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185. 大気圏突入
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厄災のコアは本体を離れた、にも拘らずその表体からは各個体を無限に生み出し、本体自体も鈍い動きながらこちらを攻撃してくるのだから、こちらも全力で相手をする。
宇宙へと飛翔した二つの翼が戻って来るまで、何とか持ち堪えなければならないのだが…。
「セイッ!」
防御特化の厄災に正拳突きを喰らわせると、その装甲を破壊出来るとして「ビシッ」という音と共に小手に大きな亀裂が入る。
「もう使えないか…」
『両方イカれてしまったな』
「まだよ、まだ武器はある!」
群れを成して突っ込んで来る変異体を始めとした各個体を、装着したトンファーで蹴散らしていれば炎で形成された鳥が多くを飲み込んで行く。
「キアありがとう」
「まだ来ます、油断なさらぬよう」
「貴女も力の使い過ぎには注意して」
「ええ!」
残った個体を火弾で蹴散らせばその場は収まるとして、本体からは傘が生み出されてそこから更に戦闘機型が放たれるのだが、それらは高い高度から戦線を離れようとする。
「何処へ行こうというのです?」
「まさか、市街地へ!」
「そんな事、絶対にさせません!!」
飛び去っていこうとする爆撃機に、二丁拳銃で攻撃を加えれば次々と撃墜出来るとして、これは例によって爆弾を搭載しているからなのだろう。
しかしある程度は落せたものの、撃ち漏らした個体は飛び去って行こうとしているので、いざとなったら加速して接近し落とす事になる。
「止む負えません、行きます!」
『まった!』
制止する翼の言葉に停止すると蒼い雷光が爆撃機を襲い、一瞬にして爆散し消滅する。
「ノーマ、助かります」
「何故今更市街へ?」
『本体の腕が来るぞ!』
またも上空から腕が振り下ろされるのだが、その動きが緩慢である事には変わりなく余裕で回避出来るとして、もう片方の腕も同じようにして地面を揺さぶる。
両手をついて地面に突っ伏しているように見えたのも束の間、その状態から顔だけを起き上がらせるので醜悪な顔が否が応でも視界に飛び込んで来るのだが、突如として口が開く。
「不味いあの攻撃か!」
「それなら私が!」
「ヒナ…護りの翼ならいけるのか?」
口は開かれた、だが閃光が放たれる様子も無く開いたり閉じたりを繰り返しいるので、その意図を図りかねていると低い地ならしのような音が響く。
『ニ…グ…イ…』
「何だ!?」
「本体の…声?」
「ニ、グイ…」
「にぐい?」
「いや…憎い、じゃないか?」
「私たちが憎い?」
「憎い…そうね、私が憎いのでしょうね」
「世良?」
「私はあなたから全てを奪った…弟、父親、息子、全てを誅殺した私の事が許せないのね」
「そんな事が…!」
「安心しなさい、いずれ私も彼らと同じ所に行くでしょう…」
「世良殿!?」
「大丈夫よキア…それはまだ先の話! 今直ぐに逝くべきはあなたよ、ズーイ!!」
「ニグイ……オ、オ、オ」
それだけ言うと表体を振るわせて次々と個体を生み出して行くのだが、腕から出現するのは地上タイプの個体ばかりで、どれもがこちらにはわき目も振らずに都市を目指して行く。
「無視をするな!」
雷を放てば周囲の木々もろ撃破出来るとして、数が多すぎるので大翼と炎の翼で地上へ向かい、それを雷撃で援護する。
援護に集中する為には空の厄災を相手にしてる暇は無いのだが、その点は安心だ。
「貴女の背中は私が護るわ」
「頼むぞヒナ」
「ええ!」
接近して来る可変型の個体を大剣で薙ぎ払う様は見ていて頼もしい限りだ。 だがいつまでもそうしてはいられない、地上の個体を駆逐しなければならないのだから。
「砲が使えるのも後わずかだが…やるぞ!」
『ああ! …ん? 何だ、光?』
「何でしょう? あの光は…」
「光? 確かにそうね」
地上へ向かう際、追撃してきた個体を撃破したキアが目撃した光…まるで真昼の星のように輝いているとして、あれが一体何を指示しているのだろうか。
「羽音と理音さんが、コアを破壊した?」
『何かの爆発によるものである事は確かだ』
何かの爆発…それが何かは分からないのがもどかしいが、応戦している内に空には幾つもの筋が浮かび上がる。
「流星なのです」
『爆発した物体の破片が落下しているんだ』
相当大きい物であったようだが、破片は細かいので地上への影響はほぼ無いようだ。 それにしても、宇宙の戦いの決着はどうなったのであろうか。
「爆発が来る! シールドを!!」
「了解よ!…」
忌まわしき女王を巻き込み宇宙ステーションは大爆発を起こす。 だがここは真空の世界…巨大な炎が吹き上がり、幾重にも亀裂が入った壁面が飛び散って行こうともその音は何も聞こえず静寂そのものだ。
「シールドはそのままで、破片が来る!」
ステーションを炎が飲み込むと同時にシールドに衝撃が走るので、細かい破片が勢い良く飛び散っているのが確認出来るとして、死の翼が何処へ行ったはわからない。
この爆発に巻き込まれて跡形もなく消滅していれば良いのだろうが、流石にそれは希望的観測が過ぎるだろう。
「物凄い爆発…終わったの?」
「ううん、まだだよ…感じる、破片と一緒に地球へ落ちて行く」
「地球へ? なら私たちも…」
「戻ろう、そして決着を付ける」
爆発が収まりつつある中、破片の散乱も落ち着いてきたのでその場を離れて地球への降下を開始する。 母が好きなアニメで幾度と無く見た「大気圏突入」というヤツだ。
『突入の角度は計算済みだ、ガイドは任せて』
「うん、いよいよだね…まあ、離脱は出来たんだから、逆も問題無い筈」
「そうかしら? 私は不安だわ、離脱したと言っても無我夢中だったから」
「そっか…」
私たちが元居た場所に戻る為には、破片が落下するコースから大きく外れるので、降下中に破片に襲われる心配はなさそうだ。
最もそれは死の翼にも言えた事で、直ぐに破片とは違うコースを取ったようで目的地は同じなのだろう、本体が居るのだから当然といえば当然だが。
『もう直ぐ大気との摩擦が始まる』
「うん、シールドを展開するよ」
希望の翼と寄り添いシールドを展開して暫くすれば、目の前が赤く染まるのでいよいよ大気圏への突入だ。 それにしても行きより時間が掛かってしまうのは、角度が緩やかだからなのだが表体の温度が徐々に上昇しているのでこのままでは不味い事になってしまう。
「暑いわね…」
「翼よ、熱から私たちを守って!」
翼で覆えば温度の上昇は防げるので取り敢えずは一安心で、そうこうしているうちに徐々に温度は下がって行くので、もう直ぐ成層圏に辿り着けるのだろう。
「もう少し…あ、あれは日本だね」
「戻って来たのね…」
「ふふ、なんか凄いなぁ」
「羽音?」
「だってね、宇宙に行って更に大気圏に突入した中学生って私くらいじゃない? しかも、ひいばあと一緒…」
「それはそうだけど…どうしたのいきなり?」
「何か分かった気がするの、私がこの力を持った本当の意味が…」
「羽音…」
「行きましょう、皆が待っている」
「あの二人はまだ戻って来ないの?」
『長時間宇宙に留まる事は出来ない、酸素は有限だからな』
「まだまだ! 持ち堪えられます!」
炎の翼が地上の個体を低空飛行で次々と切り伏せて行く様を見ていると、こちらも負けてはいられないと感じるし、空からの援護も無くなったので雷鳴の翼の砲は尽きてしまったのだろう。
消耗戦になる事は分かり切っていた事だが、こうしてみるとやはり状況は簡単には好転出来ないので、コアの破壊が待たれる処だ。
『砲はもう使えない…』
「分かっている…だが、未だだ! 私には未だこれがある!!」
炎の翼より借り受けた剣の柄を振い周囲の個体を薙ぎ払う、地上の援護は出来ないがこちらも空の方に対応するので手一杯になっている。
『遠距離、来るぞ!』
「任せて!」
護りの翼に防御を任せっきりになっているのは、盾が大きく損壊しているからだが防御を任せている方も、バインダーを失っているのでその性能は著しく低下している。
「済まないヒナ」
「大丈夫よ、まだまだ」
「だが状況は不利だ、なあせめてヒナだけでも…」
「ダメよ! 私は逃げない!!」
「悲しむ人がいるじゃないか」
「淳平は逃げ帰った私を愛してはくれない、あの人が愛した私はここで皆と共に最後まで戦う私なの!」
「ヒナ…そうか、そうだよな」
皆覚悟を持って戦っている、その結末がどうなろうと最後の一翼になるまで。 だが希望は捨てない、希望は必ず宇宙から舞い戻ると信じている…。
宇宙へと飛翔した二つの翼が戻って来るまで、何とか持ち堪えなければならないのだが…。
「セイッ!」
防御特化の厄災に正拳突きを喰らわせると、その装甲を破壊出来るとして「ビシッ」という音と共に小手に大きな亀裂が入る。
「もう使えないか…」
『両方イカれてしまったな』
「まだよ、まだ武器はある!」
群れを成して突っ込んで来る変異体を始めとした各個体を、装着したトンファーで蹴散らしていれば炎で形成された鳥が多くを飲み込んで行く。
「キアありがとう」
「まだ来ます、油断なさらぬよう」
「貴女も力の使い過ぎには注意して」
「ええ!」
残った個体を火弾で蹴散らせばその場は収まるとして、本体からは傘が生み出されてそこから更に戦闘機型が放たれるのだが、それらは高い高度から戦線を離れようとする。
「何処へ行こうというのです?」
「まさか、市街地へ!」
「そんな事、絶対にさせません!!」
飛び去っていこうとする爆撃機に、二丁拳銃で攻撃を加えれば次々と撃墜出来るとして、これは例によって爆弾を搭載しているからなのだろう。
しかしある程度は落せたものの、撃ち漏らした個体は飛び去って行こうとしているので、いざとなったら加速して接近し落とす事になる。
「止む負えません、行きます!」
『まった!』
制止する翼の言葉に停止すると蒼い雷光が爆撃機を襲い、一瞬にして爆散し消滅する。
「ノーマ、助かります」
「何故今更市街へ?」
『本体の腕が来るぞ!』
またも上空から腕が振り下ろされるのだが、その動きが緩慢である事には変わりなく余裕で回避出来るとして、もう片方の腕も同じようにして地面を揺さぶる。
両手をついて地面に突っ伏しているように見えたのも束の間、その状態から顔だけを起き上がらせるので醜悪な顔が否が応でも視界に飛び込んで来るのだが、突如として口が開く。
「不味いあの攻撃か!」
「それなら私が!」
「ヒナ…護りの翼ならいけるのか?」
口は開かれた、だが閃光が放たれる様子も無く開いたり閉じたりを繰り返しいるので、その意図を図りかねていると低い地ならしのような音が響く。
『ニ…グ…イ…』
「何だ!?」
「本体の…声?」
「ニ、グイ…」
「にぐい?」
「いや…憎い、じゃないか?」
「私たちが憎い?」
「憎い…そうね、私が憎いのでしょうね」
「世良?」
「私はあなたから全てを奪った…弟、父親、息子、全てを誅殺した私の事が許せないのね」
「そんな事が…!」
「安心しなさい、いずれ私も彼らと同じ所に行くでしょう…」
「世良殿!?」
「大丈夫よキア…それはまだ先の話! 今直ぐに逝くべきはあなたよ、ズーイ!!」
「ニグイ……オ、オ、オ」
それだけ言うと表体を振るわせて次々と個体を生み出して行くのだが、腕から出現するのは地上タイプの個体ばかりで、どれもがこちらにはわき目も振らずに都市を目指して行く。
「無視をするな!」
雷を放てば周囲の木々もろ撃破出来るとして、数が多すぎるので大翼と炎の翼で地上へ向かい、それを雷撃で援護する。
援護に集中する為には空の厄災を相手にしてる暇は無いのだが、その点は安心だ。
「貴女の背中は私が護るわ」
「頼むぞヒナ」
「ええ!」
接近して来る可変型の個体を大剣で薙ぎ払う様は見ていて頼もしい限りだ。 だがいつまでもそうしてはいられない、地上の個体を駆逐しなければならないのだから。
「砲が使えるのも後わずかだが…やるぞ!」
『ああ! …ん? 何だ、光?』
「何でしょう? あの光は…」
「光? 確かにそうね」
地上へ向かう際、追撃してきた個体を撃破したキアが目撃した光…まるで真昼の星のように輝いているとして、あれが一体何を指示しているのだろうか。
「羽音と理音さんが、コアを破壊した?」
『何かの爆発によるものである事は確かだ』
何かの爆発…それが何かは分からないのがもどかしいが、応戦している内に空には幾つもの筋が浮かび上がる。
「流星なのです」
『爆発した物体の破片が落下しているんだ』
相当大きい物であったようだが、破片は細かいので地上への影響はほぼ無いようだ。 それにしても、宇宙の戦いの決着はどうなったのであろうか。
「爆発が来る! シールドを!!」
「了解よ!…」
忌まわしき女王を巻き込み宇宙ステーションは大爆発を起こす。 だがここは真空の世界…巨大な炎が吹き上がり、幾重にも亀裂が入った壁面が飛び散って行こうともその音は何も聞こえず静寂そのものだ。
「シールドはそのままで、破片が来る!」
ステーションを炎が飲み込むと同時にシールドに衝撃が走るので、細かい破片が勢い良く飛び散っているのが確認出来るとして、死の翼が何処へ行ったはわからない。
この爆発に巻き込まれて跡形もなく消滅していれば良いのだろうが、流石にそれは希望的観測が過ぎるだろう。
「物凄い爆発…終わったの?」
「ううん、まだだよ…感じる、破片と一緒に地球へ落ちて行く」
「地球へ? なら私たちも…」
「戻ろう、そして決着を付ける」
爆発が収まりつつある中、破片の散乱も落ち着いてきたのでその場を離れて地球への降下を開始する。 母が好きなアニメで幾度と無く見た「大気圏突入」というヤツだ。
『突入の角度は計算済みだ、ガイドは任せて』
「うん、いよいよだね…まあ、離脱は出来たんだから、逆も問題無い筈」
「そうかしら? 私は不安だわ、離脱したと言っても無我夢中だったから」
「そっか…」
私たちが元居た場所に戻る為には、破片が落下するコースから大きく外れるので、降下中に破片に襲われる心配はなさそうだ。
最もそれは死の翼にも言えた事で、直ぐに破片とは違うコースを取ったようで目的地は同じなのだろう、本体が居るのだから当然といえば当然だが。
『もう直ぐ大気との摩擦が始まる』
「うん、シールドを展開するよ」
希望の翼と寄り添いシールドを展開して暫くすれば、目の前が赤く染まるのでいよいよ大気圏への突入だ。 それにしても行きより時間が掛かってしまうのは、角度が緩やかだからなのだが表体の温度が徐々に上昇しているのでこのままでは不味い事になってしまう。
「暑いわね…」
「翼よ、熱から私たちを守って!」
翼で覆えば温度の上昇は防げるので取り敢えずは一安心で、そうこうしているうちに徐々に温度は下がって行くので、もう直ぐ成層圏に辿り着けるのだろう。
「もう少し…あ、あれは日本だね」
「戻って来たのね…」
「ふふ、なんか凄いなぁ」
「羽音?」
「だってね、宇宙に行って更に大気圏に突入した中学生って私くらいじゃない? しかも、ひいばあと一緒…」
「それはそうだけど…どうしたのいきなり?」
「何か分かった気がするの、私がこの力を持った本当の意味が…」
「羽音…」
「行きましょう、皆が待っている」
「あの二人はまだ戻って来ないの?」
『長時間宇宙に留まる事は出来ない、酸素は有限だからな』
「まだまだ! 持ち堪えられます!」
炎の翼が地上の個体を低空飛行で次々と切り伏せて行く様を見ていると、こちらも負けてはいられないと感じるし、空からの援護も無くなったので雷鳴の翼の砲は尽きてしまったのだろう。
消耗戦になる事は分かり切っていた事だが、こうしてみるとやはり状況は簡単には好転出来ないので、コアの破壊が待たれる処だ。
『砲はもう使えない…』
「分かっている…だが、未だだ! 私には未だこれがある!!」
炎の翼より借り受けた剣の柄を振い周囲の個体を薙ぎ払う、地上の援護は出来ないがこちらも空の方に対応するので手一杯になっている。
『遠距離、来るぞ!』
「任せて!」
護りの翼に防御を任せっきりになっているのは、盾が大きく損壊しているからだが防御を任せている方も、バインダーを失っているのでその性能は著しく低下している。
「済まないヒナ」
「大丈夫よ、まだまだ」
「だが状況は不利だ、なあせめてヒナだけでも…」
「ダメよ! 私は逃げない!!」
「悲しむ人がいるじゃないか」
「淳平は逃げ帰った私を愛してはくれない、あの人が愛した私はここで皆と共に最後まで戦う私なの!」
「ヒナ…そうか、そうだよな」
皆覚悟を持って戦っている、その結末がどうなろうと最後の一翼になるまで。 だが希望は捨てない、希望は必ず宇宙から舞い戻ると信じている…。
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