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第1章

168 ウリエンとエリザベス

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ウリエン兄上とエリザベス姉上が帰ってきた。姉上は四月から五年生、最後の学年なので相談がてら帰ってきたらしい。

「よく帰ってきたな。元気そうで何よりだ。」

「ただいま。みんな元気そうでよかったよ。何かすごいことになってるみたいだね。」

「内緒だが、カースがやらかしてな。それがキッカケで時代が動き出したようだ。」

「あんた何やったのよ? 白状しなさいよ。」

姉上は相変わらず強引だな。

「まあ待てエリ。その話は後だ。それよりお前だ、魔法学院には行けそうなのか?」

「ふふっバッチリよ! ダントツよ! トップなのよ! これで胸を張って魔法学院に行けるわ!」

「やるわね。さすがエリだわ。お母さんは嬉しいわよ。」

「母上のお陰よ。ありがとう。」

それから父上はここ数年の出来事を二人に説明していった。
・オディ兄の右腕切断
・私の活躍?
・魔女の噂
・グリードグラス草原の開拓
・私とアレクの関係

「色々なことがあったんだね。カースも頑張ってるんだね。えらいぞ。」

兄上に褒められた。えへへ。

「そんなことより兄上の話を聞かせてよ。王都ってどうなの?」

「うーん、話すほどのことはないかな。あ、でもお祖父様とお祖母様には会ったよ。母上のご両親だね。」

「二人とも元気にしてた? ちゃんと行ってくれたのね。ありがとうウリエン。」

「元気そうだったよ。初めて会う従兄弟もいたしね。ここに住めって言われちゃったよ。寮があるから断ったけど。」

「ふふっ、好きにしていいわよ。兄上と子供達も元気そうなのね。」

そうか、母上の実家は王都にあるのか。そして家督を継いだのは母上の兄なんだな。
とうぜん従兄弟もいるってことか。いつか会うことになるのかな。楽しみだ。

「あいつら従姉妹なのに兄上に色目を使ってくるのよ! 私にも近寄って来るし!」

姉上は本当に相変わらずだな。従兄弟同士仲良くしようぜ。それよりも、姉上ったら領都からはるばる王都に行ったのか? 兄上禁断症状でも出たのか?

「その辺りはお前達のやりたいようにやればいいさ。付き合うなり、叩きのめすなりな。」

父上も過激だな。
母上に実家があるなら父上にも実家があるはずだ、どちらも興味深いな。

「さあエリ。お風呂に入りましょうか。母子水入らずよ。」

その間私達は兄上から王都の話をあれこれ聞いた。しかも、またお土産にベストを貰ってしまった。そろそろ補修も限界だったから嬉しい!
なぜか明日のテスト結果発表が楽しみになってきたぞ! わくわくだな。



一方、風呂にて。

「なかなか上達したようね。これなら魔法学院に行っても安心ね。カースにも言ったことだけど毒には気をつけなさい。貴女にも効かないとは思うけど。」

「うん。頑張ってるから。毒ってやっぱり兄上関係で?」

「そう。私はアラン関係だったわ。後で対策を教えてあげるわ。でもまあ結局は全員殺せばいいだけよ。相手が如何に上級貴族であろうとも引いてはだめよ? 王都では引いたら負け、毒を盛られても死んだ方が負けなのよ。」

「やっぱり王都は怖いのね。私負けないわ。」

こうして母子は和やかに入浴をしていた。
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