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魔王、会社設立を許可する
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「では、私から話させて頂きましょう」
「宜しく頼みますね、カシワラ」
「先日、お預かりしていた宝石と貴金属類ですが、ご指示通り森宮さんと協力して、複数回に分けて別々の店で換金しました。当面の活動資金980万余りを獲得しています。今ここに、100万ほどお持ちしておりますが、残額は私の自宅の金庫の中にあります」
「分かりました、経理はカシワラに任せますので、引き続き換金をお願いします。モノの品質は保証できますからあまり問題とならないでしょうけど……あまり、一定地域ばかりで偏らない様にお願いしますね。モリミヤ、カシワラの補助を引き続きお願いします」
「……はい、イリアさん」
コクリと頷く、森宮聡子にイリアは追加の宝石と貴金属類の入ったバッグを渡す。
「各自、今回の報酬と活動資金はカシワラから受け取って下さい」
皆、それぞれに頷く。
「……それと、カシワラから提案のあった合同会社設立ですが、魔王様から許可が取れました。全て、カシワラにお任せしますので、代表社員の登録も貴方にしておきなさい。確か、勤め先のIT企業は副業推奨でしたね?」
「う~ん、恐らく就業規則にはかからないかと。イリアさん、資本金はどれぐらいにしましょうか?設立したばかりの会社ですと資本金そのものが信用力になりますので……」
「そうですね、魔王様は800~1000万ぐらいが望ましいと仰っておりました。事業目的は実際に商品開発を行う青銅のエルフ達と相談し、後日に連絡します。この件に関しては皆にカシワラの補助を頼みます」
話が一区切りついたところで、山之上功太が手を上げる。
「イリアちゃん、俺なにも仕事頼まれてないんだけど?」
「ヤマノウエは無職という利点がありますので、これから頼む事も多いでしょう。皆、昼は自分の仕事がありますからね、貴方の無職という強みを活かしてください」
「うわ~、褒められてる気がしねぇわ」
「ヤスダとテラサキの進捗はどうですか?」
「ちゃんと、イリアちゃんにいわれた通り、印鑑証明を作ったよ!」
「概ね、問題なく進めていますよ。明日、内見に行くんですよね?」
「えぇ、ヤスダと私で行きます」
「え~、私は一緒じゃないの?」
「……男性ひとりに女性がふたりだと、不動産屋が不振に思うでしょう。内見の時は私達も不動産会社の社員に見られているのです。あまり変な方と賃貸契約を結ぶわけにもいかないでしょうし…… ならば、ヤスダとテラサキのふたりで行って下さい」
「え~、ごめん、それは無理」
「?ヤスダは人畜無害な男性ですが……」
「……僕も褒められている気がしないですね、確かに……」
その後、各々が交流を深め、多少の面識ができた頃合いで“チームイリア”の初会合はお開きとなった。
「さて、今日泊まるホテルを探さないといけませんね。帰還のゲートを開いてもらうのが明日の今頃ですから、一応2泊で入れておきましょうか……さっさと用事を終わらせて、買い物を楽しんでしまいましょう♪」
軽い足取りで黒髪紅瞳の吸血令嬢イリアは街の雑踏に消えていった。
「宜しく頼みますね、カシワラ」
「先日、お預かりしていた宝石と貴金属類ですが、ご指示通り森宮さんと協力して、複数回に分けて別々の店で換金しました。当面の活動資金980万余りを獲得しています。今ここに、100万ほどお持ちしておりますが、残額は私の自宅の金庫の中にあります」
「分かりました、経理はカシワラに任せますので、引き続き換金をお願いします。モノの品質は保証できますからあまり問題とならないでしょうけど……あまり、一定地域ばかりで偏らない様にお願いしますね。モリミヤ、カシワラの補助を引き続きお願いします」
「……はい、イリアさん」
コクリと頷く、森宮聡子にイリアは追加の宝石と貴金属類の入ったバッグを渡す。
「各自、今回の報酬と活動資金はカシワラから受け取って下さい」
皆、それぞれに頷く。
「……それと、カシワラから提案のあった合同会社設立ですが、魔王様から許可が取れました。全て、カシワラにお任せしますので、代表社員の登録も貴方にしておきなさい。確か、勤め先のIT企業は副業推奨でしたね?」
「う~ん、恐らく就業規則にはかからないかと。イリアさん、資本金はどれぐらいにしましょうか?設立したばかりの会社ですと資本金そのものが信用力になりますので……」
「そうですね、魔王様は800~1000万ぐらいが望ましいと仰っておりました。事業目的は実際に商品開発を行う青銅のエルフ達と相談し、後日に連絡します。この件に関しては皆にカシワラの補助を頼みます」
話が一区切りついたところで、山之上功太が手を上げる。
「イリアちゃん、俺なにも仕事頼まれてないんだけど?」
「ヤマノウエは無職という利点がありますので、これから頼む事も多いでしょう。皆、昼は自分の仕事がありますからね、貴方の無職という強みを活かしてください」
「うわ~、褒められてる気がしねぇわ」
「ヤスダとテラサキの進捗はどうですか?」
「ちゃんと、イリアちゃんにいわれた通り、印鑑証明を作ったよ!」
「概ね、問題なく進めていますよ。明日、内見に行くんですよね?」
「えぇ、ヤスダと私で行きます」
「え~、私は一緒じゃないの?」
「……男性ひとりに女性がふたりだと、不動産屋が不振に思うでしょう。内見の時は私達も不動産会社の社員に見られているのです。あまり変な方と賃貸契約を結ぶわけにもいかないでしょうし…… ならば、ヤスダとテラサキのふたりで行って下さい」
「え~、ごめん、それは無理」
「?ヤスダは人畜無害な男性ですが……」
「……僕も褒められている気がしないですね、確かに……」
その後、各々が交流を深め、多少の面識ができた頃合いで“チームイリア”の初会合はお開きとなった。
「さて、今日泊まるホテルを探さないといけませんね。帰還のゲートを開いてもらうのが明日の今頃ですから、一応2泊で入れておきましょうか……さっさと用事を終わらせて、買い物を楽しんでしまいましょう♪」
軽い足取りで黒髪紅瞳の吸血令嬢イリアは街の雑踏に消えていった。
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