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その後、警察署で事情聴取をし、寮に帰れたのは夜も更けた頃だった。有沢は現行犯で逮捕され、顧問は病院に運ばれたが重症だと言う。とりあえず春輝たちがやることは終わったので、しんとなった寮に戻ってきた。
貴之と寮の部屋に入り、ホッと一息つくのと同時に互いに抱きしめあう。そしてどちらからともなくキスをする。
貴之の手が春輝の両頬を包んだ。この仕草、良くするけど好きなのかな、とぼんやり思いながらキスを続けていると、彼の手が下へ移動しジャケットのボタンを外された。そのまま脱がされ床に落とされると、貴之はキスをしながら自分のジャケットも脱ぐ。
(こ、この展開ってもしかして……)
「ん、た、貴之?」
春輝が貴之の唇を避けて呼ぶと、彼の動きは止まった。しかし顔は唇が付きそうなほど近く、春輝はドキドキしてしまう。
「……するの?」
「嫌か?」
「嫌っていうか……話したい事いっぱいあるんだけど……」
それは後だ、と貴之の唇が触れる。後って、と言いかけた春輝の言葉はせき止められ、貴之の唇に吸い込まれていった。
貴之の唇が春輝の唇を吸い、舐め、甘噛みしてくる。春輝は時折腰の辺りがゾクッとする感覚に身体を震わせると、可愛いな、と貴之に笑われた。
「笑うなよ……恥ずかしい……」
「……悪い、つい」
移動しよう、と背中を押され、貴之のベッドに寝かされる。その瞬間春輝はやばい、と感じた。
(このベッド、貴之の匂いがする……)
「……どうした?」
「い、いや……貴之のベッドが慣れなくて……」
春輝は慌てて誤魔化すと、そういえばこっちに寝るのは初めてだな、と上にいた貴之が春輝の耳にキスを落とす。
「……っ、んっ」
肩を震わせた春輝のネクタイを、貴之は丁寧に外し、再びキスをしてきた。今度は舌を絡めてくる。そしてその間に、貴之は春輝のシャツのボタンを外していくのだ。
全てのボタンを外すと、貴之は一度顔を上げてキスを止める。そしてそっとシャツの前を開けると、はぁ、とため息をついた。
「な、なに?」
「……いや。色白だから予想はしていたが、男の身体でも、こんなに綺麗だと思うものなんだなって」
おまけに触り心地も良い、とお腹を撫でられ、恥ずかしさで顔が熱くなる。しかもその反応は、色白だからこそ分かりやすく、貴之を喜ばせることになるのだ。
「……ここも綺麗な色だし。可愛い……」
「んん……っ」
春輝は乳首に触れられて、思わず背中を震わせた。それをきっかけに貴之は再び愛撫を始め、春輝の首筋に唇を這わせる。
「あっ、……っ」
ゾクゾクとした春輝は、手の甲で自分の口を塞いだ。しかし貴之にそっとその手をどかされ、春輝はフルフルと首を振る。
「嫌だ、恥ずかしい……」
「……その恥ずかしい声が聞きたい」
そう言って、退かした手に指を絡められ、ベッドに押さえつけられた。温かい唇と舌が首筋から下におりていき、春輝のピンク色の乳首を好きにされる。思わず息を詰めた春輝は、空いたもう片方の手で枕を握り、力を込めてしまった。
(あ、貴之の匂いがする……)
そう思ったらゾクゾクして止まらなくなり、春輝の腰は勝手にうねった。
「あ、た、貴之……っ」
「ああ、春輝可愛い……」
吐息混じりに言った貴之の声が掠れている。再びキスに戻ってきた唇を受け入れると、貴之の手がベルトにかけられて、思わず春輝はその手を掴んで止めた。
「どうした、春輝?」
「どうしたじゃないっ。そこは……っ」
そう言った途中で、貴之は春輝の股間を撫でる。
「あ……っ」
ゾクゾクして身体を震わせると、勝手に腰が動いた。それが、触ってくださいと言わんばかりで、春輝は必死にダメだと訴える。しかし彼は止める気配が無い。
じわじわと先端から何かが出ている感触がする。下着が汚れるのが嫌で、お願いだからと貴之に懇願すると、彼は聞いた。
「どうしても、ダメか?」
「……っ」
正直ここまでされたらイキたい。けれどそれを素直に言えるほど、春輝は慣れていなかった。
貴之は身体を起こすと、自分の制服を脱ぎだす。果てには全ての服を取り去り、また春輝の上に来た。
「……っ」
これでお前も一緒になれるだろ、と言った貴之の分身は、大きくそそり立っている。また春輝のベルトに手をかけた貴之に、慌ててそういう問題じゃない、と言うけれど、そのまま全部脱がされてしまった。
「ああ……やっぱり綺麗だな、ここも」
「……っ、そういうの、いいからっ」
間宮にも言われた事を思い出して、春輝は嫌な気分になった。何かを察した貴之が、どうした、とそこをやんわり握ってくる。
「……っ、ん……っ、嫌な事を思い出しただけだよっ」
「……悪い」
「あ……っ、……っ」
握った春輝の分身を、ゆるゆると擦りあげられ春輝の腰が跳ねた。春輝はまた枕を握りしめ快感に耐えると、貴之は気持ちいいのか、と聞いてくる。
「う、ん……、っあ……っ、それやだっ」
敏感な先端を親指で撫でられ、春輝はビクビクと身体を震わせた。すると貴之はそこへの刺激を弱くし、痛かったか? と聞いてくる。春輝はふわーっと意識が遠のき、甘い吐息と一緒に腰をうねらすと、貴之は唇の端を上げる。
「……気持ちいいのか」
「んん、だめ、……もうイキそう……っ」
春輝はそう訴えると、貴之は分身を持った手を握り直し、先端辺りで小刻みに扱いた。
「んんんっ、やだっ、それやばい……っ」
思わず貴之を見ると、貴之は笑って春輝の涙を拭った。そこで初めて、春輝は自分が泣いていた事に気付く。
「……一度イクか」
貴之も、春輝の様子に興奮しているのが息遣いで分かった。かぶりつくようにキスをされ、春輝はあっという間に絶頂に達し、お腹や胸に熱い精液が落ちてくる。
「んんん……っ」
ガクガクと身体が震え、顔を顰めて快感に耐えていると、気付いたら貴之がその顔をじっと見ていた事に気付く。見てるなよ、と力無く春輝は言うと、貴之はすごく可愛い、と額にキスをくれた。
すると貴之は自分の手を見せてくる。春輝のお腹だけでなく、彼の手にも大量の精液が付いていて、恥ずかしさで「そんなもん見せるな」とそっぽを向いた。
貴之がベッドを降りて手をティッシュで拭いている。そのままティッシュを箱ごと持ってきて、春輝の精液を丁寧に拭うと、気持ちよかったか? と聞いてきた。
「うん……」
再び上に乗ってきた貴之の肩に腕を回すと、春輝は小さく頷く。彼は春輝に軽くキスをしながら、ゴソゴソと何かをしていた。
「な、に、してるんだ?」
今度は貴之の番と起き上がろうとすると、そっと肩を押されて起き上がれない。そのまま、と太ももの裏を撫でられ、彼の手が後ろに来た時、春輝はヒュッと息を飲んだ。
「え、やだ……嫌だっ」
「春輝、……悪いようにはしないから」
そのまま足を開かされる。いくら相手が貴之でも、間宮と同じように後ろを使うとなれば、どうしても身構えてしまう。
貴之の指が後ろの、本来はその用途で使わない所を指で撫でた。指には何かが付いていたらしい、ヌルヌルとそれを塗り広げるように周辺を優しく撫でている。
春輝はそのむず痒いくすぐったさで身をよじると、痛かったらすぐに言え、とその指の先を入れた。
「あ……っ」
すると春輝の身体は勝手に、その指を奥へ奥へと飲み込んでいくのだ。
「……すごいな……吸い込まれていく」
「……っ」
春輝はやだやだと首を振った。
「貴之っ、お願いだから……っ」
抜いて、怖いと訴えると、貴之は大丈夫だ、と言って聞いてくれない。
「俺に掴まって……そう、力抜いて……」
貴之の言う通り彼を抱きしめて、彼の匂いに安心して息を吐くと、優しい声で耳元で囁いてくれる。
「春輝……好きだ。可愛い……」
春輝は可愛いと言われるのは嫌だと言いながらも、ゾクゾクして背中を反らす。
「……ん……、んん? ちょ、ちょっと待って」
「どうした?」
春輝はある感覚に戸惑い、自分の下半身を見る。しかしそこはなんの変化もなく、貴之の腕が春輝の足の間にあるだけだ。
しかしまた、今度はハッキリとした感覚がする。ぴくっと肩を震わせると、じわりとそれが春輝の分身に快感として伝わるのだ。
信じられない、こんなところで感じるなんてと、春輝はじわりと涙が浮かんだ。間宮にされた時とは全然違う感覚に戸惑い、貴之を抱きしめる腕に力を込める。
「た、貴之……なんかオレ……っ」
貴之が中に入った指で何かをしているのは分かる。でもそれを快感として素直に認めるのは嫌で、どうしたらいいか分からず涙が浮かんだ。
「良いのか?」
「わ、分かんな……っ、ああ……っ」
あと少しでイクというところで、貴之は刺激を止め、そっと指を抜く。そして春輝の両足を抱えると、大きく広げた。
「悪い春輝……もう限界だ」
その言葉と同時に、後ろに貴之の熱く滾った分身をあてがわれ、今度こそ春輝は本気で首を振る。
「嫌、無理……っ、そんなの入らないよっ」
いつもなら春輝が嫌と言えば止めてくれるのに、と泣きながら訴えると、貴之は苦しそうな顔でごめん、と春輝の涙を拭ってキスをした。
「う、……あっ!」
その直後に、春輝の後ろに貴之が入ってくる。指とは違う圧倒的な存在感に、春輝は息を詰め全身に力を入れた。
「……っ、春輝……春輝、力を抜け」
「無理っ、も、こんな……っ」
苦しくて顔を振るけれど、それでも貴之は止めない。ごめん、苦しいよな、と言いながらも腰を押し進めてきて、無理って言っているのに、と春輝は涙が止まらなくなる。
「春輝……っ」
「んん……っ」
貴之の息が熱い。彼が限界なのはその声、身体の熱で分かる。春輝も受け入れたいと思うものの、なかなか上手くいかなくて、オレこそごめん、と言うと抱きしめられた。すると力が抜けたのか、ゆっくりとまた貴之が入ってくる。
「……ああ、全部入った……」
「ん……っ」
二人とも、乱れた息を整えるためにしばらくそのままでいると、春輝は貴之を見上げる。彼も春輝を見ていて、辛くないか? と聞かれ頷いた。
「もう少し付き合ってくれ……動いてもいいか?」
「ん……」
吐息混じりの返事とともに頷くと、貴之はゆっくり動き出す。圧迫感に呻くけれど、先程指でされた時のような快感が出てきて、春輝は顔を顰めた。
「……痛いのか?」
貴之が動きを止める。春輝ははぁはぁと大きく呼吸しながら、貴之に抱きついた。
「大丈夫、だから……」
春輝が顔を引き寄せながら言ったので、無理していると勘違いしたのだろう。貴之はごめんな、辛いなと言って再び動き出した。
確かに圧迫感はすごい。けれど貴之と繋がっているという精神的興奮と、奥のある箇所に当たった時の快感とで、春輝も次第に何が何だか分からなくなっていく。
「ん、あ……っ、貴之……っ」
春輝はうわ言のように貴之を呼んだ。貴之も上ずった声で春輝を呼ぶ。揺さぶられながら貪るようにキスをし、貴之が声を上げる。
「春輝……っ、もう……っ」
「うん……っ、オレもまたイッちゃう……!」
春輝はビクビクと身体を震わせた。その瞬間ふわりと貴之の匂いがして、それにもまた反応する。意識が遠のくような快感が通り過ぎると、部屋の明かりが妙に明るく見えた。
貴之の動きが止まっている。顔を春輝の肩口に埋めているけれど、彼も全力疾走した後のように息を乱しているので、イッたのだと分かった。
「……貴之、ごめん……足が痛い」
ずっと足を広げて上げていたので、関節が痛くなってきたのを今更ながら意識する。
貴之が春輝の中から出ていった。いつの間にゴムをしていたのだろうか? 全然気付かなかったと思って、はたと気付く。
「貴之……何でそんなもの持ってるんだよ?」
というか、準備が良すぎる、と春輝は貴之を見ると、彼は珍しく視線を逸らした。
「その……アレだ。春輝に負担をかけられないと思って色々と調べていたらな……」
春輝は赤面する。一体何を調べているんだ、と突っ込むと、貴之は真面目な顔をして言った。
有沢を追いやることができてから、しようと思っていたんだ、と。
それなら貴之は、前々から準備していたことになる。春輝は口をパクパクさせると、やっとここまで来れた、と貴之に抱きしめられた。
貴之と寮の部屋に入り、ホッと一息つくのと同時に互いに抱きしめあう。そしてどちらからともなくキスをする。
貴之の手が春輝の両頬を包んだ。この仕草、良くするけど好きなのかな、とぼんやり思いながらキスを続けていると、彼の手が下へ移動しジャケットのボタンを外された。そのまま脱がされ床に落とされると、貴之はキスをしながら自分のジャケットも脱ぐ。
(こ、この展開ってもしかして……)
「ん、た、貴之?」
春輝が貴之の唇を避けて呼ぶと、彼の動きは止まった。しかし顔は唇が付きそうなほど近く、春輝はドキドキしてしまう。
「……するの?」
「嫌か?」
「嫌っていうか……話したい事いっぱいあるんだけど……」
それは後だ、と貴之の唇が触れる。後って、と言いかけた春輝の言葉はせき止められ、貴之の唇に吸い込まれていった。
貴之の唇が春輝の唇を吸い、舐め、甘噛みしてくる。春輝は時折腰の辺りがゾクッとする感覚に身体を震わせると、可愛いな、と貴之に笑われた。
「笑うなよ……恥ずかしい……」
「……悪い、つい」
移動しよう、と背中を押され、貴之のベッドに寝かされる。その瞬間春輝はやばい、と感じた。
(このベッド、貴之の匂いがする……)
「……どうした?」
「い、いや……貴之のベッドが慣れなくて……」
春輝は慌てて誤魔化すと、そういえばこっちに寝るのは初めてだな、と上にいた貴之が春輝の耳にキスを落とす。
「……っ、んっ」
肩を震わせた春輝のネクタイを、貴之は丁寧に外し、再びキスをしてきた。今度は舌を絡めてくる。そしてその間に、貴之は春輝のシャツのボタンを外していくのだ。
全てのボタンを外すと、貴之は一度顔を上げてキスを止める。そしてそっとシャツの前を開けると、はぁ、とため息をついた。
「な、なに?」
「……いや。色白だから予想はしていたが、男の身体でも、こんなに綺麗だと思うものなんだなって」
おまけに触り心地も良い、とお腹を撫でられ、恥ずかしさで顔が熱くなる。しかもその反応は、色白だからこそ分かりやすく、貴之を喜ばせることになるのだ。
「……ここも綺麗な色だし。可愛い……」
「んん……っ」
春輝は乳首に触れられて、思わず背中を震わせた。それをきっかけに貴之は再び愛撫を始め、春輝の首筋に唇を這わせる。
「あっ、……っ」
ゾクゾクとした春輝は、手の甲で自分の口を塞いだ。しかし貴之にそっとその手をどかされ、春輝はフルフルと首を振る。
「嫌だ、恥ずかしい……」
「……その恥ずかしい声が聞きたい」
そう言って、退かした手に指を絡められ、ベッドに押さえつけられた。温かい唇と舌が首筋から下におりていき、春輝のピンク色の乳首を好きにされる。思わず息を詰めた春輝は、空いたもう片方の手で枕を握り、力を込めてしまった。
(あ、貴之の匂いがする……)
そう思ったらゾクゾクして止まらなくなり、春輝の腰は勝手にうねった。
「あ、た、貴之……っ」
「ああ、春輝可愛い……」
吐息混じりに言った貴之の声が掠れている。再びキスに戻ってきた唇を受け入れると、貴之の手がベルトにかけられて、思わず春輝はその手を掴んで止めた。
「どうした、春輝?」
「どうしたじゃないっ。そこは……っ」
そう言った途中で、貴之は春輝の股間を撫でる。
「あ……っ」
ゾクゾクして身体を震わせると、勝手に腰が動いた。それが、触ってくださいと言わんばかりで、春輝は必死にダメだと訴える。しかし彼は止める気配が無い。
じわじわと先端から何かが出ている感触がする。下着が汚れるのが嫌で、お願いだからと貴之に懇願すると、彼は聞いた。
「どうしても、ダメか?」
「……っ」
正直ここまでされたらイキたい。けれどそれを素直に言えるほど、春輝は慣れていなかった。
貴之は身体を起こすと、自分の制服を脱ぎだす。果てには全ての服を取り去り、また春輝の上に来た。
「……っ」
これでお前も一緒になれるだろ、と言った貴之の分身は、大きくそそり立っている。また春輝のベルトに手をかけた貴之に、慌ててそういう問題じゃない、と言うけれど、そのまま全部脱がされてしまった。
「ああ……やっぱり綺麗だな、ここも」
「……っ、そういうの、いいからっ」
間宮にも言われた事を思い出して、春輝は嫌な気分になった。何かを察した貴之が、どうした、とそこをやんわり握ってくる。
「……っ、ん……っ、嫌な事を思い出しただけだよっ」
「……悪い」
「あ……っ、……っ」
握った春輝の分身を、ゆるゆると擦りあげられ春輝の腰が跳ねた。春輝はまた枕を握りしめ快感に耐えると、貴之は気持ちいいのか、と聞いてくる。
「う、ん……、っあ……っ、それやだっ」
敏感な先端を親指で撫でられ、春輝はビクビクと身体を震わせた。すると貴之はそこへの刺激を弱くし、痛かったか? と聞いてくる。春輝はふわーっと意識が遠のき、甘い吐息と一緒に腰をうねらすと、貴之は唇の端を上げる。
「……気持ちいいのか」
「んん、だめ、……もうイキそう……っ」
春輝はそう訴えると、貴之は分身を持った手を握り直し、先端辺りで小刻みに扱いた。
「んんんっ、やだっ、それやばい……っ」
思わず貴之を見ると、貴之は笑って春輝の涙を拭った。そこで初めて、春輝は自分が泣いていた事に気付く。
「……一度イクか」
貴之も、春輝の様子に興奮しているのが息遣いで分かった。かぶりつくようにキスをされ、春輝はあっという間に絶頂に達し、お腹や胸に熱い精液が落ちてくる。
「んんん……っ」
ガクガクと身体が震え、顔を顰めて快感に耐えていると、気付いたら貴之がその顔をじっと見ていた事に気付く。見てるなよ、と力無く春輝は言うと、貴之はすごく可愛い、と額にキスをくれた。
すると貴之は自分の手を見せてくる。春輝のお腹だけでなく、彼の手にも大量の精液が付いていて、恥ずかしさで「そんなもん見せるな」とそっぽを向いた。
貴之がベッドを降りて手をティッシュで拭いている。そのままティッシュを箱ごと持ってきて、春輝の精液を丁寧に拭うと、気持ちよかったか? と聞いてきた。
「うん……」
再び上に乗ってきた貴之の肩に腕を回すと、春輝は小さく頷く。彼は春輝に軽くキスをしながら、ゴソゴソと何かをしていた。
「な、に、してるんだ?」
今度は貴之の番と起き上がろうとすると、そっと肩を押されて起き上がれない。そのまま、と太ももの裏を撫でられ、彼の手が後ろに来た時、春輝はヒュッと息を飲んだ。
「え、やだ……嫌だっ」
「春輝、……悪いようにはしないから」
そのまま足を開かされる。いくら相手が貴之でも、間宮と同じように後ろを使うとなれば、どうしても身構えてしまう。
貴之の指が後ろの、本来はその用途で使わない所を指で撫でた。指には何かが付いていたらしい、ヌルヌルとそれを塗り広げるように周辺を優しく撫でている。
春輝はそのむず痒いくすぐったさで身をよじると、痛かったらすぐに言え、とその指の先を入れた。
「あ……っ」
すると春輝の身体は勝手に、その指を奥へ奥へと飲み込んでいくのだ。
「……すごいな……吸い込まれていく」
「……っ」
春輝はやだやだと首を振った。
「貴之っ、お願いだから……っ」
抜いて、怖いと訴えると、貴之は大丈夫だ、と言って聞いてくれない。
「俺に掴まって……そう、力抜いて……」
貴之の言う通り彼を抱きしめて、彼の匂いに安心して息を吐くと、優しい声で耳元で囁いてくれる。
「春輝……好きだ。可愛い……」
春輝は可愛いと言われるのは嫌だと言いながらも、ゾクゾクして背中を反らす。
「……ん……、んん? ちょ、ちょっと待って」
「どうした?」
春輝はある感覚に戸惑い、自分の下半身を見る。しかしそこはなんの変化もなく、貴之の腕が春輝の足の間にあるだけだ。
しかしまた、今度はハッキリとした感覚がする。ぴくっと肩を震わせると、じわりとそれが春輝の分身に快感として伝わるのだ。
信じられない、こんなところで感じるなんてと、春輝はじわりと涙が浮かんだ。間宮にされた時とは全然違う感覚に戸惑い、貴之を抱きしめる腕に力を込める。
「た、貴之……なんかオレ……っ」
貴之が中に入った指で何かをしているのは分かる。でもそれを快感として素直に認めるのは嫌で、どうしたらいいか分からず涙が浮かんだ。
「良いのか?」
「わ、分かんな……っ、ああ……っ」
あと少しでイクというところで、貴之は刺激を止め、そっと指を抜く。そして春輝の両足を抱えると、大きく広げた。
「悪い春輝……もう限界だ」
その言葉と同時に、後ろに貴之の熱く滾った分身をあてがわれ、今度こそ春輝は本気で首を振る。
「嫌、無理……っ、そんなの入らないよっ」
いつもなら春輝が嫌と言えば止めてくれるのに、と泣きながら訴えると、貴之は苦しそうな顔でごめん、と春輝の涙を拭ってキスをした。
「う、……あっ!」
その直後に、春輝の後ろに貴之が入ってくる。指とは違う圧倒的な存在感に、春輝は息を詰め全身に力を入れた。
「……っ、春輝……春輝、力を抜け」
「無理っ、も、こんな……っ」
苦しくて顔を振るけれど、それでも貴之は止めない。ごめん、苦しいよな、と言いながらも腰を押し進めてきて、無理って言っているのに、と春輝は涙が止まらなくなる。
「春輝……っ」
「んん……っ」
貴之の息が熱い。彼が限界なのはその声、身体の熱で分かる。春輝も受け入れたいと思うものの、なかなか上手くいかなくて、オレこそごめん、と言うと抱きしめられた。すると力が抜けたのか、ゆっくりとまた貴之が入ってくる。
「……ああ、全部入った……」
「ん……っ」
二人とも、乱れた息を整えるためにしばらくそのままでいると、春輝は貴之を見上げる。彼も春輝を見ていて、辛くないか? と聞かれ頷いた。
「もう少し付き合ってくれ……動いてもいいか?」
「ん……」
吐息混じりの返事とともに頷くと、貴之はゆっくり動き出す。圧迫感に呻くけれど、先程指でされた時のような快感が出てきて、春輝は顔を顰めた。
「……痛いのか?」
貴之が動きを止める。春輝ははぁはぁと大きく呼吸しながら、貴之に抱きついた。
「大丈夫、だから……」
春輝が顔を引き寄せながら言ったので、無理していると勘違いしたのだろう。貴之はごめんな、辛いなと言って再び動き出した。
確かに圧迫感はすごい。けれど貴之と繋がっているという精神的興奮と、奥のある箇所に当たった時の快感とで、春輝も次第に何が何だか分からなくなっていく。
「ん、あ……っ、貴之……っ」
春輝はうわ言のように貴之を呼んだ。貴之も上ずった声で春輝を呼ぶ。揺さぶられながら貪るようにキスをし、貴之が声を上げる。
「春輝……っ、もう……っ」
「うん……っ、オレもまたイッちゃう……!」
春輝はビクビクと身体を震わせた。その瞬間ふわりと貴之の匂いがして、それにもまた反応する。意識が遠のくような快感が通り過ぎると、部屋の明かりが妙に明るく見えた。
貴之の動きが止まっている。顔を春輝の肩口に埋めているけれど、彼も全力疾走した後のように息を乱しているので、イッたのだと分かった。
「……貴之、ごめん……足が痛い」
ずっと足を広げて上げていたので、関節が痛くなってきたのを今更ながら意識する。
貴之が春輝の中から出ていった。いつの間にゴムをしていたのだろうか? 全然気付かなかったと思って、はたと気付く。
「貴之……何でそんなもの持ってるんだよ?」
というか、準備が良すぎる、と春輝は貴之を見ると、彼は珍しく視線を逸らした。
「その……アレだ。春輝に負担をかけられないと思って色々と調べていたらな……」
春輝は赤面する。一体何を調べているんだ、と突っ込むと、貴之は真面目な顔をして言った。
有沢を追いやることができてから、しようと思っていたんだ、と。
それなら貴之は、前々から準備していたことになる。春輝は口をパクパクさせると、やっとここまで来れた、と貴之に抱きしめられた。
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冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
真柴さんちの野菜は美味い
晦リリ
BL
運命のつがいを探しながら、相手を渡り歩くような夜を繰り返している実業家、阿賀野(α)は野菜を食べない主義。
そんななか、彼が見つけた運命のつがいは人里離れた山奥でひっそりと野菜農家を営む真柴(Ω)だった。
オメガなのだからすぐにアルファに屈すると思うも、人嫌いで会話にすら応じてくれない真柴を落とすべく山奥に通い詰めるが、やがて阿賀野は彼が人嫌いになった理由を知るようになる。
※一話目のみ、攻めと女性の関係をにおわせる描写があります。
※2019年に前後編が完結した創作同人誌からの再録です。
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