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塔の戦い
再び空中城へ
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「さて、身代わりの聖玉も手に入れたし、空中城に戻らないと」
「アルティは空中城におるんかい、そやったら早よ、いこや」
「でも、塔を降りるのも大変ですよ、登ってきた時と同じくらい時間はかかるでしょうし・・」
しかし、そんな会話をしていた俺たちに、アズラヴィルが思わぬ話をしてきた。
「そうでもないよ、秘密の階段があるんだ」
みんな、アズラヴィルのその言葉に耳を傾ける。どうも、他のダンジョンにもよくある、抜け道があるようで、それを使えばすぐに下まで降りられるよである。もちろん普通は使えないものなんだけど、俺はここの所有者として認められたので教えて貰った。
壁の一部が開いて、そこに円形の床が浮いていた。アズラヴィルはその床の上へと足を進める。それに続いて、俺たちもそこへ乗り込んだ。床から伸びている棒の先にある光ったボタンみたいなものをアズラヴィルは何やら操作する。するとふわっとした浮遊感を感じると、床が下へと移動し始めた。
数分で移動は終わった。どうやら一番下の階層へと到着したみたいである。扉が開いて見える景色は地上のものであった。
「ここは丁度塔の裏側かな、アズラヴィル」
「どうかな、地上に降りたのは千年ぶりくらいだから位置関係が良く分からない」
昔見た景色とあまりにもかけ離れているようで、アズラヴィルは少し困ったようにそう答えた。代わりにファミュがそれに答えてくれた。
「そうですね、景色を見ると塔の裏手にあった森の中のように思えます」
「アズラヴィル、ここからいつでも頂上に行けるんだよね」
「そうだよ。頂上だけじゃなく、好きな階へと移動ができる」
「なんと、それは便利だね、アテナ、ここの位置情報とか登録できたりとかできる?」
アテナはそう俺に質問されて、ゆっくりと紋次郎の方を見るとゆっくりと回答する。
「はい。私には次元GPSが内蔵されていますので、正確な位置情報を登録することが可能です。」
「じゃあ、塔の裏口の名前で登録しといて」
「了解しました。登録いたします」
「さて、まずは馬車預り所へ向かおう」
「なんや馬車で空中城まで行くんか、だいぶ時間かかるんちゃうか」
「いや、もっといいものを預けてるんだ」
歩いて30分ほどで馬車預り所へと到着した。そこで天馬挺を引き取る。
「おおおおっ、天馬挺やないか! 見た目と違って紋次郎ってそんなに金持ちなんか?」
「いや・・え・・となんだろう、説明が難しいんだけど、正確には無断で拝借したというか・・」
「なんやパクったんか」
「いやいや盗んだ訳じゃないよ・・戦利品というか・・勝手に借りてるというか・・」
「紋次郎も悪いやっちゃな、まあええわ、早乗ろうや」
マゴイットに急かされ、俺たちは天馬挺へ乗り込んだ。そしてすぐに出発する。目指すはみんなが待っている空中城だ。
「紋次郎の要件が終わったら、僕は今の世の街の風景を見学したいと思ってる」
アズラヴィルは天馬挺の中でそう話してきた。
「あっ、じゃあエラスラの街かアルマームの街を案内するよ」
「そうかい、それじゃあお願いしようかな」
恐る恐るファミュもその話に入ってきた。
「も・・紋次郎、私も一緒にいいですか」
「あれ、ファミュも街の風景に興味があるんだ」
「ええ・・そうです・・あまり冒険に必要な施設しか行ったことないので・・」
本当は紋次郎に興味があるだけなのだが、そんなことは言えるわけもなくごまかしてしまう。
「さて、そろそろ空中城に到着するでえ」
マゴイットの言葉で窓の外を見てみる。見慣れた山々と空に浮かぶ島が見えてきた。空中城を見つめながら、俺は何事もなくみんなを助ければいいなと、心で考えていた。
「アルティは空中城におるんかい、そやったら早よ、いこや」
「でも、塔を降りるのも大変ですよ、登ってきた時と同じくらい時間はかかるでしょうし・・」
しかし、そんな会話をしていた俺たちに、アズラヴィルが思わぬ話をしてきた。
「そうでもないよ、秘密の階段があるんだ」
みんな、アズラヴィルのその言葉に耳を傾ける。どうも、他のダンジョンにもよくある、抜け道があるようで、それを使えばすぐに下まで降りられるよである。もちろん普通は使えないものなんだけど、俺はここの所有者として認められたので教えて貰った。
壁の一部が開いて、そこに円形の床が浮いていた。アズラヴィルはその床の上へと足を進める。それに続いて、俺たちもそこへ乗り込んだ。床から伸びている棒の先にある光ったボタンみたいなものをアズラヴィルは何やら操作する。するとふわっとした浮遊感を感じると、床が下へと移動し始めた。
数分で移動は終わった。どうやら一番下の階層へと到着したみたいである。扉が開いて見える景色は地上のものであった。
「ここは丁度塔の裏側かな、アズラヴィル」
「どうかな、地上に降りたのは千年ぶりくらいだから位置関係が良く分からない」
昔見た景色とあまりにもかけ離れているようで、アズラヴィルは少し困ったようにそう答えた。代わりにファミュがそれに答えてくれた。
「そうですね、景色を見ると塔の裏手にあった森の中のように思えます」
「アズラヴィル、ここからいつでも頂上に行けるんだよね」
「そうだよ。頂上だけじゃなく、好きな階へと移動ができる」
「なんと、それは便利だね、アテナ、ここの位置情報とか登録できたりとかできる?」
アテナはそう俺に質問されて、ゆっくりと紋次郎の方を見るとゆっくりと回答する。
「はい。私には次元GPSが内蔵されていますので、正確な位置情報を登録することが可能です。」
「じゃあ、塔の裏口の名前で登録しといて」
「了解しました。登録いたします」
「さて、まずは馬車預り所へ向かおう」
「なんや馬車で空中城まで行くんか、だいぶ時間かかるんちゃうか」
「いや、もっといいものを預けてるんだ」
歩いて30分ほどで馬車預り所へと到着した。そこで天馬挺を引き取る。
「おおおおっ、天馬挺やないか! 見た目と違って紋次郎ってそんなに金持ちなんか?」
「いや・・え・・となんだろう、説明が難しいんだけど、正確には無断で拝借したというか・・」
「なんやパクったんか」
「いやいや盗んだ訳じゃないよ・・戦利品というか・・勝手に借りてるというか・・」
「紋次郎も悪いやっちゃな、まあええわ、早乗ろうや」
マゴイットに急かされ、俺たちは天馬挺へ乗り込んだ。そしてすぐに出発する。目指すはみんなが待っている空中城だ。
「紋次郎の要件が終わったら、僕は今の世の街の風景を見学したいと思ってる」
アズラヴィルは天馬挺の中でそう話してきた。
「あっ、じゃあエラスラの街かアルマームの街を案内するよ」
「そうかい、それじゃあお願いしようかな」
恐る恐るファミュもその話に入ってきた。
「も・・紋次郎、私も一緒にいいですか」
「あれ、ファミュも街の風景に興味があるんだ」
「ええ・・そうです・・あまり冒険に必要な施設しか行ったことないので・・」
本当は紋次郎に興味があるだけなのだが、そんなことは言えるわけもなくごまかしてしまう。
「さて、そろそろ空中城に到着するでえ」
マゴイットの言葉で窓の外を見てみる。見慣れた山々と空に浮かぶ島が見えてきた。空中城を見つめながら、俺は何事もなくみんなを助ければいいなと、心で考えていた。
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