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96:勇気ある発言
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遅れてやってきたオケアノスたちの行動に最も驚愕したのは、ドゥ伯爵夫人だった。
彼女はオケアノスと連れだって歩くサラの姿を信じられないというように瞬きをして何度も見つめた。そしてこう思った。
なぜ、このような令嬢が今まで『令嬢の鑑』と言われていたのでしょう。殿下の乳母の娘であっても王族ではないことをテンペスタス子爵令嬢は理解していないようだわ。今この場で最も下座に行くべきなのが自分だとは全く思っていないのね。
父親はそんな基本的なことも彼女に教えていないのかしら。
……あの日、うっかり彼女に出くわしていなかったら、夫に報告できるこれ以上ない話題だったでしょうに。ー-でも、あの場にいなかったらきっとスブリがすべての責任を負わされていたに違いないわ。
そんなことになればリークエ伯爵家はどうなるの。
国王が何か話し始めている中で、ドゥ伯爵夫人は姪への心配、そして姉の嫁いでいるリークエ伯爵家に危害が及ばないようにする方法に考えをめぐらし続けていた。
「ドゥ伯爵夫人?」
「はい?あなたは、エッセ侯爵家の…」
彼女の思考を止めたのは隣に立っていたシドンであった。
シドンは周囲に聞こえないようになにかしたらしく、奥にいるエッセ侯爵もドゥ伯爵夫人の反対隣りにいるテンペスタス子爵も二人の会話に気が付いていない様子である。
「シュケレシュという商会を商っております、シドンと申します。先ほどはお怪我はございませんでしたか?」
「あ、先ほどはありがとうございました。お見苦しい姿を見せてしまってお恥ずかしい限りです」
「いいえ、伯爵夫人の状況を考えましたら、ここにいらっしゃってくださっているだけすごいと思いますよ」
と、シドンは意味深に言った途端、ドゥ伯爵夫人の顔から血の気が引いていった。
シドンはスブリがこの件にかかわっていることをすでに知っているのだと、ドゥ夫人は即座に理解した。
すでにサラからも脅されているドゥ伯爵夫人からすれば、シドンの方にも罪を擦り付けられないとなると皇女が犯人だとする他はない。けれども皇女を犯人に仕立て上げるのにはさすがに良心の呵責があった。姪とそれほど年も変わらない何も知らない外国から来た令嬢を悪人だとでっちあげることは、彼女の道徳的に許せなかったのだ。
「…何がお望みでしょう」
意を決したドゥ伯爵夫人は声を低くしてシドンに尋ねた。するとシドンは驚いたように首を振るも、口元に張り付いた職業的な笑みがうさん臭さを感じさせるだけだった。
「ドゥ伯爵家に出入りする、という程度では足りませんわよね?」
「…ドゥ伯爵夫人、誤解です。私の言い方が悪かったですね。大丈夫です、皇女様から叱られてしまいます。ーー率直にご報告しますね、今回の内容でリークエ伯爵令嬢に危害は及びません」
「えっ?」
予想外のシドンの言葉に、ドゥ伯爵夫人は素の表情が出てしまう。
「ああ、そのようにしていただいた方が私も話しやすいです。リークエ伯爵令嬢は皇女様に緑の壺をプレゼントしてくださっただけです。皇女様はそのように理解されておりますしうちの商会でもそのように記録しています。それだけです」
「し、しかし、それは毒では…」
「とんでもない!我々シュケレシュは危険物は扱いませんからね」
ニッと、シドンが企んだように口を横に広げていくと、ようやくドゥ伯爵夫人の耳にはいつの間にか説明をしていたエッセ侯爵の言葉が入ってきたのである。
「ー-ですので、皇女様の部屋より押収しましたお茶を確認すべきではないでしょか?」
「そうだな、ワシもそう思う。誰か、問題のお茶をもってきなさい」
「待ってください陛下!それは危険すぎます!私の娘は飲んでから数日体はしびれておりましたし、今日も…」
「なんだ?今日も?なにがあったのだ?だからオケアノスとともに遅刻をしてきたとでも?」
国王はテンペスタス子爵の言葉に嫌味を言うと、今度はオケアノスが声を張り上げた。
「ちっ…、陛下!サラは毒を飲まされた後遺症でいまだに立っているのも辛い中、こうして出席をしているのですよ!慈悲を願います」
「オケアノスよ、それは今からの検証でわかることだ。ドクトリス!」
「はっ、陛下。こちらが問題の茶葉でございます」
部屋の隅に来ていたドクトリスは颯爽と国王の前に緑の壺と、皿たちが使っていたカップを並べ始め、そしてポットに茶葉を入れ始める。そしてお湯を注ぐと参加者の顔を何往復か見回した。
「さて、どうしましょう?皆さんで飲まれますか?」
「とんでもない!私の娘の状況を見ていたら恐ろしくて飲めんよ」
「私も…あの時のしびれがまだ残っていますの。オケアノス様もおやめくださいね」
「もちろんだとも!」
茶番のようなやり取りをエッセ侯爵は冷めた目で見ながら、ドクトリスへ自分が飲むと手を挙げた。そして、それに合わせてドゥ伯爵も手を挙げた。
「この中で第三者として私も飲みましょう」
「おお、伯爵夫人そうしてくれるか」
「この身がお役に立てれば。ー-テンペスタス子爵令嬢、お話では2口ほど飲まれたそうですよね」
「え、ええ。半分ほどは飲んだかしら…?」
ドゥ伯爵夫人からの質問にサラは気まずそうにそう返した。
「わかりました。では私は3口以上飲みますわね。あの日おっしゃっていた症状を味わえば、私が子爵令嬢にどれだだけひどいことをしたのかわかりますものね」
完璧な淑女の微笑を浮かべたドゥ伯爵夫人はドクトリスから渡されたカップに躊躇なく口をつけると、エッセ侯爵も併せてカップの中身をのどに通してく。
二人は気品ある手つきでそれを飲み込むと、同時に顔を見合わせた。
「まぁぁ、とても甘いのですね」
「セールビエンスに入れてもらったものと同じだな」
二人の様子を玉座から眺めていた国王はひげを撫でつけながらその様子を眺めていた。
「どうやら毒ではなさそうだな…オケアノス、そなたはこれを飲み何をもって毒と判断したのだ?」
「そんなはずは!確かに私は…いや、あれ?」
「飲んだのだろう?飲んで毒と判断した、王太子ともあろうものが、自身で判断していないとは言わせぬぞ」
「国王陛下!オケアノス様はお優しい方です!ルサルカ様へお気遣いをされているのでしょう。ドゥ伯爵夫人、本当になんともありませんか?本当は舌がしびれたりしませんか?」
サラはドゥ伯爵夫人に言葉を区切ってそう聞いた。しかし、ドゥ伯爵夫人は首を横に振ってみせた。
「あの日、ドクトリス様が言っていた通りです。これはただのお茶ですわ。非常に甘いお茶です。テンペスタス子爵令嬢がおっしゃったようなしびれなどは全くございません」
この明確な発言に、謁見の間にいる人間の反応が大きく分かれたのだった。
彼女はオケアノスと連れだって歩くサラの姿を信じられないというように瞬きをして何度も見つめた。そしてこう思った。
なぜ、このような令嬢が今まで『令嬢の鑑』と言われていたのでしょう。殿下の乳母の娘であっても王族ではないことをテンペスタス子爵令嬢は理解していないようだわ。今この場で最も下座に行くべきなのが自分だとは全く思っていないのね。
父親はそんな基本的なことも彼女に教えていないのかしら。
……あの日、うっかり彼女に出くわしていなかったら、夫に報告できるこれ以上ない話題だったでしょうに。ー-でも、あの場にいなかったらきっとスブリがすべての責任を負わされていたに違いないわ。
そんなことになればリークエ伯爵家はどうなるの。
国王が何か話し始めている中で、ドゥ伯爵夫人は姪への心配、そして姉の嫁いでいるリークエ伯爵家に危害が及ばないようにする方法に考えをめぐらし続けていた。
「ドゥ伯爵夫人?」
「はい?あなたは、エッセ侯爵家の…」
彼女の思考を止めたのは隣に立っていたシドンであった。
シドンは周囲に聞こえないようになにかしたらしく、奥にいるエッセ侯爵もドゥ伯爵夫人の反対隣りにいるテンペスタス子爵も二人の会話に気が付いていない様子である。
「シュケレシュという商会を商っております、シドンと申します。先ほどはお怪我はございませんでしたか?」
「あ、先ほどはありがとうございました。お見苦しい姿を見せてしまってお恥ずかしい限りです」
「いいえ、伯爵夫人の状況を考えましたら、ここにいらっしゃってくださっているだけすごいと思いますよ」
と、シドンは意味深に言った途端、ドゥ伯爵夫人の顔から血の気が引いていった。
シドンはスブリがこの件にかかわっていることをすでに知っているのだと、ドゥ夫人は即座に理解した。
すでにサラからも脅されているドゥ伯爵夫人からすれば、シドンの方にも罪を擦り付けられないとなると皇女が犯人だとする他はない。けれども皇女を犯人に仕立て上げるのにはさすがに良心の呵責があった。姪とそれほど年も変わらない何も知らない外国から来た令嬢を悪人だとでっちあげることは、彼女の道徳的に許せなかったのだ。
「…何がお望みでしょう」
意を決したドゥ伯爵夫人は声を低くしてシドンに尋ねた。するとシドンは驚いたように首を振るも、口元に張り付いた職業的な笑みがうさん臭さを感じさせるだけだった。
「ドゥ伯爵家に出入りする、という程度では足りませんわよね?」
「…ドゥ伯爵夫人、誤解です。私の言い方が悪かったですね。大丈夫です、皇女様から叱られてしまいます。ーー率直にご報告しますね、今回の内容でリークエ伯爵令嬢に危害は及びません」
「えっ?」
予想外のシドンの言葉に、ドゥ伯爵夫人は素の表情が出てしまう。
「ああ、そのようにしていただいた方が私も話しやすいです。リークエ伯爵令嬢は皇女様に緑の壺をプレゼントしてくださっただけです。皇女様はそのように理解されておりますしうちの商会でもそのように記録しています。それだけです」
「し、しかし、それは毒では…」
「とんでもない!我々シュケレシュは危険物は扱いませんからね」
ニッと、シドンが企んだように口を横に広げていくと、ようやくドゥ伯爵夫人の耳にはいつの間にか説明をしていたエッセ侯爵の言葉が入ってきたのである。
「ー-ですので、皇女様の部屋より押収しましたお茶を確認すべきではないでしょか?」
「そうだな、ワシもそう思う。誰か、問題のお茶をもってきなさい」
「待ってください陛下!それは危険すぎます!私の娘は飲んでから数日体はしびれておりましたし、今日も…」
「なんだ?今日も?なにがあったのだ?だからオケアノスとともに遅刻をしてきたとでも?」
国王はテンペスタス子爵の言葉に嫌味を言うと、今度はオケアノスが声を張り上げた。
「ちっ…、陛下!サラは毒を飲まされた後遺症でいまだに立っているのも辛い中、こうして出席をしているのですよ!慈悲を願います」
「オケアノスよ、それは今からの検証でわかることだ。ドクトリス!」
「はっ、陛下。こちらが問題の茶葉でございます」
部屋の隅に来ていたドクトリスは颯爽と国王の前に緑の壺と、皿たちが使っていたカップを並べ始め、そしてポットに茶葉を入れ始める。そしてお湯を注ぐと参加者の顔を何往復か見回した。
「さて、どうしましょう?皆さんで飲まれますか?」
「とんでもない!私の娘の状況を見ていたら恐ろしくて飲めんよ」
「私も…あの時のしびれがまだ残っていますの。オケアノス様もおやめくださいね」
「もちろんだとも!」
茶番のようなやり取りをエッセ侯爵は冷めた目で見ながら、ドクトリスへ自分が飲むと手を挙げた。そして、それに合わせてドゥ伯爵も手を挙げた。
「この中で第三者として私も飲みましょう」
「おお、伯爵夫人そうしてくれるか」
「この身がお役に立てれば。ー-テンペスタス子爵令嬢、お話では2口ほど飲まれたそうですよね」
「え、ええ。半分ほどは飲んだかしら…?」
ドゥ伯爵夫人からの質問にサラは気まずそうにそう返した。
「わかりました。では私は3口以上飲みますわね。あの日おっしゃっていた症状を味わえば、私が子爵令嬢にどれだだけひどいことをしたのかわかりますものね」
完璧な淑女の微笑を浮かべたドゥ伯爵夫人はドクトリスから渡されたカップに躊躇なく口をつけると、エッセ侯爵も併せてカップの中身をのどに通してく。
二人は気品ある手つきでそれを飲み込むと、同時に顔を見合わせた。
「まぁぁ、とても甘いのですね」
「セールビエンスに入れてもらったものと同じだな」
二人の様子を玉座から眺めていた国王はひげを撫でつけながらその様子を眺めていた。
「どうやら毒ではなさそうだな…オケアノス、そなたはこれを飲み何をもって毒と判断したのだ?」
「そんなはずは!確かに私は…いや、あれ?」
「飲んだのだろう?飲んで毒と判断した、王太子ともあろうものが、自身で判断していないとは言わせぬぞ」
「国王陛下!オケアノス様はお優しい方です!ルサルカ様へお気遣いをされているのでしょう。ドゥ伯爵夫人、本当になんともありませんか?本当は舌がしびれたりしませんか?」
サラはドゥ伯爵夫人に言葉を区切ってそう聞いた。しかし、ドゥ伯爵夫人は首を横に振ってみせた。
「あの日、ドクトリス様が言っていた通りです。これはただのお茶ですわ。非常に甘いお茶です。テンペスタス子爵令嬢がおっしゃったようなしびれなどは全くございません」
この明確な発言に、謁見の間にいる人間の反応が大きく分かれたのだった。
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