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櫂斗は亮介とホテルの部屋に入ると、腕を掴まれベッドの上に投げ飛ばされた。
「ちょっとっ、乱暴なのは嫌だぞっ」
痛む腕に顔をしかめて上半身を起こすと、荷物を置いた亮介が櫂斗の身体を跨ぐように乗った。眼鏡の奥の強い瞳に、櫂斗はカッと頬が熱くなり、視線を逸らす。
「あっそう。じゃあどういうのが良いんだ?」
「……」
櫂斗は黙った。正直に言うのは嫌だし、言ったところでその通りにされるのも何か違う。
「……なるほどね。じゃ、こっちの好きにさせてもらう」
「うわっ」
何がなるほどなのか、櫂斗は起こしていた上半身を押し倒された。両手を亮介の片手で頭の上に押さえ付けられ、ワイシャツのボタンを外される。
(ってか、脱がすの早っ)
櫂斗は亮介の片手でボタンを外すスピードに驚く。あっという間に上半身を裸にされ、カーッと身体が熱くなった。
その変化は亮介も分かったらしい、あれ? と彼はニヤつく。
「み、見るなっ」
櫂斗は顔を逸らした。しかし、一度火が着いてしまった身体は後戻りができない。小刻みに身体が震え、まだダメだと唇を噛む。
「ふーん……先生、見られてると感じるの?」
まだ何もしてないのに、と指先でスラックスの上から股間を撫でられた。
「あっ!」
「……なんだ、もう勃ってんじゃん。もしかして期待してこんな風になったの?」
「違うっ」
股間への刺激に勝手に動く腰を、亮介は体重をかけて抑える。
「一応口では抵抗するんだ。撮影の時から物欲しそうな顔をしてたもんな?」
亮介の言葉が櫂斗の胸に刺さる。それが堪らなくてビクビクと身体が震えた。
「先生、どうして欲しい?」
「その呼び方止めろっ」
「なんで? こっちの方が好きだろ? 先生の癖に、男とこんな事して感じてるんだから」
「……っ!」
またビクビクと、櫂斗の身体が震える。言葉だけじゃなく、身体も触って感じさせて欲しい、と櫂斗は上がり始めた息と一緒に呟いた。亮介はフッと笑うと、じゃあ自分で脱げよ、と櫂斗から離れる。
櫂斗はベッドから降りて立つと、腕に絡まっていたワイシャツを脱ぎ、スラックスのベルトに手をかけた。
(見られてる……)
亮介はベッドの端に座り、脚を組んで櫂斗の様子をじっと見ている。
恥ずかしい。けれど、それがどうしようもなく櫂斗を熱くした。
(だめ……まだ触られてもいないのに。耐えろオレ)
どうやら、本当に櫂斗と亮介の相性は良いようだ。でなければ、触れられる前なのに櫂斗がこんなに悶える事は無い。
「どうした? 脱がないと触れないだろ」
動きが止まった櫂斗に、亮介はニヤニヤしながら見ている。笑われているのにも関わらず、櫂斗はやはりそれにもゾクゾクしてしまう。
「先生、そのまま何もせずにイケるんじゃないか? あ、まさかそのままイキたくて、わざと脱がないとか?」
「違うっ」
櫂斗は首を振って、思い切ってスラックスを降ろした。案の定はいていたボクサーパンツは、パンパンに盛り上がっていて、先走りで濡れている。
「うわ、先生もうはち切れそうになってんじゃん」
本当にもうイキそうなんじゃないの? と言われ、櫂斗はまたゾクゾクした。どうしよう、本当にこのままイッてしまいそうだ。
亮介は立ち上がった。そして櫂斗のそばに来ると後ろに回る。
そして耳元で声がした。
「恥ずかしいヤツだな」
「……っ、あっ!」
亮介の言葉と声色に、櫂斗は崩れ落ちそうになる。けれど何とか持ちこたえ、ぎゅっと目を閉じて快感の波をやり過ごした。
耳元でクスクス笑う声がする。
「さぁ先生、ここからが前戯だよ?」
イカずに最後まで耐えられる? と笑われて櫂斗は唇を噛んだ。
亮介は櫂斗の両手を頭の後ろで組むようにし、後ろから櫂斗の身体を覗き込む。
「遊んでやるんだから、勝手にイクなよ?」
その言葉と同時に、ボクサーパンツの盛り上がりを指で弾かれて、櫂斗は思わず声を上げた。
「い……っ、んんっ」
弾かれた瞬間は痛かったけれど、直後に先走りが出るのを感じて櫂斗はまた悶える。はぁはぁと息を荒くしながら、痛いのは嫌だと訴えると、亮介は冷たい声でふーん、と櫂斗のそこを眺めた。
「とか言いつつ、全然萎えねぇじゃん。好きなんじゃないのか?」
そう言ってまた亮介は指で弾こうとしてきたので、櫂斗はその手を掴んで止める。
「い、嫌だっ」
フルフルと首を振って訴えると、ワガママだなぁ、と亮介は呆れた声を上げた。そして亮介の手は櫂斗の股間を鷲掴みする。
「あう……っ」
亮介の体温と、もう少しで痛みに変わりそうな程の絶妙な力加減で掴まれて、櫂斗はまたビクビクと身体を震わせた。そのままそこを強い力で擦られて、思わず背中を反らせて声を上げる。
「だめ、そんなにしたらっ、ああ……っ」
「そんなにしたら? どうなるんだ?」
櫂斗は再び亮介の手を止めようと彼の手首を掴むけれど、力が入らない。腰が勝手に動き、足の力が抜けそうでよろける。
「おっと、ちゃんと立てよ」
愛撫を止めた亮介は、櫂斗の身体を支えた。意外と力があるその腕に、櫂斗は身体を震わせる。
「もう立てないとか、先生情けなさ過ぎ」
「だ、だって……」
櫂斗はまた亮介の言葉に肩を震わせた。なんだか亮介のやることなすことに感じている、こんな感覚になるのは初めてだな、と櫂斗はどこか他人事のように思う。
「何考えてる?」
「……っ、うわっ」
力が入らない足のまま、ベッドの端に手を付かされた。お尻を突き出すようにされ、恥ずかしい格好に櫂斗は悶える。
その格好のままボクサーパンツを脱がされ、櫂斗は更に身体が熱くなった。
(ああ、恥ずかしい格好されてる……ヤバい……)
亮介がじっとお尻を眺めてるのを感じる。優しい手つきで股の間を袋から後ろへ撫でられ、櫂斗は切なげな声を上げてしまった。
「……綺麗だけど、自分で処理してんのか? それとも誰かにやってもらってる?」
暗にムダ毛の事を聞かれて、櫂斗は首を横に振る。
「し、してない……元々薄いだけ……」
「……そういや脚もツルツルだもんな」
「あぁ……っ」
亮介は櫂斗の太ももを撫でながら、後ろに指を入れてきた。いきなりの事でビックリして、思わず亮介を睨んだが、すぐに前を向く。
「あれ、先生ここも使えるの? やらしい身体してんのな」
ぐりぐりと遠慮なしに中をまさぐられ、櫂斗は声も出せずに悶えた。
「ここは誰に入れてもらってるの?」
「あっ、あっ、……やだ、やめろっ」
櫂斗は寸分違わず良いところに刺激を与える亮介の腕を止めようと手を伸ばす。すると亮介は手を止めた。
「答えろよ、先生」
櫂斗は刺激を求めて腰を動かす。しかし、亮介は櫂斗の望む刺激を与えてはくれない。
「あ、あんたには関係ないだろっ」
「……そうだな。ま、しばらくは俺専用にしてもらおうか」
遊んでやるって言ったしな、と亮介は手を小刻みに動かした。その途端、脳天を直撃するような快感が櫂斗を襲う。
「あ! あぁっ! だめイクっ! い……っ!!」
ガクガクと身体が震えた後、身体が硬直し、視界も意識も真っ白になった。詰めた息を吐き出し乱れた呼吸をしていると、後ろでおい、と冷たい声がする。
「勝手にイクなって言っただろ?」
「だ、だって、触るから……っ」
櫂斗は訴えるけれど、後ろの指は抜かれないままだ。ヒクヒクと指を飲み込もうとしているのが分かって、顔を伏せる。
「遊んでやってるんだから、当然触るだろ。勝手にイッたから、おしおきな」
亮介はそう言うと、櫂斗の分身を掴み、お腹側に押す。彼が何をしようとしているのか分かって、櫂斗は首を振った。
「い、いや……っ、許してっ」
「さーぁ、先生は何回イケるのかな?」
楽しそうな亮介の声と共に、後ろの指が動かされる。息もできないほどの強烈な快感に、櫂斗は絶叫した。
「あ……っ! あぁああああっ!!」
オーガズムから抜けると、ガクン、と腕から力が抜けベッドに上半身を突っ伏す。足に力が入らなくてガクガク震え、荒い呼吸を繰り返す櫂斗を見て、亮介はクスクスと笑った。
「いい声出すじゃん。……ほら」
「うあああ、ああ! あああ……っ!!」
呼吸も整わないまま強制的に刺激を与えられ、櫂斗はまた絶叫してイッてしまう。
「……おっ、先生、精子出てるよ? まだ出る?」
「い……っ! あっ、あっ、ああああっ!!」
もはや言葉も出せず、櫂斗はガクガク震えながら膝をついた。
「……っ、う……っ」
心臓がバクバクうるさい。額に浮いた汗が玉になって落ちていくのにも感じてしまい、櫂斗は余韻に肩を震わせる。
「先生もう限界? もう少しできると思ったのに」
残念そうな亮介の声がする。ずるりと指が抜かれ、櫂斗はそれにもビクビク身体を震わせた。
「…………気が済んだかよ」
櫂斗は顔をベッドに伏せたまま、荒い息の合間に亮介に問う。
「まさか。自分だけ気持ち良くなって終わりとか、都合良くないか?」
「……っ」
それもそうだ。けれど櫂斗はもう疲れてしまっているし、帰る気力は残しておきたい。
「ほら、ベッドに寝ろよ。可愛がってやるから」
「……や、ホントもう帰れなくなるから……っ」
櫂斗はそう言うけれど、亮介に腕を掴まれまたベッドに投げ飛ばされた。力の入らない身体で這って逃げようとするけれど、どういう訳か軽くひっくり返され脚を開かされる。その脚の間に亮介は入ると、動きを止めた。
(ってか、何でこういう動きは早いんだ、この人っ)
慣れているのか、とは考えたくなかった。相性は良さそうだと思った櫂斗は、実はとんでもない人に捕まってしまったのでは、と後悔する。
「帰れないと困るのか?」
「……昼間は非常勤講師やってんだよっ。さすがにもう帰って寝たいっ」
お願いだから続きは別日にしてくれ、と頼むと、亮介はふーん、と気のない返事をして、腰を押し進めてきた。
「あっ、ウソだろっ?」
圧迫感に櫂斗は呻くと、亮介は構わず腰を振る。ここでも、亮介は櫂斗の良い所を知っているかのように刺激を与えてきて、櫂斗はまたガクガクと腰が震えた。
「ああっ、そんな、奥突いたら……っ!」
「突いたら?」
「まっ、またっ、イッちゃう……っ!」
「いいよ、イケよ。男にお尻突っ込まれてイケよ」
亮介がそう言った瞬間、櫂斗は何度目かの絶頂を迎えた。声も出せずに背中を反らし、シーツを破れそうな程掴んで引っ張ってしまう。
「ああ……ああ……もう、無理、む……っ、ああああ!」
「ああ? 望み通り遊んでやってんだろ?」
櫂斗は休む間もなくまた意識が飛ぶ。亮介の声が掠れ始めたのにも気付く余裕もなく、ただ与えられる刺激に悶え、耐えるだけだ。
(苦しい……けど、めちゃくちゃイイ……っ)
櫂斗はイキ過ぎた苦しさの中に、快感を見つけてしまった。そうなると快感に貪欲な櫂斗は、それを素直に求めてしまう。
「ああ、またイッちゃう! お尻でイッちゃう!」
櫂斗は自ら腰を振ると、また覚えのある感覚が襲ってくる。
「あああああっ!」
櫂斗の身体が硬直した。その後一気に弛緩した櫂斗の脚を亮介は抱え直し、もっと深くまで繋がる。
亮介は腰を振りながら、あー、とわざとらしく思い出したように言った。
「ゴム付けんの忘れた……中に出すけど良いな?」
「えっ!? ……やだっ、それはやめろっ」
フルフルと首を振って、手を必死に亮介に伸ばし彼を離そうとする。しかし力が入らないし届かない。
「女みたいな事言うんだな。……ほら、もうイクぞ」
「ダメだって! 中に出されるとオレ調子悪くなるから! いやっ、あっ、あああ!」
櫂斗がまた絶頂すると、亮介の動きも止まった。中に出されてしまった、と櫂斗は恥ずかしいやら悔しいやらで腕で顔を隠す。
「……っ、う……」
亮介が櫂斗から出ていった。亮介に腕を退かされ、息も服もそんなに乱れていない彼の姿を見て、本当に遊ばれたんだと気付いて顔を背けた。
「中出し経験もあるとは、先生は経験豊富だな」
「……」
櫂斗は顔をしかめる。あまり良い思い出ではないので、そこはからかわれるとムカついてしまうのだ。
その様子を見た亮介は、櫂斗の両足をまた広げて後ろを覗く。
「ちょっと、何すんだよっ」
「調子悪くなるんだろ? 掻き出してやるからじっとしてろ」
また後ろに指が入ってきた。櫂斗は小さく呻き、大人しくされるがままになる。
(なんだ、優しいところもあるんだな)
そんな事を思っていると、急激に眠くなってきた。帰る体力も残しておきたいというのは、櫂斗は情事の後、眠くなって動けなくなってしまうからなのだ。
(ヤバい……シャワーも浴びたいのに)
「おい? 後は中を洗うしかないぞ。シャワー行くか?」
反応が薄くなった櫂斗に気付いた亮介は、ペチペチと櫂斗の頬を軽く叩く。しかし櫂斗はもう返事ができなかった。せめて出勤前に起きれますように、と遠くなる意識の中、そんな事を願って櫂斗は眠りに落ちた。
「ちょっとっ、乱暴なのは嫌だぞっ」
痛む腕に顔をしかめて上半身を起こすと、荷物を置いた亮介が櫂斗の身体を跨ぐように乗った。眼鏡の奥の強い瞳に、櫂斗はカッと頬が熱くなり、視線を逸らす。
「あっそう。じゃあどういうのが良いんだ?」
「……」
櫂斗は黙った。正直に言うのは嫌だし、言ったところでその通りにされるのも何か違う。
「……なるほどね。じゃ、こっちの好きにさせてもらう」
「うわっ」
何がなるほどなのか、櫂斗は起こしていた上半身を押し倒された。両手を亮介の片手で頭の上に押さえ付けられ、ワイシャツのボタンを外される。
(ってか、脱がすの早っ)
櫂斗は亮介の片手でボタンを外すスピードに驚く。あっという間に上半身を裸にされ、カーッと身体が熱くなった。
その変化は亮介も分かったらしい、あれ? と彼はニヤつく。
「み、見るなっ」
櫂斗は顔を逸らした。しかし、一度火が着いてしまった身体は後戻りができない。小刻みに身体が震え、まだダメだと唇を噛む。
「ふーん……先生、見られてると感じるの?」
まだ何もしてないのに、と指先でスラックスの上から股間を撫でられた。
「あっ!」
「……なんだ、もう勃ってんじゃん。もしかして期待してこんな風になったの?」
「違うっ」
股間への刺激に勝手に動く腰を、亮介は体重をかけて抑える。
「一応口では抵抗するんだ。撮影の時から物欲しそうな顔をしてたもんな?」
亮介の言葉が櫂斗の胸に刺さる。それが堪らなくてビクビクと身体が震えた。
「先生、どうして欲しい?」
「その呼び方止めろっ」
「なんで? こっちの方が好きだろ? 先生の癖に、男とこんな事して感じてるんだから」
「……っ!」
またビクビクと、櫂斗の身体が震える。言葉だけじゃなく、身体も触って感じさせて欲しい、と櫂斗は上がり始めた息と一緒に呟いた。亮介はフッと笑うと、じゃあ自分で脱げよ、と櫂斗から離れる。
櫂斗はベッドから降りて立つと、腕に絡まっていたワイシャツを脱ぎ、スラックスのベルトに手をかけた。
(見られてる……)
亮介はベッドの端に座り、脚を組んで櫂斗の様子をじっと見ている。
恥ずかしい。けれど、それがどうしようもなく櫂斗を熱くした。
(だめ……まだ触られてもいないのに。耐えろオレ)
どうやら、本当に櫂斗と亮介の相性は良いようだ。でなければ、触れられる前なのに櫂斗がこんなに悶える事は無い。
「どうした? 脱がないと触れないだろ」
動きが止まった櫂斗に、亮介はニヤニヤしながら見ている。笑われているのにも関わらず、櫂斗はやはりそれにもゾクゾクしてしまう。
「先生、そのまま何もせずにイケるんじゃないか? あ、まさかそのままイキたくて、わざと脱がないとか?」
「違うっ」
櫂斗は首を振って、思い切ってスラックスを降ろした。案の定はいていたボクサーパンツは、パンパンに盛り上がっていて、先走りで濡れている。
「うわ、先生もうはち切れそうになってんじゃん」
本当にもうイキそうなんじゃないの? と言われ、櫂斗はまたゾクゾクした。どうしよう、本当にこのままイッてしまいそうだ。
亮介は立ち上がった。そして櫂斗のそばに来ると後ろに回る。
そして耳元で声がした。
「恥ずかしいヤツだな」
「……っ、あっ!」
亮介の言葉と声色に、櫂斗は崩れ落ちそうになる。けれど何とか持ちこたえ、ぎゅっと目を閉じて快感の波をやり過ごした。
耳元でクスクス笑う声がする。
「さぁ先生、ここからが前戯だよ?」
イカずに最後まで耐えられる? と笑われて櫂斗は唇を噛んだ。
亮介は櫂斗の両手を頭の後ろで組むようにし、後ろから櫂斗の身体を覗き込む。
「遊んでやるんだから、勝手にイクなよ?」
その言葉と同時に、ボクサーパンツの盛り上がりを指で弾かれて、櫂斗は思わず声を上げた。
「い……っ、んんっ」
弾かれた瞬間は痛かったけれど、直後に先走りが出るのを感じて櫂斗はまた悶える。はぁはぁと息を荒くしながら、痛いのは嫌だと訴えると、亮介は冷たい声でふーん、と櫂斗のそこを眺めた。
「とか言いつつ、全然萎えねぇじゃん。好きなんじゃないのか?」
そう言ってまた亮介は指で弾こうとしてきたので、櫂斗はその手を掴んで止める。
「い、嫌だっ」
フルフルと首を振って訴えると、ワガママだなぁ、と亮介は呆れた声を上げた。そして亮介の手は櫂斗の股間を鷲掴みする。
「あう……っ」
亮介の体温と、もう少しで痛みに変わりそうな程の絶妙な力加減で掴まれて、櫂斗はまたビクビクと身体を震わせた。そのままそこを強い力で擦られて、思わず背中を反らせて声を上げる。
「だめ、そんなにしたらっ、ああ……っ」
「そんなにしたら? どうなるんだ?」
櫂斗は再び亮介の手を止めようと彼の手首を掴むけれど、力が入らない。腰が勝手に動き、足の力が抜けそうでよろける。
「おっと、ちゃんと立てよ」
愛撫を止めた亮介は、櫂斗の身体を支えた。意外と力があるその腕に、櫂斗は身体を震わせる。
「もう立てないとか、先生情けなさ過ぎ」
「だ、だって……」
櫂斗はまた亮介の言葉に肩を震わせた。なんだか亮介のやることなすことに感じている、こんな感覚になるのは初めてだな、と櫂斗はどこか他人事のように思う。
「何考えてる?」
「……っ、うわっ」
力が入らない足のまま、ベッドの端に手を付かされた。お尻を突き出すようにされ、恥ずかしい格好に櫂斗は悶える。
その格好のままボクサーパンツを脱がされ、櫂斗は更に身体が熱くなった。
(ああ、恥ずかしい格好されてる……ヤバい……)
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櫂斗は寸分違わず良いところに刺激を与える亮介の腕を止めようと手を伸ばす。すると亮介は手を止めた。
「答えろよ、先生」
櫂斗は刺激を求めて腰を動かす。しかし、亮介は櫂斗の望む刺激を与えてはくれない。
「あ、あんたには関係ないだろっ」
「……そうだな。ま、しばらくは俺専用にしてもらおうか」
遊んでやるって言ったしな、と亮介は手を小刻みに動かした。その途端、脳天を直撃するような快感が櫂斗を襲う。
「あ! あぁっ! だめイクっ! い……っ!!」
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「勝手にイクなって言っただろ?」
「だ、だって、触るから……っ」
櫂斗は訴えるけれど、後ろの指は抜かれないままだ。ヒクヒクと指を飲み込もうとしているのが分かって、顔を伏せる。
「遊んでやってるんだから、当然触るだろ。勝手にイッたから、おしおきな」
亮介はそう言うと、櫂斗の分身を掴み、お腹側に押す。彼が何をしようとしているのか分かって、櫂斗は首を振った。
「い、いや……っ、許してっ」
「さーぁ、先生は何回イケるのかな?」
楽しそうな亮介の声と共に、後ろの指が動かされる。息もできないほどの強烈な快感に、櫂斗は絶叫した。
「あ……っ! あぁああああっ!!」
オーガズムから抜けると、ガクン、と腕から力が抜けベッドに上半身を突っ伏す。足に力が入らなくてガクガク震え、荒い呼吸を繰り返す櫂斗を見て、亮介はクスクスと笑った。
「いい声出すじゃん。……ほら」
「うあああ、ああ! あああ……っ!!」
呼吸も整わないまま強制的に刺激を与えられ、櫂斗はまた絶叫してイッてしまう。
「……おっ、先生、精子出てるよ? まだ出る?」
「い……っ! あっ、あっ、ああああっ!!」
もはや言葉も出せず、櫂斗はガクガク震えながら膝をついた。
「……っ、う……っ」
心臓がバクバクうるさい。額に浮いた汗が玉になって落ちていくのにも感じてしまい、櫂斗は余韻に肩を震わせる。
「先生もう限界? もう少しできると思ったのに」
残念そうな亮介の声がする。ずるりと指が抜かれ、櫂斗はそれにもビクビク身体を震わせた。
「…………気が済んだかよ」
櫂斗は顔をベッドに伏せたまま、荒い息の合間に亮介に問う。
「まさか。自分だけ気持ち良くなって終わりとか、都合良くないか?」
「……っ」
それもそうだ。けれど櫂斗はもう疲れてしまっているし、帰る気力は残しておきたい。
「ほら、ベッドに寝ろよ。可愛がってやるから」
「……や、ホントもう帰れなくなるから……っ」
櫂斗はそう言うけれど、亮介に腕を掴まれまたベッドに投げ飛ばされた。力の入らない身体で這って逃げようとするけれど、どういう訳か軽くひっくり返され脚を開かされる。その脚の間に亮介は入ると、動きを止めた。
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「ああ、またイッちゃう! お尻でイッちゃう!」
櫂斗は自ら腰を振ると、また覚えのある感覚が襲ってくる。
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「ダメだって! 中に出されるとオレ調子悪くなるから! いやっ、あっ、あああ!」
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「……っ、う……」
亮介が櫂斗から出ていった。亮介に腕を退かされ、息も服もそんなに乱れていない彼の姿を見て、本当に遊ばれたんだと気付いて顔を背けた。
「中出し経験もあるとは、先生は経験豊富だな」
「……」
櫂斗は顔をしかめる。あまり良い思い出ではないので、そこはからかわれるとムカついてしまうのだ。
その様子を見た亮介は、櫂斗の両足をまた広げて後ろを覗く。
「ちょっと、何すんだよっ」
「調子悪くなるんだろ? 掻き出してやるからじっとしてろ」
また後ろに指が入ってきた。櫂斗は小さく呻き、大人しくされるがままになる。
(なんだ、優しいところもあるんだな)
そんな事を思っていると、急激に眠くなってきた。帰る体力も残しておきたいというのは、櫂斗は情事の後、眠くなって動けなくなってしまうからなのだ。
(ヤバい……シャワーも浴びたいのに)
「おい? 後は中を洗うしかないぞ。シャワー行くか?」
反応が薄くなった櫂斗に気付いた亮介は、ペチペチと櫂斗の頬を軽く叩く。しかし櫂斗はもう返事ができなかった。せめて出勤前に起きれますように、と遠くなる意識の中、そんな事を願って櫂斗は眠りに落ちた。
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少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
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