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第三十六話(R18)

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「──ッア! ひぅ……ッ!」

 目の前に星が飛ぶ。太ももの痙攣が止まらない。壊れてしまったかのように透はだめ、だめと舌っ足らずに叫ぶけれど、伸也は止めてくれなかった。

「いやぁ! おかしく……っ! こわれちゃう……!」

 透がそう叫ぶと同時に、またエプロンのシミが広がった。吸収しきれなかった水分が、パタパタと床に落ちていく。

「ああ透……えっちだね……潮吹いてるの?」

 まだ彼の中では序章なのか、軽く透を揺さぶっている伸也は、感じすぎて泣き始めた透の涙を舐め取った。

「後ろもすごくうねってる。気持ちいいね?」

 透は口を手で押さえながらこくこくと頷く。しかし次の瞬間にはまた波がやってきて、またガクガクと全身を震わせた。
 もはや言葉も出せない透を、伸也は優しく攻めて真綿で首を絞めていく。伸也からの執着心を感じるそのプレイは、透をグズグズに溶かしていった。

「もうちょっとゆっくりにする?」
「……っ! いやっ! もっと突いて……っ!」
「だって透、苦しそうだし、泣いちゃってるし」
「やら! もっと! ついてぇ……!」

 透がそう叫んだ瞬間、伸也は動きを早くする。同時に胸もいじられ、透はまた叫んだ。

「しんちゃ……! あっ、あっ、いっちゃ……!」

 最後まで言えずにまた深いオーガズムを迎える。自暴自棄になった三年間でさえ、こんなに強烈な快感は得られなかった。相手が伸也というだけで、こんなにも違うのか、と透は意識を手放してしまう。

「……透」

 どれくらい気絶していたのだろう、透は伸也の優しい声で目を覚ました。

「……っ、しんちゃんっ?」
「透、起きた?」

 あれからそんなに時間は経っていなかったらしい。さっきと同じ体勢で──伸也も透の中に入ったままだった。その事実に、透はぶるりと背中を震わせる。

 伸也は透が覚醒したことを確認すると、また抽挿を始める。敏感になった身体はそれだけで脳天を突くような快楽を生み、透は短く悲鳴をあげた。

「気絶するほどよかったの?」

 ゆさゆさと揺さぶられながら、透は声もなくコクコクと頷く。

「昔から、僕に対しては素直で可愛かったよね、透は」

 伸也はそう言って、もうイクから、と彼は呻いた。透の中で激しく躍動する伸也を感じ、透もその刺激で軽くイッてしまう。

「……っ、ああ、透……可愛い」
「……っん……」

 顔を伸也の方に向けさせられ、貪るようなキスをする。普段は穏やかな伸也からは想像できないような激しいセックスに、誕生日ケーキが相当嬉しかったんだな、と微笑ましくなる。──少し表現が歪んでいる気がするけれど。

 けれど伸也も、透と同じくまともな人間関係を築けずにきた男なのだ。これくらいは大目に見るか、と透はキスをしながら笑った。

「……何?」
「いや? オレ愛されてるなって」
「ふふ、今更? 昔から僕は、透だけだよ」

 透は? と聞かれて、透は彼の後頭部を腕で引き寄せる。

「オレも、ずっとしんちゃんだけだよ」


 甘いキスがまた始まった。


 お互いがお互いを支えに生きていく。今はそれでいい。まだまだ先は長いのだから。


 二人の世界は、これから広がっていく。


 [完]
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