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最後に指名したのは……
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「二人目は『ヘラクレス』を指名します」
流石に多くのクラスメイトがその名を知っているようで、ザワザワと騒ぎ始めた。
「はははっ、馬鹿じゃねえの! ヘラクレスなんてギリシャ神話に出てくる想像上の人物じゃねえか!」
「いよいよ追い詰められて、ちゃんと存在する人物は思いつかなかったのかしら」
まあ、言いたい人たちは好きに言えばいい……ヘラクレスは確かに神話の中の英雄だ、だけど、神話がすべて嘘の話だと言うのは大きな間違いである、その証拠に、近年、トロイア戦争の舞台である、トロイの木馬で知られるトロイは遺跡として発見されている……そうなると、神話に登場する人物の話は、少なからず似たような事柄があり、それをモデルに作られてる可能性が高いのだ。ヘラクレスは存在しなくても、そのモデルになった人物は必ず存在するはず……
なので私は一人目の指名で、本名ではない通称の通り名である可児才蔵と指名したのだ。指名は、ちゃんとした正式な名でなくとも、神がその人物を認識さえできれば、どんな呼び名でも問題ないと私は判断した。
そしてその判断は間違っていなかった。
「ヘラクレス……フェルスレクのことだな、了承した、二人目の指名をフェルスレクと認める」
その神の言葉に、さっきまでゴチャゴチャ言っていた連中も押し黙った──
さて、最後の指名だけど……一人目、二人目が武の人物なので、三人目はやはり知の人物……軍師になりえる逸材を指名したい……歴史上最高の軍師……そう言えば親友の悠美とよく、そんな話もしていたな……────
「歴史上、最高の軍師は誰かだって? そんな難題な質問をするのですから、ナミには本命になる候補を並べられるんでしょうね」
「もちろん! 候補になるのは戦国時代から、黒田官兵衛、竹中半兵衛、山本勘助、直江兼続……中国史から、孫子、楽毅、張良、諸葛亮孔明、司馬懿仲達、周瑜公瑾……その他の世界史からだとカエサル、ハンニバル、ナポレオンとかかな……」
「30点」
「え~! 点数、低くない! じゃあ、悠美は誰を候補に挙げるのよ」
「そもそも軍師に必要な資質ってなんだと思う」
「そんなの頭の良さに決まってるじゃない」
「ナミは本当に本質が見えてないよね、頭の良さって具体的にどんな能力か考えてみなさい」
「え~と、頭の回転の良さと言うか……発想力と言うか……」
「2点」
「ええ~、もう……ちゃんと説明してよ~」
「軍師で一番大切な能力は、知識よ、どれだけ物事を知っているかって言う情報量が重要になってくる。よく考えてごらんなさい、さっきあなたが挙げた人物だけど、全員に共通することがあるのわかる?」
「え……なんだろう……頭が良かったとしか思いつかない……」
「みんなよく学んだのよ、書物を読み、過去を学び、知識量を増やしていった人物が、策士としての実績を残しているの」
「なるほど……確かにそうだね……」
「そう考えると、軍師として誰が一番かってのが見えてくるけど、わかった?」
「ええ~誰が一番知識があったかなんてわからないよ~」
「馬鹿ね、よく考えたらわかるじゃないの、みんな過去の出来事を参考にしたり、学ぶことによって知識を増やしていっているのよ、だったら未来軸にいる人物ほど知識量を増やすには有利だと思わない?」
「あ……そうか! 張良は孫武から学び、諸葛亮は孫武と張良の両方から学べる……未来の偉人から学ぶのは不可能だから……」
「そう……時が流れるほど、歴史という情報量は増えていく……だとすれば、一番、軍師としての能力が高いと考えれるのは近代で、戦術、戦略の成果で実績のある人物……例えば旧日本陸軍の石原莞爾とかね」
「石原莞爾……なるほど……」
────…………
正直、石原莞爾と言われてもピンときていなかったが、確かに昔より、今の方が歴史を学ぶにはよい環境なのは間違いない……ならば現代に近く、歴史や、過去の戦いの情報を多く持つもが最高の軍師となりえる……私は近代史にて、その知略を遺憾無く発揮した人物を頭の中でリストアップした……そしてその能力が、戦国なのでも発揮できそうな人物を思い描く……
やっぱり一人しかいない……膨大な知識と柔軟な思考……私の知る限りで、もっとも最高の軍師となりえる存在……私はその人物の名を神に告げた。
「緋村悠美……私の最後の指名は、『緋村悠美』でお願いします」
本当はもう一度、親友に会いたいだけなのかもしれないけど……だけど、その判断に迷いはなかった。
流石に多くのクラスメイトがその名を知っているようで、ザワザワと騒ぎ始めた。
「はははっ、馬鹿じゃねえの! ヘラクレスなんてギリシャ神話に出てくる想像上の人物じゃねえか!」
「いよいよ追い詰められて、ちゃんと存在する人物は思いつかなかったのかしら」
まあ、言いたい人たちは好きに言えばいい……ヘラクレスは確かに神話の中の英雄だ、だけど、神話がすべて嘘の話だと言うのは大きな間違いである、その証拠に、近年、トロイア戦争の舞台である、トロイの木馬で知られるトロイは遺跡として発見されている……そうなると、神話に登場する人物の話は、少なからず似たような事柄があり、それをモデルに作られてる可能性が高いのだ。ヘラクレスは存在しなくても、そのモデルになった人物は必ず存在するはず……
なので私は一人目の指名で、本名ではない通称の通り名である可児才蔵と指名したのだ。指名は、ちゃんとした正式な名でなくとも、神がその人物を認識さえできれば、どんな呼び名でも問題ないと私は判断した。
そしてその判断は間違っていなかった。
「ヘラクレス……フェルスレクのことだな、了承した、二人目の指名をフェルスレクと認める」
その神の言葉に、さっきまでゴチャゴチャ言っていた連中も押し黙った──
さて、最後の指名だけど……一人目、二人目が武の人物なので、三人目はやはり知の人物……軍師になりえる逸材を指名したい……歴史上最高の軍師……そう言えば親友の悠美とよく、そんな話もしていたな……────
「歴史上、最高の軍師は誰かだって? そんな難題な質問をするのですから、ナミには本命になる候補を並べられるんでしょうね」
「もちろん! 候補になるのは戦国時代から、黒田官兵衛、竹中半兵衛、山本勘助、直江兼続……中国史から、孫子、楽毅、張良、諸葛亮孔明、司馬懿仲達、周瑜公瑾……その他の世界史からだとカエサル、ハンニバル、ナポレオンとかかな……」
「30点」
「え~! 点数、低くない! じゃあ、悠美は誰を候補に挙げるのよ」
「そもそも軍師に必要な資質ってなんだと思う」
「そんなの頭の良さに決まってるじゃない」
「ナミは本当に本質が見えてないよね、頭の良さって具体的にどんな能力か考えてみなさい」
「え~と、頭の回転の良さと言うか……発想力と言うか……」
「2点」
「ええ~、もう……ちゃんと説明してよ~」
「軍師で一番大切な能力は、知識よ、どれだけ物事を知っているかって言う情報量が重要になってくる。よく考えてごらんなさい、さっきあなたが挙げた人物だけど、全員に共通することがあるのわかる?」
「え……なんだろう……頭が良かったとしか思いつかない……」
「みんなよく学んだのよ、書物を読み、過去を学び、知識量を増やしていった人物が、策士としての実績を残しているの」
「なるほど……確かにそうだね……」
「そう考えると、軍師として誰が一番かってのが見えてくるけど、わかった?」
「ええ~誰が一番知識があったかなんてわからないよ~」
「馬鹿ね、よく考えたらわかるじゃないの、みんな過去の出来事を参考にしたり、学ぶことによって知識を増やしていっているのよ、だったら未来軸にいる人物ほど知識量を増やすには有利だと思わない?」
「あ……そうか! 張良は孫武から学び、諸葛亮は孫武と張良の両方から学べる……未来の偉人から学ぶのは不可能だから……」
「そう……時が流れるほど、歴史という情報量は増えていく……だとすれば、一番、軍師としての能力が高いと考えれるのは近代で、戦術、戦略の成果で実績のある人物……例えば旧日本陸軍の石原莞爾とかね」
「石原莞爾……なるほど……」
────…………
正直、石原莞爾と言われてもピンときていなかったが、確かに昔より、今の方が歴史を学ぶにはよい環境なのは間違いない……ならば現代に近く、歴史や、過去の戦いの情報を多く持つもが最高の軍師となりえる……私は近代史にて、その知略を遺憾無く発揮した人物を頭の中でリストアップした……そしてその能力が、戦国なのでも発揮できそうな人物を思い描く……
やっぱり一人しかいない……膨大な知識と柔軟な思考……私の知る限りで、もっとも最高の軍師となりえる存在……私はその人物の名を神に告げた。
「緋村悠美……私の最後の指名は、『緋村悠美』でお願いします」
本当はもう一度、親友に会いたいだけなのかもしれないけど……だけど、その判断に迷いはなかった。
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