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ちゃんと子供が作れるとすると俺は何児の父になるんだろう
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やっちゃったなぁという気持ちはあるけど、しょうがないだろ。やりたいんだし。
呆れたように、というか、諦めたように俺を見る2人。いつの間にか、メルは布を抱っこ紐のようにして赤ん坊を抱いている。
「メル、その布、どうしたんだ?」
「いま、メイア? 青い髪の人にもらった」
そういうことか。いまから2時間くらい歩くし、あった方がいいよな。そういうの。
布に包まれた赤ん坊を覗き込むと、大人しく寝息を……たててない。
え? なにこれ、息してる? 生きてるの?
「なあ、この子、息してるか? 大丈夫なのか?」
「息なんてするわけねえだろ」
「はあ!?」
しないわけないだろ!
「くろーさん。さっき見せた胎盤。あれがあれば息しなくても平気。切り離すか胎盤がダメになれが勝手に泣き出すから」
そういうもんなのか。
「びっくりさせんなよ。エルダ」
「だって知らねえなんて思わねえよ」
むくれんな。くそ、ちょっと可愛いな。
「じゃ、帰るか。あと、うん。ごめんな」
悪いとは思ってるんだよ。一応は。
「いい。最悪、愛人はわたしが管理する。増えすぎたらメローにも手伝わせたらいい」
「あたしはそういうのやりたくねえなぁ」
「大丈夫。最初から姉さんには期待してない」
なんかもう後宮とか大奥のノリだな。
3人でフィーオウに向かって歩き出す。いや、赤ん坊がいるから4人か。
「それで、揺り籠について聞いていいか?」
歩きながら気になっていた疑問をきりだす。
「うん。それだと神殿の話からしないといけない」
「あ、それはリサに聞いた」
寝物語にな。
「むぅ」
こんどはメルがむくれた。うーん、メルがやると素直に可愛いと思えるんだよな。この差はなんだろう。
「どこまで聞いたの?」
「神殿が使えなくなって、子供を産めるようになったってとこまで」
「ほとんど聞いてんじゃねえか、それ」
あの時は子供の作り方がメインだったんだよ。保健体育。
「神殿が使えなくなってすぐ、揺り籠が出るようになった。見境なく人間を襲うから、最初は大変だったらしい」
「よくそれで、出てきた子供を育てようなんて思ったな」
「最初は色々あったみたい。それでも、この子達を取り込まないと人口がどんどん減っていくから」
「それに、なんだかんだ言って、赤ちゃんは可愛いかんな」
ふにふにと赤ん坊の頬を突くエルダ。そんなに子供好きなのか、こいつ。
「差別みたいなのはないのか? 迫害されたりとか」
「昔はあったみたい。けど、いまはないと思う。赤い髪の子は優秀だから」
赤い髪?
「赤い髪ってもしかして……」
「うん。揺り籠から出てきた子は、みんな真っ赤な髪。だから一目でわかる」
「遺伝もしねえしな。赤髪」
貴族から赤い髪が出ないって、そういうことだったのか。
いや、ちょっと意外だった。
「じゃあ、あの時の女騎士とか、ギルドのカミラなんかも?」
「そう、揺り籠の子。本人も周りも普通だったでしょ?」
女騎士はしらんが、確かにカミラは普通だった。なんかすごいな。何がすごいかはわからんけど。
「なんというか、普通のことなんだな。この世界では」
「そう普通のこと。くろーさんの世界は?」
俺の世界かぁ。まあ、子供の作り方を話すにはいい機会かな。
リサの時と同じように、保健体育の授業。
やっぱり生理の話は、2人にも衝撃だったらしい。
あと、なにも考えずに中出ししてごめんね。
「え、じゃあ、メルとあたしって妊娠してんのか?」
「わからん。まあ、お前らが欲しいって思わなければ絶対できないとは思うけど。もしできてたら産んでくれ」
欲しいと思ったらできるかも、まだわかんないしな。
「ん、わかった。でももう少し先がいい」
「あたしは、すぐにでも産みてえなぁ。けど動きづらくなっちまうよなぁ」
「落ち着くまで我慢して。落ち着いたら作ろう」
よかった。受け入れてくれた。正直、怒ると思ってた。
「なんか、ごめんな」
「そんなん今更だろ。メルもあたしも、もうくろーがいねえとやだし。ひでえなぁとは思ったけど」
「うん。いつか、わたしか姉さんが、くろーさんと子供を、とは思ってた。2人一緒に子供を産めるのは嬉しい。酷いとは思うけど」
ごめんね! でも元を正せばお前らが悪いんだからな!
呆れたように、というか、諦めたように俺を見る2人。いつの間にか、メルは布を抱っこ紐のようにして赤ん坊を抱いている。
「メル、その布、どうしたんだ?」
「いま、メイア? 青い髪の人にもらった」
そういうことか。いまから2時間くらい歩くし、あった方がいいよな。そういうの。
布に包まれた赤ん坊を覗き込むと、大人しく寝息を……たててない。
え? なにこれ、息してる? 生きてるの?
「なあ、この子、息してるか? 大丈夫なのか?」
「息なんてするわけねえだろ」
「はあ!?」
しないわけないだろ!
「くろーさん。さっき見せた胎盤。あれがあれば息しなくても平気。切り離すか胎盤がダメになれが勝手に泣き出すから」
そういうもんなのか。
「びっくりさせんなよ。エルダ」
「だって知らねえなんて思わねえよ」
むくれんな。くそ、ちょっと可愛いな。
「じゃ、帰るか。あと、うん。ごめんな」
悪いとは思ってるんだよ。一応は。
「いい。最悪、愛人はわたしが管理する。増えすぎたらメローにも手伝わせたらいい」
「あたしはそういうのやりたくねえなぁ」
「大丈夫。最初から姉さんには期待してない」
なんかもう後宮とか大奥のノリだな。
3人でフィーオウに向かって歩き出す。いや、赤ん坊がいるから4人か。
「それで、揺り籠について聞いていいか?」
歩きながら気になっていた疑問をきりだす。
「うん。それだと神殿の話からしないといけない」
「あ、それはリサに聞いた」
寝物語にな。
「むぅ」
こんどはメルがむくれた。うーん、メルがやると素直に可愛いと思えるんだよな。この差はなんだろう。
「どこまで聞いたの?」
「神殿が使えなくなって、子供を産めるようになったってとこまで」
「ほとんど聞いてんじゃねえか、それ」
あの時は子供の作り方がメインだったんだよ。保健体育。
「神殿が使えなくなってすぐ、揺り籠が出るようになった。見境なく人間を襲うから、最初は大変だったらしい」
「よくそれで、出てきた子供を育てようなんて思ったな」
「最初は色々あったみたい。それでも、この子達を取り込まないと人口がどんどん減っていくから」
「それに、なんだかんだ言って、赤ちゃんは可愛いかんな」
ふにふにと赤ん坊の頬を突くエルダ。そんなに子供好きなのか、こいつ。
「差別みたいなのはないのか? 迫害されたりとか」
「昔はあったみたい。けど、いまはないと思う。赤い髪の子は優秀だから」
赤い髪?
「赤い髪ってもしかして……」
「うん。揺り籠から出てきた子は、みんな真っ赤な髪。だから一目でわかる」
「遺伝もしねえしな。赤髪」
貴族から赤い髪が出ないって、そういうことだったのか。
いや、ちょっと意外だった。
「じゃあ、あの時の女騎士とか、ギルドのカミラなんかも?」
「そう、揺り籠の子。本人も周りも普通だったでしょ?」
女騎士はしらんが、確かにカミラは普通だった。なんかすごいな。何がすごいかはわからんけど。
「なんというか、普通のことなんだな。この世界では」
「そう普通のこと。くろーさんの世界は?」
俺の世界かぁ。まあ、子供の作り方を話すにはいい機会かな。
リサの時と同じように、保健体育の授業。
やっぱり生理の話は、2人にも衝撃だったらしい。
あと、なにも考えずに中出ししてごめんね。
「え、じゃあ、メルとあたしって妊娠してんのか?」
「わからん。まあ、お前らが欲しいって思わなければ絶対できないとは思うけど。もしできてたら産んでくれ」
欲しいと思ったらできるかも、まだわかんないしな。
「ん、わかった。でももう少し先がいい」
「あたしは、すぐにでも産みてえなぁ。けど動きづらくなっちまうよなぁ」
「落ち着くまで我慢して。落ち着いたら作ろう」
よかった。受け入れてくれた。正直、怒ると思ってた。
「なんか、ごめんな」
「そんなん今更だろ。メルもあたしも、もうくろーがいねえとやだし。ひでえなぁとは思ったけど」
「うん。いつか、わたしか姉さんが、くろーさんと子供を、とは思ってた。2人一緒に子供を産めるのは嬉しい。酷いとは思うけど」
ごめんね! でも元を正せばお前らが悪いんだからな!
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