52 / 202
43. 防人(さきもり) vs 異形
しおりを挟む
テレビから聞こえてくるのは、ヘリコプターのローターが回転する際に発するけたたましい騒音のみで、映像は不明瞭極まりない。 映し出しているのが上空からの映像だと分かるのは、このローターの回転音のおかげだ。
「えー、現在の時刻は十時二十六分。 次々と自衛隊の車両が現場に到着しております! 今まさに、怪物たちを迎え撃つ為に戦闘準備を行っている最中です!」
ここまで言うと映像は一旦スタジオに戻り、司会者やゲストの大学教授やタレントを映し出す。 だが、スタジオの誰が話をするでも無く、皆神妙な面持ちのままで直ぐに別のカメラに切り替えられる。
「スタジオの皆さん聞こえますでしょうか? こちらは自衛隊が作戦行動を行っている現場から約五百メートルほど離れた高層ビルの屋上になるのですが、かろうじて肉眼でも戦闘車両が動いているのが確認出来ます」
「……もしもし、すいません。 スタジオの安藤です。 今カメラはどこの映像を映していますか?」
ややあって、ビル屋上にいるリポーターは話だす。
「はい、今はですね。 現場を可能な限り拡大して映しているつもりなんですが……」
「すいません。 一度、江川さんの方にカメラを戻して頂いても宜しいですか?」
またもややあってリポーターは話をし出すが、その顔は鮮明に映し出される。 どうやら、距離うんぬんよりも厄災を映そうとすると映像が乱れるようだ。
「どうでしょう? 見えますか?」
さわやかな好青年といった感じの風貌と、一年目とは思えないハキハキとした声でしゃべる江川リポーターは、スタジオとやり取りを行っている。 どうやらこのまま実況を行う段取りになったようだが、スタッフからその手に双眼鏡が渡される。
ビルの屋上から現場となっている幅の広い国道まで距離はあるものの、その間には背の高い建物も無く公園や住宅街が広がっているので視界は悪くないようだ。
ただ、国道を挟んだ反対側はビルが立ち並ぶオフィス街となっておりその先を見通す事は出来ない。
「いよいよ始まるのか……」
父が呟く。 ひいばあを除く家族全員で食い入るようにテレビを見ているのだが、今回は厄災の襲来に自衛隊の駐屯地が近かった事もあり配備が間に合った。 ついに近代兵器対厄災の戦いが始まるのだ。
果たして、人の力がどこまであの異形の怪物たちに通用するのか……。 ひいばあ達も、自衛隊と共に戦えれば良いのだが、今まさに別の場所に出現した厄災と戦ってる最中だ。
「隊長。 隊員の配置が終了しました」
「よし。 総員、全速前進!」
号令により、自動小銃を装備した歩兵と装甲車両で構成された小隊が目標まで移動を開始する。
「対象までの距離、百メートルを切った。 銃の安全装置を解除!」
「……! 隊長来ました」
「いよいよか……総員戦闘準備!」
自衛隊の動きを察知した人形が数体飛来する。 隊員達を射程に捕らえ光の矢を放とうとしたその時ーー
「今だ! 撃てーい!」
小銃が一斉に火を吹き銃弾の雨が人形達を襲い、次々に撃ち落としていく。
「戦闘が始まりました! ……効いています。 自衛隊の攻撃は怪物に有効です!」
人形が小銃の射程に入れば、あっけなく撃墜されていく様を見て隊員達は勢いづく。
「はっ! まるで射的だな」
「油断するな!」
このまま殲滅する。 そう思ったその時ーー
「ぐあっ!」
「ぎゃあっ!」
次々と隊員が倒れていき隊列が乱れ始める。 厄災の反撃が始まった。
「隊長! ビルの壁からです!」
無数の球体がビルの側面に張り付き攻撃を行う。 これらを失念していたわけでは無い。 ただ、いつ現れるとも分からないこの異形の怪物たちの攻撃を、先もって予測する事は不可能に近い。
「くっ、反撃だ!」
「しかし! ビルが……」
「構わん。 許可は下りている!」
すぐさま自衛隊の反撃が始まり、球体はビルの壁や窓ごと撃ち抜かれていく。 装甲車両からの機銃も加わっており攻撃は更に強力になっている。
「ああっ! 自衛隊の攻撃でビルの側面が破壊されています!」
「何言ってんだよこの人。 厄災を攻撃しての事だろ!」
「おにい、落ち着きなよ……」
リポーターの発言は語弊があるが、双眼鏡越しにはそう見えても仕方が無いのかもしれない。
「よし、このまま押し切る!」
これで怪物たちを倒せると確信するが、またしても……。
「……隊長! あれを!」
副隊長が見たのは無数に飛来するミサイル群。 それらは一斉にこちらに向かってくる。
「総員回避ーー」
無理な命令ではあるが、死にたくなければ避けるしか無い。 皆必死にミサイルから逃れようと散り散りになって走るが、隊員達に容赦なくミサイルの雨は降り注ぎ、装甲車両もまともに浴びる事となる。
爆発音が連続して鳴り響き煙りが舞うが、風によって直ぐに流される。 残ったのは倒れてピクリとも動かない隊員達ばかり。 そしてそれは、先ほどまで装甲車両から指示を行っていた隊長にも等しく襲い掛かっていた。
「隊長! 隊長!」
難を逃れた副隊長が駆け付けて呼び掛けるが何の反応も無い。 胸から大量の血を流しているが、傷は心臓まで達しており手の施しようが無い事を確認する……。
ややあって、副隊長は皆に号令をかける。
「隊長は、戦闘続行不能であるため、私が変わって指揮をとる! 動ける者は、負傷者の救護を行いこの場を離脱する……撤退だ!」
撤退の命令に隊員達が従い行動を始めるが、そこにミサイルを放った主三体が迫って来る。 このままでは全滅も在りうると誰もが思ったその時、「キュルキュル」という音がどこからともなく聞こえてきた。
音が止まると「ズドン」と辺りの空気を振動させるほどの爆音が鳴り響き、一つ目の胴体に風穴が空き爆発する。
「あれは……戦車です! 戦車が戦闘の現場に到着しました」
三台の戦車が別の基地より到着し、一つ目に砲撃を加える。 ミサイルを再転送する間も無く撃破されていくのを見て、隊員達はやや安堵し救護の手を急ぐ。 だがーー
戦車の内一台が突如として横転し、ひっくり返る。 何事かと思う暇も無く、もう一台は巨大な巌のような拳の一撃を受けて、頭頂部がひしゃげてしまう。
「ああっ、巨大な黄色い三つ目の怪物が戦車を破壊しています!」
残る一台は急いで三つ目から距離をとるが、砲身を向けた途端にミサイルの雨を受けて爆発、炎上してしまう。
両腕を伸ばした状態でミサイルを放った三つ目はその直後、勝利の雄たけびがわりとばかりにゴリラのようなドラミングを行う。
隊員はその間にも急いで撤退しようとしているのだが、このままでは更なるミサイル攻撃を浴びせられかねない。
ドラミングを終えた三つ目が逃げる対象を見定めたその時、その足元が激しく爆発して大きくバランスを崩す。
三つ目に攻撃を加えたものの正体とは……。
「戦車を破壊した三つ目の化け物が攻撃されていますが……あれは! 戦闘ヘリです。 アパッチが新たに参戦しています!」
報道ヘリはアパッチを出撃させる自衛隊の要請で、戦域を離脱するよう通達を受けた為に現場を離れた。 そして、二機のアパッチは一定の距離を取ってホバリングを行い三つ目と対峙する。 対象は例によって全身からミサイルを発射するが、飛来するミサイルを二機、計四門のガトリング砲で全て迎撃しお返しとばかりに、ミサイルを浴びせる。
自らが得意とする攻撃のカウンターを食らい、三つ目は激しく爆散する。 撃破したアパッチ二機は何事も無かったかのようにホバリングで滞空を続けているが、周囲を警戒しているのかもしれない。
「これで戦闘は終了したのでしょうか? 新たな敵の出現は……」
リポーターも周囲を確認していたが、直ぐに異変は起こる。 戦闘ヘリ一機のローターが突如として停止し落下。 爆発炎上してしまう。
「一体どうしたのでしょうか? ああっ、もう一機も?」
残る一機も同じ運命を辿るが、ここで初めてヘリを墜落させた敵の正体が明らかになる。
「あ、あれは……蜘蛛です。 蜘蛛の化け物がビルの側面に張り付いています!」
蜘蛛の背中から発射された鳥もちのようなもので、ヘリのローターは絡めとられて飛行能力を失った。 まさか、このような伏兵がいようとは思いもしなかったが、蜘蛛はビルの側面をつたって道路へと降り立ち、隊員達の前に立ちはだかる。 絶体絶命のピンチと誰もが思った瞬間だった。
「くたばれ! 化け物!」
声の主は二人の隊員、満身創痍の状態だが狙いを定め、それぞれ手にしたグレネードランチャーの引き金を引き絞る。
グレネードが着弾すると炎が吹き上がりたちまち蜘蛛を覆う。 「ビィィィィ」という蜘蛛らしからぬ叫び声をあげている最中にも、ダメ押しとばかりにもう一撃火炎弾を食らわせると蜘蛛は完全に活動を停止した。
これで最後ーー
追加の敵の出現は無い……。
「へっ、炎が弱点なのは知ってんだ!」
「や……や、ったぞ。 怪物どもめ……ざまあみろ」
グレネードを放った二人の隊員の内一人は、燃え盛る炎を見届けて倒れ込む。
「……おい、大丈夫か? しっかりしろ、おい!」
怪我の酷い隊員は倒れたままで呼びかけに答える事は無い。 今の一撃に全てを込めた……残った一人も何となくそう思ったが、理解はしたくないと呼び掛け続ける……。 それは他の隊員が駆け付けるまで続いた。
「敵は殲滅しました。 これは……自衛隊の勝利、なのでしょうか……」
今回出現した厄災は自衛隊の活躍で撃破出来た。 これは勝利と言っても良いのかもしれない。
だが、これは数ある厄災の襲撃の一つに過ぎないのだ。 それに対して、今後もこのように戦闘を継続していく事が果たして可能なのだろうか……。
「えー、現在の時刻は十時二十六分。 次々と自衛隊の車両が現場に到着しております! 今まさに、怪物たちを迎え撃つ為に戦闘準備を行っている最中です!」
ここまで言うと映像は一旦スタジオに戻り、司会者やゲストの大学教授やタレントを映し出す。 だが、スタジオの誰が話をするでも無く、皆神妙な面持ちのままで直ぐに別のカメラに切り替えられる。
「スタジオの皆さん聞こえますでしょうか? こちらは自衛隊が作戦行動を行っている現場から約五百メートルほど離れた高層ビルの屋上になるのですが、かろうじて肉眼でも戦闘車両が動いているのが確認出来ます」
「……もしもし、すいません。 スタジオの安藤です。 今カメラはどこの映像を映していますか?」
ややあって、ビル屋上にいるリポーターは話だす。
「はい、今はですね。 現場を可能な限り拡大して映しているつもりなんですが……」
「すいません。 一度、江川さんの方にカメラを戻して頂いても宜しいですか?」
またもややあってリポーターは話をし出すが、その顔は鮮明に映し出される。 どうやら、距離うんぬんよりも厄災を映そうとすると映像が乱れるようだ。
「どうでしょう? 見えますか?」
さわやかな好青年といった感じの風貌と、一年目とは思えないハキハキとした声でしゃべる江川リポーターは、スタジオとやり取りを行っている。 どうやらこのまま実況を行う段取りになったようだが、スタッフからその手に双眼鏡が渡される。
ビルの屋上から現場となっている幅の広い国道まで距離はあるものの、その間には背の高い建物も無く公園や住宅街が広がっているので視界は悪くないようだ。
ただ、国道を挟んだ反対側はビルが立ち並ぶオフィス街となっておりその先を見通す事は出来ない。
「いよいよ始まるのか……」
父が呟く。 ひいばあを除く家族全員で食い入るようにテレビを見ているのだが、今回は厄災の襲来に自衛隊の駐屯地が近かった事もあり配備が間に合った。 ついに近代兵器対厄災の戦いが始まるのだ。
果たして、人の力がどこまであの異形の怪物たちに通用するのか……。 ひいばあ達も、自衛隊と共に戦えれば良いのだが、今まさに別の場所に出現した厄災と戦ってる最中だ。
「隊長。 隊員の配置が終了しました」
「よし。 総員、全速前進!」
号令により、自動小銃を装備した歩兵と装甲車両で構成された小隊が目標まで移動を開始する。
「対象までの距離、百メートルを切った。 銃の安全装置を解除!」
「……! 隊長来ました」
「いよいよか……総員戦闘準備!」
自衛隊の動きを察知した人形が数体飛来する。 隊員達を射程に捕らえ光の矢を放とうとしたその時ーー
「今だ! 撃てーい!」
小銃が一斉に火を吹き銃弾の雨が人形達を襲い、次々に撃ち落としていく。
「戦闘が始まりました! ……効いています。 自衛隊の攻撃は怪物に有効です!」
人形が小銃の射程に入れば、あっけなく撃墜されていく様を見て隊員達は勢いづく。
「はっ! まるで射的だな」
「油断するな!」
このまま殲滅する。 そう思ったその時ーー
「ぐあっ!」
「ぎゃあっ!」
次々と隊員が倒れていき隊列が乱れ始める。 厄災の反撃が始まった。
「隊長! ビルの壁からです!」
無数の球体がビルの側面に張り付き攻撃を行う。 これらを失念していたわけでは無い。 ただ、いつ現れるとも分からないこの異形の怪物たちの攻撃を、先もって予測する事は不可能に近い。
「くっ、反撃だ!」
「しかし! ビルが……」
「構わん。 許可は下りている!」
すぐさま自衛隊の反撃が始まり、球体はビルの壁や窓ごと撃ち抜かれていく。 装甲車両からの機銃も加わっており攻撃は更に強力になっている。
「ああっ! 自衛隊の攻撃でビルの側面が破壊されています!」
「何言ってんだよこの人。 厄災を攻撃しての事だろ!」
「おにい、落ち着きなよ……」
リポーターの発言は語弊があるが、双眼鏡越しにはそう見えても仕方が無いのかもしれない。
「よし、このまま押し切る!」
これで怪物たちを倒せると確信するが、またしても……。
「……隊長! あれを!」
副隊長が見たのは無数に飛来するミサイル群。 それらは一斉にこちらに向かってくる。
「総員回避ーー」
無理な命令ではあるが、死にたくなければ避けるしか無い。 皆必死にミサイルから逃れようと散り散りになって走るが、隊員達に容赦なくミサイルの雨は降り注ぎ、装甲車両もまともに浴びる事となる。
爆発音が連続して鳴り響き煙りが舞うが、風によって直ぐに流される。 残ったのは倒れてピクリとも動かない隊員達ばかり。 そしてそれは、先ほどまで装甲車両から指示を行っていた隊長にも等しく襲い掛かっていた。
「隊長! 隊長!」
難を逃れた副隊長が駆け付けて呼び掛けるが何の反応も無い。 胸から大量の血を流しているが、傷は心臓まで達しており手の施しようが無い事を確認する……。
ややあって、副隊長は皆に号令をかける。
「隊長は、戦闘続行不能であるため、私が変わって指揮をとる! 動ける者は、負傷者の救護を行いこの場を離脱する……撤退だ!」
撤退の命令に隊員達が従い行動を始めるが、そこにミサイルを放った主三体が迫って来る。 このままでは全滅も在りうると誰もが思ったその時、「キュルキュル」という音がどこからともなく聞こえてきた。
音が止まると「ズドン」と辺りの空気を振動させるほどの爆音が鳴り響き、一つ目の胴体に風穴が空き爆発する。
「あれは……戦車です! 戦車が戦闘の現場に到着しました」
三台の戦車が別の基地より到着し、一つ目に砲撃を加える。 ミサイルを再転送する間も無く撃破されていくのを見て、隊員達はやや安堵し救護の手を急ぐ。 だがーー
戦車の内一台が突如として横転し、ひっくり返る。 何事かと思う暇も無く、もう一台は巨大な巌のような拳の一撃を受けて、頭頂部がひしゃげてしまう。
「ああっ、巨大な黄色い三つ目の怪物が戦車を破壊しています!」
残る一台は急いで三つ目から距離をとるが、砲身を向けた途端にミサイルの雨を受けて爆発、炎上してしまう。
両腕を伸ばした状態でミサイルを放った三つ目はその直後、勝利の雄たけびがわりとばかりにゴリラのようなドラミングを行う。
隊員はその間にも急いで撤退しようとしているのだが、このままでは更なるミサイル攻撃を浴びせられかねない。
ドラミングを終えた三つ目が逃げる対象を見定めたその時、その足元が激しく爆発して大きくバランスを崩す。
三つ目に攻撃を加えたものの正体とは……。
「戦車を破壊した三つ目の化け物が攻撃されていますが……あれは! 戦闘ヘリです。 アパッチが新たに参戦しています!」
報道ヘリはアパッチを出撃させる自衛隊の要請で、戦域を離脱するよう通達を受けた為に現場を離れた。 そして、二機のアパッチは一定の距離を取ってホバリングを行い三つ目と対峙する。 対象は例によって全身からミサイルを発射するが、飛来するミサイルを二機、計四門のガトリング砲で全て迎撃しお返しとばかりに、ミサイルを浴びせる。
自らが得意とする攻撃のカウンターを食らい、三つ目は激しく爆散する。 撃破したアパッチ二機は何事も無かったかのようにホバリングで滞空を続けているが、周囲を警戒しているのかもしれない。
「これで戦闘は終了したのでしょうか? 新たな敵の出現は……」
リポーターも周囲を確認していたが、直ぐに異変は起こる。 戦闘ヘリ一機のローターが突如として停止し落下。 爆発炎上してしまう。
「一体どうしたのでしょうか? ああっ、もう一機も?」
残る一機も同じ運命を辿るが、ここで初めてヘリを墜落させた敵の正体が明らかになる。
「あ、あれは……蜘蛛です。 蜘蛛の化け物がビルの側面に張り付いています!」
蜘蛛の背中から発射された鳥もちのようなもので、ヘリのローターは絡めとられて飛行能力を失った。 まさか、このような伏兵がいようとは思いもしなかったが、蜘蛛はビルの側面をつたって道路へと降り立ち、隊員達の前に立ちはだかる。 絶体絶命のピンチと誰もが思った瞬間だった。
「くたばれ! 化け物!」
声の主は二人の隊員、満身創痍の状態だが狙いを定め、それぞれ手にしたグレネードランチャーの引き金を引き絞る。
グレネードが着弾すると炎が吹き上がりたちまち蜘蛛を覆う。 「ビィィィィ」という蜘蛛らしからぬ叫び声をあげている最中にも、ダメ押しとばかりにもう一撃火炎弾を食らわせると蜘蛛は完全に活動を停止した。
これで最後ーー
追加の敵の出現は無い……。
「へっ、炎が弱点なのは知ってんだ!」
「や……や、ったぞ。 怪物どもめ……ざまあみろ」
グレネードを放った二人の隊員の内一人は、燃え盛る炎を見届けて倒れ込む。
「……おい、大丈夫か? しっかりしろ、おい!」
怪我の酷い隊員は倒れたままで呼びかけに答える事は無い。 今の一撃に全てを込めた……残った一人も何となくそう思ったが、理解はしたくないと呼び掛け続ける……。 それは他の隊員が駆け付けるまで続いた。
「敵は殲滅しました。 これは……自衛隊の勝利、なのでしょうか……」
今回出現した厄災は自衛隊の活躍で撃破出来た。 これは勝利と言っても良いのかもしれない。
だが、これは数ある厄災の襲撃の一つに過ぎないのだ。 それに対して、今後もこのように戦闘を継続していく事が果たして可能なのだろうか……。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
回復力が低いからと追放された回復術師、規格外の回復能力を持っていた。
名無し
ファンタジー
回復術師ピッケルは、20歳の誕生日、パーティーリーダーの部屋に呼び出されると追放を言い渡された。みぐるみを剥がされ、泣く泣く部屋をあとにするピッケル。しかし、この時点では仲間はもちろん本人さえも知らなかった。ピッケルの回復術師としての能力は、想像を遥かに超えるものだと。
翡翠色の空の下で~古本の旅行ガイドブック片手に異世界旅行~
八百十三
ファンタジー
知っている人は知っている、有名な旅行ガイドブック、「みるぶ」。
とある土曜日、神保町の古書店を訪れた女性・澤 実里(さわ みのり)は、少々使用感の目立つ「みるぶ」が、他の本に紛れるようにして棚に収まっているのを見つける。
そのタイトル、「みるぶ異世界」。
中を開くと書かれているのはどれを取っても胡散臭い内容。それでも暇つぶしにはいいだろう、とジョークグッズのつもりでお買い上げ。代金200円と消費税8%。
本を収めたビニール袋片手に古書店の外に出ると――そこはまさしく異世界だった。
なんで異世界だと分かったか?何故なら、頭の上に広がる空が、どこまでも澄み切った緑色なのだ。
剣と魔法の世界ではない、けれど異種族が入り混じり、人種差別しつつされつつ暮らす近世チックな異世界にて。
元の世界に帰る時が来るまで、実里は古都フーグラーのギルドで雇った獣人族の通訳と共に、自身が迷い込んだマー大公国内を旅行することにしたのである。
●コンテスト・小説大賞選考結果記録
読者を増やそう!エブリスタのトップに載れるコンテスト 受賞
第9回ネット小説大賞 一次選考通過
第12回ネット小説大賞 一次選考通過
※カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様、エブリスタ様、ノベルピア様にも並行して投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888255850
https://ncode.syosetu.com/n5542fg/
https://novelup.plus/story/990704739
https://estar.jp/novels/25627829
https://novelpia.jp/novel/319
青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜
Yokoちー
ファンタジー
もふもふと優しい大人達に温かく見守られて育つコウタの幸せ日記です。コウタの成長を一緒に楽しみませんか?
(長編になります。閑話ですと登場人物が少なくて読みやすいかもしれません)
地球で生まれた小さな魂。あまりの輝きに見合った器(身体)が見つからない。そこで新米女神の星で生を受けることになる。
小さな身体に何でも吸収する大きな器。だが、運命の日を迎え、両親との幸せな日々はたった三年で終わりを告げる。
辺境伯に拾われたコウタ。神鳥ソラと温かな家族を巻き込んで今日もほのぼのマイペース。置かれた場所で精一杯に生きていく。
「小説家になろう」「カクヨム」でも投稿しています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした
せんせい
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる