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「……本当だ」
鼻をすすった槙人も笑う。そして指を抜いた槙人は、触れるだけのキスを落とした。
「朔夜、好きだよ。ずっと好きだった」
「……ありがと」
オレも好き、と朔夜が呟くと、それをきっかけに槙人が入ってくる。熱い楔が内襞を割って入る圧迫感に、朔夜は顔を顰めた。それに気付いた槙人が髪を梳いてくれる。その気遣いが嬉しい。
「痛い?」
互いに息が上がって、その荒くて熱い吐息が顔にぶつかる。それすらも愛撫になり、朔夜は肩を震わせた。胸が切なくなって槙人を抱き寄せると、頬を擦り合わせて軽くキスをくれる。
「痛くは、ない……」
切れ切れの息の合間にそう言うと、槙人は顔に触れるだけのキスをしながら、さらに入ってきた。繋がったところが熱くて、それがなぜか胸をいっぱいにして涙が溢れる。一誠だけを見ていた頃には満たされなかった心が、全部埋まる気がして朔夜はさらに泣いた。
「朔夜……」
動くね、と宣言されて、粘膜を擦られる。後ろも胸も熱くなって喘げば、槙人はかわいい、と頬を撫でてくれた。その優しい手つきと声に、こんなにも愛されていたのに、どうして気付かなかったのだろう、と何度でも後悔する。
「槙人……槙人っ、オレを好きになってくれてありがとう……!」
「ん……」
槙人は微笑んで身体を起こした。それが少し寂しいと思っていたら、濡れそぼった朔夜の熱を撫でながら、槙人は再び動き出す。
「……っあ!? やだ……ッ!」
前と後ろを同時に責められ、一気に思考が霞んだ。すぐに熱が弾けたのを感じ、枕を握って首を逸らし、その快感に耐える。
「ああ、……あ! や……っ、……槙人……っ!」
しかもこともあろうに槙人は、朔夜の腹に飛んだ体液を塗りつけながら再び動き出した。羞恥心と快感に身を捩り、やめてと訴えるも彼は目を細めて笑っている。
「かわいい、朔夜……」
そしてまた、萎えかけた性器を握られた。後ろを穿ちながら優しくそこを撫でられ、敏感になった朔夜はその刺激に悶えるしかない。苦しいけれど、これ以上ないくらい気持ちよかった。
だめ、おかしくなると訴えれば、やめていいの? といじわるな言葉が返ってくる。それに対して何て返したか、いっぱいいっぱいだった朔夜は覚えていない。
やがて槙人は動きを止めた。顔を顰めて息を詰めたから達したのだろうと思ったら、中がじわりと熱くなる。はあ、と息を吐いてくたりともたれかかってきた槙人の背中を撫でると、湿った肌にまた胸がきゅう、となった。
「……俺、朔夜を慰められたかな?」
「……うん、……充分だよ……」
夢中で行為に浸っていじわるなことまでしたのに、不安そうに聞いてくる槙人がおかしかった。息を切らしながらも笑うと「動かないで」と拗ねた目で見られたので、ごめんと謝る。
「朔夜」
軽い口付けと共に名前を呼ばれ、吐息のような返事をすると「好きだよ」と抱きしめられた。朔夜も抱きしめ返し、しばらく彼の体温を噛みしめる。
ひとの優しさと体温って、こんなに温かいんだな、と思っていたら、全然朔夜から出ていかない槙人に疑問を抱いた。
「……槙人?」
「ん?」
不審に思って彼の顔を覗き込むと、槙人は笑って唇を啄んでくる。
「……みんなに怒られるかな? 明日、動けなかったらごめんね?」
そしてそんなことを言うので、まさか、と朔夜は慌てる。全然抜かないと思ったら、と彼を睨んだけれど、やってくる快感にたちまちそれどころじゃなくなり、甘い嬌声を上げた。
「朔夜。俺、多分朔夜が引くほど独占欲と執着心強いから」
明日の学祭、二人で楽しもうねと言われ、これで一誠に告白して振られる世界線は、完全になくなったんだと嬉しくなる。うん、うん、と嬌声ともつかない声を上げ、朔夜は再び快楽の波にのまれた。
【本編 完】
鼻をすすった槙人も笑う。そして指を抜いた槙人は、触れるだけのキスを落とした。
「朔夜、好きだよ。ずっと好きだった」
「……ありがと」
オレも好き、と朔夜が呟くと、それをきっかけに槙人が入ってくる。熱い楔が内襞を割って入る圧迫感に、朔夜は顔を顰めた。それに気付いた槙人が髪を梳いてくれる。その気遣いが嬉しい。
「痛い?」
互いに息が上がって、その荒くて熱い吐息が顔にぶつかる。それすらも愛撫になり、朔夜は肩を震わせた。胸が切なくなって槙人を抱き寄せると、頬を擦り合わせて軽くキスをくれる。
「痛くは、ない……」
切れ切れの息の合間にそう言うと、槙人は顔に触れるだけのキスをしながら、さらに入ってきた。繋がったところが熱くて、それがなぜか胸をいっぱいにして涙が溢れる。一誠だけを見ていた頃には満たされなかった心が、全部埋まる気がして朔夜はさらに泣いた。
「朔夜……」
動くね、と宣言されて、粘膜を擦られる。後ろも胸も熱くなって喘げば、槙人はかわいい、と頬を撫でてくれた。その優しい手つきと声に、こんなにも愛されていたのに、どうして気付かなかったのだろう、と何度でも後悔する。
「槙人……槙人っ、オレを好きになってくれてありがとう……!」
「ん……」
槙人は微笑んで身体を起こした。それが少し寂しいと思っていたら、濡れそぼった朔夜の熱を撫でながら、槙人は再び動き出す。
「……っあ!? やだ……ッ!」
前と後ろを同時に責められ、一気に思考が霞んだ。すぐに熱が弾けたのを感じ、枕を握って首を逸らし、その快感に耐える。
「ああ、……あ! や……っ、……槙人……っ!」
しかもこともあろうに槙人は、朔夜の腹に飛んだ体液を塗りつけながら再び動き出した。羞恥心と快感に身を捩り、やめてと訴えるも彼は目を細めて笑っている。
「かわいい、朔夜……」
そしてまた、萎えかけた性器を握られた。後ろを穿ちながら優しくそこを撫でられ、敏感になった朔夜はその刺激に悶えるしかない。苦しいけれど、これ以上ないくらい気持ちよかった。
だめ、おかしくなると訴えれば、やめていいの? といじわるな言葉が返ってくる。それに対して何て返したか、いっぱいいっぱいだった朔夜は覚えていない。
やがて槙人は動きを止めた。顔を顰めて息を詰めたから達したのだろうと思ったら、中がじわりと熱くなる。はあ、と息を吐いてくたりともたれかかってきた槙人の背中を撫でると、湿った肌にまた胸がきゅう、となった。
「……俺、朔夜を慰められたかな?」
「……うん、……充分だよ……」
夢中で行為に浸っていじわるなことまでしたのに、不安そうに聞いてくる槙人がおかしかった。息を切らしながらも笑うと「動かないで」と拗ねた目で見られたので、ごめんと謝る。
「朔夜」
軽い口付けと共に名前を呼ばれ、吐息のような返事をすると「好きだよ」と抱きしめられた。朔夜も抱きしめ返し、しばらく彼の体温を噛みしめる。
ひとの優しさと体温って、こんなに温かいんだな、と思っていたら、全然朔夜から出ていかない槙人に疑問を抱いた。
「……槙人?」
「ん?」
不審に思って彼の顔を覗き込むと、槙人は笑って唇を啄んでくる。
「……みんなに怒られるかな? 明日、動けなかったらごめんね?」
そしてそんなことを言うので、まさか、と朔夜は慌てる。全然抜かないと思ったら、と彼を睨んだけれど、やってくる快感にたちまちそれどころじゃなくなり、甘い嬌声を上げた。
「朔夜。俺、多分朔夜が引くほど独占欲と執着心強いから」
明日の学祭、二人で楽しもうねと言われ、これで一誠に告白して振られる世界線は、完全になくなったんだと嬉しくなる。うん、うん、と嬌声ともつかない声を上げ、朔夜は再び快楽の波にのまれた。
【本編 完】
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