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普通に話してた人が予想以上にえらい人だった時のこの感じ

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 リサが虫でも払うように手首を返す。

 それと同時に何かが霧散したような感覚。

 俺も少し魔力を感じれるようになってきてるっぽいな。

「うええっ!? メロー隊長!? なんでクロウさんもいるんっすか!?」

 いい反応するなあ、緑。

「久しぶりですね、ミリア。副隊長は中ですか?」

「あっ、はい! 見下ろしてしまい申し訳ありません! 中で待機してます!」

 そうだ、ミリアだミリア。

「少し問題が起こりました。説明しますから降りてきて下さい」

「はい!」

 こいつ、リサ相手には態度が全然ちがうな。大慌てで砦の中に入っていきやがった。

「私達も入りましょう。クロウくん」

 リサからあふれ出る、できる女上司感。さっきの姿とのギャップに眩暈がしそうだよ。

 そんなリサが砦の扉に近づくと扉が開く。自動ドア、の訳はないか。メイアが開けてた。

 そうかあ、リサってほんとに偉い人なんだな。こんな人のおっぱいを初対面で掴んだのか、俺。

 中に入ると、ゆっくりと扉を閉めてくれる。

 正面の4人掛けのテーブルで立ち上がったリーゼ、その後ろに結局降りてきたミリア。扉を閉めたメイアもやってきてミリアの隣に並ぶ。

「なにがあった、隊長」

 リーゼの鋭い声。

「なにかあるかもしれない、というところです。先輩」

 先輩?

 そんな俺の困惑はよそに、椅子へと腰掛けるリサ。

「部下の前だ。からかうな」

 リーゼも向かい合うように座る。

 この2人、先輩後輩? それもなんか仲良さそうだし。あとリサ、属性盛りすぎじゃないか?

「なんだ?」

 リーゼに睨まれた。キスマークつけて、そんな顔しても怖くないぞ。

 あ、目そらした。顔を赤くしやがって、可愛いやつめ。

「クロウくん、座ってくれますか?」

 あー、座るのはいいんだけど、椅子が1個たりなくないか?

 とか思ってたら、緑と青は当前のようにリーゼの後ろで真っ直ぐ立ってる。

 そうかあ、そうだよなあ、後ろに立つよな。部下だもんね。

「何を呆けている貴様」

「いや、ミリアとメイアを見直してた。ちゃんと、しっかりしてるんだな、2人とも」

「何を言っている」

 怪訝そうな顔のリーゼ。リサも不思議そうにしてる。

 仕方ないだろ、緑と青の第一印象最悪だったんだから。

 とりあえず、リサの隣に座ろう。

「まあいい。それで、なにかあるかもしれないというのは、どういうことだ?」

 さっきのやりとりがあっても、緑と青は微動だにしない。えらい。

「信じ難い話ですが……。クロウくんに、神殿が接触するかもしれません」

「神殿だと!?」

 うおう、びっくりした。

「そうか、昼の揺り籠……、あれか。様子がおかしかったが、貴様、あの時なにかあったな」

 おおう、ビンゴです。そんなに様子がおかしかったか、俺。

「ごめん。その通りだ。どうするべきか判断できなくて話せなかった」

 さすがに俺を睨むリーゼの眼がきつい。

 なにも言わなかったのはまずかったと思ってはいたんだよ。ほんとごめんね。

 ぐっ、そういう溜息は心に刺さるな……。

「まあいい。結果として貴様の判断は間違っていなかったんだろう。気分は悪いがな」

 おお、許された。

「ありがとう。本当にすまない」

「もういい。それより、詳しい話を聞かせてもらえるんだろうな」

 詳しい話か。どこから話したもんかな……。

 困ってリサを見ると、目が合った。

「クロウくん。3人に揺り籠の件を、いえ、最初にクロウくんの世界や身体のことを話してもらえますか?」

 まずはそこからか。また保健体育の時間だなあ。

「ああ、わかった」

 寝物語じゃなくて悪いな、リーゼ。
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