香しきファンタジー、汝の名はなろうなり

大戦前夜、その原因を探る旅へ

　さて、今回から二度に渡る大戦の前に何が起こったかを語って行きます。

　ただこの辺りは非情に難解で、各国の思惑であったりしがらみであったりとかが複雑に絡み合い、全体像が中々見えにくい状況となっております。
　なので、大元の原因というか元凶を探って行きましょう。

　何故第一次世界大戦は起こったのか…その源流を探ると「フランス革命」と「産業革命」へと辿り着く事でしょう。
　先ずはフランス革命についてですが、これは当時の各国の対立が遺恨を残したとかでは無く、この時新たな概念が生まれました。

　それが「民族国家」と呼ばれるもので、要するに一つの民族に一つの国家という考え方が広まりました。　近しい考え方に「民族自決」もあります。
　
　フランス革命以前は、国家は王の所有物であり民はそこに暮らしているだけの存在でしたが、革命を経て国家は民の物となりました。
　ならば、この国家を所有する民とは誰の事を指すのか？　このような疑問が生まれたのですが、そこから民族という概念が生まれたのです。
　いえ、それより以前から民族という言葉は存在していたかもしれませんが、この時を境に意味は変容したと言って良いでしょう。
　
　所謂「ナショナリズム」を人々が強烈に意識する時代が到来した訳ですが、これは今の時代にも十分に通じますね。
　しかしこの「民族とはなにか？」との問いに正確に答えられる人は恐らく存在しません…この誰もハッキリと説明出来ない概念によって人々は争い、それは二十一世記になった今でも改善されておりません。

　フランス革命が生み出した「民族国家」この概念が大戦の大元の原因の一つですが、次回は「産業革命」がもたらしたもう一つの原因を語って行きます。
　
　また次回、お会いしましょう。