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登場人物紹介(猛牛族・魔人族・鬼人族・犬人族・人族)

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★ ダロス(ミノタウロス族)

ミノタウロス族の族長であり、黒毛の猛牛。実はその真価はミノタウロス族としては異常なほどの知能にある。本来は猪突猛進なミノタウロス達を戦術的行動が取れるまでに鍛え上げた一族の英雄だ。筋骨隆々の巨体に重装鎧を纏い、大盾を持って常に最前線で攻撃を受け止める彼らへの信頼は厚い。

★ グレイド(魔人族)

長命である事と膨大な魔力以外は普通の人間と変わらない優男であるが、強力な各属性の魔法と剣術を併用する魔族屈指の魔法剣士だ。公正さを維持するため、魔王が自種族の長を兼ねないために彼が魔人族の長を務めているが、心の中では自分は代理に過ぎないと考えている。なお、彼が率いる魔人族は共鳴魔法という複数人で組み上げる強力な魔法を扱う。

★ シューレ(魔人族)

魔人族の時期族長にしてグレイドの一人息子、剣の腕は父親に鍛えられてかなりのものらしい。自由奔放な性格でいつもそこらへんをフラフラしている放蕩者。修行のためにグレイドがイリアに頼み込んで地球派遣組の護衛として組み入れてもらったが…… そこでも好奇心のままに徘徊し、五郎丸という黒猫を拾ってきた。

★ ミツキ(鬼人族)

黒髪美人の和服美女、ただし小さな二本の角が生えている鬼姫。ダンジョン内では治安維持と情報取集を専門とする鬼人兵を麾下に持つ。計算高く、当初は人間達との接触を図って鬼人族の未来を模索していた。魔王復活以降は彼女曰く“表返った”らしく、彼の配下として活動する。その経緯から魔王不在時の魔族を率いていたスカーレットからは嫌われている。

★ ミカゲ(鬼人族)

ミツキ麾下の間者を纏める者のひとり。情報の伝達が間に合わず、本来は中止となるはずだったマリ誘拐を決行した。攫った彼女を越後屋に運び込んだが、それを茶屋で団子を食べていた魔王にみつかり成敗される。

★ オルトス(コボルト族)

黄金色の毛並みを持つコボルトキングであり、現在の魔族で最大規模の種族を率いる。個々の力が弱くとも集団としての戦い方を心得ている。コボルトとしては破格の強さを持つが、それでもやはりコボルトであるため、前線にはあまり出ずに後方で指揮に専念する事が多い。

★ イルゼ・リースティア(人族)

ノースグランツ辺境伯の娘で金髪碧眼の令嬢、病に伏した父の後を継ぐために戦功を求めて地下ダンジョンの最前線に供と一緒に赴く。地下20階層の戦いで撤退する仲間のために殿を務めて取り残される。その後は魔王の降伏勧告を受け入れて捕虜になった。天狼ヴィレダとの試合で概念装“刹那”に目覚め、その後も名だたる魔族の将に鍛えられてベヒモスを単独討伐できるほどの実力を得る。現在は占領下のノースグランツ領で領主を務めるも、王国側からは裏切りの騎士令嬢と呼ばれている。

★ ジフル・リースティア(人族)

イルゼの父親で前のノースグランツ辺境伯でもある。妻を地震で無くしてからは幼いイルゼを男手ひとつで育て上げた。最近は体調を崩して病に臥せっていたが、イルゼが地下ダンジョンで行方不明になって以降、急激に衰えて他界してしまう。亡くなる前にイルゼの捜索に全力を尽くすとの約束の下、隣接するミザリア領主の息子とイルゼの婚約の書面に署名していた。

★ マリ・オルニクス(人族)

イルゼの侍従兵、幼い頃から彼女に仕えているためその忠誠心は高い。基本的にお嬢様第一主義であり、自らの主が幸せであれば満足という人の良い娘である。一応、侍従兵としての訓練を受けているが一対一で新米コボルト兵に負ける程度だ。

★ ガイエン・オルニクス(人族)

マリの父親で都市エベルの衛兵を指揮するナイトマスター、有事の際はノースグランツ領兵全軍の指揮を取る事もあり、ジフル・リースティアからの信頼も厚い。慎重派であるがゆえに、情報の価値を理解しており、王国内の各主要都市に密偵を放っている。イルゼの元々の剣の師匠でもあった。

★ ザフマン・クライスト(人族)

ガイエンと肩を並べるノースグランツ領のナイトマスター、普段は領内第二の都市エルメリアの衛兵を指揮する。都市エベルが魔族の占領下に入った時、そこに送る偽の書状をベイグラッド家の者が用意するにあたって、彼の刻印が持ち出されて利用された。

★ ミリア・アスナリヤ(人族)

“緩衝”の概念を結界に付与できる概念装を持つ聖女であり、ダンジョン探索部隊の護りの要となる。柔らかい結界により数々の攻撃を緩和できるが、限界以上の攻撃を受けると破綻してしまうため注意が必要。勿論、聖女として結界だけでなく治療魔法も得意だ。生真面目な性格であり、気苦労も多いが部下からは慕われている。

★ ディアナ・ストレイア(人族)

どこにでも存在するという“遍在”の概念装を纏い、人間族としては規格外の転移魔法を扱う黒髪金眼の魔女。地下ダンジョンの戦いでは上空に転移方陣を展開し、安全な場所から落下速度を乗せた矢の雨を降らせ、魔族を負傷させた。しかし、魔王の機転で転移方陣を開く場所を誘導されて、逆に吸血姫の炸裂魔法を打ち込まれる。その際に命の危機をミリアの結界で救われ、彼女と一層仲が良くなった。

★ ラトス・セリオネス(人族)

“切断”の概念装を纏う彼の斬撃は何者も防ぐことができない。所謂、初見殺しの聖騎士であり、その魔力光が宿る刃を受け止めようとすれば一刀のもとに斬り殺される。天狼のギリアムを仕留め、その証拠として彼の耳の一部を保持していた事により、それに気づいたヴィレダの飛び蹴りで首を折られて死亡する。

★ ゲオルグ・ベイグラッド

ノースグランツ領に隣接するミザリア領を治める辺境伯、リベルディア騎士国からの進行を何度か受け止めて押し返した功績があり、シュタルティア王の信頼を獲得している。若い頃は人の良い青年であったが、リベルディアとの戦いを重ねる度に凄惨な光景を見てしまい近付き難い偏屈者になってしまった。一部ではジフル・リースティアの不調は彼の仕業と噂されたが、真偽のほどは定かでない。

★ ヴェルガ・ベイグラッド

ミザリア辺境伯ゲオルグの長子であり、短絡的な自信家と周囲からは評される。ジフル・リースティア亡き後のノースグランツ領の領主として都市エベルの城に入った。その後、帰還したイルゼが領地継承の具申のために王都へ向かう意思を見せると、偽物と断じて処分しようとして返り討ちに…… 現在は地下ダンジョン20階層に囚われている。

★ クリストファ・ベイグラッド

ミザリア辺境伯ゲオルグの次男坊、バランス感覚に優れており、できる事とできない事をしっかりと区別して考える事ができる。なお、冒険はしないタイプであるが、臆病者というわけでもない。実はゲオルグもヴェルガではなくクリストファを後継に考えているからこそ、ノースグランツ領主にヴェルガを推したのだとか……

★ ジグル・デルド

クリストファの副官で彼を主と定めている。飄々とした性格で歯に衣着せぬ物言いをするが、そこをクリストファには気に入られた。“ジグルの存在がなければ、誰も自分に苦言を呈してくれず、兄と同じく根拠のない自信に振り回されるところだった”と主に感謝されている。

★ ルービス・アストン

シュタルティア王国の海軍1060名を率いて都市エベルの奪還に向かったが、青銅のエルフ達が艤装した魔導式蒸気機関と可変ピッチ式スクリューを搭載した小型高速艇の奇襲を受けて旗艦の船底に巨大な火球を打ち込まれる。その後は沈む艦艇から兵を退避させて王都シュヴェルグへと引き返していった。

★ リチャード・ワイズマン

“終極”の魔法使いの息子で、偉大な父の建国した小国の王。国土に見合わない発展を見せた魔導王国はそれを危険視した周辺国家に攻め滅ぼされかける。その時に“死して骸となろうとも臣民のために戦い抜く”との言葉を現実のものとし、心臓が止まり、身体から全ての血が流れ落ちようとも戦い続け、アンデッドの王となった。
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