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51. この想い、剣と共に
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「……成る程」
「あの光は!?」
「世良殿!? あれはまさか……」
「あの光……かつて、先の大戦で失われたはずのあの力は彼女が……戦いの神が持っていたのね。 道理でいくら探しても見つからないはずだわ」
「ねえ、ひいばあは知ってる? あれって何なの?」
大翼から放たれるまばゆい光、屹立するその光をかざす様はまさに剣を構えるがごとくなのだが、何か知っているかもしれないと思い聞いてみる。
「あれは……でも、あれは本当に伝説の中の話では……」
「伝説?」
「創世の神話にある神の力……確かその名は……極光の剣」
「凄い! ハイパービームサーベルなんてもんじゃ無い。 きっと物凄い力なんだ!」
身の丈を遥かに超える一条の光は十メートル以上の長さになると思う。 あの光の剣でもって厄災のコアを討とうというのだろうか……果たして大翼の切り札は通用するのか。
「かつて、アスレア王が皇帝ズーイを倒した力! この力でもって再び邪悪を討ち滅ぼす!」
巨大な光の剣を構え、立ちふさがる厄災めがけて突進する。 近づけば一斉に光の矢の攻撃を受けるが、それらは全て光によってかき消される。
「でやあっ!」
「うわぁ!」
「凄い……!」
厄災の攻撃は全て光に呑まれてかき消えてる。 そして、大翼が光の剣を一振りすればその光は更に伸び、行く手を阻む障害を全て取り除く。 後はコアを追いかけるのみだが時間稼ぎにはなったのか、またしても頭頂部に辿り着こうとしてる。
「このままじゃ、間に合わない……」
また、あと少しの所で届かない……もう、ダメだと思ったその時だったーー
「まだよ! このまま終わらせない!」
極光の剣を反転させ、その光の力を更なる推進力に使用する。
「ぐっ……」
自力で加速する以上のGが襲う……だが、決してここで諦めるわけにはいかない。
(アスレア……どうか私に力を!)
更なる加速……そしてーー
「ああっ! コアが頂上に!」
「でも、世良さんも!」
ついにコアは頭頂部に達した。 だが、大翼もまた同時にコアを見下ろす位置に到達する。
「世良……」
「これで……終わりよ!」
剣を構えなおし、コア目掛けて突進する。 遮るものは何も無い……。
「せえぇぇぇい!」
剣をコアに突き立てて、深々と極光の刃を沈めていく。
「あれは!」
「やったの!?」
「……」
コアに突き立てられる極光の剣。 その刃が十分に沈み切った後ーー
激しい光がタワー全体を覆い、余りの眩しさに直視する事が出来なくなり、やがてーー
「うおっ!」
「きゃあっ!」
「うっ、これは!?」
大気を震わせるほどの衝撃がタワーを中心に放たれ、その余波で吹き飛ばされそうになるのを何とか堪える。
あの剣の力がまさかこれほどのものとは……しかし、厄災の本体やタワーはどうなったのか、光の波動とも呼べる現象の収まりと共に、皆でタワーの様子を確認する。
「……元に……戻った!」
「ボロボロだけど……やった! 倒したんだ!」
「世良、やったわね」
勝った……タワーはかつての美しさは見る影も無いのだが、何とか立っている。 しかし、あの状態では倒壊の危険性もあるだろうから、その周辺では暫く避難が必要ではないだろうか。
厄災は影も形見当たらないのだが、コアの破壊が間に合ったのか、それともあの極光の剣の力のおかげなのだろうか。 いずれにしても勝利し、この世界は守られた。
『終わったな』
「ええ……」
かつてと全く同じとは言い難いが、本来の姿を取り戻したタワーの頂上にゆっくりと舞い降りる。 周囲を見渡せば、火災が発生している箇所がいくつかあるのが分かるが、襲撃者は去った。 消火や救助の活動も本格的に始まるであろう事を考えれば、最早ここで出来る事はなにも無い。
しかし、その手に握りしめた剣の柄をつい見入ってしまうのは、かつてのこの剣の持ち主を否が応でも思い出してしまうから……。
「アスレア。 ありがとう……」
『暫くは使えないか。 しかし、あの時この剣を託してくれたのは、まさかこの事を見越してでは無いよな……』
「そうね、流石にそこまでは考えて無かったと思うわ。 でも、この力があって本当に良かった」
さあ、そろそろ引き上げ時だ。 そう思ったのだが、どうやらそうは思わぬ者もいるようだ。
「蒼き雷鳴の翼! 覚悟!」
「フッ」
「ギンッ」と金属同士がぶつかり合う音。 その刃が盾に阻まれてしまうが、接近を許すという事はあの厄介な雷砲は、魔力が尽きてしまったのだろう。 このチャンスを逃さない、厄災の本体を倒す事が出来たのだが、まさかあの力は以外だった。 この二人にしても、あの力を大翼が所持していたとは思いもよらなかったらしい。
「……本体は倒す事が出来た。 もう、終わりだろうに」
「まだ! 貴女たちを倒すまでは!」
「やれやれ」
それだけ言うと、雷鳴の翼は砲を手放し盾の後ろに手を滑らせる。
「なんだ? あの紅と蒼の翼、仲間割れを始めた?」
先輩は事情を知らない故にそう思うのも無理は無いのだが、キアとあの二つの翼は戦鳥の戦士ではあるものの敵同士なのだ。 だがしかし、だからと言ってあの戦いの後にまで争う事は無いだろうにと思ってしまう。
「あの蒼いの、やっぱりと言うかビームサーベルを持ってたんだ」
その言葉に対峙する翼同士を見るが、蒼い翼はその手に光の剣を装備している。 当然大翼が用いた極光の剣とは比べるべくも無いのだが、やはりと言うかその手の接近専用の武器は備えていたと言う訳だ。
だが、いい加減戦いを止めるべきだと思う。 炎の翼はその性質上、活動時間の上限が短いと言っていたのだが、これ以上の戦闘の続行はもしかしたら命に係わるかもしれない。
「世良さん。 あの戦いの後に大変だろうけど、どうかあの二人を止めて下さい」
「せやぁっ!」
「ハッ!」
幾度となく打ち合うが、有効な一撃を加える事が出来ない。
「くっ。 ハァ……ハァ……」
「……そろそろ限界じゃ無いのか? ん?」
「くっ、黙れ!」
再び切り合うが確かにこの熱は体を確実に蝕んでいる。 血液が沸騰しそうな感覚に、気を抜けば意識を失ってしまいそうになりながらも、何とか堪えて剣を振るうがその膂力も次第に無くなっていく。
「キア、もう止めなさい!」
「世良殿! ……まだです。 この翼を倒すまでは!」
「ギンッ」と再び音がするが、蒼い翼の盾では無く大翼の爪に剣げきを阻まれる。
「邪魔をしないで下さい!」
「キア、もう終わりよ……これ以上は貴女の命に係わるわ」
「……」
「貴女たちも、もう終わりよ。 ここは一旦退いて。 もう戦いは終わりだわ」
その言葉に反応したのか、蒼い翼の剣はその光の刃を収める。 翠の翼も合流するが、その手にはいつの間にか長身の砲が握られていた。
「ええ、もちろん。 私達も大分消耗してしまったわ。 これ以上の戦闘続行は不可能よ」
そうは言うものの、この翠の翼はまだ余力があるように感じられる。 だが、蒼い翼はキアと同じく限界なのだろう。 互角に切り合っていたのはその為だと思われるが、この翼もまた強力な力を持ってはいても稼働時間は短いのだ。
「しかし、まさか貴女が極光の剣を持っていたとは……この世界にあるモノをいくら探したところで見つかるはずも無いわね」
「その剣は本来なら王家のものだ」
「その王から賜ったものよ。 残念だけと、あげるわけにはいか無いわ」
どうやら、この剣の事はあらかた知っているようだが、その力も自軍に取り入れようとしていたのだろうか。 だとしたら余計に渡す訳にはいかないが、どうやら先ほども言っていたようにこれ以上戦うつもりは無いように見受けられる。
「残念だけど、剣は諦めるしかなさそうね。 貴女から奪い取るのは至難の業でしょうから」
「ヒナ、もう引き上げよう。 これ以上は意味が無い」
「引き上げる? 貴女たちはこれからどうするの?」
「フフフ、心配してくれているの? ありがとう。 でも、お構いなく」
それだけ言うと二つの翼は反転して離脱しようとする。
「それではアデュー」
こちら振り向き別れの仕草を行う。
「……?」
「くっ、今度こそ必ず決着をつける」
(ヒナか……いったい何者なの?)
様々な疑問を残し、二つの翼は飛び去って行く。 戦いは終わった。 そして、この戦いはより大きな戦いへのプロローグである事を、翼もつ乙女たちはまだ誰も知らない。
「あの光は!?」
「世良殿!? あれはまさか……」
「あの光……かつて、先の大戦で失われたはずのあの力は彼女が……戦いの神が持っていたのね。 道理でいくら探しても見つからないはずだわ」
「ねえ、ひいばあは知ってる? あれって何なの?」
大翼から放たれるまばゆい光、屹立するその光をかざす様はまさに剣を構えるがごとくなのだが、何か知っているかもしれないと思い聞いてみる。
「あれは……でも、あれは本当に伝説の中の話では……」
「伝説?」
「創世の神話にある神の力……確かその名は……極光の剣」
「凄い! ハイパービームサーベルなんてもんじゃ無い。 きっと物凄い力なんだ!」
身の丈を遥かに超える一条の光は十メートル以上の長さになると思う。 あの光の剣でもって厄災のコアを討とうというのだろうか……果たして大翼の切り札は通用するのか。
「かつて、アスレア王が皇帝ズーイを倒した力! この力でもって再び邪悪を討ち滅ぼす!」
巨大な光の剣を構え、立ちふさがる厄災めがけて突進する。 近づけば一斉に光の矢の攻撃を受けるが、それらは全て光によってかき消される。
「でやあっ!」
「うわぁ!」
「凄い……!」
厄災の攻撃は全て光に呑まれてかき消えてる。 そして、大翼が光の剣を一振りすればその光は更に伸び、行く手を阻む障害を全て取り除く。 後はコアを追いかけるのみだが時間稼ぎにはなったのか、またしても頭頂部に辿り着こうとしてる。
「このままじゃ、間に合わない……」
また、あと少しの所で届かない……もう、ダメだと思ったその時だったーー
「まだよ! このまま終わらせない!」
極光の剣を反転させ、その光の力を更なる推進力に使用する。
「ぐっ……」
自力で加速する以上のGが襲う……だが、決してここで諦めるわけにはいかない。
(アスレア……どうか私に力を!)
更なる加速……そしてーー
「ああっ! コアが頂上に!」
「でも、世良さんも!」
ついにコアは頭頂部に達した。 だが、大翼もまた同時にコアを見下ろす位置に到達する。
「世良……」
「これで……終わりよ!」
剣を構えなおし、コア目掛けて突進する。 遮るものは何も無い……。
「せえぇぇぇい!」
剣をコアに突き立てて、深々と極光の刃を沈めていく。
「あれは!」
「やったの!?」
「……」
コアに突き立てられる極光の剣。 その刃が十分に沈み切った後ーー
激しい光がタワー全体を覆い、余りの眩しさに直視する事が出来なくなり、やがてーー
「うおっ!」
「きゃあっ!」
「うっ、これは!?」
大気を震わせるほどの衝撃がタワーを中心に放たれ、その余波で吹き飛ばされそうになるのを何とか堪える。
あの剣の力がまさかこれほどのものとは……しかし、厄災の本体やタワーはどうなったのか、光の波動とも呼べる現象の収まりと共に、皆でタワーの様子を確認する。
「……元に……戻った!」
「ボロボロだけど……やった! 倒したんだ!」
「世良、やったわね」
勝った……タワーはかつての美しさは見る影も無いのだが、何とか立っている。 しかし、あの状態では倒壊の危険性もあるだろうから、その周辺では暫く避難が必要ではないだろうか。
厄災は影も形見当たらないのだが、コアの破壊が間に合ったのか、それともあの極光の剣の力のおかげなのだろうか。 いずれにしても勝利し、この世界は守られた。
『終わったな』
「ええ……」
かつてと全く同じとは言い難いが、本来の姿を取り戻したタワーの頂上にゆっくりと舞い降りる。 周囲を見渡せば、火災が発生している箇所がいくつかあるのが分かるが、襲撃者は去った。 消火や救助の活動も本格的に始まるであろう事を考えれば、最早ここで出来る事はなにも無い。
しかし、その手に握りしめた剣の柄をつい見入ってしまうのは、かつてのこの剣の持ち主を否が応でも思い出してしまうから……。
「アスレア。 ありがとう……」
『暫くは使えないか。 しかし、あの時この剣を託してくれたのは、まさかこの事を見越してでは無いよな……』
「そうね、流石にそこまでは考えて無かったと思うわ。 でも、この力があって本当に良かった」
さあ、そろそろ引き上げ時だ。 そう思ったのだが、どうやらそうは思わぬ者もいるようだ。
「蒼き雷鳴の翼! 覚悟!」
「フッ」
「ギンッ」と金属同士がぶつかり合う音。 その刃が盾に阻まれてしまうが、接近を許すという事はあの厄介な雷砲は、魔力が尽きてしまったのだろう。 このチャンスを逃さない、厄災の本体を倒す事が出来たのだが、まさかあの力は以外だった。 この二人にしても、あの力を大翼が所持していたとは思いもよらなかったらしい。
「……本体は倒す事が出来た。 もう、終わりだろうに」
「まだ! 貴女たちを倒すまでは!」
「やれやれ」
それだけ言うと、雷鳴の翼は砲を手放し盾の後ろに手を滑らせる。
「なんだ? あの紅と蒼の翼、仲間割れを始めた?」
先輩は事情を知らない故にそう思うのも無理は無いのだが、キアとあの二つの翼は戦鳥の戦士ではあるものの敵同士なのだ。 だがしかし、だからと言ってあの戦いの後にまで争う事は無いだろうにと思ってしまう。
「あの蒼いの、やっぱりと言うかビームサーベルを持ってたんだ」
その言葉に対峙する翼同士を見るが、蒼い翼はその手に光の剣を装備している。 当然大翼が用いた極光の剣とは比べるべくも無いのだが、やはりと言うかその手の接近専用の武器は備えていたと言う訳だ。
だが、いい加減戦いを止めるべきだと思う。 炎の翼はその性質上、活動時間の上限が短いと言っていたのだが、これ以上の戦闘の続行はもしかしたら命に係わるかもしれない。
「世良さん。 あの戦いの後に大変だろうけど、どうかあの二人を止めて下さい」
「せやぁっ!」
「ハッ!」
幾度となく打ち合うが、有効な一撃を加える事が出来ない。
「くっ。 ハァ……ハァ……」
「……そろそろ限界じゃ無いのか? ん?」
「くっ、黙れ!」
再び切り合うが確かにこの熱は体を確実に蝕んでいる。 血液が沸騰しそうな感覚に、気を抜けば意識を失ってしまいそうになりながらも、何とか堪えて剣を振るうがその膂力も次第に無くなっていく。
「キア、もう止めなさい!」
「世良殿! ……まだです。 この翼を倒すまでは!」
「ギンッ」と再び音がするが、蒼い翼の盾では無く大翼の爪に剣げきを阻まれる。
「邪魔をしないで下さい!」
「キア、もう終わりよ……これ以上は貴女の命に係わるわ」
「……」
「貴女たちも、もう終わりよ。 ここは一旦退いて。 もう戦いは終わりだわ」
その言葉に反応したのか、蒼い翼の剣はその光の刃を収める。 翠の翼も合流するが、その手にはいつの間にか長身の砲が握られていた。
「ええ、もちろん。 私達も大分消耗してしまったわ。 これ以上の戦闘続行は不可能よ」
そうは言うものの、この翠の翼はまだ余力があるように感じられる。 だが、蒼い翼はキアと同じく限界なのだろう。 互角に切り合っていたのはその為だと思われるが、この翼もまた強力な力を持ってはいても稼働時間は短いのだ。
「しかし、まさか貴女が極光の剣を持っていたとは……この世界にあるモノをいくら探したところで見つかるはずも無いわね」
「その剣は本来なら王家のものだ」
「その王から賜ったものよ。 残念だけと、あげるわけにはいか無いわ」
どうやら、この剣の事はあらかた知っているようだが、その力も自軍に取り入れようとしていたのだろうか。 だとしたら余計に渡す訳にはいかないが、どうやら先ほども言っていたようにこれ以上戦うつもりは無いように見受けられる。
「残念だけど、剣は諦めるしかなさそうね。 貴女から奪い取るのは至難の業でしょうから」
「ヒナ、もう引き上げよう。 これ以上は意味が無い」
「引き上げる? 貴女たちはこれからどうするの?」
「フフフ、心配してくれているの? ありがとう。 でも、お構いなく」
それだけ言うと二つの翼は反転して離脱しようとする。
「それではアデュー」
こちら振り向き別れの仕草を行う。
「……?」
「くっ、今度こそ必ず決着をつける」
(ヒナか……いったい何者なの?)
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