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意外に子供好きってぐっときませんか

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 まあ、いいよ。無許可中出しは酷いと思うし。やるけど。やめないけど。

「なあ、メル。そろそろ代わろうぜ。あたしも抱っこしたい」

「ん、わかった」

 話が一区切りしたところで、赤ん坊を抱く係を交代する2人。

 手際がいい。

「んふふ、かぁいいなぁ。赤ちゃんはなんて名前になんだろうなぁ」

 もぞもぞ動く赤ん坊にデレデレのエルダ。正直、意外だ。すごくいいと思うけど。

「なんか扱いに慣れてるな。お前ら」

「揺り籠なんて珍しくもねえしな」

 珍しくないっ,あんなのがぽんぽん出てくるのか……。

 結局、神殿や揺り籠ってなんなんだ。人を襲うとか言ったって、結果的に子供を提供してるわけだし。
 人間が滅びないように遠まわしに援助してるようにしか思えない。

 攻撃した罰として神殿は使わせないけど、滅びないようにはしてやるってことなのか?

 ツンデレなのか?

「なあ、神殿が使えなくなった時の話しに出てくる御使いって、揺り籠のことなのか?」

「わからない。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

「どういうことだ?」

「話が残ってるだけで、実際に見た人が残らなかった」

 じゃあ、誰が話を残したんだよ。

「別じゃねえかって言われてるけどな。揺り籠は強えけど、国を滅ぼすってほどじゃねえし」

「たしかにリーゼは、あっさり倒してたな」

「あれは例外。でも、動きは遅いから5人もいれば余裕」

 5人がかりか。けっこう強いぞ、それ。

 でも、そうか。

「結局、神殿絡みはわからないことばかりってことか」

「だな、調べようもねえし」

 そんなよくわからない奴らが、俺を探してた。そしてさっき見つかってしまったと。

 どうなるだろう、これ。俺を狙ってくるか? なにかしらの接触はあると思った方がいいだろうな。

 その時にフィーオウに攻撃したりするだろうか。神殿を攻めた国みたいに滅ぼされたりは……。

 それはない気がする。根拠はないけど。でも、俺をどうこうするついでに街を攻撃するような奴らだったら、もうとっくに滅んでると思うんだよな。この世界。

 けど、最悪の事態は想定しておいたほうがいい。俺を狙って大量の揺り籠が攻めてくるとか。いや、その御使いが直々に出てくる可能性もあるのか。

 そうなったら……、うん。駄目だ。俺に対処できるレベルを超えてる。

 あ~、どうしようこれ。もういっそ1人で誰にも迷惑かけないところに行くか。その神殿に乗り込むとか。

 それはありかもしれない。

 なんで俺がここにいるのかは知っておきたいし、帰る方法があるのなら……。

「くろうさん、どうしたの?」

 メルか。そんな心配そうな顔するなよ。

「ああ、ちょっと。察しがいいよな、お前」

「ん。人の顔色をうかがうのは得意。なにかあった?」

 言い方悪すぎ。結構すぐ自虐にもっていくな、こいつ。

「あ~、いや、ちょっと聞きたいんだが、揺り籠って喋るか?」

「喋らない」

「喋るなんて聞いたことねえな」

 やっぱりか。喋ったりしなさそうだもんな、あれ。

「揺り籠はゴーレムみたいなもの。自我はないから喋ったりはしない」

「それは、誰かが調べたのか?」

「ううん。なんとなくわかる。たぶん、揺り籠の場所がわかるのと同じものなんだと思う」

 なんなんだ、オーデール家って。まぁ、とりあえずそれは置いとこう。

「そうか。それだと信じられないかもしれないけど、さっきの揺り籠が喋ったんだよ。たぶん……、いや、間違いなく俺に向かって」



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