【R18】抑圧された真面目男が異世界でハメを外してハメまくる話

視線で人が殺せるなら百回は死んでるんじゃないかな

「あっ、おはようございます！」

　今日はカミラと、コレットちゃんだけか。相変わらず俺を殺しそうな目で見てくるな、コレットちゃん。

「おはよう。今日もガラガラだな。ここ」

「もう皆さん出てしまった後ですから。民兵の朝は早いんですよ」

　まだ朝って言っていい時間なんだけどな。やっぱ時間間隔が違うなぁ。

「メルさん、エルダさん。フィーオウの生活はどうですか？」

「ん。いまのところ快適」

「いい宿に泊まらせてもらってっからな」

「ふふっ、良かったです」

　この子はいい子だなぁ。正統派ヒロイン感がある。

「今日は、お仕事を受けに来てくれたんですよね？」

「ああ、そのつもりだったんだけど、ちょっと遅かったか？」

「そうですねぇ。ほんとは遅いんですけど、クロウさん達には新人向けの任務があるから大丈夫ですよ」

　ほほお、研修みたいなもんかな。

「えっと、ちょっと座って待っててくださいね。すぐ準備してきます」

　そう言って、奥にある扉へと入っていくカミラ。昨日、認識票を作るときにクロエが入ってった部屋だな。

「なぁ、くろー、すげえ目でみられてんぞ」

　知ってるよ。言うなよ。怖いから。昨日より怨念が濃い気がするよ。

　お、カミラ出てきた。

「すいません、お待たせしました。この札を持って、東にある砦に行ってください。サインを貰って持って帰ってきてくれれば任務達成です」

　差し出されたのは木製の札。

「そんなことでいいのか？」

「はい。砦の位置関係を知ってもらうためのものですから。東の砦は歩きで半日もあれば往復できます。報酬は1人あたり銀貨5枚です」

　銀貨5枚がよくわからん。5千円から1万円？　でも服のこと考えると、あんまり日本円換算しても意味ないよな。

「わかった。砦の誰にサインをもらうかとかは決まってる？」

「いえ、特に決まってません。正規兵なら、任務で来たことを伝えればわかるはずです」

　せいきへい？

「俺は生きて帰れないかもしれない……」

「大丈夫、くろーさん。私とエルダが命乞いする」

「くろーのためなら靴だって舐めてやるよ！」

　三年の月日は高位貴族をここまで変えるのか。ひどいな。

「いえ、砦は5日交代で、今日が4日目ですから。まだメロー隊長の家から朝帰りしたことは伝わってないはずです」

「待て待て待て待て待て！」

　最新情報じゃねえか！

「どうしました？」

　どうしました、じゃねえよ！　案外、毒あるな！

「今朝のことなのに、なんで知ってる？」

「そりゃ、朝の忙しい時間に、大通りでメロー隊長の馬車から降りたら、あっという間に噂になりますよ」

　ああああ、そこまで考えてなかったぁ！

「ふふふっ、でも上手くいったんですね。メロー隊長のことも幸せにしてあげてくださいね」

　するよ！　するけどさ！　ああ、コレットちゃんの方を見れない。恐ろしい。

「まぁ、いいや。リサはもう俺のだし。覚悟を決めよう」

「リサ！？　リサって呼んでるんですか！　きゃー！」

　うん、バキって音したね。コレットちゃん、ペン握り折ったんだ。握力強いね。

「くろーさん、なんで墓穴を深くするの？」

「もう、言っといた方が楽だろ」

「どうなっても知んねえぞ……」