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それから一週間、春輝はまたいつものように日常を過ごす。けれど、周りはずっと有沢の話ばかりで、冬哉と二人で話すこともままならない。
(結局、貴之にも話ができずに文化祭前日になっちゃったし)
貴之は貴之で業者や来客に備えての準備で寮にいることも少なく、一人で本当に生徒会の役割も兼ねてるのかと実感した。鈴木は「今年は有沢先輩、誰と見て回るんだろーな」とミーハー心を爆発させていたし、こんな暗い気分で文化祭を迎えるのは、自分くらいじゃないのか、とか思う。
そして、有沢派も大人しくなった。彼らは有沢が来ると分かればそちらを優先するし、正直春輝に構っている場合ではないというのが本音だろう。
春輝は有沢の裏の顔を暴くために、ボイスレコーダーを準備した。自分の前で、絶対裏の顔を出させてやる、と制服のズボンにそれを忍ばせる。ありきたりだろうけど、有効な手だと思った。
すると、貴之が部屋に戻ってきた。さすがに疲れているのかフラフラと入ってきて、そのまま春輝が座るベッドに座り、春輝を抱きしめてそのままベッドに倒れ込む。
「ちょっと貴之? 眼鏡くらい外せよ」
無言で従った貴之は、眼鏡を春輝の机の上に置くと、また春輝を抱きしめながら横になる。もう点呼は終わったようなので、今日の仕事は終了だ。
「……春輝、明日は有沢先輩が来ることは知っているか?」
「そりゃあ、あれだけみんなが騒いでいれば……」
春輝は貴之の胸に顔を寄せると、彼はポンポンと頭を撫でてくれる。貴之の裏の顔は、恋人にベタベタと甘えるのが好き、と春輝は頭の中のメモに書いておく。
「そうだな。明日は俺から離れるなよ」
「え? だって貴之、ずっと仕事してるんだろ?」
オレだって見て回りたいと言うと、俺の時間が空いたらな、と返ってきた。春輝は口を尖らせる。
「吹奏楽部の演奏で疲れるのに……楽しみ何にも無いじゃん」
「それは申し訳ないと思う。だけど本当に、明日は俺以外の人と二人にならないでくれ」
そう言う貴之に、春輝はそんなにも有沢の事を警戒しているのか、と思う。しかし今それを聞けば、春輝が勝手に行動した事がバレるので、大人しく頷いた。
顔を上げると、目の前に大人びた貴之の顔がある。ずっと一人で有沢の嫌がらせに耐えてきたのかと思うと、春輝の身体は自然と動いた。
チュッと唇を吸う音がする。
驚いたような貴之の顔に、春輝は微笑んだ。すると、彼は耳まで赤くして破顔し、顔を両手で覆うのだ。
「……あー、……やばいな」
そしてそんなことを呟くので、春輝は嬉しくなる。
可愛い、と近付いた貴之の唇を受け入れると、二人はそのまま布団に入った。そして二人で抱き合いながら、眠りにつく。
次の日、何故か奇跡的に春輝は貴之より早く目が覚めた。イベントがあると思うだけで、空気が違って見えるのは何だろう? と思いながらモゾモゾしていると、貴之の目が開く。
「あ、起こしたか? ごめん」
「いや……ちょっと早いけど起きるか」
二人でベッドから起き上がると、春輝はある事に気付いてしまった。
(狭いからってずっと断ってたのに、一緒に寝てしまった……)
しかもそんなに支障はなく、それどころかぐっすり眠れた事実にショックを受ける。
「……あああああ……」
恥ずかしさで両手で顔を隠すと、どうした、と貴之は顔を覗いてきた。指の間から彼を見ると、春輝は思った事を聞いてみる。
「貴之、ちゃんと寝れた?」
「ああ、ぐっすり」
むしろ安心していられた、と言われ、顔が熱くなった。そしてなんだかスッキリしたような貴之の顔に、自分も少しは彼の支えになれているのかな、と思うと胸が温かくなる。
その後制服に着替えていつものように食堂に行き、いつものように登校する。
(……なんか、大人しすぎて逆に怖いな)
昨日は有沢が来るから浮かれているだけだと思ったけれど、嫌味の一つも言われないし、誰ともぶつかったりしない。嵐の前の静けさか、と春輝は思いながら朝礼を過ごすと、すぐに文化祭の準備に取り掛かった。
この学校の文化祭は、主に部活で出し物をする。吹奏楽部は講堂で演奏会だ。
しかしちゃんとした舞台がある場所は人気で、タイムテーブルは抽選で決められる。吹奏楽部は一日目の一番になり、朝から大わらわだ。
怒号が飛び交う中セッティングをし、開演に向けて軽く合奏する。そして一度控え室に引っ込むと、講堂が開場する。
テレビモニターで客席の様子を見ていると、大勢に囲まれて入ってきた人物がいた。誰だ? と思って目を凝らしていると、同じく様子を見ていた先輩が声を上げる。
「有沢先輩だ!」
すると周りが一気にザワついた。みんなモニターにかぶりつき、本当だ、と先輩たちは喜んでいる。
「っていうか、吹奏楽部を見に来てくれるなんて、嬉しいなぁ! 頑張ろーぜ!」
そう言う先輩たちにつられて、一年生もテンションが上がった。モニターだとよく分からないけど、カッコイイのは分かるよ、と訳の分からない事を言う生徒までいる。
(確かに、モニターだと不明瞭だけど……背は高いよな。……そうだ)
吹奏楽顧問が有沢と繋がっているかもしれない、という事を冬哉に伝えなければ、と思い出す。
春輝は冬哉を探した。しかし控え室にはいない。
控え室を出るか迷ったけれど、少しだけならと舞台裏を探す。
(……いた)
舞台上手袖に冬哉はいた。部長と一緒に。声を掛けると二人ともハッとして、部長は春輝が来た方向へ去っていく。
こんな所で何話してたんだ? と言うと、冬哉は苦笑して、ちょっとね、と曖昧に答えた。
「春輝こそ、どうしたの?」
大きな目でこちらを見上げる彼に、春輝はそうだった、と目的の話をする。
「というか、バタバタしてて氷上先輩の事も伝えられなかった」
春輝は黒幕が誰なのか、それだけでも伝えようと口を開いた。すると部員たちが楽器を持って舞台袖に入ってくる。もうそんな時間か、と春輝は冬哉と急いで控え室に戻り、楽器を持って舞台袖に着いた。
開演のチャイムが鳴る。春輝たちは一斉に舞台に出た。
一般のお客さんもいるので客席はほぼ満席だ。席に着くと顧問が舞台に上がってくる。コンクールとは違った空気感と緊張感に、春輝はテンションが上がった。
曲目は親しみやすいJポップから、ノリのいい吹奏楽の定番曲など、時折部員たちのダンスも織り交ぜて演奏する。客席から手拍子が上がると春輝たちの演奏にも力が入り、やはりあっという間に演奏会が終わった。
「撤収ー!」
部長の声とともに部員たちは慌ただしく動き出す。客席にはまだまばらにお客さんがいて、舞台に近付いて来ては、部員と軽く話をしていった。
春輝は舞台上の椅子の片付けだ。パート毎にまとめられた椅子を専用の代車に載せていく。
すると、部員たちは大勢引き連れて舞台に近付いてくる人を見て、声を上げた。
「有沢先輩! 来てくださってありがとうございます!」
春輝は椅子を片付けながら、チラリと有沢を見る。
有沢は人気があるのも分かると納得する程の容姿をしていた。背はスラリと高く、綺麗なアーモンド型の目は微笑んで細められており、真っ直ぐな鼻梁は有沢の爽やかさを一層引き立てていた。モデルか俳優と言われても違和感がない程の、目を引く容姿だ。
(あれが、有沢先輩……)
思わずじっと見ていると、有沢の視線がこちらに向いた。慌てて視線を逸らすと、有沢が舞台下で春輝を追いかけてくる気配がする。
「ねぇキミ、一年生?」
声を掛けられて、春輝はこんなに人がいる所で声を掛けるな、と心の中で思った。しかも、たくさん部員がいる中で、何故春輝なのか。
「はい。先輩は去年卒業されたんですよね? 噂はたくさん聞いてます」
春輝は俳優になったつもりで微笑んだ。意識を切り替えて、こちらから接触する手間が省けてラッキーだな、と思う事にする。
「そう? 怖いなぁ、どんな噂してるのみんな?」
そう言って笑って周りの生徒を見る有沢は、とても人を傷付けるようには見えない。実際、周りから「先輩はすごくできた人だったって話してたんですよ」と言われていた。
「有沢先輩、すみません。撤収の時間があるので、部員を構うのは後でも良いですか?」
部長が有沢に断ると、彼はそうだったね、ごめん、と去っていく。春輝は少しホッとし、片付けを再開した。
(結局、貴之にも話ができずに文化祭前日になっちゃったし)
貴之は貴之で業者や来客に備えての準備で寮にいることも少なく、一人で本当に生徒会の役割も兼ねてるのかと実感した。鈴木は「今年は有沢先輩、誰と見て回るんだろーな」とミーハー心を爆発させていたし、こんな暗い気分で文化祭を迎えるのは、自分くらいじゃないのか、とか思う。
そして、有沢派も大人しくなった。彼らは有沢が来ると分かればそちらを優先するし、正直春輝に構っている場合ではないというのが本音だろう。
春輝は有沢の裏の顔を暴くために、ボイスレコーダーを準備した。自分の前で、絶対裏の顔を出させてやる、と制服のズボンにそれを忍ばせる。ありきたりだろうけど、有効な手だと思った。
すると、貴之が部屋に戻ってきた。さすがに疲れているのかフラフラと入ってきて、そのまま春輝が座るベッドに座り、春輝を抱きしめてそのままベッドに倒れ込む。
「ちょっと貴之? 眼鏡くらい外せよ」
無言で従った貴之は、眼鏡を春輝の机の上に置くと、また春輝を抱きしめながら横になる。もう点呼は終わったようなので、今日の仕事は終了だ。
「……春輝、明日は有沢先輩が来ることは知っているか?」
「そりゃあ、あれだけみんなが騒いでいれば……」
春輝は貴之の胸に顔を寄せると、彼はポンポンと頭を撫でてくれる。貴之の裏の顔は、恋人にベタベタと甘えるのが好き、と春輝は頭の中のメモに書いておく。
「そうだな。明日は俺から離れるなよ」
「え? だって貴之、ずっと仕事してるんだろ?」
オレだって見て回りたいと言うと、俺の時間が空いたらな、と返ってきた。春輝は口を尖らせる。
「吹奏楽部の演奏で疲れるのに……楽しみ何にも無いじゃん」
「それは申し訳ないと思う。だけど本当に、明日は俺以外の人と二人にならないでくれ」
そう言う貴之に、春輝はそんなにも有沢の事を警戒しているのか、と思う。しかし今それを聞けば、春輝が勝手に行動した事がバレるので、大人しく頷いた。
顔を上げると、目の前に大人びた貴之の顔がある。ずっと一人で有沢の嫌がらせに耐えてきたのかと思うと、春輝の身体は自然と動いた。
チュッと唇を吸う音がする。
驚いたような貴之の顔に、春輝は微笑んだ。すると、彼は耳まで赤くして破顔し、顔を両手で覆うのだ。
「……あー、……やばいな」
そしてそんなことを呟くので、春輝は嬉しくなる。
可愛い、と近付いた貴之の唇を受け入れると、二人はそのまま布団に入った。そして二人で抱き合いながら、眠りにつく。
次の日、何故か奇跡的に春輝は貴之より早く目が覚めた。イベントがあると思うだけで、空気が違って見えるのは何だろう? と思いながらモゾモゾしていると、貴之の目が開く。
「あ、起こしたか? ごめん」
「いや……ちょっと早いけど起きるか」
二人でベッドから起き上がると、春輝はある事に気付いてしまった。
(狭いからってずっと断ってたのに、一緒に寝てしまった……)
しかもそんなに支障はなく、それどころかぐっすり眠れた事実にショックを受ける。
「……あああああ……」
恥ずかしさで両手で顔を隠すと、どうした、と貴之は顔を覗いてきた。指の間から彼を見ると、春輝は思った事を聞いてみる。
「貴之、ちゃんと寝れた?」
「ああ、ぐっすり」
むしろ安心していられた、と言われ、顔が熱くなった。そしてなんだかスッキリしたような貴之の顔に、自分も少しは彼の支えになれているのかな、と思うと胸が温かくなる。
その後制服に着替えていつものように食堂に行き、いつものように登校する。
(……なんか、大人しすぎて逆に怖いな)
昨日は有沢が来るから浮かれているだけだと思ったけれど、嫌味の一つも言われないし、誰ともぶつかったりしない。嵐の前の静けさか、と春輝は思いながら朝礼を過ごすと、すぐに文化祭の準備に取り掛かった。
この学校の文化祭は、主に部活で出し物をする。吹奏楽部は講堂で演奏会だ。
しかしちゃんとした舞台がある場所は人気で、タイムテーブルは抽選で決められる。吹奏楽部は一日目の一番になり、朝から大わらわだ。
怒号が飛び交う中セッティングをし、開演に向けて軽く合奏する。そして一度控え室に引っ込むと、講堂が開場する。
テレビモニターで客席の様子を見ていると、大勢に囲まれて入ってきた人物がいた。誰だ? と思って目を凝らしていると、同じく様子を見ていた先輩が声を上げる。
「有沢先輩だ!」
すると周りが一気にザワついた。みんなモニターにかぶりつき、本当だ、と先輩たちは喜んでいる。
「っていうか、吹奏楽部を見に来てくれるなんて、嬉しいなぁ! 頑張ろーぜ!」
そう言う先輩たちにつられて、一年生もテンションが上がった。モニターだとよく分からないけど、カッコイイのは分かるよ、と訳の分からない事を言う生徒までいる。
(確かに、モニターだと不明瞭だけど……背は高いよな。……そうだ)
吹奏楽顧問が有沢と繋がっているかもしれない、という事を冬哉に伝えなければ、と思い出す。
春輝は冬哉を探した。しかし控え室にはいない。
控え室を出るか迷ったけれど、少しだけならと舞台裏を探す。
(……いた)
舞台上手袖に冬哉はいた。部長と一緒に。声を掛けると二人ともハッとして、部長は春輝が来た方向へ去っていく。
こんな所で何話してたんだ? と言うと、冬哉は苦笑して、ちょっとね、と曖昧に答えた。
「春輝こそ、どうしたの?」
大きな目でこちらを見上げる彼に、春輝はそうだった、と目的の話をする。
「というか、バタバタしてて氷上先輩の事も伝えられなかった」
春輝は黒幕が誰なのか、それだけでも伝えようと口を開いた。すると部員たちが楽器を持って舞台袖に入ってくる。もうそんな時間か、と春輝は冬哉と急いで控え室に戻り、楽器を持って舞台袖に着いた。
開演のチャイムが鳴る。春輝たちは一斉に舞台に出た。
一般のお客さんもいるので客席はほぼ満席だ。席に着くと顧問が舞台に上がってくる。コンクールとは違った空気感と緊張感に、春輝はテンションが上がった。
曲目は親しみやすいJポップから、ノリのいい吹奏楽の定番曲など、時折部員たちのダンスも織り交ぜて演奏する。客席から手拍子が上がると春輝たちの演奏にも力が入り、やはりあっという間に演奏会が終わった。
「撤収ー!」
部長の声とともに部員たちは慌ただしく動き出す。客席にはまだまばらにお客さんがいて、舞台に近付いて来ては、部員と軽く話をしていった。
春輝は舞台上の椅子の片付けだ。パート毎にまとめられた椅子を専用の代車に載せていく。
すると、部員たちは大勢引き連れて舞台に近付いてくる人を見て、声を上げた。
「有沢先輩! 来てくださってありがとうございます!」
春輝は椅子を片付けながら、チラリと有沢を見る。
有沢は人気があるのも分かると納得する程の容姿をしていた。背はスラリと高く、綺麗なアーモンド型の目は微笑んで細められており、真っ直ぐな鼻梁は有沢の爽やかさを一層引き立てていた。モデルか俳優と言われても違和感がない程の、目を引く容姿だ。
(あれが、有沢先輩……)
思わずじっと見ていると、有沢の視線がこちらに向いた。慌てて視線を逸らすと、有沢が舞台下で春輝を追いかけてくる気配がする。
「ねぇキミ、一年生?」
声を掛けられて、春輝はこんなに人がいる所で声を掛けるな、と心の中で思った。しかも、たくさん部員がいる中で、何故春輝なのか。
「はい。先輩は去年卒業されたんですよね? 噂はたくさん聞いてます」
春輝は俳優になったつもりで微笑んだ。意識を切り替えて、こちらから接触する手間が省けてラッキーだな、と思う事にする。
「そう? 怖いなぁ、どんな噂してるのみんな?」
そう言って笑って周りの生徒を見る有沢は、とても人を傷付けるようには見えない。実際、周りから「先輩はすごくできた人だったって話してたんですよ」と言われていた。
「有沢先輩、すみません。撤収の時間があるので、部員を構うのは後でも良いですか?」
部長が有沢に断ると、彼はそうだったね、ごめん、と去っていく。春輝は少しホッとし、片付けを再開した。
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