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ダンジョンウォー

ダンジョンウォー

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ダンジョンギルドの一室、そこでダンジョンウォーの詳細が話し合われていた。面子は敵の3名のマスターとそれぞれの秘書、ランティークとその秘書、俺とリンス、ギルドマスターとカサブランカ、それとギルド政務官と呼ばれる役職の人が3名であった。

「そちらにルールの詳細が書かれています。その内容で問題なければ、こちらの契約書を元にエイルに契約を行ってもらいます」
ルール説明を聞いて、俺はギョッとした。勝利条件の内容に、相手の全てのダンジョンの攻略とあるのだけど・・敵のマスターの所有するダンジョンは全部で17・・ランティークは5つ所有しているみたいだけど、うちは一つしかない・・・17対6って・・・不利すぎる。

「紋次郎様・・・勝利条件もそうなんですが、亜人の定義が冒険者に限定されています」
「それはどういうこと?」
「簡単に言いますと、アスターシアやリリスは冒険者としてしかこの戦いには参加できません」
「ええええ! それは困るよ・・」
「それだけではないです・・神獣は不参加と書かれています」
「それってどういうこと? どうしてそんなこと書いてるの?」
「これは・・ちょっとおかしいですね・・こちらの情報をある程度把握してこのルールを作成してるとしか思えません」

ギルドマスタのズオルドが声をかけてくる。
「どうした、何か不備でもあるのか?」
ルールに不満はあるけど、内容的には不備というものではなかった。これを指摘してルールを改正してもらうのは理由に乏しい・・うちには強力な神獣がいるので是非参加させたいのでルールの変更してくれと言うのはちょっと苦しい話なのだ。

「しかたありません・・こちらでお受けするしかないですね・・」
「だね・・、ランティークさん、これでお受けして良いですか?」
「私はどんなルールも問題ない。君がいいのならそれで良いぞ」

それを聞いて俺は正式に発言する
「こちらで問題ありません」
相手側は気持ち悪く笑いなが答える。
「こっちも問題ねえぞ、へへへ」

その双方の返答を聞いて、カサブランカがまとめる。
「それでは双方問題無いようですのでこちらでルールを確定します。後は勝利報酬の話に移ります。こちらご希望はございますか?」
「え、勝利報酬って何?」
「ダンジョンウォーは、勝利した運営側が、敗者から何かしらの戦利品を貰うことができるんです」
「そうなの?」

さらにいやらしく笑った敵マスターはとんでもないことを言い出した。
「へへへ、こちらはその女秘書を貰いたい。どうせ金なんて持ってなさそうだからなあ」
「何! そんなのダメだ! リンスは物じゃない」
「おう・・ひよっちまったのか、勝てばいいんだよ勝てば!」

それを聞いたリンスは、少し悲しく笑いながら、俺に言ってくれる。
「紋次郎様、私たちは負けません、大丈夫です、その条件を受けましょう」
「リンス・・・でも・・」
「自分の仲間を信じてください。みんな頼りになるでしょう?」
「わかった・・リンス、絶対勝ってみせるからね」
俺たちはその条件を了承した。

「マスター紋次郎側は、勝利報酬は何を希望しますか?」

ここは悩んだけど、無難にお金にした。お金だったらランティークさんと分けることもできるし、なんだかんだ言っても今のうちには、お金が必要だからね。

宿に帰って一連の話をすると、案の定ポーズに怒られる。
「何やってんだよ馬鹿主! なんだよダンジョンウォーって、そんなことやってる場合じゃねえだろうが」
「そうだよね・・負けたらダンジョンギルド除名されて、リンスも取られちゃうし・・・勝っても1億ゴルドが入ってくるだけだから・・」
「1億!! ・・・・・勝利報酬は1億ゴルドなのか?」
「そうだよ」
「よし! こんなところにいる場合じゃない、さっさと帰って対策を練るぞ!」

本当、ポーズは単純というか・・欲望に忠実なのか・・お金に弱いだけなのかもしれないけどね。

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