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無事マウントがとれました
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槍というのはとても強い武器だ。
銃火器や飛び道具を除けば、間違いなく最強だと思う。
間合いが長く、間合いを維持しやすく、突きは速く、鋭く、慣れれば細かい動作だっていくらでもできる。
隙らしい隙と言えば、槍を突き出すほんの一瞬だけ。しかも極論を言うと槍なんて突き出す必要すらない。ただ動く相手の前に穂先を置くだけでいい。
そんな相手にどうやって間合いを詰めるのか。まぁ、できるわけがない。
「リサ、こないのか?」
「先手は譲りますよ。クロウ君」
それ、的になれって言ってるようなもんだからな。
誘いにのって右足を踏み出すと、その足へ鋭い突きが放たれる。えぐい事するな。
左へずらして避ける。すぐさま左へ払われるので足を上げる。と、突然軌道がかわって、股間目掛けて跳ね上がる。短棒で左へ弾いて距離を取る。
これが怖いんだよ、長物は。
テコの原理を使って他の武器では考えられないような軌道で襲ってくる。こんなもの絶対に所見では対応できない。俺は血反吐を吐くほどの経験があるから対応するけど。
「流石ですね。ここまで見事に捌かれるとは思いませんでした」
「うん、リサもすごいな。俺の予想より二、三枚は上だ」
ちなみに、開始直後から俺とリサは見つめ合ったままだ。ようは、目線で攻撃を読むことはお互いにできない。
「ありがとうございます。でも、その短い棒でどうするつもりですか?」
「どうすると思う?」
「わからないので、教えてくれますか?」
言うと同時に槍先が胴へと迫る。右へと弾くと次の瞬間には目の前に槍先がある。
はっや!と内心は驚きつつも平静を装って捌き、後ろへと下がる。追撃はない。
「どうしました、クロウ君。下がってばかりでは攻撃できませんよ?」
おうおう、煽ってくるな。構えてる棒が邪魔なんだろ?どうやっても捌かれるような気がするんだろ?
「ん、ずいぶん煽るけど、自慢の突きを捌かれて悔しいのかな?」
煽り返しながら少しだけ構えた棒をずらす。
「言いますね」
ずらしてできたスペースへ槍が入ってくる。
乗ってきた。右に避けつつ間合いを詰める。が、当然リサも槍を引きつつ後ろへ下がる。間合いは変わらない。引ききった槍先が俺の脇腹の前に置かれ…。
「ぐっ…」
リサの槍を握る右手、親指の付け根あたりに俺の短棒が突き刺さった。
それでもなお槍を引くが穂先はぶれる。狙いの定まらない槍へと短棒を叩きつけ、取り落とした槍を踏みつける。
パーンと、槍にが地面に叩きつけられる音が響いた。
「参りました…」
右手を押さえ、俯くリサ。
「悔しいですね。狙いはわかっていたのに…」
慰めの言葉はかけない。リサが俺の誘いに乗ったのも、いや乗るしかなかったのも実力に差があるせいだ。ただ…。
「リサにはまだ伸びしろがあるよ。俺が伸ばす」
単純な対人経験の不足っぽい。何回かやれば俺も槍じゃないと勝てなくなるだろ。
「本当ですか!?」
「本当。それより手を見せて」
おずおずとリサが手を差し出す。
上手く加減できたと思ってたけど、やっぱり皮は破れてるし痣になりそうだ。
「謝ったら駄目だけど、やっぱりやりすぎたって感じがするな」
「謝ってほしくはないですね…。それに…」
リサの傷口に何かが集まるような感じがすると、みるみるうちに傷が塞がり始める。
「えええ!すごいな!」
「ふふっ、回復魔法です。このくらいは簡単ですよ」
と言いつつも少し自慢気だ。
ん?まてよ。
「なあ、リサ。なんで昨日使わなかったんだ?これ」
銃火器や飛び道具を除けば、間違いなく最強だと思う。
間合いが長く、間合いを維持しやすく、突きは速く、鋭く、慣れれば細かい動作だっていくらでもできる。
隙らしい隙と言えば、槍を突き出すほんの一瞬だけ。しかも極論を言うと槍なんて突き出す必要すらない。ただ動く相手の前に穂先を置くだけでいい。
そんな相手にどうやって間合いを詰めるのか。まぁ、できるわけがない。
「リサ、こないのか?」
「先手は譲りますよ。クロウ君」
それ、的になれって言ってるようなもんだからな。
誘いにのって右足を踏み出すと、その足へ鋭い突きが放たれる。えぐい事するな。
左へずらして避ける。すぐさま左へ払われるので足を上げる。と、突然軌道がかわって、股間目掛けて跳ね上がる。短棒で左へ弾いて距離を取る。
これが怖いんだよ、長物は。
テコの原理を使って他の武器では考えられないような軌道で襲ってくる。こんなもの絶対に所見では対応できない。俺は血反吐を吐くほどの経験があるから対応するけど。
「流石ですね。ここまで見事に捌かれるとは思いませんでした」
「うん、リサもすごいな。俺の予想より二、三枚は上だ」
ちなみに、開始直後から俺とリサは見つめ合ったままだ。ようは、目線で攻撃を読むことはお互いにできない。
「ありがとうございます。でも、その短い棒でどうするつもりですか?」
「どうすると思う?」
「わからないので、教えてくれますか?」
言うと同時に槍先が胴へと迫る。右へと弾くと次の瞬間には目の前に槍先がある。
はっや!と内心は驚きつつも平静を装って捌き、後ろへと下がる。追撃はない。
「どうしました、クロウ君。下がってばかりでは攻撃できませんよ?」
おうおう、煽ってくるな。構えてる棒が邪魔なんだろ?どうやっても捌かれるような気がするんだろ?
「ん、ずいぶん煽るけど、自慢の突きを捌かれて悔しいのかな?」
煽り返しながら少しだけ構えた棒をずらす。
「言いますね」
ずらしてできたスペースへ槍が入ってくる。
乗ってきた。右に避けつつ間合いを詰める。が、当然リサも槍を引きつつ後ろへ下がる。間合いは変わらない。引ききった槍先が俺の脇腹の前に置かれ…。
「ぐっ…」
リサの槍を握る右手、親指の付け根あたりに俺の短棒が突き刺さった。
それでもなお槍を引くが穂先はぶれる。狙いの定まらない槍へと短棒を叩きつけ、取り落とした槍を踏みつける。
パーンと、槍にが地面に叩きつけられる音が響いた。
「参りました…」
右手を押さえ、俯くリサ。
「悔しいですね。狙いはわかっていたのに…」
慰めの言葉はかけない。リサが俺の誘いに乗ったのも、いや乗るしかなかったのも実力に差があるせいだ。ただ…。
「リサにはまだ伸びしろがあるよ。俺が伸ばす」
単純な対人経験の不足っぽい。何回かやれば俺も槍じゃないと勝てなくなるだろ。
「本当ですか!?」
「本当。それより手を見せて」
おずおずとリサが手を差し出す。
上手く加減できたと思ってたけど、やっぱり皮は破れてるし痣になりそうだ。
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「謝ってほしくはないですね…。それに…」
リサの傷口に何かが集まるような感じがすると、みるみるうちに傷が塞がり始める。
「えええ!すごいな!」
「ふふっ、回復魔法です。このくらいは簡単ですよ」
と言いつつも少し自慢気だ。
ん?まてよ。
「なあ、リサ。なんで昨日使わなかったんだ?これ」
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