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30 初デートの約束 ★
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「祐輔さん、明日デートしません?」
ある日の夜、仕事終わり。いつものように蓮香が祐輔の家に来て晩ご飯を食べていた時、蓮香からそんな提案があった。
毎日家に来るならいっそ、一緒に住むのもいいかななんて祐輔は思ったけれど、男同士でルームシェアとか、変じゃないかなと警戒してしまい、言い出すことができずにいた。
だからデートのお誘いという、恋人らしい話は正直ありがたかった。むしろ今まで身体の関係だけでいたので、デートをすることで蓮香が恋人だと、改めて認識できるのが嬉しい。
「いいよ。どこ行く?」
「って言っても、急だから近場がいいですよね」
「じゃあ、買い物でも行くか」
あてもなくブラブラするのも、蓮香の好みが分かるかも、と思って提案すると、彼は快く了承してくれる。
好きな物、嫌いな物、考え方、どんな時に怒るのか。付き合っていくうちにそれらを知っていくのは、恋愛の醍醐味だと思う。デートと言われて祐輔は久々にワクワクし、買いたいもの、見たいものリストを頭の中で書いた。
「祐輔さん」
いつの間にか立ち上がって隣に来ていた蓮香に、振り向きざまにキスをされる。まだ食事も途中なのに、蓮香はもう欲情した表情を見せていて、祐輔はドキリとした。
「そういうのは、メシ食べてから……」
「祐輔さんが食べたくなりました」
「お前なぁ……ホント、そればっか……」
なぜ今の流れでこうなる、と思わなくもないけれど、それが嫌じゃない自分も同類だ。そして、なんだかんだで流される自信がある。
「やっぱりメシ食べてから。明日出掛けるなら、ちょっと控えてくれよ?」
「…………分かりました」
返事に微妙な間があったのは気のせいだろうか。祐輔は再び近付いた蓮香のキスを受け入れた。軽く触れるだけのキス。それが何度も続く。
「ちょっと? メシ食べてからって言ったよな?」
そう言う間にも、蓮香は祐輔の顔に吸い付いてきた。ダメだと言いながら蓮香の顔を両手で掴んで離すと、彼はシュンとした顔でこちらを見ている。
「……ダメですか?」
祐輔より背の高い、大の大人に上目遣いでそう聞かれ、言葉に詰まる。かわいい。かわいくて思わず頷きそうになる。けれどこのままでは料理が冷めるし、致したあとは片付ける気力もなくなるだろうから、やっぱり今はダメだ。
「ダメって言ってない。あとでって言ってるだろ?」
ほら食べよう、と促すと、蓮香は大人しく席に着いてご飯を食べ始めた。末っ子なだけあって甘え上手だな、とか考えて、祐輔も再び箸を進める。
◇◇
「祐輔さんって、料理上手ですよね」
「……んん……?」
約束通り食事を終え、風呂で丁寧に身体を洗われたあと、服を着る間もなくキスをされた。そのままもつれるようにベッドに行き、寒いからと布団を被ったのが三十分前。
今はすっかり身体が温まって、祐輔は蓮香に後ろから貫かれている。ふわふわする頭で振り返って返事をすると、彼は息を乱しながら笑った。
「ああ……すげーいい顔……。かわいい祐輔さん……」
「あっ、ああ……っ、はす……、貴徳っ、そこだめ気持ちいい……っ」
「気持ちいいのにダメなんですか?」
笑いながら腰を振る蓮香に、祐輔は意識が飛びそうになりながら答える。身体を支えている腕に力が入らなくなり、胎児のように肘と膝を曲げて丸まった。
気持ちいい。蓮香から与えられる刺激全てが気持ちよくて、祐輔は全てを放棄して蓮香に委ねる。脱力している祐輔の身体を、彼は丁寧に動かし体位を変え、横向きに寝た祐輔をまた後ろから穿った。祐輔の片脚を腕に引っ掛け抱え、パンパンと音がするほど強く打ち付けられると、祐輔の怒張は限界を迎えて白濁した体液を吐き出す。
祐輔は全身をブルブルと震わせ、シーツを握り、全身を支配する快感に耐えていた。蓮香と付き合う前までは、ここでこんなに感じられるなんて思っていなかったし、どれだけ絶頂しても、もっともっとと欲が湧いてくるなんて思いもしなかった。
「ずっと、……俺と毎日ご飯食べてくれますか?」
耳に吹き込むように、蓮香は掠れた声でそう囁いてくる。うん、うん、と祐輔は頷き、それと同時に太腿が震えだして、後ろもギュッと締まった。
「ああああ!」
全部が白くなる感覚。頭の中も、景色も、音も、触覚も、全てがなくなる。けれど気持ちいいという感覚だけは残り、強烈な快感をもっと、と腰がうねる。
「祐輔さん……本当に俺の理想です。仕事できて、優しくて……エロい……」
「ああああ! だめだめ! 乳首も一緒は……!」
シーツに縋りついた祐輔は、ほとんどうつ伏せになっていた。そんな祐輔を容赦なく貫き、シーツと身体の間に手を入れられると、胸の突起を探られる。指の腹でそこを擦られ、祐輔の足はピンッと伸びた。与えられる刺激すべてが気持ちいい。もっと、もっと。
「イク! いくからっ、だ……っ!」
ガクガクガク、と言葉の途中で全身が痙攣した。比喩じゃなく視界にチカチカと星が飛び、ううう! と唸る。
蓮香は祐輔が絶頂している間、止まって待っててくれていた。意識が途切れそうになりながらも振り返り、顔が見たいと言えば正常位に変えてくれる。
愛しい男の首に腕を回し引き寄せ、ちゅくちゅくとキスをしながら、片手で蓮香の胸を撫でた。蓮香の額から汗が垂れてきて、それすらも愛撫となって祐輔の心を締め付ける。
全部欲しい。自分の全部と混ざり合いたい。そんな思いで蓮香の身体に脚を絡ませると、彼は再び動き出した。
「ん、ん、……んぁ……っ、ああ……!」
「あー……祐輔さん、気持ちいい? 俺ももうすぐイキそう……っ」
唇が付きそうな至近距離で呟き、唇に噛みつかれる。目を細めてこちらを見る視線は、優しいのに熱い。胸と後ろがさらにきゅん、とした。
「イッて……俺の中でイッて? 中に出して……っ!」
好き、気持ちいい、貴徳の熱いのが欲しい、と理性が飛んだ頭でそう叫び、祐輔は首を反らして呻き始めた蓮香の顎を、べロリと舐める。
「……──ッ! あ……ッ!」
蓮香は顔を顰めて果てた。その男臭い顔に祐輔はゾクリとして、ほぼ同時に二度目の射精をする。
くたりと祐輔の上に倒れてきた蓮香から、ドクドクドクと心臓が早く脈打っているのが分かって、愛しくなって彼の頬にキスをした。まだ繋がっていたい。離れたくない。そう思って抱きしめる。
「ん……」
そしてまた、深いキスが始まった。呼吸が荒くなって苦しいけれど、それ以上に蓮香と溶け合いたい。
明日、午前中に起きられるかな、と祐輔はぼんやり思う。しかし、まあいいか、と意識は再び蕩けていった。
ある日の夜、仕事終わり。いつものように蓮香が祐輔の家に来て晩ご飯を食べていた時、蓮香からそんな提案があった。
毎日家に来るならいっそ、一緒に住むのもいいかななんて祐輔は思ったけれど、男同士でルームシェアとか、変じゃないかなと警戒してしまい、言い出すことができずにいた。
だからデートのお誘いという、恋人らしい話は正直ありがたかった。むしろ今まで身体の関係だけでいたので、デートをすることで蓮香が恋人だと、改めて認識できるのが嬉しい。
「いいよ。どこ行く?」
「って言っても、急だから近場がいいですよね」
「じゃあ、買い物でも行くか」
あてもなくブラブラするのも、蓮香の好みが分かるかも、と思って提案すると、彼は快く了承してくれる。
好きな物、嫌いな物、考え方、どんな時に怒るのか。付き合っていくうちにそれらを知っていくのは、恋愛の醍醐味だと思う。デートと言われて祐輔は久々にワクワクし、買いたいもの、見たいものリストを頭の中で書いた。
「祐輔さん」
いつの間にか立ち上がって隣に来ていた蓮香に、振り向きざまにキスをされる。まだ食事も途中なのに、蓮香はもう欲情した表情を見せていて、祐輔はドキリとした。
「そういうのは、メシ食べてから……」
「祐輔さんが食べたくなりました」
「お前なぁ……ホント、そればっか……」
なぜ今の流れでこうなる、と思わなくもないけれど、それが嫌じゃない自分も同類だ。そして、なんだかんだで流される自信がある。
「やっぱりメシ食べてから。明日出掛けるなら、ちょっと控えてくれよ?」
「…………分かりました」
返事に微妙な間があったのは気のせいだろうか。祐輔は再び近付いた蓮香のキスを受け入れた。軽く触れるだけのキス。それが何度も続く。
「ちょっと? メシ食べてからって言ったよな?」
そう言う間にも、蓮香は祐輔の顔に吸い付いてきた。ダメだと言いながら蓮香の顔を両手で掴んで離すと、彼はシュンとした顔でこちらを見ている。
「……ダメですか?」
祐輔より背の高い、大の大人に上目遣いでそう聞かれ、言葉に詰まる。かわいい。かわいくて思わず頷きそうになる。けれどこのままでは料理が冷めるし、致したあとは片付ける気力もなくなるだろうから、やっぱり今はダメだ。
「ダメって言ってない。あとでって言ってるだろ?」
ほら食べよう、と促すと、蓮香は大人しく席に着いてご飯を食べ始めた。末っ子なだけあって甘え上手だな、とか考えて、祐輔も再び箸を進める。
◇◇
「祐輔さんって、料理上手ですよね」
「……んん……?」
約束通り食事を終え、風呂で丁寧に身体を洗われたあと、服を着る間もなくキスをされた。そのままもつれるようにベッドに行き、寒いからと布団を被ったのが三十分前。
今はすっかり身体が温まって、祐輔は蓮香に後ろから貫かれている。ふわふわする頭で振り返って返事をすると、彼は息を乱しながら笑った。
「ああ……すげーいい顔……。かわいい祐輔さん……」
「あっ、ああ……っ、はす……、貴徳っ、そこだめ気持ちいい……っ」
「気持ちいいのにダメなんですか?」
笑いながら腰を振る蓮香に、祐輔は意識が飛びそうになりながら答える。身体を支えている腕に力が入らなくなり、胎児のように肘と膝を曲げて丸まった。
気持ちいい。蓮香から与えられる刺激全てが気持ちよくて、祐輔は全てを放棄して蓮香に委ねる。脱力している祐輔の身体を、彼は丁寧に動かし体位を変え、横向きに寝た祐輔をまた後ろから穿った。祐輔の片脚を腕に引っ掛け抱え、パンパンと音がするほど強く打ち付けられると、祐輔の怒張は限界を迎えて白濁した体液を吐き出す。
祐輔は全身をブルブルと震わせ、シーツを握り、全身を支配する快感に耐えていた。蓮香と付き合う前までは、ここでこんなに感じられるなんて思っていなかったし、どれだけ絶頂しても、もっともっとと欲が湧いてくるなんて思いもしなかった。
「ずっと、……俺と毎日ご飯食べてくれますか?」
耳に吹き込むように、蓮香は掠れた声でそう囁いてくる。うん、うん、と祐輔は頷き、それと同時に太腿が震えだして、後ろもギュッと締まった。
「ああああ!」
全部が白くなる感覚。頭の中も、景色も、音も、触覚も、全てがなくなる。けれど気持ちいいという感覚だけは残り、強烈な快感をもっと、と腰がうねる。
「祐輔さん……本当に俺の理想です。仕事できて、優しくて……エロい……」
「ああああ! だめだめ! 乳首も一緒は……!」
シーツに縋りついた祐輔は、ほとんどうつ伏せになっていた。そんな祐輔を容赦なく貫き、シーツと身体の間に手を入れられると、胸の突起を探られる。指の腹でそこを擦られ、祐輔の足はピンッと伸びた。与えられる刺激すべてが気持ちいい。もっと、もっと。
「イク! いくからっ、だ……っ!」
ガクガクガク、と言葉の途中で全身が痙攣した。比喩じゃなく視界にチカチカと星が飛び、ううう! と唸る。
蓮香は祐輔が絶頂している間、止まって待っててくれていた。意識が途切れそうになりながらも振り返り、顔が見たいと言えば正常位に変えてくれる。
愛しい男の首に腕を回し引き寄せ、ちゅくちゅくとキスをしながら、片手で蓮香の胸を撫でた。蓮香の額から汗が垂れてきて、それすらも愛撫となって祐輔の心を締め付ける。
全部欲しい。自分の全部と混ざり合いたい。そんな思いで蓮香の身体に脚を絡ませると、彼は再び動き出した。
「ん、ん、……んぁ……っ、ああ……!」
「あー……祐輔さん、気持ちいい? 俺ももうすぐイキそう……っ」
唇が付きそうな至近距離で呟き、唇に噛みつかれる。目を細めてこちらを見る視線は、優しいのに熱い。胸と後ろがさらにきゅん、とした。
「イッて……俺の中でイッて? 中に出して……っ!」
好き、気持ちいい、貴徳の熱いのが欲しい、と理性が飛んだ頭でそう叫び、祐輔は首を反らして呻き始めた蓮香の顎を、べロリと舐める。
「……──ッ! あ……ッ!」
蓮香は顔を顰めて果てた。その男臭い顔に祐輔はゾクリとして、ほぼ同時に二度目の射精をする。
くたりと祐輔の上に倒れてきた蓮香から、ドクドクドクと心臓が早く脈打っているのが分かって、愛しくなって彼の頬にキスをした。まだ繋がっていたい。離れたくない。そう思って抱きしめる。
「ん……」
そしてまた、深いキスが始まった。呼吸が荒くなって苦しいけれど、それ以上に蓮香と溶け合いたい。
明日、午前中に起きられるかな、と祐輔はぼんやり思う。しかし、まあいいか、と意識は再び蕩けていった。
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