上 下
4 / 202

登場人物紹介 山代家編 3.

しおりを挟む
 山代翔平(やましろしょうへい)

 登場時の年齢は四十歳

 主人公羽音と兄である淳平の父、全体的に影が薄い。

 小学校から大学まで一貫してサッカーを続けているが、高校生時代などはバイトやバンド活動も行っており、ほぼ幽霊部員だった。 学生時代にバイクの免許も取得している。
 
 幼少の頃より父親譲りの恵まれた体格ではあったのだが、のんびりとした気性で気は優しくて力持ちといった性格。 尚、イケメンではあるので昔からそこそこモテた。

 中学の終わりから高校三年生まで交際していた女性がいたのだが、高校三年の中頃に一方的に別れを告げられて失恋を経験する。
 
大学受験も控えており家族は心配していたのだが、妹である美羽は新しい彼女が出来れば、気を持ち直すかもしれないと旧友である城山結衣を翔平に紹介し交際がスタートした。 
 何だかんだで交際は続き翔平の気も持ち直したのだが、どのような会社を創るか思い悩む日々は続いた。

 どうにか志望校には合格したのだが、そこでもサッカー部に入り二つ上の先輩である如月勇馬と出会う。
 面倒見の良い如月と、どことなくのんびりとした性格の翔平は意気投合し、互いの夢を語り合うようになるが翔平が起業で悩んでいる事を知り、それならインターネット関連の事業はどうかと勧められた。
 これからはネットで誰でも繋がれる時代になると如月の言葉に動かされ、IT関連の事業を立ち上げる事を決心する。
 
 そうして月日は流れ、大学卒業と同時に起業と結婚をと考えていた翔平だったが、ここで思わぬ事態が発生してしまう。
 それは結衣の妊娠……結婚は決めていたが、順番が逆になってしまい急きょ、結衣の両親に報告に行くのだがここで一騒動あった。

 しかし、何とか結婚を認めて貰い起業の目処もたったので、大学卒業後にITビジネス事業を行う"株式会社シーマンツ"を設立し、結衣と入籍する。
 IT関連という事もあって万事順調とは行かなかったが、大学時代の仲間でもある社員に支えられて徐々に業績を延ばしていく。
 長男の淳平、その五年後には長女の羽音も生まれ、一男一女の父親となり一家の大黒柱として家族を守り、祖父や父に劣らない経営者として日々邁進している。
 
 祖母、理音の若返りには驚いているばかりであったが、その身を孫なりに案じている。
 そして、愛娘である羽音の運命を知らない彼が全てを知る時、父親としてどのような決断を下すのか……。

 家族の絆が試される試練の時は直ぐそこまで来ている。


 山代結衣(やましろゆい)
 旧姓城山(しろやま)

 登場時の年齢は三八歳

 主人公羽音と兄淳平の母、やや影が薄い。 結婚で苗字がひっくり返った人

 城山家の一人娘であり、父親の年がいって授かった子供故に溺愛して育てられた。
 幼少期より、漫画やアニメが好きで父親は好きなように玩具やグッズを買い与えた事もあって、すっかりオタクになってしまう。
 だが、これは父親からしてみればアングラな趣味にはまれば、男と交際する事も無くいつまでも手元に置いておけると言う、今で言う所の毒親のような考えで仕向けられたともいえる。

 高校は父親の強い勧めで女子高に入り、ますます男性と縁遠い学生生活を送る事になるが、この頃になると何時までもこれで良いのだろうかと漠然と思い悩むようになる。
 そんなある日、偶然にも旧友である山代美羽と再会し、懐かしさに話し込んでいたのだが、突如美羽に兄が失恋して落ち込んでいるので励まして欲しいと言われる。

 そんなこんなで交際がスタートするのだが、ネクラ(今で言う陰キャ)である結衣は、高身長のイケメンである翔平と自分は全く釣り合わないと思っていた。
 しかし、自分がオタクであることも余り気にしない性格の彼を見て、もしこのまま交際を止めてしまったら永遠にこのようなチャンスはめぐって来ないと思い直し、続行を決意する。

 下校時にバイクで迎えに来たり、その後ろに乗せて海を見に行く等、オタク少女が悶死するようなサプライズをしてみせる翔平だが、実を言うとそれらは元カノとの思い出の上書きだった……。
 そこで、将来の夢についても語る翔平の姿を見て、やや複雑な心境ではあるもののその夢を応援したいと思うようになる。

 交際は取り敢えず順調であり、翔平の大学卒業のタイミングで結婚の運びになっていたのだが、ここで予想外の事態が発生してしまう。
 それは、自身の妊娠……厳格でもあった父がこれまでの交際を許していた理由は、銀行マンであり翔平の父が経営する山代フーズこそは最重要取引先きであり翔平がその御曹司であった為。

 妊娠にしても許し難い事ではあったが、翔平がいずれ会社を継ぐと勘違いしていた父親は、愛娘が重要な取引先きである会社の社長夫人となるのであればや無負えないと思っていた。
 しかし、結婚の報告に来た翔平の口から語られたのは、会社を継がずに独立すると言う話であり、それを聞いた父親とかなりもめた。
 それでもどうにか許可を貰い、何とか結婚まで漕ぎつけて長男である淳平も無事出産する。
 山代家の一員として迎え入れられ、義理の母の協力もあり翔平の仕事を手伝ったりもしていたが、その五年後には長女である羽音も生まれた。
 
 義理の母の容姿と比べてコンプレックスを抱いていたが、理音の若返りにより義理の祖母にも同じ感情を抱いてしまい、そのような姿が娘にも伝搬してしまったように見受けられる。
 しかし、比べる相手が悪いのであって容姿は悪くない。

 いずれにしても、娘の運命を知る時は直ぐそこまで来ており、決断の時は近いが何とか家族の絆で乗り越えて欲しいところだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

裏切りの代償

志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。 家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。 連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。 しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。 他サイトでも掲載しています。 R15を保険で追加しました。 表紙は写真AC様よりダウンロードしました。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

恋より友情!〜婚約者に話しかけるなと言われました〜

k
恋愛
「学園内では、俺に話しかけないで欲しい」 そう婚約者のグレイに言われたエミリア。 はじめは怒り悲しむが、だんだんどうでもよくなってしまったエミリア。 「恋より友情よね!」 そうエミリアが前を向き歩き出した頃、グレイは………。 本編完結です!その後のふたりの話を番外編として書き直してますのでしばらくお待ちください。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

処理中です...