上 下
9 / 31
フューエル

閑話 ミーちゃんの思い

しおりを挟む
誤字・脱字がありましたら教えて下さい!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私は,気づいたらどこかの路地裏にいた。
なんでここにいるのかはわからない……おそらく捨てられたのだろう。


これから,どうすればいいのだろう?

この薄暗い路地裏で死ぬ運命なのか……
そんなのはイヤだ!なんとしてでも生きてやる!


━━━━━数日後



もう捨てられてから何日が経ったのだろう?もう時間感覚がない……もう限界だ……


「あれ?捨てネコ?すごくキレイ…だ,大丈夫!?すぐに病院につれてくから!」


な,なんだ……人間が何か言ってる……びょ,病院だと?なんだそれは……私をどこに連れていくつもりだ……逃げなければ…逃げなければいけないのに,も,もう意識が………


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ,気づいた!よかったー 先生,起きました」

ここはどこだ?私は,まだ生きているのか?助かったのか?


「もう大丈夫そうだね。あなたが引き取るの?」

「はい!」


「そっか。なら手続きをするからちょっと来てくれる」


「わかりました!」


あぁ,意識が途切れる前に私を連れていった人がいる。この人が助けてくれたのか?そして,なにやら私を引き取ると話していたが,なんなんだ?どうしてそこまでしてくれるのだ……


「手続き終わったよーあなたはこれから私と一緒に暮らそうね!」



「じゃあ,しっかり育ててね」



「はい!突然だったのにありがとうございました!」


こっちの人も私を助けてくれたのか?ならお礼を言うべきだな


「にゃー(ありがとう)」


「ん?お礼を言ってるのかな?元気になってよかったよ」



「ありがとうございました!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ただいまー」


この人の家に着いたようだな……ここが私がこれから暮らす場所か……なんだか,散らかってるいるな……


「ちょっと待っててね……ごめんね。いつも一人だから少し散らかってるけど……ちゃんと片付けるから!」


あぁ……この人も一人なのか……




「あ,そうだ!あなたの名前を決めないと!うーん?何がいいかな?タマ?ありきたりだよなー」


なにやら名前をつけてくれるらしい……変なものでなければいいが……

「うーん?あ,"ミーちゃん"にしよう!どうかな?」


は?み,ミーちゃんだと!?なんだ!その名前は……そんなのイヤに決まっているだろう!


「んにゃー(変えろ)!」



「ミーちゃんも賛成なの!ヤッター!!じゃあこれからミーちゃんって呼ぶね!」


「にゃー(イヤだー)!」


「嬉しそうだね!よかったー」



━━━━━数ヵ月後


この期間でわかったことがある。
それは,主人の名前が"茜"だということ,主人は会社というところで働いているということ,会社でいいようにやられていること……,他者と関わることが苦手なこと,茜はバカなこと,などを知ることができた 



いつも会社から帰ってくると……倒れるのではと不安になる。それなのに私の前では,そんな様子を見せず,なにやら嬉しそうな顔をしている……なぜだ?



ーーーーーーーーーーーーーーーーー

茜が帰ってこない……会社というところで何かあったのか?


1日,2日と帰ってこなかった………大丈夫なのか?もしかして,私のことを捨てたのか……


やっと……やっと……茜が帰って来た。なにやら頭に白い布のようなものを巻いている。何かあったようだ……


話の様子から察するに,働きすぎで倒れたらしい……無理のしすぎだ……そして,しばらく会社を休むということだ。

休むために茜の祖父母の家に行くことになった。私も行くらしい……茜の祖父母か……どのような者か気になるな!



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


着いたようだ。ここはとても落ち着く場所だな……これならば茜もゆっくり休めるだろう!


茜の祖母,朱里の作るご飯は絶品だった!こんなにもうまいもの食べたのは,初めてだ。
そして,茜の祖父,海翔は,茜のことをすごく気に掛けているようだ。
二人とも茜のことをとても心配していた。この二人は信頼できる……茜のことを守ってくれるだろう。


茜が祖父と畑に行ったあと,一緒に倉庫に行った。何やら不思議な扉が奥のほうにおいてあった。不思議と惹かれるものがあった。この扉のことを知っているような気がした。知っているわけがないのにな………



ご飯を食べ終わったあとも,あの扉のことが忘れられない。茜も同じだったようだ…


茜とふたたび倉庫に向かうと,昼に見たときよりも惹かれるものがあった。そして,茜が扉を開け中に入ると言い出した。あ,茜が行くならついていくに決まっているだろう!

━━━━━茜は,私を助けてくれたのだ。どんなことがあろうとも絶対に守ってみせる!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どこか別なところに着いたようだ……もっと詳しく調べるためには……


「おろせ!」


まずは,茜の腕から降りなければ……そう思って,茜に声をかけると,どうやら言葉の意味が分かるようだ!


茜は,よく間違った意味で捉えるからありがたいな!

これからはこっちの世界でも行動するようだ。"茜は,私が守らなければ…"


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでくださりありがとうございました!
ミーちゃん視点で書いて見ました。
いやー,ミーちゃんは健気ですねぇ!これからもミーちゃんの活躍を期待していてください!
次回は,本編に戻ります。

これからもよろしくお願いします_(._.)_
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。 側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。 それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

聖なる歌姫は喉を潰され、人間をやめてしまいました。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ロレーナに資格はない!」 「歌の下手なロレーナ!」 「怠け者ロレーナ!」 教会の定めた歌姫ロレーナは、王家の歌姫との勝負に負けてしまった。それもそのはず、聖なる歌姫の歌は精霊に捧げるもので、権力者を喜ばせるものではない。

わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました

ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。 大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。 ー--- 全5章、最終話まで執筆済み。 第1章 6歳の聖女 第2章 8歳の大聖女 第3章 12歳の公爵令嬢 第4章 15歳の辺境聖女 第5章 17歳の愛し子 権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。 おまけの後日談投稿します(6/26)。 番外編投稿します(12/30-1/1)。 作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

処理中です...