上 下
60 / 63

壊すなら、貴方の手で21(R18)

しおりを挟む
「ベッドはシングルじゃなくても良かったな……」

 二人とも、用意されていたバスローブに身を包むと、寝室に戻って来た。少し落ち着いた黒兎は、あのまま浴室でやらなくて、本当に良かったと思う。なぜなら、寝室の窓から見えた景色は、雪が降り出していたからだ。

「寒くはないかい?」
「うん……」

 二人でシングルベッドに入る。この家は空調も完璧で、廊下ですら寒いと思うことはなかった。
 雅樹の手が黒兎の腰を撫でる。バスローブ越しでも熱が残った身体には十分で、黒兎は甘く吐息を零した。

「黒兎……」
「ん……」

 長い指が、裾から入ってきて太腿を撫でる。ザワザワする感覚に、黒兎の雄は再び頭をもたげていった。どうやら久しぶりすぎて、身体はまだ満足していないらしい。

 それなら雅樹も同じではないか、と黒兎は手を伸ばす。バスローブの上からでも分かる程の、筋肉質なお腹を撫で、足の間を撫でると、確かな硬さを保った雅樹のものがあった。

「黒兎、こっちにおいで」

 雅樹に呼ばれ、言う通りに動くと、彼は下に来て逆向きに四つん這いになるよう言われる。体勢を変えると目の前に雅樹の股間があって、この体勢は、と黒兎はドギマギした。

 そっと雅樹のバスローブを捲る。大きくそそり立った雅樹のそれを、黒兎は大事そうに手で支え、先端にキスをした。彼はいつも挿入してからも長い。黒兎の口でイカせられるか分からないけれど、やってみよう、と口に含んだ。

 少し吸い上げながら、顔を上下させると硬さが増す。竿の部分の青筋が唇でも感じられて、逆にこちらも愛撫されているような感覚になった。

 雅樹は黒兎の尻を掴んで広げたりしている。多分、彼が愛撫を始めると、黒兎は口淫どころじゃなくなるのを知って、敢えて手を出さないのだろう。

「気持ちいいよ……」

 そう言いながらも、彼はまだまだ余裕のようだ。なんだか悔しくて、黒兎は上下する顔を早くすると、後ろで笑う声がした。

「……っ! んんーっ!」

 後ろに、ローションを纏った指が入ってくる。いつの間にそんな準備をしたのか、夢中になって気付かなかったらしい。

「ほら黒兎、続けて」

 雅樹は軽く笑いながら、黒兎の蕾を解すように揉む。ムズムズするような感覚に背中を震わせると、指の先が少しだけ入ってきた。

「ん……っ!」

 どうやら雅樹は、今回黒兎の性器に触れるつもりはないらしい。際どい所は撫でられるものの、肝心な所には触れられず、黒兎の腰は揺れた。焦らされて黒兎の身体は勝手に動き、それが雅樹を楽しませているなんて思ってもいない黒兎は、負けじと口淫を続ける。

「黒兎、後ろは久しぶりだから、しっかり解そう」
「んん、んーっ!」

 雅樹は少しだけ指を入れ、直ぐに出すを繰り返した。決定的な刺激が得られず、黒兎は雅樹の身体に自身を擦り付けようと、腰を落とす。

「だめだよ」
「……──っ、あ……っ!!」

 ずぷ、と指が奥に入ってくる。声を上げた弾みで雅樹から口を離してしまい、首を反らしてその快感に耐えた。

「ほら黒兎、続きは?」

 ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら、雅樹は黒兎の中を広げるように指を動かす。それでも中のいい所は避けられていて、黒兎は喘ぎながら再び雅樹を咥えた。しかし、黒兎が続きをやろうとする度、雅樹は後ろの指を動かすのだ。その刺激が気持ちよくて、黒兎は口を離してしまう。

「……っだ! 雅樹っ、指動かしたら、できないっ!」
「どうして?」

 優しくも意地悪な問いの雅樹の声が、ほんの僅かに上擦った。黒兎はその僅かな声の揺れを感じ取り、悶える。ああ、雅樹も自分のこんな姿を見て興奮しているのだ、と。

「ああ……気持ちよすぎて、それどころじゃないのか」

 見てごらん、と雅樹に言われ、黒兎は自分の足の間から雅樹を見た。彼は黒兎の肉棒を指しており、自分の状態を知って、恥ずかしくなる。

 そこはまた、はち切れんばかりに熱くなっていて、雅樹の胸元に、だらだらと先走りを垂らしていた。触ったらまたイッてしまいそうだね、とにこやかに言われ、頭が爆発しそうな程興奮する。

 雅樹が笑った。

「きみは本当に、私と相性がいいようだ」

 私の言葉でも興奮しているだろう? と嬉しそうに言われ、黒兎は興奮で身体を小刻みに震わせながら、頷く。

「言ってごらん? どこが気持ちいいんだい?」

 そう言って、雅樹は指を抜き差しした。敏感な粘膜を擦られ、黒兎は身体を捩って声を上げる。勿体ぶらないで、もっと奥に欲しい。そう思って勝手に動く腰を……その向こうの雅樹を見た。

「あっ!」
「言わないとこのままだよ」

 口調は優しいけれど、雅樹は容赦なく黒兎を追い詰める。その声にズクン、と下半身が反応し、腰が熱くなる感覚と、排尿感に襲われた。

「ああ、またすごく締め付けてる……奥に指が当たってしまうね」
「……っ、雅樹……、だめ出ちゃう……っ」
「何が出るんだい? 言葉にして言うんだ黒兎」

 すぐ近くまで来ている感覚に、黒兎は首を振る。今出してしまえば、雅樹を汚してしまう。それは嫌だ。
 しかし雅樹の指は変わらず刺激を続け、黒兎はブンブンと激しく首を振った。それでも彼は止めてくれるはずもなく、黒兎の太腿が小刻みに震えだす。

「あ……っ、出ちゃう、……ああっ!」

 ぷしゃっ、と精液が出る勢いで出てきたのは潮だ。勃起した陰茎を体液が通る、何とも言えない快感に黒兎は掠れた嬌声を上げた。

「あ、ああ……っ、はあ……っ」

 それでも太腿の震えは止まらない。黒兎はやばい、ハマってしまったのか、と激しく繰り返す呼吸を口を手で塞いで落ち着かせようとした。どうしよう、久々だからすごく興奮してしまう。

「やはり、久しぶりだからか早いね」

 満足そうな雅樹の声がして振り向くと、彼は濡れた胸も気にせず、黒兎の足を退かして起き上がる。黒兎は、もはやまとわりついていただけのバスローブを剥がされ、雅樹もそれを脱ぐと、そのまま四つん這いの姿勢でいるように言われた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

虫嫌いの男子高校生が山登り遠足に行って、虫の浮いている汚いトイレで用を足せなくて、道中で限界を迎える話

こじらせた処女
BL
虫嫌いの男の子が山のトイレを使えない話

幼馴染は俺がくっついてるから誰とも付き合えないらしい

中屋沙鳥
BL
井之原朱鷺は幼馴染の北村航平のことを好きだという伊東汐里から「いつも井之原がくっついてたら北村だって誰とも付き合えないじゃん。親友なら考えてあげなよ」と言われて考え込んでしまう。俺は航平の邪魔をしているのか?実は片思いをしているけど航平のためを考えた方が良いのかもしれない。それをきっかけに2人の関係が変化していく…/高校生が順調(?)に愛を深めます

やり直せるなら、貴方達とは関わらない。

いろまにもめと
BL
俺はレオベルト・エンフィア。 エンフィア侯爵家の長男であり、前世持ちだ。 俺は幼馴染のアラン・メロヴィングに惚れ込み、恋人でもないのにアランは俺の嫁だと言ってまわるというはずかしい事をし、最終的にアランと恋に落ちた王太子によって、アランに付きまとっていた俺は処刑された。 処刑の直前、俺は前世を思い出した。日本という国の一般サラリーマンだった頃を。そして、ここは前世有名だったBLゲームの世界と一致する事を。 こんな時に思い出しても遅せぇわ!と思い、どうかもう一度やり直せたら、貴族なんだから可愛い嫁さんと裕福にのんびり暮らしたい…! そう思った俺の願いは届いたのだ。 5歳の時の俺に戻ってきた…! 今度は絶対関わらない!

【BLーR18】5人との、甘美で危険な戯れ

奏音 美都
BL
ねぇおいで、見せてあげよう。 僕の城。僕の世界を…… この扉の先に何が待ち受けているのか。 戻るなら、今のうちだよ? *君は、誰に愛されたい?* 癒しのショタ天使 僕の可愛い天使、素直《すなお》 10歳。 「夕貴お兄ちゃま、大好き!」 素直になれないツンデレ俺様 僕の愛しい騎士団長、勝太《しょうた》 19歳。 「夕貴、お前は俺に黙って抱かれてりゃいーんだよ!」 溺愛キラッキラ王子 僕の優しい貴公子、ロイヤル 22歳。 「Yuki, my sweetheart. I'll do anything for you」 (僕の可愛い人、夕貴。貴方の為なら何でもしてあげる) 世話焼き色欲淫(オカ)魔 僕の愛すべき道化師、ダリア 28歳 「うふっ、私のここに夕ちゃんの入れてあげる♪」 君臨する支配者、ドS帝王 僕の崇拝する帝王、創一《そういち》 25歳 「夕貴。裸になり、鏡の前で膝立ちになりなさい」 君たちがいる、ここが僕の桃源郷。 君たち全員を、愛しているよ…… <作品概要> エロティックで甘美でありながらスリリングで、切ないほどに身を焦がす狂気的な純愛ストーリー 5人との絡みの後、急激に話が展開します。 エロも重視しますが、ストーリーも同じくらい重視してます。 <警告> BL好きで拘りのある方、リバありです!(相手により変わります) 無理やりはありませんが、縛り、媚薬、玩具攻めありです! 苦手だこれ、と思ったら回れ右で逃げてください!お願いします。 この話はフィクションであり、独自の見解に基づいて話を描いているため、現実とはそぐわない内容もありますのでご理解頂ける方のみお読み下さい。

淫愛家族

箕田 悠
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

俺が勝手に好きな幼なじみに好きって十回言うゲームやらされて抱えてたクソでか感情が暴発した挙げ句、十一回目の好きが不発したクソな件。

かたらぎヨシノリ
BL
幼なじみにクソでか感情を抱く三人のアオハル劇場。 ──────────────── ──────────────── 幼なじみ、美形×平凡、年上×年下、兄の親友×弟←兄、近親相姦、創作BL、オリジナルBL、複数攻3P、三角関係、愛撫 ※以上の要素と軽度の性描写があります。 受 門脇かのん。もうすぐ16歳。高校生。黒髪平凡顔。ちびなのが気になる。短気で口悪い。最近情緒が乱高下気味ですぐ泣く。兄の親友の三好礼二に激重感情拗らせ10年。 攻 三好礼二。17歳。高校生。かのん弄りたのしい俺様王様三好様。顔がいい。目が死んでる。幼なじみ、しのぶの親友。 門脇しのぶ。17歳。高校生。かのん兄。チャラいイケメン。ブラコン。三好の親友。

母の再婚で魔王が義父になりまして~淫魔なお兄ちゃんに執着溺愛されてます~

トモモト ヨシユキ
BL
母が魔王と再婚したルルシアは、義兄であるアーキライトが大の苦手。しかもどうやら義兄には、嫌われている。 しかし、ある事件をきっかけに義兄から溺愛されるようになり…エブリスタとフジョッシーにも掲載しています。

処理中です...