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ダンジョンウォー
援軍
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「嘘だよね・・・」
「現実のようです」
リンスのその冷静な返しは、それが間違いなく目の前で起こっていることを証明していた。間違いなく、敵は三体へと数を増やした。
アスターシアは、新たに現れた敵に、攻撃魔法を放った。それは、最初の敵との性能差を見るためであり、敵の力を試すための攻撃であった。その攻撃は新たなに現れた二体に直撃する。それ相応の攻撃力を持つその攻撃魔法だが、全く効いてはいないようだ。
「似ているのは見た目だけではないようですわ」
ゆっくり合流した三体の敵は、並んで紋次郎たちに向きなおり、一斉に手を振りかざして、先ほどの炎の玉の魔法を、三体同時に放つ。単純に先ほどの三倍の数の炎の玉が飛来してくる。そのフロアーを埋め尽くすほどの炎の玉はまさに絶望の地獄絵図であった。
急いでアスターシアとリンスは追撃の魔法を唱える。ものすごい量のレーザーミサイルと熱火球が出現して、炎の玉を撃墜していく。しかし、それでも数が多すぎて間に合わない。多くの炎の玉が紋次郎たちに襲いかかる。辺りが火の海になるほどの火力が一面に広がる。その広がる火の海になすすべもなく紋次郎たちは壁際へと追いやられた。逃げ遅れたクロノスの仲間がその火の海の飲み込まれる。
敵の三位一体の次の攻撃が来る。それは闇風の魔法であった。火の海に吹き付けることによってそれは炎の烈風となり、凄まじい爆風と、灼熱とかした炎の海が紋次郎たちへと襲いかかろうとしていた。
だが、紋次郎たちの目の前にまで迫った炎の波は、何かの壁にぶつかり真上にと立ち上がる。
「これはプロテクト・シールドウォール・・・」
それは前方一方向に絶大な防御性能を持つ防御魔法であった。リンスは、これを使える仲間を一人知っていた。まさかと思い、後方を見やる。そこには杖を振りかざしているメイルの姿と、すでに魔法の詠唱に入っているデナトスの姿、そしてこちらに走り近づいてきているミュラーナの姿があった。もう一人、知らない騎士の男の姿があるが、おそらくランティークの冒険者の一人であろう。
「ミュラーナ、メイル、デナトス!」
デナトスのパーティーは、担当のダンジョンをいち早く攻略していた。そして、そのまま帰るのではなく、比較的近くにあった紋次郎パーティー担当のダンジョンへと足を運んでくれていたのだ。
デナトスは炎に対して、氷結の魔法で対抗する。しかし、強力な氷結魔法でも、灼熱とかした炎の海を完全には消し去ることはできなかった。だが、弱まった炎に、アスターシアがとっておきの魔法を使用した。それは水龍の召喚であった。水の体を持つ龍は、炎にぶつかり、それを消していく。水龍はすべての炎を消し去ると、モヤモヤとつかみどころのない黒い影への敵へと体当たりを繰り出した。だが、水龍は激しい蒸気をあげて消滅する。
「大丈夫か、紋次郎!」
「ミュラーナ、来てくれたんだ」
「結構早く攻略できたんでな、暇だから立ち寄ってみたんだよ、それよりあの敵はなんだ・・」
「ここのボスみたいですわ、あんな魔物は見たこともないので、何なのかはわかりませんけど」
アスターシアのその答えに、ミュラーナは考え込む。
「あたいも見たことはないけど、どこかであんな魔物の話を聞いた事あるんだよな・・何だっけな・・」
「まあ、あれが何者でも、今はあれを倒す事を考えないといけません。みなさん、力を貸してください」
リンスのその言葉に、一同黙って頷く。
左からデナトス、メイル、リンス、紋次郎、アスターシア、ミュラーナ、クロノス、バルトの順で横一列に並び、敵と対峙する。メイルの防御魔法の詠唱が始まる。それを皮切りに、皆、各々行動を開始した。
「現実のようです」
リンスのその冷静な返しは、それが間違いなく目の前で起こっていることを証明していた。間違いなく、敵は三体へと数を増やした。
アスターシアは、新たに現れた敵に、攻撃魔法を放った。それは、最初の敵との性能差を見るためであり、敵の力を試すための攻撃であった。その攻撃は新たなに現れた二体に直撃する。それ相応の攻撃力を持つその攻撃魔法だが、全く効いてはいないようだ。
「似ているのは見た目だけではないようですわ」
ゆっくり合流した三体の敵は、並んで紋次郎たちに向きなおり、一斉に手を振りかざして、先ほどの炎の玉の魔法を、三体同時に放つ。単純に先ほどの三倍の数の炎の玉が飛来してくる。そのフロアーを埋め尽くすほどの炎の玉はまさに絶望の地獄絵図であった。
急いでアスターシアとリンスは追撃の魔法を唱える。ものすごい量のレーザーミサイルと熱火球が出現して、炎の玉を撃墜していく。しかし、それでも数が多すぎて間に合わない。多くの炎の玉が紋次郎たちに襲いかかる。辺りが火の海になるほどの火力が一面に広がる。その広がる火の海になすすべもなく紋次郎たちは壁際へと追いやられた。逃げ遅れたクロノスの仲間がその火の海の飲み込まれる。
敵の三位一体の次の攻撃が来る。それは闇風の魔法であった。火の海に吹き付けることによってそれは炎の烈風となり、凄まじい爆風と、灼熱とかした炎の海が紋次郎たちへと襲いかかろうとしていた。
だが、紋次郎たちの目の前にまで迫った炎の波は、何かの壁にぶつかり真上にと立ち上がる。
「これはプロテクト・シールドウォール・・・」
それは前方一方向に絶大な防御性能を持つ防御魔法であった。リンスは、これを使える仲間を一人知っていた。まさかと思い、後方を見やる。そこには杖を振りかざしているメイルの姿と、すでに魔法の詠唱に入っているデナトスの姿、そしてこちらに走り近づいてきているミュラーナの姿があった。もう一人、知らない騎士の男の姿があるが、おそらくランティークの冒険者の一人であろう。
「ミュラーナ、メイル、デナトス!」
デナトスのパーティーは、担当のダンジョンをいち早く攻略していた。そして、そのまま帰るのではなく、比較的近くにあった紋次郎パーティー担当のダンジョンへと足を運んでくれていたのだ。
デナトスは炎に対して、氷結の魔法で対抗する。しかし、強力な氷結魔法でも、灼熱とかした炎の海を完全には消し去ることはできなかった。だが、弱まった炎に、アスターシアがとっておきの魔法を使用した。それは水龍の召喚であった。水の体を持つ龍は、炎にぶつかり、それを消していく。水龍はすべての炎を消し去ると、モヤモヤとつかみどころのない黒い影への敵へと体当たりを繰り出した。だが、水龍は激しい蒸気をあげて消滅する。
「大丈夫か、紋次郎!」
「ミュラーナ、来てくれたんだ」
「結構早く攻略できたんでな、暇だから立ち寄ってみたんだよ、それよりあの敵はなんだ・・」
「ここのボスみたいですわ、あんな魔物は見たこともないので、何なのかはわかりませんけど」
アスターシアのその答えに、ミュラーナは考え込む。
「あたいも見たことはないけど、どこかであんな魔物の話を聞いた事あるんだよな・・何だっけな・・」
「まあ、あれが何者でも、今はあれを倒す事を考えないといけません。みなさん、力を貸してください」
リンスのその言葉に、一同黙って頷く。
左からデナトス、メイル、リンス、紋次郎、アスターシア、ミュラーナ、クロノス、バルトの順で横一列に並び、敵と対峙する。メイルの防御魔法の詠唱が始まる。それを皮切りに、皆、各々行動を開始した。
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