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38 紘一視点
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お風呂から出た紘一は、和馬をベッドに転がすと、酸欠になるほどのキスをお見舞いした。
柔らかい唇はぎこちないながらもそれに応え、紘一の身体にしがみついてくる。
キスに夢中になっている間に、紘一はそっと照明を落とした。ぼんやりした視界の中、オレンジ色に照らされた和馬の身体は、光っているのかと思うほど白く映える。その白い肌は驚くほど柔らかく、すべすべしていて紘一の手に吸い付き、その心地よさに紘一は夢中になった。
しかし一度達しているからか、先程よりは落ち着いて、風呂場では触れなかった場所を撫で回し、舌や唇で遊ぶ。
和馬は掠れた悲鳴のような声を上げたが、すぐに我慢をしてそれきり唇を噛んでしまった。
紘一は愛撫を止める。
「何で声我慢してるの?」
首筋に歯を立てると、和馬の背中がびくりと動いた。感じているのは確かなのに、必死に息を詰めている和馬を見ていると、こちらまで苦しくなる。
「始祖が……」
恥ずかしがっているのかと思いきや、全く予想もしなかった答えが返ってきて驚いた。
「始祖が、最初の四家を作った時以来、人間と天使族の『契』が成功した記録は残っていません。高まった天使族の気が力を暴走させ、人間を操ったり発狂させたりしてしまう」
そう言ってこちらを見た和馬の瞳に、紘一は息を飲んだ。いつもの力を使う時に見る金色ではなく、琥珀色のまま、その光が揺れている。
その光は、以前にも見覚えがあった。
彼の感情を表しているようだ、とその時にも思ったのだ。そしてその考えは多分当たっている。
「大丈夫、和馬」
並んで転がった紘一は、和馬を抱きしめた。彼のカフェオレ色の柔らかい髪を撫でながら、額にキスをする。
「僕は、怖いんです。柳さんを失うのが。でも、気持ちは抑えられない……苦しいです」
切れ切れの息の中、声を震わせて言う和馬が今まで以上に愛おしかった。改めて自分の胸に引き寄せると、その途端にぶわっと二人の間に風が吹く。
驚いたのは和馬も一緒だったらしい、顔を見合わせると微かに和馬が声を上げる。
「あ……」
和馬は何かを感じたように、ぶるりと背中を震わせた。
「どうした?」
顔を覗きこむと、彼の瞳が次第に金色になっていくの見える。そこから淡く発光し、それが和馬の身体全体を包んだ。
「ん……っ」
また和馬が声を上げる。力の読み方も見習い程度の自分では、何が起こっているか分からないが、和馬にとっても予想外のことだというのは分かる。
その証拠に再び和馬の呼吸と体温が上がっていって、「うそ、どうして……」と呟いているのだ。
「和馬、何が起こってるんだ?」
「わ、分からないです……柳さんの気が、急に僕の中に入り込んできて……っ」
身体を繫げてもいないのに、と和馬は一人で悶えている。その顔を見ていると、淡い光は消えて、代わりに甘ったるい香りが漂ってきた。
その香りは体の奥まで浸食しそうなくらい毒々しく、しかしその甘さを一度体験してしまうと、もう戻れないくらい病み付きになってしまうような、そんな香りだ。
(何だこの香り……どこから)
蜜に蜂が誘われるように、紘一は香りの元を探す。息を切らす和馬の身体をそっと嗅いでみるけれど、それではないようだ。
「柳さん……」
和馬の顔が近づく。
唇が触れた瞬間、あの甘い味が口の中に広がった。一気に紘一の脳は燃え、その甘い蜜を貪るようにキスを交わす。
(ハチミツでも食ってるみたいだ……)
ふわふわした感触の和馬の肌を撫でながら、紘一はそんなことを思う。すると、和馬は紘一の手を掴んだ。
キスをしながら自分の後ろへ持っていくので、そこを触れということだろうか。
紘一はそっと、和馬のお尻の丸みを撫でる。そこもやはりもっちりとした感触で、掴んで
狭間を露わにすると、キスの甘みがぐっと濃くなった。
「和馬、すげー甘い。なにこれ?」
口だけかと思ったけれど、キスの場所を額に移しても甘かった。和馬が甘くなっているのかと首筋を舐めてみるけれど、舌には肌と汗の感触と味しかしない。なのに甘いと感じる、不思議だ。
「それは、多分僕の、気、です。……っ、繋がったら、もっと顕著に分かりますよ」
「……へぇ」
「――あ……っ」
紘一が、和馬の秘密の場所に指を入れた。和馬の中から漏れてくる香りはいっそう濃くなり、頭がクラクラする。
和馬の蕾は柔らかく、たっぷりと濡れていた。素直に紘一の指を受け入れ、ふんわりと包んでくる。温かい粘膜と紘一が擦れる想像をしただけでも、思考が焼き切れそうだ。
「あー……すげ、柔らかい……」
くちくちと音を立てながらうっとりと呟くと、和馬の香りが漂ってくる。下腹に当たった和馬がひくりと動き、男なんだな、と改めて思った。
そしてその時初めて、前立腺マッサージという単語を思い出す。内側から刺激すると気持ちが良いらしい、というのを何となく知っていただけだが、試してみたらどうなるだろう。
(もっと奥、か……?)
紘一は指をぐっと奥に入れた。和馬は短く悲鳴を上げ、体を硬直させる。
「やば、痛かったか?」
はあはあと息を切らし、和馬は紘一を見つめてきた。香りも一瞬途切れたが、すぐにまた漂ってくる。
「いえ……びっくりしただけです。……すみません、僕、気をコントロールするのに精一杯で……」
楽しませてあげられません、と和馬は起き上った。今のままでも十分可愛いし気持ちいいので、彼が自分を悦ばせようとしたらどんなことをするのだろう、と妄想しかけて顔が熱くなる。
そんな紘一の様子に和馬は苦笑し、指を抜かないまま紘一の身体にまたがった。顔の横に肘をつき、キスを一つくれる。
「これなら、さっきよりもやりやすくなりませんか?」
何を、と言う前に和馬の後ろが指をさらに奥へ飲み込んだ。自分でも意図しない動きだったらしい和馬は、視線を逸らす。
「ふ……っ」
和馬の顔が歪む。整いすぎた容姿は、こんな時でも綺麗だ。むしろ色気が増している分、甘い香りも相まって格段に煽られる。
(可愛い……)
中の粘膜を、指を回すようにしてえぐると、白い背中がビクビクと反った。指を増やし、この後の行為を思わせる動きをすれば、がくん、と和馬の頭が肩口に落ちてくる。
その勢いで漂ってきた一段と濃い甘い香りを嗅げば、脳が焼けた。
「和馬……」
紘一は和馬の顔を上げさせ、甘い味のする唇に噛みつく。上下の口を舌と指で犯しながら、奥に前立腺とおぼしきしこりを見つけた。そこを擦ると、和馬は声を上げて唇を離してしまう。
「あっ、あ、ああ……っ」
涙目になりながら、和馬は首を横に振る。彼の腰がうねるように動き、間違いなく性感帯だと知らされた。それでもそこに触れていると、中も複雑に動き出す。
「い、いや、いやですっ。いやだ……っ」
和馬が叫んだとたん、お腹に熱いものが飛んでくる。同時に熱風が通り抜け、近くのカーテンを揺らした。和馬が吐精したのだと分かると、指が驚くほどきつく締め付けられる。
「んっ……ああ、はぁ……っ」
「ごめん、嫌だったか?」
ビクビクと体を震わせている和馬は、腕に力が入らないのか、くたりと胸の上に落ちてきた。
柔らかい唇はぎこちないながらもそれに応え、紘一の身体にしがみついてくる。
キスに夢中になっている間に、紘一はそっと照明を落とした。ぼんやりした視界の中、オレンジ色に照らされた和馬の身体は、光っているのかと思うほど白く映える。その白い肌は驚くほど柔らかく、すべすべしていて紘一の手に吸い付き、その心地よさに紘一は夢中になった。
しかし一度達しているからか、先程よりは落ち着いて、風呂場では触れなかった場所を撫で回し、舌や唇で遊ぶ。
和馬は掠れた悲鳴のような声を上げたが、すぐに我慢をしてそれきり唇を噛んでしまった。
紘一は愛撫を止める。
「何で声我慢してるの?」
首筋に歯を立てると、和馬の背中がびくりと動いた。感じているのは確かなのに、必死に息を詰めている和馬を見ていると、こちらまで苦しくなる。
「始祖が……」
恥ずかしがっているのかと思いきや、全く予想もしなかった答えが返ってきて驚いた。
「始祖が、最初の四家を作った時以来、人間と天使族の『契』が成功した記録は残っていません。高まった天使族の気が力を暴走させ、人間を操ったり発狂させたりしてしまう」
そう言ってこちらを見た和馬の瞳に、紘一は息を飲んだ。いつもの力を使う時に見る金色ではなく、琥珀色のまま、その光が揺れている。
その光は、以前にも見覚えがあった。
彼の感情を表しているようだ、とその時にも思ったのだ。そしてその考えは多分当たっている。
「大丈夫、和馬」
並んで転がった紘一は、和馬を抱きしめた。彼のカフェオレ色の柔らかい髪を撫でながら、額にキスをする。
「僕は、怖いんです。柳さんを失うのが。でも、気持ちは抑えられない……苦しいです」
切れ切れの息の中、声を震わせて言う和馬が今まで以上に愛おしかった。改めて自分の胸に引き寄せると、その途端にぶわっと二人の間に風が吹く。
驚いたのは和馬も一緒だったらしい、顔を見合わせると微かに和馬が声を上げる。
「あ……」
和馬は何かを感じたように、ぶるりと背中を震わせた。
「どうした?」
顔を覗きこむと、彼の瞳が次第に金色になっていくの見える。そこから淡く発光し、それが和馬の身体全体を包んだ。
「ん……っ」
また和馬が声を上げる。力の読み方も見習い程度の自分では、何が起こっているか分からないが、和馬にとっても予想外のことだというのは分かる。
その証拠に再び和馬の呼吸と体温が上がっていって、「うそ、どうして……」と呟いているのだ。
「和馬、何が起こってるんだ?」
「わ、分からないです……柳さんの気が、急に僕の中に入り込んできて……っ」
身体を繫げてもいないのに、と和馬は一人で悶えている。その顔を見ていると、淡い光は消えて、代わりに甘ったるい香りが漂ってきた。
その香りは体の奥まで浸食しそうなくらい毒々しく、しかしその甘さを一度体験してしまうと、もう戻れないくらい病み付きになってしまうような、そんな香りだ。
(何だこの香り……どこから)
蜜に蜂が誘われるように、紘一は香りの元を探す。息を切らす和馬の身体をそっと嗅いでみるけれど、それではないようだ。
「柳さん……」
和馬の顔が近づく。
唇が触れた瞬間、あの甘い味が口の中に広がった。一気に紘一の脳は燃え、その甘い蜜を貪るようにキスを交わす。
(ハチミツでも食ってるみたいだ……)
ふわふわした感触の和馬の肌を撫でながら、紘一はそんなことを思う。すると、和馬は紘一の手を掴んだ。
キスをしながら自分の後ろへ持っていくので、そこを触れということだろうか。
紘一はそっと、和馬のお尻の丸みを撫でる。そこもやはりもっちりとした感触で、掴んで
狭間を露わにすると、キスの甘みがぐっと濃くなった。
「和馬、すげー甘い。なにこれ?」
口だけかと思ったけれど、キスの場所を額に移しても甘かった。和馬が甘くなっているのかと首筋を舐めてみるけれど、舌には肌と汗の感触と味しかしない。なのに甘いと感じる、不思議だ。
「それは、多分僕の、気、です。……っ、繋がったら、もっと顕著に分かりますよ」
「……へぇ」
「――あ……っ」
紘一が、和馬の秘密の場所に指を入れた。和馬の中から漏れてくる香りはいっそう濃くなり、頭がクラクラする。
和馬の蕾は柔らかく、たっぷりと濡れていた。素直に紘一の指を受け入れ、ふんわりと包んでくる。温かい粘膜と紘一が擦れる想像をしただけでも、思考が焼き切れそうだ。
「あー……すげ、柔らかい……」
くちくちと音を立てながらうっとりと呟くと、和馬の香りが漂ってくる。下腹に当たった和馬がひくりと動き、男なんだな、と改めて思った。
そしてその時初めて、前立腺マッサージという単語を思い出す。内側から刺激すると気持ちが良いらしい、というのを何となく知っていただけだが、試してみたらどうなるだろう。
(もっと奥、か……?)
紘一は指をぐっと奥に入れた。和馬は短く悲鳴を上げ、体を硬直させる。
「やば、痛かったか?」
はあはあと息を切らし、和馬は紘一を見つめてきた。香りも一瞬途切れたが、すぐにまた漂ってくる。
「いえ……びっくりしただけです。……すみません、僕、気をコントロールするのに精一杯で……」
楽しませてあげられません、と和馬は起き上った。今のままでも十分可愛いし気持ちいいので、彼が自分を悦ばせようとしたらどんなことをするのだろう、と妄想しかけて顔が熱くなる。
そんな紘一の様子に和馬は苦笑し、指を抜かないまま紘一の身体にまたがった。顔の横に肘をつき、キスを一つくれる。
「これなら、さっきよりもやりやすくなりませんか?」
何を、と言う前に和馬の後ろが指をさらに奥へ飲み込んだ。自分でも意図しない動きだったらしい和馬は、視線を逸らす。
「ふ……っ」
和馬の顔が歪む。整いすぎた容姿は、こんな時でも綺麗だ。むしろ色気が増している分、甘い香りも相まって格段に煽られる。
(可愛い……)
中の粘膜を、指を回すようにしてえぐると、白い背中がビクビクと反った。指を増やし、この後の行為を思わせる動きをすれば、がくん、と和馬の頭が肩口に落ちてくる。
その勢いで漂ってきた一段と濃い甘い香りを嗅げば、脳が焼けた。
「和馬……」
紘一は和馬の顔を上げさせ、甘い味のする唇に噛みつく。上下の口を舌と指で犯しながら、奥に前立腺とおぼしきしこりを見つけた。そこを擦ると、和馬は声を上げて唇を離してしまう。
「あっ、あ、ああ……っ」
涙目になりながら、和馬は首を横に振る。彼の腰がうねるように動き、間違いなく性感帯だと知らされた。それでもそこに触れていると、中も複雑に動き出す。
「い、いや、いやですっ。いやだ……っ」
和馬が叫んだとたん、お腹に熱いものが飛んでくる。同時に熱風が通り抜け、近くのカーテンを揺らした。和馬が吐精したのだと分かると、指が驚くほどきつく締め付けられる。
「んっ……ああ、はぁ……っ」
「ごめん、嫌だったか?」
ビクビクと体を震わせている和馬は、腕に力が入らないのか、くたりと胸の上に落ちてきた。
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