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第九話(R18)
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私の方こそ、簡単に流される子だって思ってませんか? のどかはそう尋ねた。
二人はのどかの部屋に入ると、再び抱きしめあう。
「そんなことは思ってないよ。むしろ俺がずるいんだから」
もうお互いいい大人なんだし、とのどかは心の中で自分の行動を正当化していた。男性の腕に抱きしめられたのは久しぶりで、離したくなかったのも本当だ。そこから始まる関係だって良いじゃない、と自分を納得させる。
(それに……私は城倉さんのこと、少なくとも嫌ってはいない)
腕の中にいて安心する程には。のどかがそんなことを思っていると、いつの間にかスーツは脱がされ、ベッドに押し倒されていた。
「……ん……」
寧の形のいい唇が、のどかのそれを啄む。何度かそれを繰り返しながら、擽るような手つきで頬や耳を撫でられ、肩を震わせた。
「……やっぱり、肌綺麗だね。所作といい、ある程度人に見られている意識がある人だって、思ってた」
「そんなこと、一度も意識したことないです……」
そう? と寧はのどかのシャツのボタンをプチプチと外していく。
寧ももう下着一枚になっていて、のどかは服を脱がされるのを手伝った。キャミソールと上下の下着だけになると、再び寧の顔が近付いてくる。
「……案外着痩せするタイプ?」
「……どういう意味ですかそれ」
寧がキャミソールの中に手を入れ、ブラごと胸の膨らみに触れた時、そんなことを言われた。思ったより太っていると言いたいのか、と寧を少しだけ睨むと、彼は笑って、思ったより大きかったってこと、とそこをやわやわと揉まれる。
「……っ、ん……っ」
寧は照れ隠しなのか、のどかの首筋に唇を這わせた。寧の指がブラの中に入ってきて、先端の突起に優しく触れられる。
「ぁ……っ」
びくん、と身体が跳ね、思わず寧の肩に腕を回した。可愛い、と耳元で囁かれ、その声が僅かに上擦っていて、のどかの身体も熱くなる。
「私、化粧してないですよ? 眉毛も放置だし、髪も伸ばしっぱなしで……っ」
寧がキャミソールとブラを捲りあげた。そのまま突起を弄りながら双丘を揉みしだかれ、堪らず声を上げてしまう。
「うん。それでも可愛い。俺が無意識に告白してしまうくらいには……」
息が完全に上がった寧が、のどかの唇を塞いだ。激しく舌を絡ませるキスをしながら、とうとう寧の手は、のどかの下半身へと辿り着く。
「ん、んん……っ」
寧の手がそっとのどかの肝心な所に触れた。四本の指で表面を撫でられ、それだけでもくちゅ、と濡れた音がする。
「……ああ、ちゃんと感じてくれてるんだ……」
嬉しい、と寧はまたキスをする。そしてその指が、濡れそぼった襞をかき分け、中に入ってきた。
「ああ……っ」
のどかは切なげな声を上げて寧にしがみつく。そしてその指がゆっくりと抽挿を始めると、のどかの身体は快感に引きずられるように震え出す。
「ね、のどかって、呼んでいい?」
寧は反対側の手で、のどかの目尻を拭った。のどかはコクコクと頷くと、可愛いよ、のどか、と軽くキスをされ、その唇が胸の先端を吸い上げた。
「……──っ!」
同時に中に入った指も動かされ、のどかは思わず身体を捩る。声を上げると一瞬意識が飛び、身体がひときわ大きく痙攣した。
何が起こったか分からず寧を見ると、彼は笑ってイッちゃったね、と指を抜く。ショーツを脱がされるのを脱力して見ていると、寧は下着を脱いで、のどかの愛液の滑りを借りて、中に入ってきた。
「──ッ、うわ……、やば……」
寧は顔を顰めて背中を震わせると、のどかのおでこにキスをした。
「……ほんと、ずるい男だよね。ごめんね……」
そう言って、寧は動き出す。また意識を持っていかれそうな快感に、のどかは寧を引き寄せると、互いに胸までピッタリと合わさったまま、ひとときの快楽に没頭した。
「……ね、俺と付き合って? のどかが過去を吹っ切れるくらい、幸せにするから……っ」
「……うん、……ぅん……っ、ああ……っ!」
のどかからひときわ高い嬌声が上がる。寧もそれに触発されたのか、小さく唸って動きを止めた。
部屋に二人の息遣いの音だけが残る。
けれどその息遣いの音も、再び唇を吸い上げる音と共に消えたのだった。
二人はのどかの部屋に入ると、再び抱きしめあう。
「そんなことは思ってないよ。むしろ俺がずるいんだから」
もうお互いいい大人なんだし、とのどかは心の中で自分の行動を正当化していた。男性の腕に抱きしめられたのは久しぶりで、離したくなかったのも本当だ。そこから始まる関係だって良いじゃない、と自分を納得させる。
(それに……私は城倉さんのこと、少なくとも嫌ってはいない)
腕の中にいて安心する程には。のどかがそんなことを思っていると、いつの間にかスーツは脱がされ、ベッドに押し倒されていた。
「……ん……」
寧の形のいい唇が、のどかのそれを啄む。何度かそれを繰り返しながら、擽るような手つきで頬や耳を撫でられ、肩を震わせた。
「……やっぱり、肌綺麗だね。所作といい、ある程度人に見られている意識がある人だって、思ってた」
「そんなこと、一度も意識したことないです……」
そう? と寧はのどかのシャツのボタンをプチプチと外していく。
寧ももう下着一枚になっていて、のどかは服を脱がされるのを手伝った。キャミソールと上下の下着だけになると、再び寧の顔が近付いてくる。
「……案外着痩せするタイプ?」
「……どういう意味ですかそれ」
寧がキャミソールの中に手を入れ、ブラごと胸の膨らみに触れた時、そんなことを言われた。思ったより太っていると言いたいのか、と寧を少しだけ睨むと、彼は笑って、思ったより大きかったってこと、とそこをやわやわと揉まれる。
「……っ、ん……っ」
寧は照れ隠しなのか、のどかの首筋に唇を這わせた。寧の指がブラの中に入ってきて、先端の突起に優しく触れられる。
「ぁ……っ」
びくん、と身体が跳ね、思わず寧の肩に腕を回した。可愛い、と耳元で囁かれ、その声が僅かに上擦っていて、のどかの身体も熱くなる。
「私、化粧してないですよ? 眉毛も放置だし、髪も伸ばしっぱなしで……っ」
寧がキャミソールとブラを捲りあげた。そのまま突起を弄りながら双丘を揉みしだかれ、堪らず声を上げてしまう。
「うん。それでも可愛い。俺が無意識に告白してしまうくらいには……」
息が完全に上がった寧が、のどかの唇を塞いだ。激しく舌を絡ませるキスをしながら、とうとう寧の手は、のどかの下半身へと辿り着く。
「ん、んん……っ」
寧の手がそっとのどかの肝心な所に触れた。四本の指で表面を撫でられ、それだけでもくちゅ、と濡れた音がする。
「……ああ、ちゃんと感じてくれてるんだ……」
嬉しい、と寧はまたキスをする。そしてその指が、濡れそぼった襞をかき分け、中に入ってきた。
「ああ……っ」
のどかは切なげな声を上げて寧にしがみつく。そしてその指がゆっくりと抽挿を始めると、のどかの身体は快感に引きずられるように震え出す。
「ね、のどかって、呼んでいい?」
寧は反対側の手で、のどかの目尻を拭った。のどかはコクコクと頷くと、可愛いよ、のどか、と軽くキスをされ、その唇が胸の先端を吸い上げた。
「……──っ!」
同時に中に入った指も動かされ、のどかは思わず身体を捩る。声を上げると一瞬意識が飛び、身体がひときわ大きく痙攣した。
何が起こったか分からず寧を見ると、彼は笑ってイッちゃったね、と指を抜く。ショーツを脱がされるのを脱力して見ていると、寧は下着を脱いで、のどかの愛液の滑りを借りて、中に入ってきた。
「──ッ、うわ……、やば……」
寧は顔を顰めて背中を震わせると、のどかのおでこにキスをした。
「……ほんと、ずるい男だよね。ごめんね……」
そう言って、寧は動き出す。また意識を持っていかれそうな快感に、のどかは寧を引き寄せると、互いに胸までピッタリと合わさったまま、ひとときの快楽に没頭した。
「……ね、俺と付き合って? のどかが過去を吹っ切れるくらい、幸せにするから……っ」
「……うん、……ぅん……っ、ああ……っ!」
のどかからひときわ高い嬌声が上がる。寧もそれに触発されたのか、小さく唸って動きを止めた。
部屋に二人の息遣いの音だけが残る。
けれどその息遣いの音も、再び唇を吸い上げる音と共に消えたのだった。
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