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遡った時間
9:無邪気は無罪ではないと皇女は思う
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「サラ・テンペスタスと申します。ルサルカ様、私でよろしければ是非お友達となりましょう」
サラ・テンペスタスと言う女は過去でも私の側にいた。
友人と言うよりもカエオレウムの事をよく分かっていない私をフォローする為に、同世代で宮廷の事を良く知っているからと言う理由でテンペスタス子爵が侍女という名目で私の側にいさせるように仕向けた。
サラは子爵という下級貴族の娘ではあったが、整った容姿に聖母のような微笑を絶やさない振る舞い、分け隔てなく人に親切である性格、子爵令嬢に似つかわしくない貴族らしすぎる振る舞いをして、幼なじみとして常にオケアノスの側にいた彼女は『貴族の鑑』とカエオレウムの同世代女性から憧れの眼差しを向けられていた。
平民と言う理由でコラーロが私の侍女にしてもらえなくて1人で言葉も分からなかった私は、そんなサラを自分の側でいつもニコニコと微笑を浮かべて気遣いをしてくれる心優しい女性だと思った。
ーー初めは。
おかしいと思ったのは、国に来てから1年程経ってからだ。
ペルラとカエオレウムの食生活は大きく異なる。
温暖な気候と海に囲まれペルラでは、新鮮な魚介や野菜を薄味で食べる事が多い。対するカエオレウムの食事は、軍事国家だからだろうか、非常に味が濃厚で舌が痛くなってしまう程だった。だから過去の私は量を少なめにしてもらっていた。それを見たサラがこんな提案をしてくれた。
『味付けしない野菜を付けたら良いのではないでしょうか?私が配膳係に申し伝えておきますね』
しかし、ある日オケアノスとの食事の席でいつものように少なめの量に生のサラダを付けてもらっていると、オケアノスは眉間に皺を寄せた。
「皆が言っていた事は本当なのだな」
「ーーなにがでしょう?」
「君はこの国料理に対して『こんなのを食べるのなら生の草を食べた方がマシ』と言っているそうじゃないか」
「そんなこと言ってません!」
「では、どうしてコックが作った食事をほとんど食べずに生の草をこれ見よがしに食べているんだ?嫌味ったらしい!!」
「サラダを食べるのが変だと?」
「サラダなら茹でるだろう?生のまま食べるなんて有り得ない!!宮廷のコックは君が自分の味付けを嫌がり、味付けをしない物を用意しろと言われたともう2人も辞職したよ」
「それは違います!サラダを食べる事を提案してくれたのはサラですよ」
「サラがそんな事を言うはずないじゃないか!彼女は使用人に対しても礼節を忘れないのに、コックに『調理も味付けもしないものを用意しろ』なんて酷い事を提案する訳がない。コックは言っていたよ、テンペスタス子爵令嬢様は心苦しそうに、『自分が皇女を説得出来ずこんなお願いをしてしまい申し訳ない』と頭を何度も下げに来たと」
「誤解です!私が育って来た料理と違うので口に合わないと言っているだけです」
「味音痴!?なんて失礼な!!自分の国の食文化と違う人間を全て味音痴というのか?!傲慢過ぎる」
そう言ったと思うとオケアノスは机を強い力で叩き付けると、ほとんど食べないで席を立ち、部屋から出て行ってしまった。そして私と2人で食事をする事は二度となくなった。
何が起きたのか、何故オケアノスがあれほど怒ったのか当時の私には理解出来なかった。
その日の午後、一連の騒ぎを聞き付けたサラが私を慰めようとやって来て事のあらましを話すと彼女はこう言った。
「まぁルサルカ様、オケアノス殿下の前で『口に合わない』を言ってしまったんですか!?」
「何か問題でも?」
「ーーええ。その単語はスラングでして、本来の意味は『味音痴』となります」
「!?でも、貴方、私と話をする時に使っていたじゃない。それに、そう言った方が良いと言ったのは貴方じゃない」
「それはルサルカ様と2人きりだったので…冗談のつもりでした…」
真っ青な顔をしたサラはこう続けた。
「でも公式の場での発言ではなく良かったです。私がオケアノスへ事情を説明致しますね」
そうして何処かへ、今考えるとオケアノスの元へ走り去って行ったのだろう。
後日オケアノスからこう言われた。
「サラから聞いたよ。サラが全部悪いと君が喚いたそうじゃないか。親切に面倒を見てくれている者に対し、八つ当たりをするなんて…そんなだからサラ以外誰も君の侍女になりたがらないんじゃないかい」
オケアノスの発言で初めて、私の侍女が少ない理由を知ったのよね。
嫌がらせもあったのでしょうけど、当時私は王太子妃のはずなのにサラしか侍女が居なかった。それは私の悪評が広まりに広まり、カエオレウムの貴族達は自分の娘に危害が及ばないように侍女にさせなかったのだ。
その噂の出所というのは、サラだというから、まぁ凄い。
処刑される少し前、オケアノス王とサラ王妃の物語を私の牢屋に差し入れてくれた親切な方がいた。それによれば、サラは私の世話をする時間を過ごした後、大概は宮廷の何処かでぼんやりと座って涙目になっていたそうだ。それをみていた宮廷の貴族や使用人達はサラにどうしたのかと声をかける。
すると、遠慮がちにサラは言ったそうだ。悪女ルサルカ王太子妃が無理難題を彼女に言い、聞き入れなければ癇癪を起こして周囲の物を彼女に投げつける等の暴力を振るうので恐ろしい。しかし、王に頼まれた手前逃げる事も出来ないし、他の令嬢にこのような辛い目に合ってもらいたくないから自分がするのだ、と涙を拭って気丈に笑ってみせたそうな。
問いつめようとすれば、サラは大げさな程謝ってくるのでまたも私がいじめているように見えていたらしい。
悪循環の出来上がりってこと。
でも一つだけ言い訳をすれば、私は物なんか投げていない。
一回だけ、サラが『最近よく飲んでいる』と言って持って来た、よく分からない草木を煎じた紅茶をしつこく進めて来た時に、いらないと手を払った際に彼女がカップを落として割ってしまったことがあった。落としたカップの中身は、運悪くすべてサラのスカートに染み込んでいった。
それを周囲か、はたまたサラがなんと言い回ったのか、想像するしかないけど碌な事じゃないはず。
そんなサラと再び相見えて、どうして仲良く出来るかしら。復讐の為でなければ絶対に近寄りたくもない。
しかし、悪気はないのかもしれないけど、サラ・テンペスタスは自分を良く見せ他者を悪く見せるのが非常に上手い。過去の通りに動くのであれば、私が何もしなくてもテンペスタス子爵が彼女を私に近寄らせるでしょうね。
それならこちらから近寄って、彼女の事を見ておいた方が対策もしやすいでしょう?
「ーー様、ルサルカ様?」
「あら、テンペスタス子爵令嬢に失礼をしてしまいました。あまりにお美しいので見入っておりました」
「そんな。ルサルカ様の方がお美しいですわ」
まだ私は皇女で貴方は子爵令嬢ですのに、私は一言も許可もだしていないのに、私を名前で呼ぶのね。本当に子爵令嬢らしくない、自分を王女かなんかと思っているのかしら。
「テンペスタス子爵令嬢のような方にそう言っていただけるなんて、恐縮してしまうわ」
「ーーそれで、ルサルカ様のお隣に居るのは…」
そう言ってトゥットを指差した。
正しくはアガタの姿に見えているトゥット。
「彼女は私の侍女ですの。ペルラ皇国の伯爵令嬢(嘘)になります」
「そうなのですね。アガタもよろしく!私も恐らくルサルカ様のお側で御仕えする事となると思うの!一緒に頑張りましょうね!!」
そう言って、アガターーもといトゥットの手を握ってぴょんぴょん跳ねていた。
本物のアガタでなくて良かったわね。これがアガタだったら手を撥ね除けているわ。
ダガーの隣で外套で身を隠しながらこの光景を見ているだろうアガタを少し見れば、サラへの怒りを爆発させないように手を握りしめながらも張り付いたような笑みを作っていた。
ーーもう少し我慢して頂戴。私も同じ気持ちだから。
サラ・テンペスタスと言う女は過去でも私の側にいた。
友人と言うよりもカエオレウムの事をよく分かっていない私をフォローする為に、同世代で宮廷の事を良く知っているからと言う理由でテンペスタス子爵が侍女という名目で私の側にいさせるように仕向けた。
サラは子爵という下級貴族の娘ではあったが、整った容姿に聖母のような微笑を絶やさない振る舞い、分け隔てなく人に親切である性格、子爵令嬢に似つかわしくない貴族らしすぎる振る舞いをして、幼なじみとして常にオケアノスの側にいた彼女は『貴族の鑑』とカエオレウムの同世代女性から憧れの眼差しを向けられていた。
平民と言う理由でコラーロが私の侍女にしてもらえなくて1人で言葉も分からなかった私は、そんなサラを自分の側でいつもニコニコと微笑を浮かべて気遣いをしてくれる心優しい女性だと思った。
ーー初めは。
おかしいと思ったのは、国に来てから1年程経ってからだ。
ペルラとカエオレウムの食生活は大きく異なる。
温暖な気候と海に囲まれペルラでは、新鮮な魚介や野菜を薄味で食べる事が多い。対するカエオレウムの食事は、軍事国家だからだろうか、非常に味が濃厚で舌が痛くなってしまう程だった。だから過去の私は量を少なめにしてもらっていた。それを見たサラがこんな提案をしてくれた。
『味付けしない野菜を付けたら良いのではないでしょうか?私が配膳係に申し伝えておきますね』
しかし、ある日オケアノスとの食事の席でいつものように少なめの量に生のサラダを付けてもらっていると、オケアノスは眉間に皺を寄せた。
「皆が言っていた事は本当なのだな」
「ーーなにがでしょう?」
「君はこの国料理に対して『こんなのを食べるのなら生の草を食べた方がマシ』と言っているそうじゃないか」
「そんなこと言ってません!」
「では、どうしてコックが作った食事をほとんど食べずに生の草をこれ見よがしに食べているんだ?嫌味ったらしい!!」
「サラダを食べるのが変だと?」
「サラダなら茹でるだろう?生のまま食べるなんて有り得ない!!宮廷のコックは君が自分の味付けを嫌がり、味付けをしない物を用意しろと言われたともう2人も辞職したよ」
「それは違います!サラダを食べる事を提案してくれたのはサラですよ」
「サラがそんな事を言うはずないじゃないか!彼女は使用人に対しても礼節を忘れないのに、コックに『調理も味付けもしないものを用意しろ』なんて酷い事を提案する訳がない。コックは言っていたよ、テンペスタス子爵令嬢様は心苦しそうに、『自分が皇女を説得出来ずこんなお願いをしてしまい申し訳ない』と頭を何度も下げに来たと」
「誤解です!私が育って来た料理と違うので口に合わないと言っているだけです」
「味音痴!?なんて失礼な!!自分の国の食文化と違う人間を全て味音痴というのか?!傲慢過ぎる」
そう言ったと思うとオケアノスは机を強い力で叩き付けると、ほとんど食べないで席を立ち、部屋から出て行ってしまった。そして私と2人で食事をする事は二度となくなった。
何が起きたのか、何故オケアノスがあれほど怒ったのか当時の私には理解出来なかった。
その日の午後、一連の騒ぎを聞き付けたサラが私を慰めようとやって来て事のあらましを話すと彼女はこう言った。
「まぁルサルカ様、オケアノス殿下の前で『口に合わない』を言ってしまったんですか!?」
「何か問題でも?」
「ーーええ。その単語はスラングでして、本来の意味は『味音痴』となります」
「!?でも、貴方、私と話をする時に使っていたじゃない。それに、そう言った方が良いと言ったのは貴方じゃない」
「それはルサルカ様と2人きりだったので…冗談のつもりでした…」
真っ青な顔をしたサラはこう続けた。
「でも公式の場での発言ではなく良かったです。私がオケアノスへ事情を説明致しますね」
そうして何処かへ、今考えるとオケアノスの元へ走り去って行ったのだろう。
後日オケアノスからこう言われた。
「サラから聞いたよ。サラが全部悪いと君が喚いたそうじゃないか。親切に面倒を見てくれている者に対し、八つ当たりをするなんて…そんなだからサラ以外誰も君の侍女になりたがらないんじゃないかい」
オケアノスの発言で初めて、私の侍女が少ない理由を知ったのよね。
嫌がらせもあったのでしょうけど、当時私は王太子妃のはずなのにサラしか侍女が居なかった。それは私の悪評が広まりに広まり、カエオレウムの貴族達は自分の娘に危害が及ばないように侍女にさせなかったのだ。
その噂の出所というのは、サラだというから、まぁ凄い。
処刑される少し前、オケアノス王とサラ王妃の物語を私の牢屋に差し入れてくれた親切な方がいた。それによれば、サラは私の世話をする時間を過ごした後、大概は宮廷の何処かでぼんやりと座って涙目になっていたそうだ。それをみていた宮廷の貴族や使用人達はサラにどうしたのかと声をかける。
すると、遠慮がちにサラは言ったそうだ。悪女ルサルカ王太子妃が無理難題を彼女に言い、聞き入れなければ癇癪を起こして周囲の物を彼女に投げつける等の暴力を振るうので恐ろしい。しかし、王に頼まれた手前逃げる事も出来ないし、他の令嬢にこのような辛い目に合ってもらいたくないから自分がするのだ、と涙を拭って気丈に笑ってみせたそうな。
問いつめようとすれば、サラは大げさな程謝ってくるのでまたも私がいじめているように見えていたらしい。
悪循環の出来上がりってこと。
でも一つだけ言い訳をすれば、私は物なんか投げていない。
一回だけ、サラが『最近よく飲んでいる』と言って持って来た、よく分からない草木を煎じた紅茶をしつこく進めて来た時に、いらないと手を払った際に彼女がカップを落として割ってしまったことがあった。落としたカップの中身は、運悪くすべてサラのスカートに染み込んでいった。
それを周囲か、はたまたサラがなんと言い回ったのか、想像するしかないけど碌な事じゃないはず。
そんなサラと再び相見えて、どうして仲良く出来るかしら。復讐の為でなければ絶対に近寄りたくもない。
しかし、悪気はないのかもしれないけど、サラ・テンペスタスは自分を良く見せ他者を悪く見せるのが非常に上手い。過去の通りに動くのであれば、私が何もしなくてもテンペスタス子爵が彼女を私に近寄らせるでしょうね。
それならこちらから近寄って、彼女の事を見ておいた方が対策もしやすいでしょう?
「ーー様、ルサルカ様?」
「あら、テンペスタス子爵令嬢に失礼をしてしまいました。あまりにお美しいので見入っておりました」
「そんな。ルサルカ様の方がお美しいですわ」
まだ私は皇女で貴方は子爵令嬢ですのに、私は一言も許可もだしていないのに、私を名前で呼ぶのね。本当に子爵令嬢らしくない、自分を王女かなんかと思っているのかしら。
「テンペスタス子爵令嬢のような方にそう言っていただけるなんて、恐縮してしまうわ」
「ーーそれで、ルサルカ様のお隣に居るのは…」
そう言ってトゥットを指差した。
正しくはアガタの姿に見えているトゥット。
「彼女は私の侍女ですの。ペルラ皇国の伯爵令嬢(嘘)になります」
「そうなのですね。アガタもよろしく!私も恐らくルサルカ様のお側で御仕えする事となると思うの!一緒に頑張りましょうね!!」
そう言って、アガターーもといトゥットの手を握ってぴょんぴょん跳ねていた。
本物のアガタでなくて良かったわね。これがアガタだったら手を撥ね除けているわ。
ダガーの隣で外套で身を隠しながらこの光景を見ているだろうアガタを少し見れば、サラへの怒りを爆発させないように手を握りしめながらも張り付いたような笑みを作っていた。
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