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塔の戦い
塔の仲間たち
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塔の攻略パーティーのキャンプで、紋次郎は仲間を紹介してもらった。リーダーの伝説級冒険者のファミュをはじめとして、全員が英雄級冒険者の強者揃いであった。
「俺はギュネムだ。邪魔さえしなければ歓迎する」
少しきつめの言葉で自己紹介してくれたのは、青い重装備で身を固めた戦士であった。武器は三又槍のようで、常に自分の近くに置いている。
「私はダルネよ、あなたのゴーレムにちょっと興味があるんだけど、後で見せてくれる?」
そう言って少し馴れなれしく接してきたのは漆黒のローブをゆったり着込んだ、魔導士風の、髪の長い女性であった。彼女は俺に興味があるわけではないようで、しきりにゴン太のことを聞いてくる。
「バジュゴだ、よろしくな」
「ワインベルグと言います。よろしくお願いします」
バジュゴはゴツゴツとした黒い鎧の戦士で、巨大な両手剣を使うようだ。ワインベルグはハンターだろうか、弓を背中に装備している。
「私はシュラザード・・・仲間を守るのが私の仕事です・・」
純白のローブを着ている銀色の髪をしたその女性は、おそらく僧侶系のジョブのようである。
「ハーダーザだ、お前、俺の弟子になるか?」
かなり暗い感じの人で、おそらく呪術師か何かだろうか、ちょっとよくわからないことを言っている。
「クレナイ・・・それだけ覚えておけ・・」
うむ・・くノ一といったとこかな、明らかに忍者な格好の女性が控えめに挨拶してくれる。
「私はリンカだよ、僧侶をやってるんだよ。回復系の魔法が得意かな、あと防御系の魔法も使えるよ。君はゴーレム使いなんだって? すごいねあんな大きなの操ってさぁ、なんか傷とかできたら言ってね、パパッと治しちゃうから。それと死んでも生き返らせれるけど面倒だからなるべく死なないでね。あと何か言っとくことあったかな・・・そうだ、なんか甘い物持ってない? 持ってきてたお菓子全部食べちゃったんだよね・・あんなにいっぱい持ってきてたのに・・・」
よく喋る子だな・・ピンクの髪の女の子で、僧侶らしい。
「俺はラザックという名だが、お前は俺をそう呼ぶことを禁止する。本名を呼んでいいのは仲間だけだ。俺はまだお前を仲間だと認めたわけじゃない」
ちょっと距離を置いた言い方をしてきたのは金色の全身鎧と巨大な盾を持った騎士であった。じゃあなんて呼べばいいかわからないので、とりあえず話しかけないことにする。
「わしゃボミノフじゃ、まあ、長く生きとる魔法使いじゃな、よろしく頼むのう」
高齢の魔法使いはそう紹介してきた。
みんな個性的な人たちであるが、頼りになりそうだ。これならなんとか頂上まで行けそうだ・・そう思っていたのだけど・・
「頂上? このエラスラの塔の頂上に行きたいって? それは何の冗談だよ、俺たちの目指しているのは到達新記録の16階層、60階層あるこの塔の頂上なんて、とてもじゃないけど行けるもんじゃないぞ」
「ええ! そうなんですか!」
ギュネムさんは冷静にそう言ってきた。それに同意するようにファミュさんが話を続ける。
「そりゃあ、私たちだって頂上に行きたいとは思うけど、単純に戦力不足です。今のパーティーの力では現在の到達記録の15階層もギリギリいけるかどうかって感じですから」
「そんなに難しいですか・・それでも・・俺は頂上を目指さないといけないんですけど・・」
「・・・あなたにどんな事情があるか知らないけど、危険なギャンブルは冒せないです。まあ、状況を見て、安全な所までなら一緒に同行してあげるけど、少しでも危険だと判断したら、私たちは撤退しますよ」
「はい・・そうですね、そんな無理は言えませんよね」
攻略パーティーって言うくらいだから、無条件で頂上を目指しているもんだと思っちゃったけど・・やはりそんなに甘くないか・・
パーティーはその場所で一晩休んだ後に、12階層へと向かって進み始めた。大きな木の中にある階段を見つけて、そこから上層へと上がり始める。ここまで戦闘はなかったが、12階層へ上がってすぐに、この精鋭パーティーの力を見ることになる。
「俺はギュネムだ。邪魔さえしなければ歓迎する」
少しきつめの言葉で自己紹介してくれたのは、青い重装備で身を固めた戦士であった。武器は三又槍のようで、常に自分の近くに置いている。
「私はダルネよ、あなたのゴーレムにちょっと興味があるんだけど、後で見せてくれる?」
そう言って少し馴れなれしく接してきたのは漆黒のローブをゆったり着込んだ、魔導士風の、髪の長い女性であった。彼女は俺に興味があるわけではないようで、しきりにゴン太のことを聞いてくる。
「バジュゴだ、よろしくな」
「ワインベルグと言います。よろしくお願いします」
バジュゴはゴツゴツとした黒い鎧の戦士で、巨大な両手剣を使うようだ。ワインベルグはハンターだろうか、弓を背中に装備している。
「私はシュラザード・・・仲間を守るのが私の仕事です・・」
純白のローブを着ている銀色の髪をしたその女性は、おそらく僧侶系のジョブのようである。
「ハーダーザだ、お前、俺の弟子になるか?」
かなり暗い感じの人で、おそらく呪術師か何かだろうか、ちょっとよくわからないことを言っている。
「クレナイ・・・それだけ覚えておけ・・」
うむ・・くノ一といったとこかな、明らかに忍者な格好の女性が控えめに挨拶してくれる。
「私はリンカだよ、僧侶をやってるんだよ。回復系の魔法が得意かな、あと防御系の魔法も使えるよ。君はゴーレム使いなんだって? すごいねあんな大きなの操ってさぁ、なんか傷とかできたら言ってね、パパッと治しちゃうから。それと死んでも生き返らせれるけど面倒だからなるべく死なないでね。あと何か言っとくことあったかな・・・そうだ、なんか甘い物持ってない? 持ってきてたお菓子全部食べちゃったんだよね・・あんなにいっぱい持ってきてたのに・・・」
よく喋る子だな・・ピンクの髪の女の子で、僧侶らしい。
「俺はラザックという名だが、お前は俺をそう呼ぶことを禁止する。本名を呼んでいいのは仲間だけだ。俺はまだお前を仲間だと認めたわけじゃない」
ちょっと距離を置いた言い方をしてきたのは金色の全身鎧と巨大な盾を持った騎士であった。じゃあなんて呼べばいいかわからないので、とりあえず話しかけないことにする。
「わしゃボミノフじゃ、まあ、長く生きとる魔法使いじゃな、よろしく頼むのう」
高齢の魔法使いはそう紹介してきた。
みんな個性的な人たちであるが、頼りになりそうだ。これならなんとか頂上まで行けそうだ・・そう思っていたのだけど・・
「頂上? このエラスラの塔の頂上に行きたいって? それは何の冗談だよ、俺たちの目指しているのは到達新記録の16階層、60階層あるこの塔の頂上なんて、とてもじゃないけど行けるもんじゃないぞ」
「ええ! そうなんですか!」
ギュネムさんは冷静にそう言ってきた。それに同意するようにファミュさんが話を続ける。
「そりゃあ、私たちだって頂上に行きたいとは思うけど、単純に戦力不足です。今のパーティーの力では現在の到達記録の15階層もギリギリいけるかどうかって感じですから」
「そんなに難しいですか・・それでも・・俺は頂上を目指さないといけないんですけど・・」
「・・・あなたにどんな事情があるか知らないけど、危険なギャンブルは冒せないです。まあ、状況を見て、安全な所までなら一緒に同行してあげるけど、少しでも危険だと判断したら、私たちは撤退しますよ」
「はい・・そうですね、そんな無理は言えませんよね」
攻略パーティーって言うくらいだから、無条件で頂上を目指しているもんだと思っちゃったけど・・やはりそんなに甘くないか・・
パーティーはその場所で一晩休んだ後に、12階層へと向かって進み始めた。大きな木の中にある階段を見つけて、そこから上層へと上がり始める。ここまで戦闘はなかったが、12階層へ上がってすぐに、この精鋭パーティーの力を見ることになる。
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