷たい黒っぽい灰色の埃のかぶった天井だった。
体は重く、気だるい。ただ苦痛はもう感じず、背中の柔らかいベッドの感触は優しかった。』

  


(・・・疲れた)

一度背筋を伸ばすと骨の関節の泡がはじけるような音がする。
4時間も同じ態勢でいると流石に足腰が石化したような気分になる。

「・・・ふう。休憩でもするか・・・」

部屋の隅を見るといつもと違ってマシロはいなかった。
時間帯ではマシロは今は休憩の時間のはずである。

(急用でもできたのだろうか。
とりあえずリビングでコーヒーでも飲んで休憩しよう。)





リビングに行くとソファでマシロが座っていた。
特に何かをするわけでもなく座っている。
マシロの目の前の机にはカップが2つあり、片方にはミルク、もう片方にはコーヒーが入っている。
しかしコーヒーはミルクの隣にありマシロが飲むようではないらしい。
マシロがリビングで休憩しているのは珍しい。
マシロが休憩するときはいつも書斎で体育座りをしているからだ。

マシロの隣に座りぐったりとソファに沈んでいく。
目の前には先ほどのカップが小さな手に握られている。
マシロは左手にはホットミルク、右手にはホットコーヒーがあった。
マシロを見ると暗い目が向けられている。

「・・・」

(飲めということだろうか・・・)

マシロの右手のカップを受け取る。

「・・・」

マシロは暗い目は依然として向けられていた。
その目に気圧されてゆっくりと口を近づけ一口喉に流し込む。

(・・・おいしい)

マシロはそれを見て何か安心したのか体をぴったりと近づけると
ホットミルクを持った左手を口元で傾けた。
コーヒーを少しずつ飲みながらソファに沈み続けると
眠くなってくる。
隣にいる温かな熱がさらに眠気を誘う。
ふわふわしている感覚に襲われ雲の中にいるような感じがする。
薄い視界でにいる女の子を見ると小さな体が寄りかかっていた。

(マシロも・・・寝ている・・・のか・・・)




優しい感触の中で白い髪の少女は寝ていた。



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