22 / 39
22
しおりを挟む
「…………せ、一之瀬……っ」
次に気が付いた時には、日が傾きかけていて、寒くなっていた。
目の前には、黒髪の、眼鏡をかけたスマートな顔がある。けれどその眉は困ったように下がっていて、どうしてそんな顔をしているんだろう、と春輝は不思議に思った。
「気が付いたか。……また酷い状態だな……」
起き上がれるか? と聞かれ、身体を起こした。あれからどれくらい、ここにいたのだろう?
「水野……」
「話は後で聞く。冷えてきたから寮に戻るぞ」
そう言われ、春輝は自分の身体が震えていることに気付く。頭が痛くて身体がだるい、熱が出たようだ。
そして、いつかと同じように貴之に肩を借りる。しかし貴之は寮の玄関ではなく、非常階段に春輝を連れて行った。
「今の時間は目立つ。階段がキツイかもしれないが、我慢してくれ」
春輝たちは何とか階段を上がり、部屋に戻る。部屋に入るなり倒れ込んでしまった春輝の制服を、貴之は脱がせて着替えさせた。
「制服、洗うぞ」
「ん……」
脱がせた制服を袋に入れた貴之はそう言ってくる。春輝は視界が回ってまともに返事ができないでいると、貴之はスマホで誰かに連絡を取っていた。
「……一之瀬、これだけ答えてくれ。誰かに何かされたのか?」
「……なんか……二年の三人組……前、オレの事バカにした……」
あ、ダメだ、と春輝は思う。意識がまた落ちそうだったからだ。
「オレが……吐いたから…………諦め……」
そこで春輝は喋れなくなってしまった。意識が朦朧とする中で、ふわりと身体が浮く。そして少しして、柔らかい所に寝かされた。不思議な事に、嫌だと思っていたベッドだと気付いても、何故かとても安心していて、そのまま深いところに意識が落ちていく。
しばらくして、また貴之の声がした。しかし応じることができずにいると、上半身を起こされる。頭が痛いのに無理やり身体を動かされ、眉間に皺を寄せていると、冷たく固い物が口に当てられた。形状からしてコップだろうか。しかし今の春輝には、物を飲み込む力さえ無い。
「頼む、市販の薬だけど、これだけ飲んでくれ」
熱が高いんだよ、と困ったような声がした。それでも春輝は反応できずにいると、貴之のため息が聞こえる。
すると、唇に柔らかいものが触れた。そこから水と薬らしき固形物が入ってくる。
「ん……、ぁ……」
春輝は思わずそれを受け入れ、飲み込んだ。はあ、と息を吐き出すと、水、まだ欲しいか? と聞かれる。
「ん……」
吐息とも取れる声で返事をすると、また柔らかい貴之の唇が水を含んで触れた。
「…………ぁ、水野……」
春輝は重たい腕を動かして、貴之の肩に両腕を回す。
貴之の手が春輝の背中を支えた。春輝は貴之から口移しでもらった水を飲み込むと、どちらからともなく互いの唇を求め合った。
貴之の唇が春輝のそこを優しくついばむ。一回、もう一回と、ついばむ度にそれは深く熱くなっていく。
「……春輝……」
掠れた貴之の声がする。初めて名前で呼ばれ、それがどうしようもなく春輝の心を切なくさせて、それに応えるように貴之の唇に吸い付いた。唇を食まれ、吸われ、舐められて、春輝の息は次第に上がっていく。
春輝はギュッと、肩に回した腕に力を込めた。身体の奥の方で、チロチロと小さく燃えていた火が、次第に大きくなっていく。春輝は、その優しく熱いキスに夢中になった。
「……一之瀬、これ以上は……もう休め、な?」
どれくらいキスばかりしていただろうか、急に貴之は春輝の身体を離す。彼の息も上がっていて、春輝のキスに感じてくれたのだと思うと、嬉しくなる。
春輝は素直に頷くと、そっとベッドに寝かされた。視線を一生懸命動かして貴之を見ると、耳まで赤くして片手で顔を隠す彼の姿が見える。
しかしそれ以上貴之を見る事は叶わず、春輝はまた意識を落としてしまった。
次に春輝が気が付いたのは、日付が変わって、日も高くなった頃だった。のそりと起き上がると、昨日と変わらず体が重い。熱は下がっていないけれど、意識はハッキリしているのでまだマシか、と時計を見る。針は授業が始まる時間を指していた。
どうやら貴之は春輝の熱が下がっていないので、起こさなかったらしい。机の上に朝食のトレーが置いてあり、その横にはコンビニの袋がある。
「寮長が寮を抜け出すなよ……」
そう言いながら袋の中を見ると、ゼリー飲料とみかんゼリー、桃の果実入りゼリー、ミックスフルーツゼリーと、ゼリーばかり入っている。
(……オレがゼリー好きだって、話したことないのに)
何故知っているのだろう? そんなに普段から態度に出ていただろうか、と思うと、何だかむず痒くなる。
春輝はゼリー飲料を飲み干すと、またベッドに寝転がった。そしてまたすぐに寝てしまう。
どれくらい経ったのだろうか、ガザガサという袋の音がして、春輝は目が覚めた。
「……水野?」
春輝の机の上に、またコンビニの袋を置いていた貴之は、ハッとこちらを向くと、起こしたか、と気まずそうに視線を逸らした。
「体調はどうだ?」
「うん、だいぶマシになったよ……」
「……そうか」
貴之はそう言うと、着替え始める。時計を見ると、もう授業が終わっている時間だった。
「あ、もう学校終わったんだ?」
「ああ。……それ、全部食べなくてもいいからな」
「ありがとう」
春輝は礼を言うと、貴之は春輝のベッドに腰掛け、春輝の額に手を当てた。
「ん……」
その気持ちよさに思わず声を上げてしまうと、その手が頬に下りてくる。少し低い貴之の体温が心地よくて目を閉じると、そっと耳を撫でられた。
「ん……っ、な、なに……?」
くすぐったさに身を縮め、貴之を見ると、彼はそっと顔を近付けてくる。
チュッと、軽いキスの音がした。春輝は貴之を見ると、彼が優しい目をしていることに気付く。
「告白の返事。お前が落ち着いてからにしようと思ったけど無理っぽい……」
どういう事? と春輝は掠れた声で聞いた。
「コンクールが終わったと思ったら熱出すし……このままではいつ告白できるか分からないから」
貴之は再び顔を近付けると、吐息がぶつかる距離で囁く。
「俺もお前が好きだ。お前が可愛くて仕方がない」
そう言って、貴之はもう一度、キスをした。
次に気が付いた時には、日が傾きかけていて、寒くなっていた。
目の前には、黒髪の、眼鏡をかけたスマートな顔がある。けれどその眉は困ったように下がっていて、どうしてそんな顔をしているんだろう、と春輝は不思議に思った。
「気が付いたか。……また酷い状態だな……」
起き上がれるか? と聞かれ、身体を起こした。あれからどれくらい、ここにいたのだろう?
「水野……」
「話は後で聞く。冷えてきたから寮に戻るぞ」
そう言われ、春輝は自分の身体が震えていることに気付く。頭が痛くて身体がだるい、熱が出たようだ。
そして、いつかと同じように貴之に肩を借りる。しかし貴之は寮の玄関ではなく、非常階段に春輝を連れて行った。
「今の時間は目立つ。階段がキツイかもしれないが、我慢してくれ」
春輝たちは何とか階段を上がり、部屋に戻る。部屋に入るなり倒れ込んでしまった春輝の制服を、貴之は脱がせて着替えさせた。
「制服、洗うぞ」
「ん……」
脱がせた制服を袋に入れた貴之はそう言ってくる。春輝は視界が回ってまともに返事ができないでいると、貴之はスマホで誰かに連絡を取っていた。
「……一之瀬、これだけ答えてくれ。誰かに何かされたのか?」
「……なんか……二年の三人組……前、オレの事バカにした……」
あ、ダメだ、と春輝は思う。意識がまた落ちそうだったからだ。
「オレが……吐いたから…………諦め……」
そこで春輝は喋れなくなってしまった。意識が朦朧とする中で、ふわりと身体が浮く。そして少しして、柔らかい所に寝かされた。不思議な事に、嫌だと思っていたベッドだと気付いても、何故かとても安心していて、そのまま深いところに意識が落ちていく。
しばらくして、また貴之の声がした。しかし応じることができずにいると、上半身を起こされる。頭が痛いのに無理やり身体を動かされ、眉間に皺を寄せていると、冷たく固い物が口に当てられた。形状からしてコップだろうか。しかし今の春輝には、物を飲み込む力さえ無い。
「頼む、市販の薬だけど、これだけ飲んでくれ」
熱が高いんだよ、と困ったような声がした。それでも春輝は反応できずにいると、貴之のため息が聞こえる。
すると、唇に柔らかいものが触れた。そこから水と薬らしき固形物が入ってくる。
「ん……、ぁ……」
春輝は思わずそれを受け入れ、飲み込んだ。はあ、と息を吐き出すと、水、まだ欲しいか? と聞かれる。
「ん……」
吐息とも取れる声で返事をすると、また柔らかい貴之の唇が水を含んで触れた。
「…………ぁ、水野……」
春輝は重たい腕を動かして、貴之の肩に両腕を回す。
貴之の手が春輝の背中を支えた。春輝は貴之から口移しでもらった水を飲み込むと、どちらからともなく互いの唇を求め合った。
貴之の唇が春輝のそこを優しくついばむ。一回、もう一回と、ついばむ度にそれは深く熱くなっていく。
「……春輝……」
掠れた貴之の声がする。初めて名前で呼ばれ、それがどうしようもなく春輝の心を切なくさせて、それに応えるように貴之の唇に吸い付いた。唇を食まれ、吸われ、舐められて、春輝の息は次第に上がっていく。
春輝はギュッと、肩に回した腕に力を込めた。身体の奥の方で、チロチロと小さく燃えていた火が、次第に大きくなっていく。春輝は、その優しく熱いキスに夢中になった。
「……一之瀬、これ以上は……もう休め、な?」
どれくらいキスばかりしていただろうか、急に貴之は春輝の身体を離す。彼の息も上がっていて、春輝のキスに感じてくれたのだと思うと、嬉しくなる。
春輝は素直に頷くと、そっとベッドに寝かされた。視線を一生懸命動かして貴之を見ると、耳まで赤くして片手で顔を隠す彼の姿が見える。
しかしそれ以上貴之を見る事は叶わず、春輝はまた意識を落としてしまった。
次に春輝が気が付いたのは、日付が変わって、日も高くなった頃だった。のそりと起き上がると、昨日と変わらず体が重い。熱は下がっていないけれど、意識はハッキリしているのでまだマシか、と時計を見る。針は授業が始まる時間を指していた。
どうやら貴之は春輝の熱が下がっていないので、起こさなかったらしい。机の上に朝食のトレーが置いてあり、その横にはコンビニの袋がある。
「寮長が寮を抜け出すなよ……」
そう言いながら袋の中を見ると、ゼリー飲料とみかんゼリー、桃の果実入りゼリー、ミックスフルーツゼリーと、ゼリーばかり入っている。
(……オレがゼリー好きだって、話したことないのに)
何故知っているのだろう? そんなに普段から態度に出ていただろうか、と思うと、何だかむず痒くなる。
春輝はゼリー飲料を飲み干すと、またベッドに寝転がった。そしてまたすぐに寝てしまう。
どれくらい経ったのだろうか、ガザガサという袋の音がして、春輝は目が覚めた。
「……水野?」
春輝の机の上に、またコンビニの袋を置いていた貴之は、ハッとこちらを向くと、起こしたか、と気まずそうに視線を逸らした。
「体調はどうだ?」
「うん、だいぶマシになったよ……」
「……そうか」
貴之はそう言うと、着替え始める。時計を見ると、もう授業が終わっている時間だった。
「あ、もう学校終わったんだ?」
「ああ。……それ、全部食べなくてもいいからな」
「ありがとう」
春輝は礼を言うと、貴之は春輝のベッドに腰掛け、春輝の額に手を当てた。
「ん……」
その気持ちよさに思わず声を上げてしまうと、その手が頬に下りてくる。少し低い貴之の体温が心地よくて目を閉じると、そっと耳を撫でられた。
「ん……っ、な、なに……?」
くすぐったさに身を縮め、貴之を見ると、彼はそっと顔を近付けてくる。
チュッと、軽いキスの音がした。春輝は貴之を見ると、彼が優しい目をしていることに気付く。
「告白の返事。お前が落ち着いてからにしようと思ったけど無理っぽい……」
どういう事? と春輝は掠れた声で聞いた。
「コンクールが終わったと思ったら熱出すし……このままではいつ告白できるか分からないから」
貴之は再び顔を近付けると、吐息がぶつかる距離で囁く。
「俺もお前が好きだ。お前が可愛くて仕方がない」
そう言って、貴之はもう一度、キスをした。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説

金色の恋と愛とが降ってくる
鳩かなこ
BL
もう18歳になるオメガなのに、鶯原あゆたはまだ発情期の来ていない。
引き取られた富豪のアルファ家系の梅渓家で
オメガらしくないあゆたは厄介者扱いされている。
二学期の初めのある日、委員長を務める美化委員会に
転校生だというアルファの一年生・八月一日宮が参加してくれることに。
初のアルファの後輩は初日に遅刻。
やっと顔を出した八月一日宮と出会い頭にぶつかって、あゆたは足に怪我をしてしまう。
転校してきた訳アリ? 一年生のアルファ×幸薄い自覚のない未成熟のオメガのマイペース初恋物語。
オメガバースの世界観ですが、オメガへの差別が社会からなくなりつつある現代が舞台です。
途中主人公がちょっと不憫です。
性描写のあるお話にはタイトルに「*」がついてます。
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。
俺の幼馴染はストーカー
凪玖海くみ
BL
佐々木昴と鳴海律は、幼い頃からの付き合いである幼馴染。
それは高校生となった今でも律は昴のそばにいることを当たり前のように思っているが、その「距離の近さ」に昴は少しだけ戸惑いを覚えていた。
そんなある日、律の“本音”に触れた昴は、彼との関係を見つめ直さざるを得なくなる。
幼馴染として築き上げた関係は、やがて新たな形へと変わり始め――。
友情と独占欲、戸惑いと気づきの間で揺れる二人の青春ストーリー。
運命を知っているオメガ
riiko
BL
初めてのヒートで運命の番を知ってしまった正樹。相手は気が付かないどころか、オメガ嫌いで有名なアルファだった。
自分だけが運命の相手を知っている。
オメガ嫌いのアルファに、自分が運命の番だとバレたら大変なことになる!? 幻滅されたくないけど近くにいたい。
運命を悟られないために、斜め上の努力をする鈍感オメガの物語。
オメガ嫌い御曹司α×ベータとして育った平凡Ω
『運命を知っているアルファ』というアルファ側のお話もあります、アルファ側の思考を見たい時はそちらも合わせてお楽しみくださいませ。
どちらかを先に読むことでお話は全てネタバレになりますので、先にお好みの視点(オメガ側orアルファ側)をお選びくださいませ。片方だけでも物語は分かるようになっております。
性描写が入るシーンは
※マークをタイトルにつけます、ご注意くださいませ。
物語、お楽しみいただけたら幸いです。
コメント欄ネタバレ全解除につき、物語の展開を知りたくない方はご注意くださいませ。
表紙のイラストはデビュー同期の「派遣Ωは社長の抱き枕~エリートαを寝かしつけるお仕事~」著者grottaさんに描いていただきました!
【完結】竜を愛する悪役令嬢と、転生従者の謀りゴト
しゃもじ
BL
貴族の間で婚約破棄が流行し、歪みに歪んだサンドレア王国。
飛竜騎士団率いる悪役令嬢のもとに従者として転生した主人公グレイの目的は、前世で成し遂げられなかったゲームクリア=大陸統治を目指すこと、そして敬愛するメルロロッティ嬢の幸せを成就すること。
前世の記憶『予知』のもと、目的達成のためグレイは奔走するが、メルロロッティ嬢の婚約破棄後、少しずつ歴史は歪曲しグレイの予知からズレはじめる……
*主人公の股緩め、登場キャラ貞操観念低め、性癖尖り目、ピュア成分低めです。苦手な方はご注意ください。
*他サイト様にも投稿している作品です。
スノードロップに触れられない
ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照
BL
*表紙*
題字&イラスト:niia 様
※ 表紙の持ち出しはご遠慮ください
(拡大版は1ページ目に挿入させていただいております!)
アルファだから評価され、アルファだから期待される世界。
先天性のアルファとして生まれた松葉瀬陸真(まつばせ りくま)は、根っからのアルファ嫌いだった。
そんな陸真の怒りを鎮めるのは、いつだって自分よりも可哀想な存在……オメガという人種だ。
しかし、その考えはある日突然……一変した。
『四月から入社しました、矢車菊臣(やぐるま きくおみ)です。一応……先に言っておきますけど、ボクはオメガ性でぇす。……あっ。だからって、襲ったりしないでくださいねぇ?』
自分よりも楽観的に生き、オメガであることをまるで長所のように語る後輩……菊臣との出会い。
『職場のセンパイとして、人生のセンパイとして。後輩オメガに、松葉瀬センパイが知ってる悪いこと……全部、教えてください』
挑発的に笑う菊臣との出会いが、陸真の人生を変えていく。
周りからの身勝手な評価にうんざりし、ひねくれてしまった青年アルファが、自分より弱い存在である筈の後輩オメガによって変わっていくお話です。
可哀想なのはオメガだけじゃないのかもしれない。そんな、他のオメガバース作品とは少し違うかもしれないお話です。
自分勝手で俺様なアルファ嫌いの先輩アルファ×飄々としているあざと可愛い毒舌後輩オメガ でございます!!
※ アダルト表現のあるページにはタイトルの後ろに * と表記しておりますので、読む時はお気を付けください!!
※ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

追放文官、幸せなキスで旅に出る
にっきょ
BL
かつて恋人に裏切られ、追放された元文官のコーディエライト・スプリンゲンは、雪山の中で一人、写本師として暮らしていた。
ある日、ダイモンと名乗る旅の剣士を雪崩から助けたコーディエは、ダイモンにお礼として春まで家事を手伝うことを提案される。
最初はダイモンのことを邪魔に思っていたが、段々と離れがたい気持ちになっていくコーディエ。
そんなコーディエを、ダイモンは旅に誘うのだった。
春の雪解けは、すぐそこに。
夏の雰囲気を纏った青年×ツンギレ引きこもりBL
真柴さんちの野菜は美味い
晦リリ
BL
運命のつがいを探しながら、相手を渡り歩くような夜を繰り返している実業家、阿賀野(α)は野菜を食べない主義。
そんななか、彼が見つけた運命のつがいは人里離れた山奥でひっそりと野菜農家を営む真柴(Ω)だった。
オメガなのだからすぐにアルファに屈すると思うも、人嫌いで会話にすら応じてくれない真柴を落とすべく山奥に通い詰めるが、やがて阿賀野は彼が人嫌いになった理由を知るようになる。
※一話目のみ、攻めと女性の関係をにおわせる描写があります。
※2019年に前後編が完結した創作同人誌からの再録です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる