リョウタの話

安倍川きなこ

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リョウタの話後編

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先輩は実を言うと苦しい日々を送っていた。目の前のリョウタに触れたくても触れられない、ジレンマを抱えていた。いや、リョウタに言えば、きっと大丈夫、と笑って答えてくれる気がするが、先輩は言い出せずにいた。自分はリョウタを傷つけない存在でいたい。わがままで身勝手な願望だと分かりきっていた。そして今、リョウタに触れたいと思う自分もまた身勝手なのである。ただ、この先一生リョウタに触れないというのは発狂しそうだ。そう、いつかは許しを得て触れなければと考えていた。今日はその第一歩かもしれない。
 決心した先輩はリョウタの背後からするりと腕を絡ませた。
「先輩?どうしたの…んっ。」
 振り向いたリョウタに先輩はそっと唇を重ねた。リョウタは一瞬ビクリとしたが、抵抗はしなかった。
 しばらく二人はそのまま時を過ごしたが、やがて唇が離れる。
「先輩?」
 少し驚いたようなリョウタの顔を改めて見ると、少し紅潮していてやはり可愛かった。
「リョウタ、ごめん。ちょっと我慢、できない。」
 そう言うと先輩はリョウタの体に指を走らせ始める。
「あっ、ちょ。先輩、なんかスイッチ入ってる?」
 うん、と短く返事をした先輩はリョウタを弄るのをやめようとはしない。しかしここでリョウタは先輩に珍しく抵抗してみせた。なぜなら。
「ちょっと待って。ほんと。今は、ダメっ、野菜切ってるから、あっ。」
 そんなリョウタの可愛い抵抗には動じずに先輩はリョウタを撫でるのをやめない。
「リョウタ。やっぱ、カレーは後にして。もう、むり。」
 そう言いながら先輩はリョウタの首筋にキスをしている。リョウタもそれに反応して、んっと声を上げているが、カレーは後にして、はどうなんだろう。お腹。空いてる、デショ。
 先輩がリョウタのイイトコロを知らないはずはなく、少し触られただけでリョウタの意識もトロトロになっていた。
「せん、ぱ、まって。こんなとこで…。」
 だめだよ。と言いたいが続きが出てこない。気持ち良過ぎて変になりそう。久しぶりの先輩の攻撃にリョウタももうむりだった。
「嫌ならやめる。」
 先輩はやめる気などさらさらないが、リョウタが心の底から触れられたくなくて抵抗しているのならやめなければ、とは思った。
「や、じゃ、ない……。」
 半分蕩けかけた意識の中で、絞り出したリョウタの言葉は先輩をなお興奮させた。
「じゃ、やめない。」
 そう言うと先輩は攻勢を強めた。半分崩れ落ちかけたリョウタを優しく床に横たわらせると、シャツの前を開ける。
 元々インドアなリョウタの肌はこれでもかと言うほど白く、興奮のためか少し紅くなっているのがよくわかって、先輩はますます食指をそそられる。
 先輩も冷静なフリはしていたが、頭の中はリョウタでいっぱいだし、全く冷静とはかけ離れたところにいた。
 久しぶりのリョウタの感触に、先輩はおかしくなりそうだった。いや、既におかしくなったからこんなところで行為に及んでいるのかもしれない。床が固くて、リョウタが可哀想。よりも己の欲望を満たすことを優先してしまっている。でも、リョウタから『嫌じゃない』と言ってもらえるタイミングは今を逃したらないかもしれない。そんなはずないのに、先輩は焦っていたのだろう。
 先輩はいつもリョウタにしていたように、その胸に舌を這わせる。リョウタがビクリと反応するのを感じて、先輩の気持ちも高揚していく。
 ここ最近、お互い辛い思いばかりですれ違っていた二人の、パズルのピースがようやく埋まっていくように感じられた。
 一旦想いを遂げた二人は、ベッドに移動して夜通しお互いを確かめ合った。
 
 翌日
(あ、これ立てないやつだ。)
 リョウタは直感した。そもそもそんなに寝ていない。今日は平日。昨日はそんなこと気にせずに先輩としたいがままにしてしまった。失敗した…。とリョウタが思ったかは別として、先輩はいつもジャストタイミングなのである。
「おはよ、リョウタ。」
 おはようと言ってくれる先輩がいることがリョウタの何よりの喜びである。
「おはよ、先輩。今日会社行けそう?」
 自分は無理なので先輩に尋ねてみる。すると先輩は少し驚いたようにリョウタを見て、
「無理だが?」
 と当然のように言った。むしろリョウタは行くつもりなのか、という顔をされた。いや無理だけど、と先輩と笑い合いつつ会社にメールを送る。体調不良につき休みたいという旨のメールである。先輩は程なくして許可が降り、一日有給を取る事になった。
 リョウタの方はすぐさま社長から直々に電話がかかってきた。
「どうした?熱でも出たのか?」
 と問われ、ちょっと疲れが出ただけですと答えると、そうかという返事が返ってきて、通話はすぐ切れた。勘繰られなくて良かったかな?とリョウタは少し首を捻るが、まあいい事にしよう。
 
 社長は嫉妬に狂っていた。リョウタの声が掠れ気味だったし、リョウタの電話の向こうで先輩がくあ、とあくびをするのが聞こえた。あれは絶対わざとだ。それを加味すると、昨日何があったのかが容易に想像できた。くそ、なぜだ。あれほど望んでも手に入らないものがそこにはあった。わざとらしく見舞いにでも行って邪魔してやろうか。と思ったが、生憎今日の社長のスケジュールはみっちりリョウタによって組まれており、隙間時間もほとんどない。なんてタイミングの悪い日なのだろう。しかし仕事に穴をあけてしまっては、元も子もない。社長は仕方なくリョウタの組んだスケジュールをこなす事にする。
 有給を獲得した二人は、昼頃にもそもそと起きだしてきた。それまでまたくっついて寝ていたし、先輩もリョウタを離す気はなかった。リョウタの方も先輩といられる幸せを噛み締めていて、お互い幸せを感じていた。
「あ、昨日の具材…。」
 起きてきて何か食べようとキッチンに向かった二人の目に入ったのは放置されたカレーの具材である。玉ねぎは切っている途中でカピカピになっている。
「う~ん。どうしよう、これ。」
 リョウタが困り果てていると、先輩は煮込めば一緒じゃね?とめちゃくちゃ適当な発言をする。え、流石に…。とリョウタが渋っていると、大丈夫大丈夫、と先輩は具材をつづきから刻み始めた。
「リョウタは休んでていいよ。まだしんどいだろ。」
 そう言って先輩が色々と食材を処理していく。気遣ってくれるのは嬉しいのだが、先輩も結構体力使ったんじゃ?とリョウタの頭にははてなが浮かぶ。
 そんな心配をよそに、先輩はどんどん料理を進めているので、リョウタは慌てて手伝う事にした。
「ジャガイモ、剥くの手伝うよ。」
 リョウタはそう言ってピーラーを取り出す。先輩は休んでていいのに、と再度言ったが、リョウタは先輩と一緒に作りたいことを伝えると、そうか、と言って先輩もそれ以上リョウタの作業に何か言ったりはしなかった。先輩は料理ができないわけではないのだが、いつもリョウタが作っていた。というのも、先輩はリョウタの作る料理が好きだったし、リョウタは先輩に料理を振る舞うのが好きだったからだ。結果リョウタの方が料理が上手くなってしまい、結局リョウタが料理を作っていた。リョウタはそれを苦にしたことはないし、先輩も手伝ってくれたりするので、共同作業ができてリョウタは料理するのが好きである。今日もこうして先輩と一緒に料理ができて、リョウタは幸福を感じていた。
  久しぶりにリョウタを抱いて、箍が外れてしまったかもしれない。先輩はちょっと反省していた。立てなくなるまでさせるつもりじゃなかったのに。でも気づいたら、お互いがお互いを欲していて、歯止めが効かなくなっていた。久しぶりすぎて、リョウタとの出会いから何から思い出してしまい、ついついリョウタが可愛くて仕方なくて、求めすぎてしまったかもしれない。でも今、リョウタは文句を言うでもなく、ニコニコしながら自分の隣でジャガイモを剥いてくれている。嫌がられることはしてない、はず。と自分に言い聞かせ、リョウタに申し訳ないことをしたという罪悪感で料理を率先して始めた。気づけば夕飯になろうかという時間だし、三食抜いている事になる。昨日の夜からお腹は空いていたが、それどころじゃなかった。それより何より、リョウタが欲しかった。自分でもこんなに飢えていたのかと思うほどリョウタを目の前にすると抑えられなかった。社長も同じ気持ちだったのかもしれない、とは思うが同情はしない。リョウタはもう、俺のものだ。絶対に離さない。二度と。
「…パイ。先輩、お鍋焦げちゃうよ。」
 先輩が固く決意していると、リョウタが心配そうにこちらを気にしている。しまった、考え込んでしまった。ごめん、ちょっと考え事してた、と言って火を緩め、危うく焦げそうになった玉ねぎを救出する。他の具材も炒め、順調にカレーを作っていく。煮込んでいる間、二人は他愛もない話で盛り上がる。
 最新スイーツの話、数式についてなど、その話は多岐に渡るが、リョウタはそこでポツリと漏らした。
「そういえば俺、記憶ない間もスイーツと数式には食いついてたんだよね。」
 先輩はその一言を、複雑な気持ちで聞いた。しかしそれはリョウタがリョウタである証明だと先輩は思った。
「そうだな。リョウタはリョウタってことだ。根っこは同じって事だろ?」
 その答えを聞いたリョウタは目をぱちくりとさせ、そっか、と安心した様子で微笑んだ。気にしていたんだな、と先輩はリョウタの不安を一つ取り除けたかもしれない事に安堵する。
 リョウタは不安を抱えていた。記憶をなくして先輩のことを忘れていた時の自分について。先輩のことを忘れるなんて、なんて失礼なことをしたのだろう、とリョウタは思っていた。自分を暗闇から救ってくれた大好きな先輩のことすら忘れてしまっていた。あの頃自分は何者なのかも全くわからなかったとはいえ、先輩はどう思ったのだろう、と。
 でも先輩は変わらずリョウタのことを愛おしく思ってくれているのだと昨日のことで分かった。しかし自分はこのまま先輩の優しさに甘えてしまっていいのだろうか、と疑問に思ってもいた。リョウタはせっかくの機会だし、先輩に全て曝け出してしまう事にした。
「先輩は、俺が記憶ない時、どんな気持ちだった…?どうしたらいいのかわからない。」
 リョウタの発言に先輩はなんだ突然、という顔をした。
「どんなって。そりゃ悲しかったけど、リョウタが自分を守るために記憶に蓋をしたのなら、それはやっぱり手離してしまった俺の罪かな、とか…。」
 その言葉にリョウタは弾かれたように反応する。
「先輩に罪なんかない!」
 先輩は余計に驚いた顔をしたが、リョウタを諭すように抱き寄せると、こう続けた。
「いや。守れなかった俺にも罪はあるよ。それを責めないでいてくれるリョウタはやっぱり優しいんだな。その優しさにつけ込もうとする奴がいたら、今度こそ俺はリョウタを守るためになんだってするよ。ありがとな。」
 先輩とリョウタはお互いを抱きしめながら、互いの優しさを噛み締めた。
「先輩のこと忘れてたの、怒ってないの…?」
 リョウタの不安はそこにあったのか、と先輩は理解した。
「怒れるはずないだろ。そこまで追い込まれるまで何もできなかった俺の落ち度だ。もう気にするな。これからのことを考えればいい。」
 先輩はいつもそうだ、とリョウタは思う。高校で出会った時もこれからのリョウタのために受け専はやめろと言ってくれた。就職する時も、記憶を失った時も、いつもこれからのことを考えて先輩はアドバイスをくれた。
「先輩の方が優しい。いつも俺の心にあったかいものを置いてってくれる。」
 二人互いを抱きしめながら、温もりを感じあって時を過ごす。
 ピンポーン
(チッ、誰だこんな良い時に。)
 先輩は心の中で舌打ちをした。時々現れるダークモードである。
 画面を見ると、そこに立っているのは紛れもなく社長である。先輩は二度目の舌打ちを心の中で済ませると、無視しようと思ったが、そうするとリョウタの電話が鳴る可能性がある。リョウタの耳を汚したくないという思いから、渋々応対する。
「…はい?」
 低音で短くそれだけ問うと、返事を待った。
「手短に言おう、邪魔をしに来た。」
 邪魔だと分かっているなら帰ってくれ、むしろ来るな。と思ったが、リョウタが誰?と聞いてくる。
「ああ。宅配便の人が部屋間違えたって。」
 それを聞いた社長が思わず反論する。
「おい、それは流石に酷いんじゃないか?」
 リョウタはだんだん近づいてきていたので、その言葉が聞こえたようだ。
「あれ、社長?宅配便の人??」
 リョウタは先輩に疑問を投げかける。
「ごめん、リョウタ。耳が汚れるからお部屋行こうか。」
 おい、と再度反論する社長をよそに、先輩はリョウタをインターホンから遠ざけた。
「帰れ。」
 先輩はドスのきいた低音でそれだけ言う。社長と先輩はもはや犬猿の仲なので、火花を散らしまくっている。
「邪魔をさせてもらう。」
 社長は引き攣った営業スマイルで引く気はさらさらないと宣戦布告する。
 そんな押し問答が五分くらいは続いただろうか、いい加減マンションの迷惑だが、そんなことはお構いなしに二人はバトルを繰り広げる。
「ねえ、カレーできたよ。」
 そんな二人に天使が舞い降りた。リョウタである。
 先輩は、リョウタによしよし、と頭を撫でてやる。
「やあ、ご相伴に預かっても?」
 インターホンの向こうから社長がリョウタに話しかける。
(何勝手な真似してくれてんだ?)
 先輩はもうキレ気味である。そんな様子はリョウタ相手にはおくびにも出さず、もうちょっと待っててくれな、と言ってキッチンに行くよう仕向ける。
「先輩、これ三日かかっても多分二人じゃ無理だよ。」
 先輩が目分量で作ったカレーは到底二人では消費しきれない量になったらしい。それみたことか、と社長が攻勢に出る。
「私は結構食べる方だから、協力できると思うんだが?」
 仕方なく二人は社長を再び家に上げる事にした。
「変な気起こしたら、マジで捻り潰すからな。覚悟しろよ。」
 と、先輩は念を押した。社長が家に来るとロクなことがないからだ。そうしてなぜか三人で食卓を囲む事になった。
「社長、本日はお休みをいただいて申し訳ありません。明日からは問題なく出勤します。」
 休んだことでお叱りを受けるのかと身構えていたリョウタが開口一番に社長に謝罪する。
「いや、いいんだ。ただちょっと近くまできたから様子を見に寄っただけだよ。」
 少し上機嫌な社長はそう言うと、カレーに手をつける。うまいと食べる社長にリョウタが知らずに追い打ちをかけた。
「思った以上に美味しくできたかも。二人で頑張った甲斐があったね。ね、先輩。」
 社長のハートは砕け散った。リョウタはリョウタで先輩と一緒に作ったカレーを食べられて上機嫌である。先輩は社長の表情の変化を見逃さなかったが、ニヤリと笑って済ませた。
「ほんと。リョウタは料理うまいから。俺なんか目分量だもんなー。」
 先輩の料理も好きだよ、と二人はいちゃいちゃし始める。社長にとっては針の筵であるが、これはこれで自分が招いた結果なので仕方なかった。
(リョウタの笑顔をまた見られるだけでも幸せ、なのかもしれないな。)
 社長は今ある現状を受け入れるしかないのだ。ニコニコして先輩と笑い合っているところを見られただけでも、全てを失ったあの時から比べれば良しとしなければいけないのかもしれなかった。幸せそうな二人。というかリョウタ。自分はお邪魔虫だと分かっているが、それでもリョウタが可愛いので会社にいる間は一緒に仕事をしてほしいし、時々そのリョウタが作るお弁当を食べたいと願っている。社長は食べ終えると、お茶を濁さないようにそろそろお暇するよ、とリョウタと先輩の愛の巣を後にした。そこは自分が踏み込んでいい領域ではないと感じたかどうかはさておき、マンションを訪ねるのはもうやめようと思っていた。
 会社で見せてくれるリョウタの一面が、自分にとってのリョウタなのだと社長は感じたようだ。
 一方先輩とリョウタは、社長があっさり帰って行ったことに拍子抜けしていたが、反省してくれているのだろうと捉える事にした。
「んじゃ、俺たちも明日に備えて寝るか。俺たち会社員だもんな。働くか。」
 自虐気味な先輩に、そうだね、とリョウタは笑って答えた。
 二人でお皿を片付けた後、先輩はリョウタに向き直る。
 かしこまった様子に、少し首を傾げたリョウタだったが、先輩はとても真剣な顔つきでリョウタにこう宣言した。
「俺、相原ハルキはリョウタを愛しています。一生を共にしてくれますか?」
 と。
 リョウタはこれ以上ない幸福で満たされていた。もちろん、返事は『はい』だった。
 かくして、リョウタの話はここでおしまい。自傷高校生だったリョウタの、ハッピーエンドなお話。
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