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第1章

167 テストとエルネスト

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さて、エルネスト君だがなんと冒険者になってしまった。つまり私の同期になる。
本人からは、
「カース君のお陰で決心がついたよ。これからも相談すると思うけどよろしくね!」
なんて言われてしまった。
もちろんイボンヌちゃんは登録していない。それだけにアレクも登録していることを伝えたら驚かれてしまった。
上級貴族といえども貴族らしい生き方ができるとは限らない、厳しい世の中だ。
エルネスト君は確か四男だったかな。

冒険者なんて食い詰めて他にできることがない底辺がやる仕事だぞ?
十等星の死亡率を知らないのか?

当のイボンヌちゃんは一つ年上の上級貴族に接近しているらしい……アレク情報だ。
こんなことを聞いてしまったらエルネスト君達二人の昼食が空々しく感じてしまう。
知らぬは本人ばかりなり……か?



さて、今日は学年末テストの日だ。
さすがに年一回のこれを休んでしまうのはまずい。真面目に受けるのだ。

一時間目、国語。
神代文字の読み書きと、詩・短歌の読解だ。
難しい!

二時間目、算数。
かけ算・わり算だ。超簡単。

三時間目、魔法。
理論と実技が半々。楽勝。

そして昼休み。

セルジュ君が、
「国語難しくなかった?」

私もそう思う。
「難しかったよね。問三の答え何にした?」

サンドラちゃんが、
「あれは引っかけよ。正解は五、騙されないでよ。」

「え? そうなの? 私、三を選んでしまったわ!」
アレクは引っかかってしまったようだ。私もだ。意外なことにスティード君は引っかかってないらしい。


四時間目、社会。
王国法と天測。難しい!

五時間目、体育。
槍術の理論と実技が半々。
理論がよく分からなかった……

結果発表は明日。
教科ごと、そして合計点の順位が発表される。
少しドキドキする。



家に帰ってみれば、なんとウリエン兄上とエリザベス姉上が帰ってきていた。
何年振りだろう。
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