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47. 翠の翼の謎
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「翠の……戦鳥」
私の目の前、十メートルもない距離に佇む戦鳥の戦士。 巨大なミミズに呑まれた人々を助ける事も忘れて見入ってしまうが、その形状をイメージした鳥はこの世界には存在しないように思う。
何故なら、その背にある翼は二枚では無く四枚……。 頭頂部が尖っている事も然り、他にも特徴的な部分はあるので観察していると、やがて翠の翼に動きがある。
右手を何気なく上に挙げた。 すると、何処からともなく丸い円盤が飛んできて腕に装着されたのだ。
円盤は左の腕にも装備されているが、あれは盾ではないかと思う。 しかし、盾というのは両方の腕に備えるものなのだろうか? 私は詳しくないし、知っている者ならば分かるかも……。
「あっ、そうだ先輩!」
そこまで考えて失念していた事を思い出す。 粘性の透明な液体にまみれてはいるが、呑み込まれていた人達は皆生きているようだ。 せき込んでいる人や、起き上がろうとしている者の中から目を擦っている当人を発見する。
「大丈夫ですか?」
「うへぇ、なんかべとべとする……」
それくらいで済んでいるのであれば幸運ではないだろうか。 あの体内では、どう考えても呼吸もままにならないように思うのだが、この巨大ミミズがあちこちに出現して人々を襲っているとすれば、その理由とはもしかして……。
「うわあ、また来たー!」
声の上がった方を見るとまたも、ミミズがこちらに迫って来るのが確認出来る。 まだ全ての人が自由に動ける訳では無いのだが、このままではまた呑み込まれてしまうと思ったその時、翠の翼は私達の前に躍り出て両腕を振りかざす。
するとどうだろうか、腕から放たれた二つの円盤は回転しながらミミズに向かっていく。 やがて薄緑色の光を発するのだが、光に触れたミミズはたちどころに胴体を切り刻まれて、その場に散らばる。
「凄い……!」
「あの翠の翼は一体?」
先輩は呑み込まれていたのであの翼を見るのはこれが初めてだが、あの円盤が何なのかも直ぐに判明するだろう。
「おい! あっちからも来るぞ!」
またしても声が上がるのだが、見れば道路の反対側から一つ目や球体がぞろぞろとやって来る。 少ない数ではない上に、しかも脅威は地上のみに留まらないようだ。 地面には見慣れた影が映り込む。
「まずい、上からも来た!」
上空には上位体が無数に飛んでおり、こちらの様子を伺っているように見受けられる。 もし、誰かがパニックになって動きだせば危険かもしれない。 しかし、このままここに居ても地上の厄災に攻撃されてしまうだけだ。
万事休すとはこの事だが、これだけの敵を前にしても翠の戦鳥はいたって冷静に見受けられる。
いつの間にか腕に戻っていた円盤を再び空に向かって投げつけると、先ほどのように次々と上位体を切り刻んでいく。 だが、敵も黙ってやられているばかりではない。 こちらに向かって光の矢で反撃してくるのだが、当然このままでは地上に居る人達にも被害が及ぶ……だが、そうはならなかった。 あの円盤から発せられる光に阻まれて光の矢はこちらまで届くことが無かったのだ。
二つの円盤は、攻撃と防御の役割を分担している。 上空の敵は問題ないが、地上の一つ目も球体も攻撃の準備に入ろうとしている。
「わわっ、撃って来た!」
ミサイルは無情にも放たれこちらに向かって飛んで来るが、そこに翠の翼が割って入る。 連続して爆発音が響くので思わず耳を塞いだのだが、音が止めば自分達には何の被害も無いことが直ぐに判明する。
「え? なんで……?」
辺りには白煙が立ち込めている。 風に吹かれて煙が薄まると翠の翼の姿が見えてくるが、ミサイルの雨を受けているにも関わらず、ダメージを追っているようには見えない。
やがて煙が完全に無くなると、翠の翼を中心に私達をカバーするように薄緑色の光の壁が広がっているのが分かる。
「あの光の壁は一体?」
「やっぱり……あの両肩のバインダーも防御用のシールドになるんだ」
ミサイルを防ぐ為に自ら盾になったとして、こちらに対して背を向けているために分かりにくいのだが、両肩の板……もといバインダーのようなモノから光は発せられているように見える。 両腕の盾のみならず肩にもシールドを装備しているというのは、防御力を重視している戦鳥なのだろうか?
だが、防御だけでは反撃する事はままならない。 攻撃にも使える盾がまだ空を飛び回っている為にこちらには使えないとおもっていたのだが、直ぐに動きがある。 光が消えると一つ目は次々に緑色の光に貫かれて爆発するのだが、翠の戦鳥が何か攻撃を仕掛けているようだ。
「どうやって攻撃を?」
「あのバインダーの下にビームキャノンが備えられているんだ。 しかも二連砲だね」
まさかそのような武器を持っているとは意外だったのだが、それだけでは無いようだ。 球体も攻撃を浴びせられており、一つ目と同じく次々に爆発していくのだが、何かが飛んで行ったように見えた。
「あれは? 私、どういう攻撃かよく分かりませんでした」
「あれはミサイルだよ。 ほら足の所、ミサイルラックになってる」
確かに足には不自然な膨らみがあるのだが、あそこにミサイルが装填されているのだろうか。 以外と多彩な武装を持っていると感心してしまう。
「両腕に攻防一体のビームシールドを備えている上に、肩のバインダーも広範囲に展開出来るシールドをになるんだ。 更にバインダーの下には二連ビームキャノン、足にはミサイルランチャーと攻撃力もそこそこ高い」
「……」
「でも、どちらかというと防御重視の翼なんだろうね。 さっきの蒼い翼と言い、色んなタイプがいるんだなぁ」
そう、先の蒼い戦鳥に然り、この翠の戦鳥に然り、死の翼や大翼よりも性能は上だと感じる。 もちろん不死の翼もだが、あの二つの翼が敵だとしたらキア一人でよく戦ってこれたと思わずにはいられない。
大翼ならまだしも、力を失いつつある死の翼などまるで相手にならないのでは無いだろうか……。
「あなた達」
「え!?」
「しゃべった!」
間違いない、この大人びた女性の声は翠の翼をまとう者が発した声だ。
「ここは危険よ、外にいるのではなく建物の中に避難しなさい。 ビルの上階にいれば、ワームが侵入してくる事はないわ」
「え……あ……」
「さあ、あの人達と共に、急いで!」
「は、はい! 分かりました。 さあ、行こう!」
「え、ええ……」
救出されてから少し時間が経過した事や、呑み込まれていたのは比較的若い年齢の人が多かった事もあり、回復が早く皆しっかりとした足取りで歩くことが出来た。
私達が最寄のデパートに入る頃には既に翠の翼は居なかったのだが、恐らくはあの厄災の本体に向かったのだろう。 しかし、二階に移動するまでの間も私はある疑問に囚われたままだった。
その疑問とは、あの時の言葉ーー
(どうして……日本語が話せるの?)
翠の戦鳥の発したあの言葉は間違い無く日本語だった。 何故、日本語を話す事が出来るのか……戦鳥の戦士であればあちらの世界の人の住人なのだから、キアのように話す事が出来ないはずなのだ。 だが、もしかしたら世良さんのようにこちらからあちらに転移した人物なのかもしれない。
しかし分からない……だとしたら還ってこれたにも関わらず、当たり前のように厄災と戦っている。
しかも、蒼い翼まで引き連れているのだとしたら、あの二つの翼は自由に二つの世界を行き来する事が可能だというのだろうか……。
「どうしたの?」
「え? いえ……何でもありません。 それより、三階まで来ましたけどどうします?」
「さっきのあの翼の人の話だと、三階まで登れば十分じゃないかな?」
やはり、先輩にも言葉は伝わっている。 あれは間違い無く日本語なのだ。
「さて……皆さんはここで待機していて下さい。 決して動かないように」
「俺たち助かったのか?」
「私まだ怖いわ……」
この男女はカップルなのだろうか。 怯える彼女を抱きしめてはいるが、男性もすっかり参った様子だ。
それも無理は無い……このような経験など本来なら一生有り得なかった事なのだから。 他の人も無言で座り込んでいる。
「さて、と……」
「何処に行くんですか?」
「ちょっと屋上にね。 偵察というか……正直、あの巨大な怪物とどう戦うのかが気になるから」
「ちょっと、何考えてるんですか! 危ないですよ!」
あれだけ危険な目にあっておきながら、変わらず全く懲りていないようだ。 でも、私も気になってしょうがないのは確かではある。
「まあ、さっきの人の話ぶりだと地上の敵は屋上には来れないみたいだし、空を飛んでいるのに注意すれば良いと思うんだ」
「……仕方無いですね。 私も行きます」
「え、大丈夫?」
「私も見届けたいんです」
こうして私達は屋上へ向かった。
私の目の前、十メートルもない距離に佇む戦鳥の戦士。 巨大なミミズに呑まれた人々を助ける事も忘れて見入ってしまうが、その形状をイメージした鳥はこの世界には存在しないように思う。
何故なら、その背にある翼は二枚では無く四枚……。 頭頂部が尖っている事も然り、他にも特徴的な部分はあるので観察していると、やがて翠の翼に動きがある。
右手を何気なく上に挙げた。 すると、何処からともなく丸い円盤が飛んできて腕に装着されたのだ。
円盤は左の腕にも装備されているが、あれは盾ではないかと思う。 しかし、盾というのは両方の腕に備えるものなのだろうか? 私は詳しくないし、知っている者ならば分かるかも……。
「あっ、そうだ先輩!」
そこまで考えて失念していた事を思い出す。 粘性の透明な液体にまみれてはいるが、呑み込まれていた人達は皆生きているようだ。 せき込んでいる人や、起き上がろうとしている者の中から目を擦っている当人を発見する。
「大丈夫ですか?」
「うへぇ、なんかべとべとする……」
それくらいで済んでいるのであれば幸運ではないだろうか。 あの体内では、どう考えても呼吸もままにならないように思うのだが、この巨大ミミズがあちこちに出現して人々を襲っているとすれば、その理由とはもしかして……。
「うわあ、また来たー!」
声の上がった方を見るとまたも、ミミズがこちらに迫って来るのが確認出来る。 まだ全ての人が自由に動ける訳では無いのだが、このままではまた呑み込まれてしまうと思ったその時、翠の翼は私達の前に躍り出て両腕を振りかざす。
するとどうだろうか、腕から放たれた二つの円盤は回転しながらミミズに向かっていく。 やがて薄緑色の光を発するのだが、光に触れたミミズはたちどころに胴体を切り刻まれて、その場に散らばる。
「凄い……!」
「あの翠の翼は一体?」
先輩は呑み込まれていたのであの翼を見るのはこれが初めてだが、あの円盤が何なのかも直ぐに判明するだろう。
「おい! あっちからも来るぞ!」
またしても声が上がるのだが、見れば道路の反対側から一つ目や球体がぞろぞろとやって来る。 少ない数ではない上に、しかも脅威は地上のみに留まらないようだ。 地面には見慣れた影が映り込む。
「まずい、上からも来た!」
上空には上位体が無数に飛んでおり、こちらの様子を伺っているように見受けられる。 もし、誰かがパニックになって動きだせば危険かもしれない。 しかし、このままここに居ても地上の厄災に攻撃されてしまうだけだ。
万事休すとはこの事だが、これだけの敵を前にしても翠の戦鳥はいたって冷静に見受けられる。
いつの間にか腕に戻っていた円盤を再び空に向かって投げつけると、先ほどのように次々と上位体を切り刻んでいく。 だが、敵も黙ってやられているばかりではない。 こちらに向かって光の矢で反撃してくるのだが、当然このままでは地上に居る人達にも被害が及ぶ……だが、そうはならなかった。 あの円盤から発せられる光に阻まれて光の矢はこちらまで届くことが無かったのだ。
二つの円盤は、攻撃と防御の役割を分担している。 上空の敵は問題ないが、地上の一つ目も球体も攻撃の準備に入ろうとしている。
「わわっ、撃って来た!」
ミサイルは無情にも放たれこちらに向かって飛んで来るが、そこに翠の翼が割って入る。 連続して爆発音が響くので思わず耳を塞いだのだが、音が止めば自分達には何の被害も無いことが直ぐに判明する。
「え? なんで……?」
辺りには白煙が立ち込めている。 風に吹かれて煙が薄まると翠の翼の姿が見えてくるが、ミサイルの雨を受けているにも関わらず、ダメージを追っているようには見えない。
やがて煙が完全に無くなると、翠の翼を中心に私達をカバーするように薄緑色の光の壁が広がっているのが分かる。
「あの光の壁は一体?」
「やっぱり……あの両肩のバインダーも防御用のシールドになるんだ」
ミサイルを防ぐ為に自ら盾になったとして、こちらに対して背を向けているために分かりにくいのだが、両肩の板……もといバインダーのようなモノから光は発せられているように見える。 両腕の盾のみならず肩にもシールドを装備しているというのは、防御力を重視している戦鳥なのだろうか?
だが、防御だけでは反撃する事はままならない。 攻撃にも使える盾がまだ空を飛び回っている為にこちらには使えないとおもっていたのだが、直ぐに動きがある。 光が消えると一つ目は次々に緑色の光に貫かれて爆発するのだが、翠の戦鳥が何か攻撃を仕掛けているようだ。
「どうやって攻撃を?」
「あのバインダーの下にビームキャノンが備えられているんだ。 しかも二連砲だね」
まさかそのような武器を持っているとは意外だったのだが、それだけでは無いようだ。 球体も攻撃を浴びせられており、一つ目と同じく次々に爆発していくのだが、何かが飛んで行ったように見えた。
「あれは? 私、どういう攻撃かよく分かりませんでした」
「あれはミサイルだよ。 ほら足の所、ミサイルラックになってる」
確かに足には不自然な膨らみがあるのだが、あそこにミサイルが装填されているのだろうか。 以外と多彩な武装を持っていると感心してしまう。
「両腕に攻防一体のビームシールドを備えている上に、肩のバインダーも広範囲に展開出来るシールドをになるんだ。 更にバインダーの下には二連ビームキャノン、足にはミサイルランチャーと攻撃力もそこそこ高い」
「……」
「でも、どちらかというと防御重視の翼なんだろうね。 さっきの蒼い翼と言い、色んなタイプがいるんだなぁ」
そう、先の蒼い戦鳥に然り、この翠の戦鳥に然り、死の翼や大翼よりも性能は上だと感じる。 もちろん不死の翼もだが、あの二つの翼が敵だとしたらキア一人でよく戦ってこれたと思わずにはいられない。
大翼ならまだしも、力を失いつつある死の翼などまるで相手にならないのでは無いだろうか……。
「あなた達」
「え!?」
「しゃべった!」
間違いない、この大人びた女性の声は翠の翼をまとう者が発した声だ。
「ここは危険よ、外にいるのではなく建物の中に避難しなさい。 ビルの上階にいれば、ワームが侵入してくる事はないわ」
「え……あ……」
「さあ、あの人達と共に、急いで!」
「は、はい! 分かりました。 さあ、行こう!」
「え、ええ……」
救出されてから少し時間が経過した事や、呑み込まれていたのは比較的若い年齢の人が多かった事もあり、回復が早く皆しっかりとした足取りで歩くことが出来た。
私達が最寄のデパートに入る頃には既に翠の翼は居なかったのだが、恐らくはあの厄災の本体に向かったのだろう。 しかし、二階に移動するまでの間も私はある疑問に囚われたままだった。
その疑問とは、あの時の言葉ーー
(どうして……日本語が話せるの?)
翠の戦鳥の発したあの言葉は間違い無く日本語だった。 何故、日本語を話す事が出来るのか……戦鳥の戦士であればあちらの世界の人の住人なのだから、キアのように話す事が出来ないはずなのだ。 だが、もしかしたら世良さんのようにこちらからあちらに転移した人物なのかもしれない。
しかし分からない……だとしたら還ってこれたにも関わらず、当たり前のように厄災と戦っている。
しかも、蒼い翼まで引き連れているのだとしたら、あの二つの翼は自由に二つの世界を行き来する事が可能だというのだろうか……。
「どうしたの?」
「え? いえ……何でもありません。 それより、三階まで来ましたけどどうします?」
「さっきのあの翼の人の話だと、三階まで登れば十分じゃないかな?」
やはり、先輩にも言葉は伝わっている。 あれは間違い無く日本語なのだ。
「さて……皆さんはここで待機していて下さい。 決して動かないように」
「俺たち助かったのか?」
「私まだ怖いわ……」
この男女はカップルなのだろうか。 怯える彼女を抱きしめてはいるが、男性もすっかり参った様子だ。
それも無理は無い……このような経験など本来なら一生有り得なかった事なのだから。 他の人も無言で座り込んでいる。
「さて、と……」
「何処に行くんですか?」
「ちょっと屋上にね。 偵察というか……正直、あの巨大な怪物とどう戦うのかが気になるから」
「ちょっと、何考えてるんですか! 危ないですよ!」
あれだけ危険な目にあっておきながら、変わらず全く懲りていないようだ。 でも、私も気になってしょうがないのは確かではある。
「まあ、さっきの人の話ぶりだと地上の敵は屋上には来れないみたいだし、空を飛んでいるのに注意すれば良いと思うんだ」
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こうして私達は屋上へ向かった。
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