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37 和馬視点
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「ん、来たか」
中で軽く汗を流していた紘一は振り返ると和馬の手を取った。そのまま優しく引き寄せられ、シャワーのお湯をかけられる。肩から順に下へとかけていくけれど、紘一の手は性的な触れ方ではない。
「あの……」
やっぱりやる気をなくしたのか、と問おうとしたら目線がバチッと合った。その瞳の奥に獣のような光が見えて、動けなくなる。
「俺が抱く方で、良い?」
視線を合わせたまま静かに問われ、和馬は小さくうなずく。その後は意外としっかりした腕に囲まれ、若草の香りを感じ、ホッとした。
「柳さん……」
彼の心音を聞きながら、和馬も背中に腕を回す。そういえば言ってなかった、と彼の背中を撫でた。
「好きです」
「……ありがとう」
頭上で彼は笑ったようだった。しかし心音は大きくなっていて、嬉しくなる。
その後はいつの間にかお湯を張ったお風呂に入った。向い合せでは体をくっつけられないと紘一が文句を言ったので、彼の足の間に背中を見せて座る。
「ほんと、綺麗な肌だなぁ……」
紘一の声が耳元でしたかと思うと、うなじに濡れた感触があった。熱いそれが舌だと分かったら、ぞくぞくと背中に電流が走る。
反射的に逃げようとした体は、腰に回された彼の腕でがっちりホールドされ、身動きが取れなくなった。
「ん……」
「おまけに柔らかくて、もちもちして、気持ちいい」
言葉の合間に濡れた音を響かせながら、紘一はうなじや耳、肩に吸い付いてくる。
チリチリと、炎を上げずに燃えていく快感は、少しずつ、少しずつ和馬を浸食していった。
一度落ち着きかけた身体は、それだけで熱くなってしまう。
「和馬……」
「……っ」
紘一の手が和馬の太ももを撫でる。足の間の変化を隠すように片膝を立てると、その内側をタオルぎりぎりまで撫でられ、足を開かされた。反射的に膝を閉じると、その手はお腹を辿って胸に着く。
また紘一が笑う。
「足も綺麗だし柔らかい。こんなもち肌触ったことないよ」
耳元に当たる吐息が熱くなっていることに気付いてしまい、和馬は恥ずかしさでさらに身体を熱くする。
「それに……」
ぱしゃん、とお湯が大きく揺れるほど、和馬の身体が震えた。紘一の手が和馬の胸の粒を摘んだからだ。
思わず声を上げそうになった和馬は、堪えて紘一の太ももを掴む。
「ここの色まで綺麗だ」
左右の胸を指の腹で撫でられると、和馬は堪らず天井を仰いだ。半開きの唇からこぼれる吐息の甘さに、紘一が煽られているとも知らずに。
(気のコントロールが利かない……)
和馬は紘一から与えられる甘い刺激に悶えながら、自分が役目を果たしていないことに慌てる。
気の高まりと興奮はイコールだ。本来なら自分が紘一の気をコントロールして、『契』の手順へと導いてやるはずなのに、自分も紘一も気が高まりすぎて今にも爆発しそうなのだ。
(だめ、思考がかすむ……)
重くなった熱を解放したくて、和馬は無意識に膝をすり合わせる。二人の吐息が混ざって浴室に響き、それすらも興奮を誘う材料になってしまった。
紘一の手が再び和馬の太ももに触れる。内側をくすぐったいほど優しく撫で上げ、ついにタオルを取られた。男の象徴を生で見て、紘一の心情に変化があるかと思いきや、彼はためらいもなくそれを握る。
「ああ……こんなところも綺麗だな、和馬は」
色素の薄いそこを見て吐息交じりに言った紘一は、確実に興奮したようだった。もっとよく見せてと言わんばかりに足を広げられ、その中心を擦り上げられる。
「や、柳さ……ホントに、出すんですか?」
「和馬は、我慢できる?」
耳元での紘一の問いに、和馬は首を横に振るしかなかった。はしたないと思いながらも、この欲望に抗うことはもう不可能だ。
「……っ!」
和馬は口を手で押さえ、声を押し殺した。同時に紘一の腕にも力が入り、苦しいほどに抱きしめられる。二人の身体が大きく震えて、同時に吐精したのだと気付いたのは、うるさい心音が聞こえてきてからだった。
和馬はすぐに紘一の気を探る。繋がる前に気を出し過ぎてしまっては『契』もうまくいかない。しかし、彼の気は高いまま維持されていた。
「……よし、出るか」
紘一はそう言って、お風呂の栓を抜いた。
中で軽く汗を流していた紘一は振り返ると和馬の手を取った。そのまま優しく引き寄せられ、シャワーのお湯をかけられる。肩から順に下へとかけていくけれど、紘一の手は性的な触れ方ではない。
「あの……」
やっぱりやる気をなくしたのか、と問おうとしたら目線がバチッと合った。その瞳の奥に獣のような光が見えて、動けなくなる。
「俺が抱く方で、良い?」
視線を合わせたまま静かに問われ、和馬は小さくうなずく。その後は意外としっかりした腕に囲まれ、若草の香りを感じ、ホッとした。
「柳さん……」
彼の心音を聞きながら、和馬も背中に腕を回す。そういえば言ってなかった、と彼の背中を撫でた。
「好きです」
「……ありがとう」
頭上で彼は笑ったようだった。しかし心音は大きくなっていて、嬉しくなる。
その後はいつの間にかお湯を張ったお風呂に入った。向い合せでは体をくっつけられないと紘一が文句を言ったので、彼の足の間に背中を見せて座る。
「ほんと、綺麗な肌だなぁ……」
紘一の声が耳元でしたかと思うと、うなじに濡れた感触があった。熱いそれが舌だと分かったら、ぞくぞくと背中に電流が走る。
反射的に逃げようとした体は、腰に回された彼の腕でがっちりホールドされ、身動きが取れなくなった。
「ん……」
「おまけに柔らかくて、もちもちして、気持ちいい」
言葉の合間に濡れた音を響かせながら、紘一はうなじや耳、肩に吸い付いてくる。
チリチリと、炎を上げずに燃えていく快感は、少しずつ、少しずつ和馬を浸食していった。
一度落ち着きかけた身体は、それだけで熱くなってしまう。
「和馬……」
「……っ」
紘一の手が和馬の太ももを撫でる。足の間の変化を隠すように片膝を立てると、その内側をタオルぎりぎりまで撫でられ、足を開かされた。反射的に膝を閉じると、その手はお腹を辿って胸に着く。
また紘一が笑う。
「足も綺麗だし柔らかい。こんなもち肌触ったことないよ」
耳元に当たる吐息が熱くなっていることに気付いてしまい、和馬は恥ずかしさでさらに身体を熱くする。
「それに……」
ぱしゃん、とお湯が大きく揺れるほど、和馬の身体が震えた。紘一の手が和馬の胸の粒を摘んだからだ。
思わず声を上げそうになった和馬は、堪えて紘一の太ももを掴む。
「ここの色まで綺麗だ」
左右の胸を指の腹で撫でられると、和馬は堪らず天井を仰いだ。半開きの唇からこぼれる吐息の甘さに、紘一が煽られているとも知らずに。
(気のコントロールが利かない……)
和馬は紘一から与えられる甘い刺激に悶えながら、自分が役目を果たしていないことに慌てる。
気の高まりと興奮はイコールだ。本来なら自分が紘一の気をコントロールして、『契』の手順へと導いてやるはずなのに、自分も紘一も気が高まりすぎて今にも爆発しそうなのだ。
(だめ、思考がかすむ……)
重くなった熱を解放したくて、和馬は無意識に膝をすり合わせる。二人の吐息が混ざって浴室に響き、それすらも興奮を誘う材料になってしまった。
紘一の手が再び和馬の太ももに触れる。内側をくすぐったいほど優しく撫で上げ、ついにタオルを取られた。男の象徴を生で見て、紘一の心情に変化があるかと思いきや、彼はためらいもなくそれを握る。
「ああ……こんなところも綺麗だな、和馬は」
色素の薄いそこを見て吐息交じりに言った紘一は、確実に興奮したようだった。もっとよく見せてと言わんばかりに足を広げられ、その中心を擦り上げられる。
「や、柳さ……ホントに、出すんですか?」
「和馬は、我慢できる?」
耳元での紘一の問いに、和馬は首を横に振るしかなかった。はしたないと思いながらも、この欲望に抗うことはもう不可能だ。
「……っ!」
和馬は口を手で押さえ、声を押し殺した。同時に紘一の腕にも力が入り、苦しいほどに抱きしめられる。二人の身体が大きく震えて、同時に吐精したのだと気付いたのは、うるさい心音が聞こえてきてからだった。
和馬はすぐに紘一の気を探る。繋がる前に気を出し過ぎてしまっては『契』もうまくいかない。しかし、彼の気は高いまま維持されていた。
「……よし、出るか」
紘一はそう言って、お風呂の栓を抜いた。
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