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第1章

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例年より短い冬が終わり、また春が来た。
エリザベスは五年生となり、人生の岐路が近づいていた。

「いよいよエリは五年だな。どうだ?
進路については考えているか?」

「ええ父上、私王都の魔法学院を目指すわ。」

「何!? あそこは学校を出たばかりの者が行けるとこじゃないぞ?
各地の魔法学校をトップで卒業した者だけが行ける所だぞ?」

「分かってるわよ。だから行くのは領都の魔法学校を卒業してからよ。」

「だよな。びっくりしたぞ。それなら順当なところだ。
いやいや、それでも厳しい道だぞ。」

「まあまああなた。エリがこう言ってるんですから勝算があるんだわ。」

「それはそうか、どうだエリ? 行けそうなんだな?」

「もちろんよ。兄上と同じ、評定はバッチリだし、筆記も自信あるわ。となると後はやっぱり実技だけ。
母上に鍛えてもらえばバッチリだわ。」

「そう。それなら厳しくしないといけないわね。経絡魔体循環からやり直しね。」

「うっ、そうよね。基礎が大事だもんね。
母上お願いします!」

「そうと決まれば明日から開始だな。私の出番はないかも知れないが、何かあったら言うんだぞ。」

「うん、父上もありがとう。領都には兄上もいるし、頑張るわ。
何よ兄上ったら試験の時期に帰ってくるって言ったのに。
きっと悪い女に引っかかってしまったんだわ。
早く私が行って虫を殺さないといけないわ。」

「おいおい、一年目から帰れるわけないだろ。そんな暇があるわけないさ。騎士学校の厳しさを舐めるなよ。
たぶん魔法学校も一緒だろうがな。領都に行ったからって会えると思うなよ。」

「そうよエリ、魔法学校をただ卒業するだけならまあまあ簡単だけど。魔法学院枠を狙うならかなり大変よ。
魔力が枯渇するギリギリまで使って、回復する時間を利用して魔法論などの勉強をするのよ。」

「わ、分かってるわよ。やってみせるわ。」



姉上もがんばるんだなー。
魔法学院に魔法学校かー、厳しいんだろうな。私は行きたくないな。
オディロン兄はどうするんだろうか。
私は気楽に魔力放出をがんばろう。
少し実験したいこともあるしな。
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